JPH0628522U - 一体型空気調和機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 静粛に冷暖房・換気運転を行い得る薄型の一
体型空気調和機。 【構成】 この一体型空気調和機Ａ′は，本体１０１内
が隔壁１０２，１０３，１０４により室内側と室外側と
に区画され，各区画内での空気流通経路の上流側に配備
された熱交換器１０５，１０６と，室内側の空気流通経
路の下流側に配設され，室内空気を室内側の熱交換器１
０５を経由させて吸引する遠心型の室内側送風ファン１
０８と，室外側の空気流通経路の下流側に配設され，室
外空気を室外側の熱交換器１０６を経由させて吸引する
遠心型の室外側送風ファン１０９と，室内側送風ファン
１０８を一方の軸端に固定すると共に室外側送風ファン
１０９を他方の軸端に固定して両ファン１０８，１０９
を同時に回転駆動する両軸型のモータ１１０等とから構
成されている。上記構成により，静粛に冷暖房・換気運
転を行い得る薄型の一体型空気調和機を得ることができ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は一体型空気調和機に係り，詳しくは冷暖房運転に加えて換気運転を行 うことのできる一体型空気調和機の構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図４は従来の一体型空気調和機Ａの一例における概略構造示す平面図（ａ）及 び断面図（ｂ）である。 図４（ａ）（ｂ）に示す如く，従来の一体型空気調和機Ａは，本体１内が室内 側と室外側とに隔壁２，３により区画され，各区画での空気流通経路の上流側に は熱交換器８又は９が，又下流側にはクロスフロー型の送風ファン４又は５が配 備されている。そして，熱交換器８，９間を循環する冷媒を圧縮するコンプレッ サ１０及び各送風ファン４，５をそれぞれ回転駆動するモータ６，７等を含めて 一体化されている。 以下，この空気調和機Ａの動作について説明する。 即ち，窓枠（不図示）に設置された本体１は室内側吸込口１１が室内，室外側 吸込口１３が室外に面している。コンプレッサ１０及び送風ファン４，５を起動 することにより，室内側吸込口１１より取り込まれた室内空気は，図１（ａ）中 の矢印ｕの様に流れて蒸発器として機能する室内側の熱交換器８にて冷却除湿さ れる。そして，この空気は矢印ｕ′の様に流れて室内側吹出口１２から再び室内 へ戻される。一方，室外側吸込口１３より取り込まれた室外空気は，矢印ｖの様 に流れて凝縮器として機能する室外側の熱交換器９にて加熱される。そして，こ の空気は矢印ｖ′の様に流れて室外側吹出口１４から再び室外へ戻される。こう した空気の流れにより室内側に快適な冷却除湿風が提供され，室内を冷却するこ とができる。 次に室内を暖房する場合は，熱交換器８，９間を接続する冷媒管路中の四方弁 （不図示）を切換えて，冷媒の循環方向を冷房時とは逆にすることにより熱交換 器８が凝縮器として，又熱交換器９が蒸発器として機能して冷房時と同じ空気の 流れで今度は室内側空気を加熱することができる。 このようにして冷暖房運転を行うことができた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし，上記したような従来の一体型空気調和機Ａでは，次のような問題点が あった。 （１）送風ファン４，５として大型のクロスフローファンを用いており，これ を収納する本体１の横幅寸法を小さくすることができない。このため，窓枠に取 り付けた場合，窓本来の機能である採光機能が大幅に損なわれるおそれがある。 （２）又，クロスフローファンは，圧力損失に対して能力低下の度合いが大き い。従って，暖房時に室外側の熱交換器９への着霜による風量低下をさけるため ，風量設計を常に割高に設定する必要があり，騒音が高くなりやすい。 （３）室内側，室外側の送風ケーシングが構造的・機能的に独立していて製造 上，組立てに時間がかかる。 本考案はこのような従来の技術における課題を解決するために，一体型空気調 和機を改良し，静粛に冷暖房・換気運転を行い得る薄型の一体型空気調和機の提 供を目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案は，本体内を室内側と室外側とに区画し，各 区画での空気流通経路の上流側にそれぞれ熱交換器を配備した一体型空気調和機 において，上記室内側の空気流通経路の下流側に配設され，室内空気を上記室内 側の熱交換器を経由させて吸引する遠心型の第１のファンと，上記室外側の空気 流通経路の下流側に配設され，室外空気を上記室外側の熱交換器を経由させて吸 引する遠心型の第２のファンと，上記第１のファンを一方の軸端に固定すると共 に上記第２のファンを他方の軸端に固定して両ファンを同時に回転駆動する両軸 型の第１のモータとを設けてなることを特徴とする一体型空気調和機として構成 されている。 更には，上記室外側の空気流通経路の下流側の上記第２ファンに並設され，室 内空気又は室外空気を吸引する遠心型の第３のファンと，上記第３のファンを軸 端に固定して回転駆動する正逆回転自在な第２のモータと，上記第３のファンの 近傍に室内側と室外側との間の空気流通経路を接続する開閉自在な第１のダンパ とを設け，上記第２のモータの回転方向を切り換えると共に上記第１のダンパを 開閉することにより冷暖房運転時には室外空気を上記室外側の熱交換器を経由さ せて室外へ排出し，換気運転時には室外空気の室内への取り込み又は室内空気の 室外への排出を行う一体型空気調和機である。 更には，上記第２のファンの近傍に室内側と室外側との間の空気流通経路を接 続する開閉自在な第２のダンパを設け，上記第２のダンパの開閉により上記冷暖 房運転時には室外空気を上記室外側の熱交換器を経由させて室外へ排出し，上記 換気運転時には室内空気を室外へ排出する一体型空気調和機である。

【０００５】

【作用】

本考案によれば，本体内を室内側と室外側とに区画し，各区画内での空気流通 経路の上流側にそれぞれ熱交換器を配備した一体型空気調和機の上記室内側の空 気流通経路の下流側に遠心型の第１のファンが配設され，該第１のファンにより 室内空気が上記室内側の熱交換器を経由して吸引される。又，上記室外側の空気 流通経路の下流側に遠心型の第２のファンが配設され，該第２のファンにより室 外空気が上記室外側の熱交換器を経由して吸引される。そして，上記第１のファ ンを一方の軸端に固定すると共に上記第２のファンを他方の軸端に固定した両軸 型の第１のモータにより，両ファンが同時に回転駆動される。 従って，本体の横幅寸法を小さくすることができるため，窓枠に取り付けた場 合に窓の採光機能を損なう割合が小さくなると共に，製造上の組立時間の短縮を 図ることができる。又，圧力損失に対して能力低下の度合の小さい遠心型ファン を用いるため着霜による室外側熱交換器への風量低下を生じるおそれがなく，更 に騒音発生を抑えることができて静粛運転が可能となる。 更に，室内空気又は室外空気を吸引する遠心型の第３のファンが上記室外側の 空気流通経路の下流側の上記第２のファンに並設され，上記第３のファンを軸端 に固定して回転駆動する正逆回転自在な第２のモータが設けられ，上記第３のフ ァンの近傍に室内側と室外側との間の空気流通経路を接続する開閉自在な第１の ダンパが設けられる。そして，上記第２のモータの回転方向を切り換えると共に 上記第１のダンパを開閉することにより冷暖房運転時には室外空気が上記室外側 の熱交換器を経由して室外に排出され，換気運転時には室外空気の室内への取り 込み又は室内空気の室外への排出がなされる。 従って，室内空気が汚れてきた時，この空気を室外へ強制排出した後に室外空 気を室内へ取り込むか，又は逆の手順で室内換気を行うことができる。 更に，上記第２のファンの近傍に室内側と室外側との間の空気流通経路を接続 する開閉自在な第２のダンパが設けられる。そして上記第２のダンパの開閉によ り上記冷暖房運転時には室外空気が上記室外側の熱交換器を経由して室外へ排出 され，上記換気運転時には室内空気が室外へ排出される。 従って，室内空気の室外排出と室外空気の室内取り込みとを同時に行って，短 時間に効率的な室内換気を行うことができる。 その結果，静粛に冷暖房・換気運転を行い得る薄型の一体型空気調和機を得る ことができる。

【０００６】

【実施例】

以下，添付図面を参照して本考案を具体化した実施例につき説明し，本考案の 理解に供する。尚，以下の実施例は，本考案を具体化した一例であって，本考案 の技術的範囲を限定する性格のものではない。 ここに，図１は本考案の一実施例に係る空気調和機Ａ′の断面構造を示す平面 図（ａ）及び側面図（ｂ）（ｃ），図２は送風ファン廻りの構造を示す分解斜視 図，図３は全体構造を示す分解斜視図である。 図１（ａ）（ｂ）（ｃ）に示す如く，本実施例に係る一体型空気調和機Ａ′は ，本体１０１内が隔壁１０２，１０３，１０４により室内側と室外側とに区画さ れ，各区画内での空気流通経路の上流側にそれぞれ熱交換器１０５，１０６が配 備され，熱交換器１０５，１０６間を循環する冷媒を圧縮するコンプレッサ１０ ７等を含めて一体化されている点で従来例と同様である。しかし，本実施例では 室内側の空気流通経路の下流側に配設されて室内空気を室内側の熱交換器１０５ を経由させて吸引する遠心型の室内側送風ファン１０８（第１のファンに相当） と，室外側の空気流通経路の下流側に配設されて室外空気を室外側の熱交換器１ ０６を経由させて吸引する遠心型の室外側送風ファン１０９（第２のファンに相 当）と，室内側送風ファン１０８を一方の軸端に固定すると共に室外側送風ファ ン１０９を他方の軸端に固定して両ファン１０８，１０９を同時に回転駆動する 両軸型のモータ１１０（第１のモータに相当）を備えている点で従来例と異なる 。又，室外側の空気流通経路の下流側の室外側送風ファン１０９に並設されて室 内空気又は室外空気を吸引する遠心型の室外側送風ファン１１１（第３のファン に相当）と，室外側送風ファン１１１を軸端に固定して回転駆動する正逆回転自 在な片軸型のモータ１１２（第２のモータに相当）と，室外側送風ファン１１１ の近傍に室内側と室外側との間の空気流通経路を接続する開閉自在な換気用ダン パ１１３（第１のダンパに相当）とを設けた点，更に，図２，図３に示すように 室外側送風ファン１０９の近傍に室内側と室外側との間の空気流通経路を接続す る開閉自在な換気用ダンパ１１４（第２のダンパに相当）を設けた点でも従来例 と異なる。 以下，この一体型空気調和機Ａ′の動作について説明する（図１〜図３参照） 。 まず，冷暖房運転時について説明する。 即ち，窓枠（不図示）に取り付けられた本体１０１は，室内側吸込口１１５が 室内側に，室外側吸込口１１６が室外側に面している。冷房時においては，コン プレッサ１０７，モータ１１０，１１２を起動することによって，室内側送風フ ァン１０８，室外側送風ファン１０９，１１１が図１（ｂ）（ｃ）中の矢印（実 線）の方向に回転駆動される。これにより室内側吸込口１１５より取り込まれた 室内空気は図１（ａ）に示す矢印ａの様に流れ，蒸発器として機能する室内側の 熱交換器１０５を通過時に冷却・除湿される。そしてこの空気は矢印ａ′となっ て室内側吹出口１１７から再び室内へ戻される。一方，室外側吸込口１１６より 取り込まれた室外空気は矢印ｂの様に流れて，凝縮器として機能する室外側の熱 交換器１０６を通過時に加熱される。そして，この空気は矢印ｂ′となって室外 側吹出口１１８，１１９から再び室外へ排出される。この様にして室内は冷房さ れる。又，暖房時においても，空気流通経路は冷房時と同じで，室内側及び室外 側の熱交換器１０５，１０６の機能が冷房時と逆になることにより，室内が暖房 される。 以上の冷暖房運転の手順は従来例と同様である（この時には換気ダン パ１１３，１１４は両方共閉状態であるとする）。

【０００７】 しかし，この一体型空気調和機Ａ′では各送風ファン１０８，１０９，１１１ を従来例のような大型のクロスフロー型とせず全て薄型の遠心型としてしかも両 軸型のモータ１１０を用いて上記のようなコンパクトな構成としている。このた め，従来例に比べてその横幅を小さくでき，窓枠に取り付けた場合でも窓の採光 機能を損う割合が小さくなると共に，製造上の組立時間の短縮を図ることができ る。又，遠心型のファンは圧力損失に対して能力低下の度合が小さいため，着霜 による室外側の熱交換器１０６への風量低下を生じるおそれがなく，更に騒音発 生を抑制することができて静粛運転が可能となる。 次に，換気運転時について説明する。 換気運転時においては，換気ダンパ１１３を開状態（図１（ｂ）中の点線の状 態）にしてモータ１１２を逆回転させることにより，室外側送風ファン１１１が 図１（ｂ）中の矢印（点線）の方向に回転駆動され，同図中の矢印ｂ″の様に空 気が流れる。このように，室外の新鮮な空気を吹出口１２０から室内に取り込む ことが出来る。ここで，室外側の熱交換器１０６に対し，図２に示す送風仕切板 １２１を境にして上・下に冷媒の循環を分岐出来るように切換え弁（不図示）を サイクル配管（不図示）に具備しておけば，サイクル運転中の換気の際には，自 動的に切換え弁が働いて室外側送風ファン１１１側の室外側熱交換器１０６側（ 下側）には冷媒を流さないような構造にできて，より快適な換気が可能となる。 この時，換気用ダンパ１１４を開状態（図２の状態）とすれば，換気ダンパ１１ ３を通じて給気が，又換気ダンパ１１４を通じて排気が同時に行なえ，短時間に 効率的な室内換気が簡単な構造で実現できる。 尚，上記実施例では換気運転時に換気ダンパ１１３を開状態とし，モータ１１ ２を逆回転させて室外空気を室内へ取り込んだが，実使用に際してはモータ１１ ２を正回転させて室内空気を室外へ排出しても良い。その場合，換気時間は長く なるものの換気ダンパ１１４が不要となりより簡単な構造で換気運転を実現でき る。 尚，上記実施例では冷暖房運転時に換気ダンパ１１３，１１４共閉状態とした が，実使用に際しては冷暖房運転中及び運転停止中を問わず両方又はいずれか一 方のダンパを開状態として換気運転を行っても良い。その場合，室内空気の汚れ を減少又は完全に取除いて常に快適な室内状態を得ることができる。

【０００８】

【考案の効果】

本考案に係る一体型空気調和機は，上記したように構成されているため，本体 の横幅寸法を小さくすることができ，窓枠に取り付けた場合でも窓の採光機能を 損なう割合が小さくなると共に，製造上の組立時間の短縮を図ることができる。 又，圧力損失に対して能力低下の度合の小さい遠心型ファンを用いるため，着霜 による室外側の熱交換器への風量低下を生じるおそれがなく，更に騒音発生を抑 えることができて静粛運転が可能となる。 更に，室内空気が汚れてきた時，この空気を室外へ強制排出した後に室外空気 を室内へ取り込むか，又は逆の手順で室内換気を行うことができる。 更に，室内空気の室外排出と室外空気の室内取り込みとを同時に行って，短時 間に効率的な室内換気を行うことができる。 その結果，静粛に冷暖房・換気運転を行い得る薄型の一体型空気調和機を得る ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例に係る空気調和機Ａ′の概
略構造を示す平面図（ａ）及び側面図（ｂ）（ｃ）。

【図２】 送風ファン廻りの構造を示す分解斜視図。

【図３】 全体構造を示す分解斜視図。

【図４】 従来の一体型空気調和機Ａの一例における概
略構造を示す平面図（ａ）及び断面図（ｂ）。

【符号の説明】

Ａ′…一体型空気調和機 １０１…本体 １０５，１０６…熱交換器 １０８…室内側送風ファン（第１のファンに相当） １０９，１１１…室外側送風ファン（第２，第３のファ
ンに相当） １１０，１１２…モータ（第１，第２のモータに相当） １１３，１１４…換気用ダンパ（第１，第２のダンパに
相当）

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体内を室内側と室外側とに区画し，各
   区画での空気流通経路の上流側にそれぞれ熱交換器を配
   備した一体型空気調和機において， 上記室内側の空気流通経路の下流側に配設され，室内空
   気を上記室内側の熱交換器を経由させて吸引する遠心型
   の第１のファンと， 上記室外側の空気流通経路の下流側に配設され，室外空
   気を上記室外側の熱交換器を経由させて吸引する遠心型
   の第２のファンと， 上記第１のファンを一方の軸端に固定すると共に上記第
   ２のファンを他方の軸端に固定して両ファンを同時に回
   転駆動する両軸型の第１のモータとを設けてなることを
   特徴とする一体型空気調和機。
2. 【請求項２】 上記室外側の空気流通経路の下流側の上
   記第２ファンに並設され，室内空気又は室外空気を吸引
   する遠心型の第３のファンと，上記第３のファンを軸端
   に固定して回転駆動する正逆回転自在な第２のモータ
   と，上記第３のファンの近傍に室内側と室外側との間の
   空気流通経路を接続する開閉自在な第１のダンパとを設
   け，上記第２のモータの回転方向を切り換えると共に上
   記第１のダンパを開閉することにより冷暖房運転時には
   室外空気を上記室外側の熱交換器を経由させて室外へ排
   出し，換気運転時には室外空気の室内への取り込み又は
   室内空気の室外への排出を行う請求項１記載の一体型空
   気調和機。
3. 【請求項３】 上記第２のファンの近傍に室内側と室外
   側との間の空気流通経路を接続する開閉自在な第２のダ
   ンパを設け，上記第２のダンパの開閉により上記冷暖房
   運転時には室外空気を上記室外側の熱交換器を経由させ
   て室外へ排出し，上記換気運転時には室内空気を室外へ
   排出する請求項１又は２記載の一体型空気調和機。