JPH06280625A - ガソリンエンジン用調速機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ガソリンエンジンの回転数や負荷
を所要範囲内に制限するガソリンエンジン用調速機に関
し、エンジンの全高を大きくすることなくエンジン回転
数に対応した精度良い調速を実現できるようにすること
を目的とする。 【構成】 ガソリンエンジンに付設された負圧ポンプ８
と、該負圧ポンプ８で発生した負圧により作動して、該
ガソリンエンジンが所要の高回転状態になると、手動操
作手段の操作に優先して該スロットルバルブを閉方向へ
駆動するように該スロットルバルブと連結されたアクチ
ュエータ９とから構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ガソリンエンジンの回
転数や負荷を所要の範囲内に制限するガソリンエンジン
用調速機に関し、特に、車速を所定の範囲に制限する自
動車に用いて好適の、ガソリンエンジン用調速機に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】自動車の車速を所定の範囲に制限する一
手段として、エンジンの回転速度が過大にならないよう
に制限する調速機が用いられている。例えば、図２は従
来のガソリンエンジンの調速機を示すものである。図２
に示すように、エンジンの吸気通路には、上流側から、
エアクリーナ１，キャブレタ２，吸気マニホルド７の順
に配設されているが、図示しないスロットルバルブをそ
なえたスロットルボディ３は、吸気通路内のキャブレタ
２と吸気マニホルド７との間に介装されている。

【０００３】このスロットルボディ３には、スロットル
レバー４がそなえられ、図示しないスロットルバルブは
このスロットルレバー４と連動して開閉する。スロット
ルレバー４には、一端を図示しないアクセルペダル（手
動操作手段）に連結されたワイヤ５が結合しており、ア
クセルペダルの踏込みに応じてスロットルレバー４が軸
６の回りに回動してスロットルバルブの開度が調整され
る。そして、スロットルバルブの開度に応じてエンジン
の出力が調整されるようになっている。

【０００４】このような吸気通路には、調速機としての
エアガバナ１２が設けられている。このエアガバナ１２
は、スロットルボディ３の下流側の吸気マニホルド７の
上流端との間に介装されており、エンジンのシリンダ内
へ流入する吸気の流量や負圧により、エンジン回転速度
が高回転になると閉鎖側に作動するバルブ１２Ａをそな
えている。

【０００５】このバルブ１２Ａは、スロットルバルブの
下流側に直列に設けられ、アクセルペダルとは関係なく
開閉するので、エンジン回転速度が高回転になると、ア
クセルペダルを踏み込んで、スロットルバルブの開度が
大きくなるように操作されても、これと直列の位置にあ
るエアガバナ１２のバルブ１２Ａが閉鎖するので、エン
ジンのシリンダ内へ流入する吸気は一定限度内に抑えら
れる。

【０００６】したがって、エンジンの回転速度や負荷が
過大にならないように制限され、例えば自動車の車速を
所定の範囲に制限することもできる。また、実開昭６１
−１８７９３３号公報に開示された装置では、スロット
ルバルブ自体をエンジンの回転で駆動されるメカニカル
ガバナにより制御して、エンジンの回転速度や負荷の制
限をするように構成している。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
に、調速機としてエアガバナ１２を用いると、吸気脈動
等により、エンジンの回転数に対応した精度良い調速を
実現しにくいという課題がある。また、エアガバナ１２
を用いる場合や実開昭６１−１８７９３３号の装置で
は、自動車等に搭載した場合、車体振動の影響を受け
て、この点でもエンジンの回転数に対応した精度良い調
速を実現しにくくなるという課題がある。

【０００８】さらに、エアガバナ１２を用いる場合に
は、吸気通路がこのエアガバナ１２を設置した分Ｈだけ
長くなり、エンジンの全高が大きくなってしまうという
課題がある。本発明は、上述の課題に鑑み創案されたも
ので、エンジンの全高を大きくすることなく、エンジン
の回転数に対応した精度良い調速を実現できるようにし
た、ガソリンエンジン用調速機を提供することを目的と
する。

【０００９】

【課題を解決するための手段】このため、本発明のガソ
リンエンジン用調速機は、吸気通路に介設されたスロッ
トルバルブと、該スロットルバルブを手動操作する手動
操作手段とをそなえたガソリンエンジンに設けられ、該
手動操作手段の操作に優先して該スロットルバルブを閉
方向へ駆動して該ガソリンエンジンの回転速度を調整す
る調速機において、該ガソリンエンジンに付設された負
圧ポンプと、該負圧ポンプで発生した負圧により作動し
て、該ガソリンエンジンが所要の高回転状態になると、
該手動操作手段の操作に優先して該スロットルバルブを
閉方向へ駆動するように該スロットルバルブと連結され
たアクチュエータとから構成されていることを特徴とし
ている。

【００１０】

【作用】上述の本発明のガソリンエンジン用調速機で
は、該ガソリンエンジンに付設された負圧ポンプにより
負圧が発生して、この負圧によりアクチュエータが作動
するが、このアクチュエータは、該ガソリンエンジンが
所要の高回転状態になると、該手動操作手段の操作に優
先して該スロットルバルブを閉方向へ駆動する。

【００１１】

【実施例】以下、図面により、本発明の一実施例として
のガソリンエンジン用調速機について説明すると、図１
はその模式的な構成図である。図１に示すように、エン
ジンの吸気通路には、上流側から、エアクリーナ１，キ
ャブレタ２，吸気マニホルド７の順に配設され、図示し
ないスロットルバルブをそなえたスロットルボディ３
が、吸気通路内のキャブレタ２と吸気マニホルド７との
間に介装されている。

【００１２】スロットルボディ３にはスロットルレバー
４がそなえられ、スロットルバルブはこのスロットルレ
バー４と連動して開閉する。また、スロットルレバー４
には、ワイヤ５を介して図示しないアクセルペダル（手
動操作手段）に連結されている。なお、ワイヤ５の途中
に、バネ５Ａが介設されている。そして、アクセルペダ
ルの踏込みに応じてスロットルレバー４が軸６の回りに
回動してスロットルバルブの開度が調整され、スロット
ルバルブの開度に応じてエンジンの出力が調整されるよ
うになっている。ここでは、アクセルペダルを踏み込む
と、ワイヤ５が図１中右方へ移動して、スロットルレバ
ー４を軸６の回りに右回転させてスロットルバルブを開
放側へ駆動するようになっている。

【００１３】本調速機１１は、このような吸気通路に付
設されるが、この調速機１１は、エンジンに付設された
負圧ポンプ８と、負圧ポンプ８で発生した負圧により作
動するアクチュエータとしてのシリンダ装置９とをそな
えて構成される。負圧ポンプ８は、例えば図示しないオ
ルタネータ等の補機類の後端に取り付けられたものであ
り、エンジンの回転速度に対応した負圧を発生する。な
お、８Ａはエンジンの回転駆動力を入力されるプーリで
ある。

【００１４】シリンダ装置９は、シリンダ９Ａと、この
シリンダ９Ａ内をスライドするピストン９Ｂと、のシリ
ンダ９Ａ内のピストン９Ｂ全面側に形成された負圧室９
Ｃと、ピストン９Ｂに連結されたピストンロッド９Ｄと
をそなえている。そして、負圧室９Ｃは、パイプ１０を
介して負圧ポンプ８の出力部と接続されており、エンジ
ンの回転速度に対応した負圧状態になる。なお、９Ｅは
大気圧室である。

【００１５】ピストン９Ｂはこの負圧室９Ｃの負圧状態
に応じてピストンロッド９Ｄとともにシリンダ９Ａ内を
移動し、負圧が大きくなる（減圧される）と、図１中、
左方へ移動する。ピストンロッド９Ｄは、ワイヤ１１Ａ
を介してスロットルレバー４に結合しており、ピストン
９Ｂの移動に伴ってピストンロッド９Ｄが左方へ移動す
ると、ワイヤ１１Ａを介してスロットルレバー４を軸６
の回りに左回転させ、スロットルバルブを閉放側へ駆動
するようになっている。

【００１６】このように、スロットルレバー４は、アク
セルペダルによってもシリンダ装置９によっても駆動さ
れるようになっているが、このスロットルレバー４は、
アクセルペダルの操作によって回転する第１部材４Ａ
と、シリンダ装置９の駆動によって回転する第２部材４
Ｂとをそなえ、スロットルバルブは、これらのうちの開
度を小さくする部材に追従して作動する。

【００１７】したがって、通常のエンジンの回転速度が
所要の範囲内のときには、シリンダ装置９による駆動は
僅かであり、スロットルレバー４はアクセルペダルの踏
込量に対応した開度となり、エンジンの回転速度が過大
になると、シリンダ装置９により、アクセルペダルの踏
込みとは関係なく、スロットルレバー４を左回転方向に
駆動されて、スロットルバルブを閉放側へ駆動するよう
になっている。

【００１８】本発明の一実施例としてのガソリンエンジ
ン用調速機は、上述のように構成されているので、エン
ジンの回転速度が大きくなると、シリンダ装置９に作用
にする負圧が大きくなり、シリンダ装置９が、アクセル
ペダルの踏込みとは関係なく、スロットルレバー４を図
１中で左方向に回転させ、スロットルバルブを閉放側へ
駆動する。

【００１９】これにより、アクセルペダルの踏込みとは
関係なく、エンジンの回転速度や負荷が過大となるのを
防止でき、例えば自動車の車速を所定の範囲に制限する
こともできる。特に、このガソリンエンジン用調速機で
は、負圧ポンプ８がエンジンの回転数に対応して負圧を
発生するので、エンジンの回転数に対応した精度良い調
速を実現できるようになる。

【００２０】さらに、負圧ポンプ８の出力は安定したも
のになるので、自動車等に搭載した場合にも車体振動の
影響を受けにくく、この点でも、エンジンの回転数に対
応した精度良い調速を実現できる。また、吸気通路の途
中のエアガバナ１２（図２参照）が省略されるので、吸
気通路をこのエアガバナ１２の設置分Ｈだけ短くでき、
エンジンの全高をそれだけ抑えられて、例えば自動車の
ボディの設計自由度を高めることができ、自動車ボディ
の空力抵抗を抑えることも容易になる等の利点がある。

【００２１】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明のガソリン
エンジン用調速機によれば、吸気通路に介設されたスロ
ットルバルブと、該スロットルバルブを手動操作する手
動操作手段とをそなえたガソリンエンジンに設けられ、
該手動操作手段の操作に優先して該スロットルバルブを
閉方向へ駆動して該ガソリンエンジンの回転速度を調整
する調速機において、該ガソリンエンジンに付設された
負圧ポンプと、該負圧ポンプで発生した負圧により作動
して、該ガソリンエンジンが所要の高回転状態になる
と、該手動操作手段の操作に優先して該スロットルバル
ブを閉方向へ駆動するように該スロットルバルブと連結
されたアクチュエータとから構成されることにより、エ
ンジンの回転数に対応した精度良い調速を実現できるよ
うになる。特に、負圧ポンプの出力特性から、自動車等
に搭載した場合にも車体振動の影響を受けにくく、この
点でも、エンジンの回転数に対応した精度良い調速を実
現できる。

【００２２】また、エンジンの全高を抑えられて、例え
ば自動車のボディの設計自由度を高めることができて、
自動車ボディの空力抵抗を抑えることも容易になる等も
利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例としてのガソリンエンジン用
調速機を示す模式的な構成図である。

【図２】従来のガソリンエンジン用調速機を示す模式的
な構成図である。

【符号の説明】

１ エアクリーナ ２ キャブレタ ３ スロットルボディ ４ スロットルレバー ４Ａ 第１部材 ４Ｂ 第２部材 ５ ワイヤ ５Ａ バネ ６ 軸 ７ 吸気マニホルド ８ 負圧ポンプ ８Ａ プーリ ９ シリンダ装置 ９Ａ シリンダ ９Ｂ ピストン ９Ｃ 負圧室 ９Ｄ ピストンロッド ９Ｅ 大気圧室 １０ パイプ １１ ガソリンエンジン用調速機 １１Ａ ワイヤ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 吸気通路に介設されたスロットルバルブ
   と、該スロットルバルブを手動操作する手動操作手段と
   をそなえたガソリンエンジンに設けられ、 該手動操作手段の操作に優先して該スロットルバルブを
   閉方向へ駆動して該ガソリンエンジンの回転速度を調整
   する調速機において、 該ガソリンエンジンに付設された負圧ポンプと、 該負圧ポンプで発生した負圧により作動して、該ガソリ
   ンエンジンが所要の高回転状態になると、該手動操作手
   段の操作に優先して該スロットルバルブを閉方向へ駆動
   するように該スロットルバルブと連結されたアクチュエ
   ータとから構成されていることを特徴とする、ガソリン
   エンジン用調速機。