JPH06293812A - エチレン系重合体及びその製造方法 - Google Patents

エチレン系重合体及びその製造方法

Info

Publication number
JPH06293812A
JPH06293812A JP3851892A JP3851892A JPH06293812A JP H06293812 A JPH06293812 A JP H06293812A JP 3851892 A JP3851892 A JP 3851892A JP 3851892 A JP3851892 A JP 3851892A JP H06293812 A JPH06293812 A JP H06293812A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ethylene
polymerization
polymer
titanium
reacting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3851892A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuhiro Aiba
光弘 相場
Isamu Yamamoto
勇 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Petrochemical Co Ltd filed Critical Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority to JP3851892A priority Critical patent/JPH06293812A/ja
Publication of JPH06293812A publication Critical patent/JPH06293812A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 クリープ寿命が向上し、長期耐久性に優れた
エチレン系重合体を提供する。 【構成】 下記(1)式で定義されるラメラ厚みLC
下記(2)式で定義されるタイ分子分率ft1との積LC
×ft1が15以上であるエチレン系重合体とする。 LC=L×C …(1) (LC:ラメラ厚み、L:長周期、C:DSCで測定し
た結晶化度) ft1=(σB−σw)/(σt−σw) …(2) (ft1:タイ分子分率、σB:77Kにおける引張破断
応力、σw= 8GPa、σt=300GPa)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長期耐久性に優れ、中
空成形品、パイプ、鋼管被覆製品等の成形材料として好
適に使用されるエチレン系重合体及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】中空成
形品、パイプ、鋼管被覆製品等の成形材料に要求される
特性の一つとして、クリープ寿命に代表される長期耐久
性がある。クリープ寿命は、静的荷重を加えられた材料
が破断するまでの時間であり、長期間に亘って静的荷重
を受ける製品の成形材料に求められる重要な特性であ
る。ところが、従来クリープ寿命を支配する樹脂構造に
ついて十分な検討がなされておらず、そのため既存のエ
チレン系重合体はクリープ寿命が短く、長期耐久性が不
十分なものであった。
【0003】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、後述するタイ分子数を指標に用いてクリープ寿命に
代表される長期耐久性に優れたエチレン系重合体を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討を行なった結果、後述する
(1)式で定義するラメラ厚みと(2)式で定義するタ
イ分子分率を指標とすることにより、クリープ寿命に優
れたエチレン系重合体の樹脂構造を特定できることを知
見し、本発明をなすに至った。
【0005】したがって、本発明は、下記(1)式で定
義されるラメラ厚みLCと下記(2)式で定義されるタ
イ分子分率ft1との積LC×ft1が15以上であること
を特徴とするエチレン系重合体を提供する。 LC=L×C …(1) (LC:ラメラ厚み、L:長周期、C:DSCで測定し
た結晶化度) ft1=(σB−σw)/(σt−σw) …(2) (ft1:タイ分子分率、σB:77Kにおける引張破断
応力、σw= 8GPa、σt=300GPa) 本発明で規定したラメラ厚みLCとタイ分子分率ft1
の積LC×ftを指標とすることにより、クリープ寿命に
優れたエチレン系重合体の樹脂構造を予め予測するこ
と、及びかかる重合体を製造することが可能となる。
【0006】以下、本発明を更に詳しく説明する。本発
明のエチレン系重合体は、前述したラメラ厚みLCとタ
イ分子分率ft1との積がLC×ft1≧15のものであ
る。LC×ft1が15未満の場合、クリープ寿命が低下
する。LC×ft1はより好ましくは17以上である。
【0007】ここで、ラメラ厚みLCは、X線回折測定
で得られる散乱強度曲線からエチレン系重合体の長周期
Lを求めると共に、示差走査熱量測定(DSC)で得ら
れる融解曲線からエチレン系重合体の結晶化度Cを求
め、これらの値から前記(1)式に基づいて算出するこ
とができる。この場合、上記長周期Lは、散乱強度曲線
において散乱強度のピーク位置における散乱ベクトルq
を検出し、このqを用いて次式により算出することがで
きる。 L=(1/q)×2π なお、qは次の式の散乱角(x)を測定することで求め
る。すなわち、q=4πsinθ/λ(θ=x/2、
x:散乱角、λ:X線の波長)である。また、上記結晶
化度Cは、融解曲線からエチレン系重合体の融解エンタ
ルピー(△H)を求め、次式により算出することができ
る。 結晶化度C(%)=(△H/完全結晶の融解エンタルピ
ー)×100 本発明のエチレン系重合体において、ラメラ厚みL
Cは、130Å以上であることが好ましい。ラメラ厚み
Cが130Å未満であると、クリープ寿命が低下する
という問題が起こる。
【0008】また、タイ分子分率ft1は、引張試験によ
り得られる荷重−変位曲線からエチレン系重合体の77
Kにおける引張破断応力σBを求め、この値から前記
(2)式に基づいて算出することができる。この場合、
荷重−変位曲線において、最大応力値をσBとすること
ができる。本発明のエチレン系重合体において、タイ分
子分率ft1は、11.0%以上、特に12.0%以上で
あることが望ましい。タイ分子分率ft1が11.0%未
満であると、クリープ寿命が低下することがある。
【0009】本発明のエチレン系重合体は、エチレンの
単独重合体又はエチレンを主体とした共重合体である
が、エチレンとエチレン以外のα−オレフィンとの共重
合体であることが特に好ましい。上記エチレン以外のα
−オレフィンとしては、特に限られないが、炭素数3〜
10、好ましくは3〜6のα−オレフィン、具体的には
プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1
等を挙げることができる。
【0010】また、本発明のエチレン系重合体は、デカ
リン中135℃で測定した極限粘度が7〜20dl/
g、好ましくは10〜15dl/g以上の高分子量成分
を重合割合として10〜20重量%、特に12〜18重
量%含有するものであることが望ましい。さらに、本発
明のエチレン系重合体は、デカリン中135℃で測定し
た極限粘度が2.0〜3.5dl/g、特に2.3〜
3.2dl/g以上であることが好ましい。
【0011】本発明エチレン系重合体の製造方法に制限
はなく、一段重合、多段重合を問わず公知の重合方法に
より製造できるが、2槽以上の連続した重合槽の1つ
で、デカリン中135℃で測定した極限粘度が7dl/
g以上の高分子量成分を10重量%(重合割合)以上生
成させる方法を好適に採用することができる。これによ
り、目的とする特性を有する本発明エチレン系重合体を
良好に得ることができる。
【0012】本発明エチレン系重合体の製造に使用する
触媒としては、例えば、Ti−ZrやTi−Vなどの二
元系遷移金属触媒、TEA/DEACやTIBA/DE
ACなどの混合助触媒及びエステル、エーテル等の第三
成分からなる触媒等が用いられる。具体的には、チーグ
ラー型のもの、例えば特開昭57-12006号公報、特開昭57
-12007号公報、特開昭59-227913号公報、特願昭62-1377
12号などに記載されたものを用いることができる。
【0013】このような触媒としては、例えば、下記
〜に示すものが挙げられる。 (A)少なくともチタン、マグネシウム及びハロゲン
を含有する化合物とテトラアルコキシジルコニウム及び
/又はジルコニウムテトラハライドとを反応させて生成
する固形分に、アルコキシ基を含有してもよいハロゲン
含有チタン化合物を反応させて得られる固体生成物並び
に(B)有機アルミニウム化合物を有効成分とするもの (A)少なくともチタン、マグネシウム及びハロゲン
を含有する化合物とテトラアルコキシジルコニウムとを
反応させて生成する固形分に、有機ハロゲン化アルミニ
ウムを反応させて得られる固体生成物並びに(B)有機
アルミニウム化合物を有効成分とするもの (A)少なくともチタン、マグネシウム及びハロゲン
を含有する固体触媒成分並びに(B)有機アルミニウム
化合物を主成分とするもの (A)マグネシウムジアルコキシドとチタンテトラア
ルコキシドとの混合物をイソプロパノール等のアルカノ
ールと接触させてマグネシウム含有固体複合体を生成さ
せ、次いでこれにジルコニウムテトラアルコキシド又は
ジルコニウムテトラハライドあるいはその両方を反応さ
せた後、得られた反応生成物にさらに有機ハロゲン化ア
ルミニウムを加えて反応させることにより調製した固体
触媒成分及び(B)有機アルミニウム化合物成分からな
るもの これらの中では、特にZrとTiのモル比を0.5〜2
0としたものが好ましい。
【0014】前述した少なくともチタン、マグネシウム
及びハロゲンを含有する化合物としては、例えば、酸化
マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウ
ム、硫酸マグネシウム、ハロゲン化マグネシウム等のマ
グネシウム無機化合物にハロゲン化チタンを反応させて
得られる固体物質、各種のマグネシウム化合物にハロゲ
ン化けい素、アルコール及びハロゲン化チタンを順次反
応させて得られる固体物質、マグネシウムジエトキシド
等のジアルコキシマグネシウムと硫酸マグネシウム、ハ
ロゲン化チタンとを反応させて得られる固体物質等を挙
げることができる。また、酸化マグネシウム、水酸化マ
グネシウム、炭酸マグネシウム等のMg-O結合含有無機化
合物に硫酸マグネシウム、ハロゲン化けい素及びアルコ
ールを順次反応させて生ずる沈殿物に、ハロゲン化けい
素又は有機ケイ素化合物(例えばSiCl4,CH3OSiCl3,(CH3
O)2SiCl2,(CH3O)3SiCl,Si(OCH3)4,C2H5OSiCl3,(C2H5O)2
SiCl2,(C2H5O)3SiCl,Si(OC2H5)4など)とハロゲン化チ
タンとを反応させて得られる固体物質を用いることもで
きる。さらに、ジアルコキシマグネシウムとMgCl2・6C 2H
5OHなどのハロゲン化マグネシウムのアルコール付加物
とを反応させ、次いでアルコール処理して得られる生成
物にハロゲン化チタンを反応させて得られる固体物質を
用いることもできる。前記のアルコキシ基を含有しても
よいハロゲン含有チタン化合物としては、例えば、TiCl
4、TiBr4、Ti(OCH3)Cl3、Ti(OC2H5)2Cl2、Ti(OC2H5)3Cl
やこれらの混合物等を挙げることができる。
【0015】前記有機アルミニウム化合物としては、例
えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリド、ジイ
ソプロピルアルミニウムモノクロリド、ジイソブチルア
ルミニウムモノクロリド、ジオクチルアルミニウムモノ
クロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジエチルア
ルミニウムモノエトキシド、イソプロピルアルミニウム
ジクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリドなどを
挙げることができる。
【0016】前記有機ハロゲン化アルミニウムとして
は、例えば、ジメチルアルミニムモノクロリド、ジエチ
ルアルミニウムモノクロリド、ジイソプロピルアルミニ
ウムモノクロリド、ジイソブチルアルミニウムモノクロ
リド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニ
ウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリ
ド、イソブチルアルミニウムモノクロリドやこれらの混
合物等が挙げられる。
【0017】前記チタンテトラアルコキシド又はジルコ
ニウムアルコキシドは、下記一般式 M(OR)4 (ただし、式中のRは炭素数1〜20のアルキル基、シ
クロアルキル基、アリール基又はアラルキル基、Mはチ
タン又はジルコニウムである)で示されるものである。
このような化合物としては、例えば、テトラメトキシチ
タン、テトラエトキシチタン、テトラ(n−プロポキ
シ)チタン、テトラ(n−ブトキシ)チタン、テトラ
(n−ベントキシ)チタン、テトラ(n−ヘキソキシ)
チタン、テトラ(n−ヘプトキシ)チタン、テトラ(n
−オクトキシ)チタン、テトラシクロペントキシチタ
ン、テトラシクロヘキソキシチタン、テトラシクロヘプ
トキシチタン、テトラシクロオクトキシチタン、テトラ
フェノキシチタンやこれらのチタン化合物に対応するジ
ルコニウム化合物等を挙げることができる。
【0018】また、必要に応じて、これら触媒系に、電
子供与体として例えばカルボン酸エステル、炭酸エステ
ル、オルトエステルなどのエステル類、アルコキシシラ
ン、アリーロキシシランなどのシラン類、エーテル類、
ケトン類、酸無水物類、酸ハロゲン化物類、酸アミド
類、亜リン酸エステル類などの含酸素化合物、第三級ア
ミン類、ニトリル類などの含窒素化合物等を加えてもよ
い。
【0019】重合様式及び条件等は特に制限はなく、溶
液重合、懸濁重合、気相重合等のいずれも可能であり、
また、連続重合、非連続重合のどちらも可能である。反
応の媒体としては、ブタン、ペンタン、n−ヘキサン、
シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン等の不
活性溶媒が好ましい。さらに、反応圧は0.5〜15k
g/cm2・G、好ましくは1〜10kg/cm2・Gと
し、反応温度は50〜100℃、好ましくは60〜95
℃として、10分〜5時間、好ましくは30分〜3時間
反応させることによって、目的とするエチレン共重合体
を得ることができる。なお、重合に際しての分子量の調
節は、公知の手段、例えば水素処理等により行なうこと
ができる。
【0020】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明を具体
的に示すが、本発明は下記実施例に限定されるものでは
ない。実施例1 (1)固体触媒成分の調製 攪拌下、平均粒子径12μmのMg(OEt)210g
を含むヘキサンスラリー150ml中に、テトラブトキ
シジルコニウム6.5ミリモル及びテトラブトキシチタ
ン6.5ミリモルを溶解したヘキサン50mlを20℃
において15分間を要して滴下した後、さらにEtAl
Cl2の50重量%ヘキサン稀釈液92mlを35℃に
おいて120分間を要して滴下した。その後、還流下に
おいて120分間反応させた。次に、液中に塩素が検出
されなくなるまで乾燥ヘキサンで洗浄し、全容量をヘキ
サンで500mlとして、固体触媒成分とした。
【0021】(2)エチレン共重合体の製造 窒素で十分に置換された容量7リットルの攪拌機付きオ
ートクレーブにn−ヘキサン3リットルを加え、60℃
に昇温した後、エチレン0.3kg/cm2・Gを導入
し、さらにブテン−1を7.0g仕込んだ。次いで、オ
ートクレーブに前記(1)で調製したチタン0.10ミ
リモルを含有する固体触媒成分及びトリイソブチルアル
ミニウム3.0ミリモルを加えた後、全圧を3.0kg
/cm2・Gに保持するようにエチレンを供給しながら、
全重合量の11.0重量%を重合させた。その後、オー
トクレーブ内を窒素で十分に置換し、残存しているエチ
レンガス及びブテン−1をオートクレーブから除去し
た。次に、オートクレーブにn−ヘキサン2リットルを
加え、85℃に昇温し、水素5.5kg/cm2・G、エ
チレン1.2kg/cm2・Gを導入した後、全圧を9.
2kg/cm2・Gに保持するようにエチレンを供給しな
がら、全重合量の38.0重量%を重合させた。その
後、オートクレーブ内を窒素で十分に置換し、残存して
いるエチレンガス及び水素ガスをオートクレーブから除
去した。最後に、オートクレーブを80℃に昇温し、水
素1.0kg/cm2・G及びエチレン2.0kg/cm
2・Gを導入し、さらにブテン−1を25.4g仕込んだ
後、全圧を5.0kg/cm2・Gに保持するようにエチ
レンを供給しながら、全重合量の51.0重量%を重合
させ、エチレン系共重合体を得た。
【0022】実施例2 実施例1と同様のオートクレーブにn−ヘキサン3リッ
トルを加え、60℃に昇温した後、エチレン0.75k
g/cm2・Gを導入し、さらにブテン−1を8.0g仕
込んだ。次いで、実施例1(1)で調製したチタン0.
10ミリモルを含有する固体触媒成分、トリイソブチル
アルミニウム3.0ミリモル及び電子供与体として1−
アリル−3,4−ジメトキシベンゼン0.15ミリモル
を加えた後、全圧を2.0kg/cm2・Gに保持するよ
うにエチレンを供給しながら、全重合量の15重量%を
重合させた。その後、オートクレーブ内を窒素で十分に
置換し、残存しているエチレンガス及びブテン−1をオ
ートクレーブから除去した。次に、オートクレーブにn
−ヘキサン2リットルを加え、80℃に昇温し、水素
5.5kg/cm2・G及びエチレン2.8kg/cm2
Gを導入した後、全圧を9.8kg/cm2・Gに保持す
るようにエチレンを供給しながら、全重合量の85重量
%を重合させ、エチレン系共重合体を得た。
【0023】実施例3 ブテン−1の量を13.3gに変えた以外は実施例2と
同様に行なった。
【0024】比較例1 実施例1と同様のオートクレーブにn−ヘキサン2.8
リットルを加え、90℃に昇温した後、水素5.0kg
/cm2・G及びエチレン1.0kg/cm2・G導入し
た。次に、実施例1(1)で調製したチタン0.10ミ
リモルを含有する固体触媒成分及びトリイソブチルアル
ミニウム3.0ミリモルを加えた後、全圧を8.0kg
/cm2・Gに保持するようにエチレンを供給しながら、
全重合量の56重量%を重合させた。その後、オートク
レーブ内を窒素で十分に置換し、残存しているエチレン
ガス及びブテン−1をオートクレーブから除去した。次
いで、オートクレーブにn−ヘキサン2.2リットルを
加え、80℃に昇温し、水素0.3kg/cm2・G及び
エチレン1.75kg/cm2・Gを導入し、さらにブテ
ン−1を6.1g仕込んだ後、全圧を4.0kg/cm
2・Gに保持するようにエチレンを供給しながら、全重合
量の44重量%を重合させ、エチレン系共重合体を得
た。
【0025】比較例2 実施例1と同様のオートクレーブにn−ヘキサン3リッ
トルを加え、80℃に昇温した後、水素1.3kg/c
2・G及びエチレン1.0kg/cm2・Gを導入し、さ
らにブテン−1を7g仕込んだ。次に、実施例(1)で
調製したチタン0.10ミリモルを含有する固体触媒成
分及びトリイソブチルアルミニウム3.0ミリモルを加
えた後、全圧を4.0kg/cm2・Gに保持するように
エチレンを供給しながら、単段で重合を行ない、エチレ
ン系共重合体を得た。
【0026】実施例及び比較例で得られたエチレン系共
重合体について、エチレン系共重合体中の高分子量成分
の極限粘度及び割合(重合割合)、エチレン系共重合体
の極限粘度、タイ分子数、ラメラ厚み及びクリープ寿命
を調べた。結果を表1に示す。
【0027】各物性は下記のようにして測定した。極限粘度 デカリン中において135℃で測定した
【0028】タイ分子分率(ft1 試験片 実施例及び比較例で得られたエチレン系共重合体を19
0℃において70kg/cm2の圧力で4分間溶融プレ
スした後、30℃で4分間急冷して1mm厚の板状に成
形した。この板から図1に示す形状、寸法の試験片を切
り出した。 試験方法 図2に示す専用の極低温試験治具を用いて測定を行なっ
た。試験片をチャックA,Bに取付け、チャックAを治
具C(ステンレス製容器)に固定すると共に、チャック
Bを引張試験機のチャックに固定した。その後、治具C
中に液体窒素を適量充填して、10分後に引張試験を行
なった。試験条件は試験速度1mm/分とした。 ft1の計算法 図3に示すように、得られた荷重−変位曲線において、
77Kでの引張破断応力最大応力値をσB(GPa)と
して定義した。このσBを用い、(2)式にしたがって
計算を行なった。実際の計算では、ft1=(σB−8)
/292として、この式にσBを代入してft1(%)を
算出した。
【0029】ラメラ厚み(LC 試験片 実施例及び比較例で得られたエチレン系共重合体を前記
タイ分子分率測定試験と同様の方法で1mm厚の板状に
成形した。この板から2cm×3cmの角板を切り出
し、試験片とした。 長周期(L)の測定 理学電機工業(株)製X線回折装置を使用し、電圧40
kV、電流140mAの条件で測定を行なった。長周期
L(Å)は、図4に示す散乱強度曲線において散乱強度
のピーク位置におけるq(図4の位置A)を検出し、こ
のqを用いて次式により算出した。 L=(1/q)×2π 結晶化度(C)の測定 パーキンエルマー社製の示差走査熱量測定機を用いて測
定を行なった。この場合、上記試験片を190℃で完全
に融解させた後、50℃/分の降温速度で50℃まで冷
却し、同温度で3分間保持した後、10℃/分で190
℃まで昇温した。この測定より得られた図5の融解曲線
において、60℃から150℃までのピーク面積に相当
する融解エンタルピー(△H)を完全結晶の融解エンタ
ルピー(296J/g)で除して、(4)式で定義する
結晶化度C(%)を求めた。 結晶化度(C)=(△H/296)×100 ラメラ厚み(LC)の算出 上記で得られた長周期(L)及び結晶化度(C)を用
い、(1)式によってラメラ厚みLC(Å)を算出し
た。
【0030】クリープ寿命 試験片 タイ分子分率測定試験で用いたのと同じ試験片を使用し
た。 試験方法 試験温度50℃、荷重5.5kgの条件でクリープひず
みの経時的変化を調べた。そして、図6に示すように、
BPに達するまでの時間をクリープ寿命とした。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】以上のように、本発明のエチレン系重合
体は、クリープ寿命が向上し、長期耐久性に優れたもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】引張破断応力σBの測定に用いた試験片を示す
平面図である。
【図2】引張破断応力σBの測定に用いた極低温試験治
具を示す概略図である。
【図3】引張破断応力σBの測定のための引張試験で得
られた荷重−変位曲線を示すグラフである。
【図4】試験片のX線回折測定により得られた散乱強度
曲線を示すグラフである。
【図5】試験片の示差走査熱量測定により得られた融解
曲線を示すグラフである。
【図6】クリープ寿命試験における試験片のクリープひ
ずみの経時的変化を示すグラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年3月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】また、本発明のエチレン系重合体は、デカ
リン中135℃で測定した極限粘度が7〜20dl/
g、好ましくは10〜15dl/gの高分子量成分を重
合割合として10〜20重量%、特に12〜18重量%
含有するものであることが望ましい。さらに、本発明の
エチレン系重合体は、デカリン中135℃で測定した極
限粘度が2.0〜3.5dl/g、特に2.3〜3.2
dl/gであることが好ましい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】実施例及び比較例で得られたエチレン系共
重合体について、エチレン系共重合体中の高分子量成分
の極限粘度及び割合(重合割合)、エチレン系共重合体
の極限粘度、タイ分子分率、ラメラ厚み及びクリープ寿
命を調べた。結果を表1に示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(1)式で定義されるラメラ厚みL
    Cと下記(2)式で定義されるタイ分子分率ft1との積
    C×ft1が15以上であることを特徴とするエチレン
    系重合体。 LC=L×C …(1) (LC:ラメラ厚み、L:長周期、C:DSCで測定し
    た結晶化度) ft1=(σB−σw)/(σt−σw) …(2) (ft1:タイ分子分率、σB:77Kにおける引張破断
    応力、σw= 8GPa、σt=300GPa)
  2. 【請求項2】 エチレンの重合又は共重合を行なうに当
    たり、デカリン中135℃で測定した極限粘度が7dl
    /g以上の高分子量成分を少なくとも10重量%生成さ
    せて請求項1記載のエチレン系重合体を製造することを
    特徴とする、エチレン系重合体の製造方法。
JP3851892A 1992-01-29 1992-01-29 エチレン系重合体及びその製造方法 Pending JPH06293812A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3851892A JPH06293812A (ja) 1992-01-29 1992-01-29 エチレン系重合体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3851892A JPH06293812A (ja) 1992-01-29 1992-01-29 エチレン系重合体及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06293812A true JPH06293812A (ja) 1994-10-21

Family

ID=12527496

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3851892A Pending JPH06293812A (ja) 1992-01-29 1992-01-29 エチレン系重合体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06293812A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004263119A (ja) * 2003-03-04 2004-09-24 Asahi Kasei Chemicals Corp 優れた耐クリープ特性を有するポリエチレンパイプ
CN109890854A (zh) * 2016-11-08 2019-06-14 Lg化学株式会社 乙烯/α-烯烃共聚物
US10775287B2 (en) 2016-11-24 2020-09-15 Lg Chem, Ltd. Assessment method for polyethylene resin

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004263119A (ja) * 2003-03-04 2004-09-24 Asahi Kasei Chemicals Corp 優れた耐クリープ特性を有するポリエチレンパイプ
CN109890854A (zh) * 2016-11-08 2019-06-14 Lg化学株式会社 乙烯/α-烯烃共聚物
JP2019524963A (ja) * 2016-11-08 2019-09-05 エルジー・ケム・リミテッド エチレン/アルファ−オレフィン共重合体
US10858465B2 (en) 2016-11-08 2020-12-08 Lg Chem, Ltd. Ethylene/alpha-olefin copolymer
US10775287B2 (en) 2016-11-24 2020-09-15 Lg Chem, Ltd. Assessment method for polyethylene resin

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0376084B1 (en) Process for producing highly stereospecific alpha-olefin polymers
EP0417346B1 (en) Process for producing solid catalyst for use in polymerization of olefins
JPH0780968B2 (ja) オレフィン重合体の製造法
JPH0699507B2 (ja) 触媒成分及び重合用触媒系
EP0356183B1 (en) Catalyst for olefin polymerization
US7019097B2 (en) Process for the (co)polymerization of ethylene
EP0177189A1 (en) Polymerization catalyst
JP2005529224A (ja) オレフィンの重合のための触媒成分
JPH11236414A (ja) オレフィン重合触媒成分
US4209602A (en) Process for the production of polyolefins
JPH06293812A (ja) エチレン系重合体及びその製造方法
JPH05502053A (ja) 球形粒子を有するポリオレフィンの製法
US4339351A (en) Process for producing olefin polymers
AU658984B2 (en) Process for the preparation of a spherical catalyst component
JP3705602B2 (ja) エチレンの重合のための方法
JPH06192317A (ja) 粒状チタン含有オレフィン重合触媒の製造方法
EP0677066A1 (en) Olefin polymerization catalyst
MXPA02002686A (es) Catalizador para la polimerizacion de olefinas.
JPH01230606A (ja) α−オレフィン重合体の製造方法
JPH0253811A (ja) エチレン共重合体
JPH03168207A (ja) ツィーグラー/ナッタの触媒タイプの触媒系
US5349033A (en) Process for the preparation of polyolefin
JP3603418B2 (ja) 非晶性塩素化ポリオレフィンおよびその製造方法
JPH03162404A (ja) ツィーグラー/ナッタ触媒タイプの触媒系
JPS5812284B2 (ja) エチレンジユウゴウタイノ セイゾウホウ