JPH06283104A - 電子放出素子の検査装置 - Google Patents

電子放出素子の検査装置

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JPH06283104A
JPH06283104A JP2761294A JP2761294A JPH06283104A JP H06283104 A JPH06283104 A JP H06283104A JP 2761294 A JP2761294 A JP 2761294A JP 2761294 A JP2761294 A JP 2761294A JP H06283104 A JPH06283104 A JP H06283104A
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JP
Japan
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temperature
electron
humidity
surface conduction
detecting means
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Withdrawn
Application number
JP2761294A
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English (en)
Inventor
Hidetoshi Suzuki
英俊 鱸
Toshihiko Takeda
俊彦 武田
Yasuhiro Hamamoto
康弘 浜元
Naohito Nakamura
尚人 中村
Ichiro Nomura
一郎 野村
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面伝導形放出素子のように電圧依存の非線
形性を有する電子放出素子であっても、該素子を用いた
表示パネル等の封着工程前に、素子の良,不良の選別を
精度良く行うことのできる検査装置を提供することを目
的とする。 【構成】 電子放出素子7への一定電圧の印加手段1
と、電子放出素子7に流れる電流の検知手段2と、検知
手段2により検知された電流値と比較するための基準値
が記憶されている記憶手段5と、検知手段2により検知
された電流値と上記基準値を比較するための比較手段6
を具備する電子放出素子の検査装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子線発生装置や画像
表示装置等の電子源として用いられる表面伝導形放出素
子の検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、画像表示装置などへの応用を目的
とした電子放出素子の研究が盛んである。例えば、特開
平1−200532で技術開示された表面伝導形放出素
子、あるいはこれと類似の表面伝導形放出素子は、いず
れも構造が単純なうえ、比較的大きな電流の電子ビーム
が微小な消費電力で得られるため、平板型CRTや、様
々な分野への応用が期待されている。
【0003】上記表面伝導形放出素子の構成例を図7を
用いて説明する。
【0004】同図においてNi,Cr等の金属材料で構
成される電極71,72は間隙Lだけ離れて、絶縁性基
板75上に設置され、電子放出材であるSnO2 ,Pd
等の微粒子で構成される電子放出用薄膜73がその上に
成膜されている。同図の構成において電極71,72に
電圧を印加し通電処理を行うと該電極71,72間の間
隙の電子放出用薄膜73の内部に島状構造を有する亀裂
が生じ、電子放出部74が形成され電子が放出される。
この時、放出される電子の量は電極71,72間に加え
る電圧(流れる電流)によって制御することができる。
【0005】かかる表面伝導形放出素子を平面基板上に
多数配置し画像を表示する画像表示装置の概略断面図を
図8に示す。同図において、81は前記の表面伝導形放
出素子、85はガラス等の絶縁材で構成される基板、8
3は透明なガラスで構成されるフェースプレート、84
は前記フェースプレートの内面に塗布された蛍光体、8
2は基板85とフェースプレート83を一定の間隔(例
えば3mm〜5mmの間のある値)に保つためのスペー
サ、86はスペーサ82と基板85やフェースプレート
83を融着し真空封止するためのフリットガラス、87
は基板85とフェースプレート83間の空間を真空排気
するための排気管である。同図の構成において、基板8
5とフェースプレート83間の空間を真空ポンプ(図示
せず)によって1×10-6Torr以下に真空排気す
る。表面伝導形放出素子81から放出された電子は、表
面伝導形放出素子81に対して数kVの正電位にした蛍
光体84に向かって加速され、衝突し蛍光体84を発光
させ輝点が生じる。輝点の明るさは表面伝導形放出素子
81の電極71,72に加える電圧によって制御し、所
望の画像を表示することができる。
【0006】図9は、表面伝導形放出素子を電子源とし
て用いた画像表示装置の構造を更に詳しく説明するため
に、その一部を切り欠いて示した斜視図である。
【0007】図中VCはガラス製の真空容器で、表示面
側のフェースプレートFP,側壁SW,底板BPをフリ
ットガラスで溶着して形成したものである。
【0008】フェースプレートFPの内面には、例えば
ITOを材料とする透明電極(図示せず)が形成され、
さらにその内側には、赤,緑,青の蛍光体PHがモザイ
ク状に塗り分けられ、CRTの分野では公知のメタルバ
ック処理MBが施されている。また、前記透明電極は、
例えば、10[KV]程度の加速電圧を印加するため
に、端子EVを通じて真空容器外と電気的に接続されて
いる。
【0009】また、Sは前記真空容器VCの底面に固定
されたガラス基板で、その上面には、表面伝導形放出素
子がN個×L列にわたり配列形成されている。
【0010】前記表面伝導形放出素子は、XY方向に沿
って単純マトリクス配線されているが(図示の便宜上、
配線電極は省略してある)、各配線は、端子EX1 〜E
Lおよび端子EY1 〜EYN を介して、真空容器外と
電気的に接続している。
【0011】前記表面伝導形放出素子の電気的な接続
を、図10に示す。この様な単純マトリクス配線された
マルチ電子ビーム源を用いて画像表示を行うには、EX
1 〜EXL の1列づつに順次選択的に電圧を印加してラ
イン順次走査を行う一方、EY1 〜EYN の各々に、各
ラインに対する所望の表示パターンに従って変調電圧を
印加する事により、蛍光体PHに所望の電子ビームパタ
ーンを照射すれば良い。
【0012】以上、表面伝導形放出素子を用いた平板型
CRTの一例について構成を説明したが、上記平板型C
RTは、例えば次の様な手順で製造される。
【0013】先ず、ガラス基板S上に、単純マトリクス
配線された表面伝導形放出素子を形成するが、表面伝導
形放出素子は、例えば、特開平1−200532あるい
は特開平2−56822に開示される方法により容易に
作成可能である。また、単純マトリクス配線について
は、例えばNiなどの金属とSiO2 などの絶縁体を材
料として、蒸着やフォトリソグラフィーエッチングの技
術を組み合わせて積層加工する事により、容易に作成が
可能である。
【0014】一方、フェースプレートFPは、ガラス基
板上に透明電極,蛍光体,メタルバック層の順に積層さ
れ、別途用意される。また、側壁SWの4面のうち3面
には端子EY1 〜EYN および端子EX1 〜EXL およ
び端子EV を設けるが、これは予めガラス板と端子用金
属部材をフリットガラスで融着して各面を作成した後、
4面の部材を接続し、枠状の部材として準備しておく。
【0015】そして、固定治具を用いて、フェースプレ
ートFP,底板BP,基板S,側壁SWを位置決めし、
固定するが、この時、各部材間の接合面には、フリット
ガラスが挟み込まれている(上記、組立ての過程で、各
端子と電極の間の電気的接続が行われるのは言うまでも
ない。)。
【0016】その後、全体を、例えば430℃で60分
程度加熱しフリットガラスを溶融させ封着する。
【0017】次に、図8に示したような基板とフェース
プレート間の空間を排気管87に接続されるターボ分子
ポンプ等の真空ポンプ(図示せず)によって1×10-6
Torr以下に真空排気する。次に、各素子に電圧を印
加し通電処理を行い、電子放出部を形成する。更に、こ
の画像装置全体をベーキングし脱ガスを十分行った後、
ゲッター材(図示せず)を飛ばす。最後に排気管87を
封じ切る。
【0018】上記製造方法に於て、完成品の歩留りを向
上させ、不必要な費用の発生を防止するためには、各工
程における検査が重要な事は言うまでもない。
【0019】特に、真空容器を形成するための封着工程
では、 封着後に不良が発見されても、ガラス部材,蛍光体,
電極材等は再利用が困難であり、高価な部材が無駄にな
る。 封着装置は比較的大きな設備投資を必要とするうえ、
加熱に多くのエネルギーを必要とする。
【0020】以上の観点から、事前に各構成部品に不良
がないかを十分検査しておく事が重要である。
【0021】そこで、表面伝導形放出素子が多数形成さ
れているマルチ電子源部についても、封着工程前に特性
を検査し、不良が発見された場合には修理して再利用す
るか、もしくは除去してしまう事が望ましい。
【0022】マルチ電子源部の不良としては、例えば以
下の点が考えられる。 表面伝導形放出素子を配線する配線電極の断線あるい
は配線電極同志のショート。 表面伝導形放出素子の電子放出部を形成する微粒子膜
の微粒子径や膜厚が、適当な範囲内に収まっていない。
【0023】以上の様な不良を迅速かつ確実に発見する
には、配線電極を介して電子放出素子の電気抵抗を測定
するのが適当であると考えられてきた。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、表面伝
導形放出素子の初期の抵抗を検査するうえで、従来次の
ような問題が生じていた。 電気抵抗が電圧依存の非線形性を有しているため、例
えば定電流回路で抵抗測定を行うと、測定値が収束しな
い場合がある。 素子抵抗は湿度や温度の影響で比較的大巾に変化する
ため、検査の合否判定の基準となる抵抗範囲の設定が困
難である。 電気抵抗の測定により、表面伝導形放出素子の特性に
悪影響を与える場合がある。即ち、前述の真空排気され
た表示パネル内の表面伝導形放出素子には、通電による
フォーミングが施され(フォーミングを必要としない場
合もある)、さらに、所定時間駆動する事により性能を
安定化させるためのエージングが行われる。
【0025】しかし、真空雰囲気中でのフォーミングあ
るいはエージング工程より前に、電気抵抗を測定するた
めに大気中で過大な電圧を印加すると、電子放出部とな
る微粒子膜の構造や組成に変化をきたし、最終的な電子
放出特性に悪影響を与える場合があるのである。
【0026】本発明は、上記従来技術が有する問題点に
鑑みてなされたものであり、表示パネルの封着工程前
に、表面伝導形放出素子の良,不良の選別を精度良く行
う検査装置を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するために成された本発明は、被検物への一定電圧の印
加手段と、該被検物に流れる電流の検知手段と、該検知
手段により検知された電流値と比較するための基準値が
記憶されている記憶手段と、上記検知手段により検知さ
れた電流値と上記基準値を比較するための比較手段を具
備する電子放出素子の検査装置である。
【0028】本発明によれば、素子に一定電圧を印加し
た際に流れる電流値と、基準電流値とを比較することに
より、電圧依存の非線形性を有する素子であっても、素
子抵抗が所望の範囲内にあるか否かを容易に検査できる
ものである。
【0029】上記基準電流値は該素子を用いて構成する
電子線発生装置や画像表示装置等の規格や、素子の構成
部材等によって適宜設定することができる。
【0030】被検物となる素子に印加する一定電圧は、
通常の表面伝導形放出素子の場合、2ボルト以下である
ことが好ましい。2ボルトを超える場合には、素子を構
成する微粒子膜を変質させるおそれが有り、素子の最終
的(フォーミング工程やエージング工程後)の電子放出
特性に最影響を及ぼしかねず好ましくない。
【0031】先述した様に、表面伝導形放出素子の素子
抵抗は、温度や湿度により変化しやすいため、本発明に
おいて被検物近傍もしくは被検物自体の温度及び/又は
湿度を検知する手段を具備し、前記記憶手段に記憶され
ている基準値は温度及び/又は湿度をパラメータとして
設定されていることが好ましい。このことにより、環境
変動下においても検査の精度を大幅に向上させることが
できる。
【0032】本発明においては更に、被検物近傍もしく
は被検物自体の温度及び/又は湿度を制御する制御手段
を具備するのが好ましい。このことにより、検査環境の
温度や湿度を所定の範囲内に制御でき、前記記憶手段に
記憶する基準値は広範囲の温度,湿度パラメータを含有
する必要がなく、更には、より一層検査精度を向上させ
ることができる。
【0033】ここで、本発明に係る表面伝導形電子放出
素子について、以下に説明する。
【0034】まず、本発明に係る表面伝導形電子放出素
子の基本的な構成について説明する。
【0035】図5(a),(b)は、それぞれ、本発明
にかかわる基本的な表面伝導形電子放出素子の構成を示
す平面図及び断面図である。図5を用いて、本発明に関
わる素子の基本的な構成を説明する。
【0036】図5において51は基板、55と56は素
子電極、54は電子放出部を含む薄膜、53は電子放出
部である。
【0037】基板51としては、石英ガラス、Na等の
不純物含有量を減少したガラス、青板ガラス、青板ガラ
スにスパッタ法等により形成したSiO2を積層したガ
ラス基板等及びアルミナ等のセラミックス等が、挙げら
れる。
【0038】対向する素子電極55,56の材料として
は、導電性を有するものであればどのようなものであっ
ても構わないが、例えばNi,Cr,Au,Mo,W,
Pt,Ti,Al,Cu,Pd等の金属或は合金及びP
d,Ag,Au,RuO2,Pd−Ag等の金属或は金
属酸化物とガラス等から構成される印刷導体、In23
−SnO2等の透明導電体及びポリシリコン等の半導体
材料等が挙げられる。
【0039】素子電極間隔L1は、数百オングストロー
ムより数百マイクロメートルであり、素子電極の製法の
基本となるフォトリソグラフィー技術、即ち、露光機の
性能とエッチング方法等、及び素子電極間に印加する電
圧と電子放出し得る電界強度等により設定されるが、好
ましくは、数マイクロメートルより数十マイクロメート
ルである。
【0040】素子電極長さW1、素子電極55,56の
膜厚dは、電極の抵抗値、前述したX,Y配線との結
線、多数配置された電子源の配置上の問題より適宜設計
され、通常は、素子電極長さW1は、数マイクロメート
ルより数百マイクロメートルであり、素子電極55,5
6の膜厚dは、数百オングストロームより数マイクロメ
ートルである。
【0041】基板51上に設けられた対向する素子電極
55と素子電極56間及び素子電極55,56上設置さ
れた電子放出部を含む薄膜54は、電子放出部53を含
むが、図5(b)に示された場合だけでなく、素子電極
55,56上には、設置されない場合もある。即ち、絶
縁性基板51上に、電子放出部を含む薄膜54、対向す
る素子電極55,56の電極順に積層構成した場合であ
る。また、対向する素子電極55と素子電極56間全て
が、製法によっては、電子放出部として機能する場合が
ある。この電子放出部を含む薄膜54の膜厚は、好まし
くは、数オングストロームより数千オングストローム
で、特に好ましくは、10オングストロームより500
オングストロームであり、素子電極55,56へのステ
ップカバレージ、電子放出部53と素子電極55,56
間の抵抗値及び電子放出部53の導電性微粒子の粒径、
後述する通電処理条件等によって、適宜設定される。そ
の抵抗値は、10の3乗より10の7乗オーム/□のシ
ート抵抗値を示す。
【0042】電子放出部を含む薄膜54を構成する材料
の具体例を挙げるならばPd,Ru,Ag,Au,T
i,In,Cu,Cr,Fe,Zn,Sn,Ta,W,
Pb等の金属、PdO,SnO2,In23,PbO,
Sb23等の酸化物、HfB2,ZrB2,LaB6,C
eB6,YB4,GdB4等の硼化物、TiC,ZrC,
HfC,TaC,SiC,WC等の炭化物、TiN,Z
rN,HfN等の窒化物、Si,Ge等の半導体、カー
ボン、AgMg,NiCu,Pb,Sn等であり、微粒
子からなる。
【0043】なおここで述べる微粒子膜とは、複数の微
粒子が集合した膜であり、その微細構造として、微粒子
が個々に分散配置した状態のみならず、微粒子が互いに
隣接、あるいは重なり合った状態(島状も含む)の膜を
さす。
【0044】微粒子の粒径は、数オングストロームより
数千オングストローム、好ましくは、10オングストロ
ームより200オングストロームである。
【0045】電子放出部53は、好ましくは、数オング
ストロームより数百オングストローム、特にこのましく
は、10オングストロームより500オングストローム
の粒径の導電性微粒子多数個からなり、電子放出部を含
む薄膜54の膜厚及び後述する通電処理条件等の製法に
依存しており、適宜設定される。
【0046】電子放出部53を構成する材料は、電子放
出部を含む薄膜54を構成する材料の元素の一部あるい
は全てと同様の物である。
【0047】電子放出部53を有する電子放出素子の製
造方法としては様々な方法が考えられるが、その一例を
図6に示す。図中、52は電子放出部形成用薄膜で例え
ば微粒子膜が挙げられる。
【0048】以下、順をおって製造方法を図5及び図6
に基づいて説明する。
【0049】1)基板51を洗剤、純水および有機溶剤
により十分に洗浄後、真空蒸着法,スパッタ法等により
素子電極材料を堆積後、フォトリソグラフィー技術によ
り該絶縁性基板51の面上に素子電極55,56を形成
する(図6(a))。
【0050】2)絶縁性基板51上に設けられた素子電
極55と素子電極56との間に、素子電極55と56を
形成した絶縁性基板上に有機金属溶液を塗布して放置す
ることにより、有機金属薄膜を形成する。なお、有機金
属溶液とは、前記Pd,Ru,Ag,Au,Ti,I
n,Cu,Cr,Fe,Zn,Sn,Ta,W,Pb等
の金属を主元素とする有機化合物の溶液である。この
後、有機金属薄膜を加熱焼成処理し、リフトオフ,エッ
チング等によりパターニングし、電子放出部形成用薄膜
52を形成する(図6(b))。尚、ここでは、有機金
属溶液の塗布法により説明したが、これに限る物でな
く、真空蒸着法,スパッタ法,化学的気相堆積法,分散
塗布法,ディッピング法,スピンナー法等によって形成
される場合もある。
【0051】3)続いて、素子電極55,56間に不図
示の電源によりパルス状あるいは、昇電圧によるフォー
ミングと呼ばれる通電処理を施すと、電子放出部形成用
薄膜52の部位に構造の変化した電子放出部53が形成
される(図6(c))。この通電処理により電子放出部
形成用薄膜52を局所的に破壊、変形もしくは変質せし
め、構造の変化した部位を電子放出部53と呼ぶ。先に
説明したように、電子放出部53は導電性微粒子で構成
されていることを本出願人らは観察している。
【0052】
【実施例】以下に本発明の実施例を述べる。
【0053】実施例1 本実施例は、本発明の検査装置に関するものであり、図
1に本実施例における検査装置のブロック構成を示す。
【0054】図中、1は定電圧印加手段、2は電流検知
手段、3は温度検知手段、4は湿度検知手段、5は基準
値データテーブルが蓄えられた記憶手段、6は比較手
段、7は被検物である表面伝導形放出素子を示してい
る。
【0055】定電圧印加手段1は、例えば従来市販され
ているような電圧安定化電源を用いて良い。
【0056】電流検知手段2は、被検物7と比べて十分
に内部抵抗が低いものが適しており、また検知結果をデ
ジタル値で出力する方式である方が、装置構成を簡便化
する上で有利な場合が多い。
【0057】温度検知手段3は、被検物自体もしくは被
検物近傍の温度を検知するためのものであり、例えば赤
外線温度計や熱電対温度計のようなもので良い。
【0058】湿度検知手段4は、被検物近傍の湿度を測
定するためのものであり、一般に用いられている湿度セ
ンサーで良い。但し、前記温度検知手段3及び湿度検知
手段4も、電流検知手段2と同様に、デジタル値で検知
結果を出力するものの方が装置構成上有利である。記憶
手段5は、例えばIC−ROM(読出し専用メモリーI
C)やフロッピーディスクなどの記憶装置であり、これ
に蓄えられるデータテーブルには以下に述べるような内
容を含んでいる。即ち、被検物7に定電圧を印加した際
に電流検知手段2により検知される電流値に関して、被
検物7が良好な特性を有する場合に示す数値範囲の数値
表である。この数値表には温度と湿度をパラメータとし
て、予め良好な特性を有する素子をいろいろな条件で測
定した結果が含まれている。
【0059】比較手段6は、温度検知手段3及び湿度検
知手段4より出力される検知結果に基づき、記憶装置に
格納されているデータテーブルから良否判定基準となる
数値範囲を読みだし、この数値範囲と電流検知手段2の
出力とを比較し、被検物7が良好な特性を有するものか
否かを判定するものである。
【0060】尚、被検物7は表面伝導形放出素子1素子
に限らず、複数の素子が並列あるいは直列あるいはマト
リクス状に配線されているものでも差し支えない。いず
れの場合にも、各素子に印加される電圧は2[V]以下
となるように定電圧印加手段1の出力を設定しておく。
【0061】例えば図10に示したような単純マトリク
ス配線の場合、EX1 を0[V]とし、EX2 〜EXL
及びEY1 〜EYN のすべてに2[V]を印加すれば、
EX1 と直接結線されている1列(N素子)に定電圧が
印加される。この時、予め並列N素子分の電流値に対す
るデータテーブルを用意しておけば良く、以後、同様に
EX2 ,EX3 ……EXL を順次選択して0[V]を印
加してゆけば、L列の素子列を1列づつ順次検査するこ
とが可能となる。
【0062】次に、図2を用いて本実施例をより具体的
に説明する。
【0063】図2は図1で示した構成に従って、マイク
ロコンピュータを応用して装置化したときの構成を示し
ている。図中、1は定電圧印加手段であるところの定電
圧電源、3は温度検知手段であるところの温度センサ
ー、4は湿度検知手段であるところの湿度センサー、5
は記憶手段であるところのメモリー、6は比較手段であ
るところのCPU、7は表面伝導形放出素子、8及び9
は接触子、10は温度補償された抵抗、11は増巾器、
12,13及び14はA/D変換器、15,16及び1
7は入力ポートである。
【0064】本装置に於ては、温度補償抵抗10,増巾
器11及びA/D変換器12により、図1中の電流検知
手段2が構成されている。温度補償抵抗10は被検物7
と比較して十分に電気抵抗が小さく、しかも温度補償さ
れた物を用いる。温度補償抵抗10の両端の電位差は、
増巾器11により電圧増巾された後、A/D変換器12
によりデジタル化され、入力ポート15を介してバスラ
インと接続する。
【0065】また、温度センサー3及び湿度センサー4
の出力は、各々、A/D変換器13及び14によりデジ
タル信号化され、入力ポート16及び17を介してバス
ラインと接続している。
【0066】また、メモリー5には、先に説明したデー
タテーブルが予め記憶されている。
【0067】CPU6はバスラインを介して入力ポート
16,17から温度データ及び湿度データを読み出す
と、メモリー5に対して適宜アドレスを発生し、前記デ
ータテーブルの中から、その時点での温度及び湿度にお
ける判定基準データを読み出す。しかる後、CPU6は
入力ポート15から入力される電流データと前記判定基
準データを比較し、良品か否かの判定を行うものであ
る。
【0068】尚、CPU6やバスラインは必ずしも本検
査装置専用のものである必要はなく、時分割動作により
他の装置の制御などを行うものであっても差し支えな
い。
【0069】実施例2 本実施例では、本発明の検査装置の他の態様を示すもの
である。図3に本実施例における検査装置のブロック構
成を示す。
【0070】同図において、定電圧印加手段1,電流検
知手段2,温度検知手段3,湿度検知手段4の機能は実
施例1と同様である。本実施例に於ては、温度及び湿度
に関して、その検知手段を備えるだけでなく、昇温手段
18,降温手段19,加湿手段20,除湿手段21を併
わせて設ける事により、温度と湿度をほぼ一定の条件に
制御し、この条件のもとで電流検知が行えるようにした
ものである。従って、本実施例の場合には、データテー
ブル5の内容は必ずしも広範囲の温度,湿度パラメータ
を包含する必要は無い。
【0071】本実施例に於ては、制御装置25は以下に
説明するような制御機能を果たす。 温度検知手段3より入力する温度計測値に基づき、昇
温手段18あるいは降温手段19を作動し、所定の温度
を維持するよう制御する。 湿度検知手段4より入力する湿度計測値に基づき、加
湿手段20あるいは除湿手段21を作動し、所定の湿度
を維持するよう制御する。 位置検出手段22より入力される被検物の位置情報に
基づき、被検物搬送手段23を適宜駆動し、被検物を所
定の位置に移動せしめた後、接触子駆動手段24を駆動
し、被検物と測定回路との電気的接続を制御する。 定電圧印加手段1を適宜駆動し、電流検知手段2によ
って検知された電流値と、データテーブル5に記憶され
た判定基準値とを比較し、電子放出素子の良否を判定す
る。
【0072】図4は図3の構成に基づいて装置化したも
のであり、同図に示すのは検査装置の一部斜視図であ
る。図4中、22はCCD撮像素子等を用いた被検物の
位置検出手段であるところの光学センサー、23は被検
物基板26の搬送手段であるところの搬送ベルト、24
は接触子27を被検物と接触もしくは離間させるための
駆動ステージ、28は検査装置のカバー、29は温度・
湿度調整器、30は送風路である。
【0073】本装置は、多数の被検物を短時間内に検査
するためのものであり、被検物は搬送ベルト23によ
り、次々と検査装置内に搬入される。
【0074】位置検出用光学センサー22の検出信号に
基づき、被検物が検査装置内の所定位置に置かれると、
接触子アレイ駆動ステージ24が作動し、接触子27が
被検物基板26上の所定の位置に接触する。そして、先
に説明した様な方法により、被検物の特性の良否を判定
する。この間、被検物近傍に設置された温度センサー3
と湿度センサー4が、例えば温度30℃,湿度50%を
指示するように、温度・湿度調整器29により調整され
た空気が、送風路30を介して装置内に吹き込まれる。
【0075】尚、カバー28は電磁ノイズを遮蔽した
り、装置内の温度や湿度の維持に補助的な役割りを果た
すものであり、図4では図示の都合上、2面を開放した
形状としているが、実際には被検物の搬入と搬出に必要
十分なサイズの開口とするのが望ましい。
【0076】
【発明の効果】以上説明した様に本発明によれば以下の
効果を奏する。
【0077】本発明の検査装置は、表面伝導形放出素子
に一定電圧を印加した際に流れる電流値と、良好な素子
特性を有する素子の基準電流値の範囲とを比較判定する
ことにより、電圧依存の非線形性を有する素子であって
も、素子の良否判定を容易にすることができる。
【0078】また、素子に印加する一定電圧を2[V]
以下に設定することで、素子の電子放出特性に悪影響を
与えることなく良否判定を行うことができる。
【0079】更に、温度・湿度検知や温度・湿度制御を
することにより、より一層、上記検査を精度良く行うこ
とが可能である。
【0080】以上の結果、不良な素子基板を封着工程前
に選別する事が可能となり、従来と比較して製造に関わ
る資源とエネルギーの浪費を大巾に低減させる事が可能
となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の検査装置のブロック構成例である。
【図2】本発明の検査装置をマイクロコンピュータを応
用して構成した例である。
【図3】本発明の検査装置のブロック構成例である。
【図4】本発明の検査装置の一例を示す部分斜視図であ
る。
【図5】本発明に係る表面伝導形電子放出素子の基本構
成図である。
【図6】図5の素子の製造方法を説明するための図であ
る。
【図7】本発明に係る画像表示装置に用いられる電子放
出素子の一例を示す斜視図である。
【図8】本発明に係る画像表示装置の一例を示す概略断
面図である。
【図9】本発明に係る画像表示装置の一例を示す部分切
欠斜視図である。
【図10】単純マトリクス配線を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
1 定電圧印加手段 2 電流検知手段 3 温度検知手段 4 湿度検知手段 5 記憶手段 6 比較(判定)手段 7 表面伝導形放出素子(被検物) 8,9 接触子 10 温度補償抵抗 11 増巾器 12,13,14 A/D変換器 15,16,17 入力ポート 18 昇温手段 19 降温手段 20 加湿手段 21 除湿手段 22 位置検出手段 23 被検物搬送手段 24 接触子駆動手段 25 制御装置 26 被検物基板 27 接触子 28 カバー 29 温度・湿度調整器 30 送風路 51 基板 52 電子放出部形成用薄膜 53 電子放出部 54 電子放出部を含む薄膜 55,56 素子電極 71,72 電極 73 電子放出用薄膜 74 電子放出部 75 絶縁性基板 81 表面伝導形放出素子 82 スペーサ 83 フェースプレート 84 蛍光体 85 基板 86 フリットガラス 87 排気管
フロントページの続き (72)発明者 中村 尚人 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 野村 一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検物への一定電圧の印加手段と、該被
    検物に流れる電流の検知手段と、該検知手段により検知
    された電流値と比較するための基準値が記憶されている
    記憶手段と、上記検知手段により検知された電流値と上
    記基準値を比較するための比較手段を具備する電子放出
    素子の検査装置。
  2. 【請求項2】 前記被検物に印加される一定電圧が、2
    ボルト以下であることを特徴とする請求項1記載の検査
    装置。
  3. 【請求項3】 前記被検物近傍の温度及び/又は湿度を
    検知する手段を具備し、前記記憶手段に記憶されている
    基準値は温度及び/又は湿度をパラメータとして設定さ
    れていることを特徴とする請求項1又は2記載の検査装
    置。
  4. 【請求項4】 前記被検物近傍の温度及び/又は湿度を
    制御する制御手段を具備することを特徴とする請求項1
    〜3いずれかに記載の検査装置。
JP2761294A 1993-02-01 1994-02-01 電子放出素子の検査装置 Withdrawn JPH06283104A (ja)

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JP2761294A JPH06283104A (ja) 1993-02-01 1994-02-01 電子放出素子の検査装置

Applications Claiming Priority (3)

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JP3396893 1993-02-01
JP5-33968 1993-02-01
JP2761294A JPH06283104A (ja) 1993-02-01 1994-02-01 電子放出素子の検査装置

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5730634A (en) * 1995-02-14 1998-03-24 Nec Corporation Inspection method and inspection apparatus for field-emission cold cathode
KR100434525B1 (ko) * 1998-04-10 2004-07-16 삼성에스디아이 주식회사 전계방출 표시소자의 특성 측정 시스템

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5730634A (en) * 1995-02-14 1998-03-24 Nec Corporation Inspection method and inspection apparatus for field-emission cold cathode
KR100434525B1 (ko) * 1998-04-10 2004-07-16 삼성에스디아이 주식회사 전계방출 표시소자의 특성 측정 시스템

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