JPH0627703Y2

JPH0627703Y2 - モルタル壁用下地材

Info

Publication number: JPH0627703Y2
Application number: JP9611488U
Authority: JP
Inventors: 正夫石井; 良夫松村
Original assignee: Kaneka Corp
Current assignee: Kaneka Corp
Priority date: 1988-07-19
Filing date: 1988-07-19
Publication date: 1994-07-27
Anticipated expiration: 2003-07-19
Also published as: JPH0220626U

Description

【考案の詳細な説明】考案の技術分野本考案は、室内の湿気を戸外へ良好に排出し得る耐久性
に優れたモルタル壁を構築するためのモルタル壁用下地
材に関する。

考案の技術的背景ならびにその問題点一般の住宅等において、モルタル壁を構築する際には、
木摺板の表面にアスファルト・フェルト等の防水シート
を張設し、その上に金網やメタルラス等の補強材を打ち
つけ、その上からモルタル材を塗布してモルタル壁を構
築するようにしていた。しかしながら、このような従来
のモルタル壁にあっては、防水シートを張設する作業と
補強材を打ち付ける作業とを要し、その作業が煩雑であ
るという不都合を有していた。

また、モルタル壁の下地材として用いられるアスファル
ト・フェルト等の防水シートは、優れた防水性を有する
反面、湿気を通し難く、室内の湿気が壁内で結露してし
まう虞もあった。

特に、住まいの質向上と省エネルギーへの要請から、今
日では一般住宅でも断熱材の使用は常識的といえるまで
に普及してきたが、このような住宅等の建築物における
断熱化に伴い、壁における内部結露の被害が問題となっ
ている。内部結露が発生する原因は、壁内部に断熱材を
入れることによって、建物の断熱化を図れる反面、壁内
部における室内側と戸外側との温度差が大きくなり、低
温部分に入り込んだ水蒸気が結露するためである。

結露が建築物の壁内部に生じると、断熱材の断熱性能を
低下させるだけでなく、木材の耐久性を著しく低下さ
せ、ひいては建築物の耐久性をも低下させてしまうとい
う不都合を有する。このような結露を防止するための手
段としては、室内の水蒸気を含んだ空気が壁内に侵入す
るのを防ぐために、断熱材を隙間なく、かつ防湿層を壁
全面に設けることが基本となる。しかしながら、防湿層
の施工は、念入に行っても、水蒸気を含んだ空気が壁内
部へ侵入するのを１００％防ぐことは難しく、特に寒冷
地においては、防湿層を設けたにもかかわらず、壁内に
結露が生じている例が多く指摘されている。

考案の目的本考案は、このような実情に鑑みてなされたものであ
り、室内の湿気を戸外へ良好に排出し得る耐久性に優れ
たモルタル壁を、低コストで容易に構築することができ
るモルタル壁用下地材を提供することを目的とする。

考案の概要かかる目的を達成するために、本考案は、モルタル壁を
形成するための下地材となるモルタル壁用下地材におい
て、メタルラス、ワイヤラス、溶接網等の補強材と、この補強材に一体化された透湿防水シートとから成り、その透湿防水シートの透湿度、耐水度、はっ水度及び通
気性が次に示す範囲、透湿度＝１００〜３５０ｇ／m²・ｈ耐水度＝５００〜２５００mm はっ水度＝７０〜１２０点通気性＝０．１〜４cm³/cm²／ｓにあることを特徴としている。

このような本考案に係るモルタル壁用下地材によれば、
それを用いてモルタル壁を構成した場合に、透湿防水シ
ートが良好な透湿性を有するため、そこを通して室内か
ら漏れてきた水蒸気や湿り空気の湿気が良好に戸外へ放
出され、壁内部に結露が生じることはない。したがっ
て、壁の耐久性が向上する。しかも、この透湿防水シー
トは、良好な耐久性乃至はっ水性を有するため、モルタ
ル壁面のクラックによる戸外の雨水等が室内側へ侵入す
ることはない。

また、このようなモルタル壁用下地材を用いてモルタル
壁を構築する場合には、補強材に一体化された透湿防水
シートを木摺板等に張設するだけで、従来必要としてい
た防水シートを張設する作業と補強材を打ち付ける作業
との２工程が完了するので、その構築作業の簡略化が図
れる。

考案の具体的説明以下、本考案を図面に示す実施例に基づき詳細に説明す
る。

第１図は本考案の一実施例に係るモルタル壁の要部断面
図、第２図（Ａ）は同実施例に係る下地材の要部断面
図、第２図（Ｂ）は本考案の他の実施例に係る下地材の
要部断面図である。

第１図に示す壁構造１にあっては、室内側に面する内装
材２の戸外側に断熱材５が配設される。断熱材５として
は、発泡ポリスチレン等が好ましく用いられるが、グラ
スウールやその他の断熱材であっても良い。

断熱材５の戸外側には、木摺板６が配設してある。この
木摺板６の戸外側に、本考案に係るモルタル壁用下地材
７が張設され、その上からモルタル材が塗布され、モル
タル壁８が構成される。

モルタル壁用下地材７は、第２図（Ａ）に示すように、
透湿防水シート９と、この透湿防水シート９に一体化さ
れた補強材１０とから成る。補強材１０としては、メタ
ルラス、ワイヤラス、溶接網等が用いられる。

透湿防水シート９は、たとえば、ポリエチレンないしポ
リエステル等から成る不織布もしくは織布を高圧熱プレ
スすることにより形成され、以下の特性を有する。

透湿度＝１００〜３５０ｇ／m²・ｈ耐水度＝５００〜２５００mm はっ水度＝７０〜１２０点通気性＝０．１〜４cm³/cm²／ｓ上述した透湿度、耐水度、はっ水度、および通気性は、
それぞれＪＩＳＺ０２０８，ＪＩＳＺ１０９２，ＪＩＳＬ１０９２，ＪＩＳＬ１０９６により測定される。

このような本考案の一実施例に係るモルタル壁用下地材
７によれば、それを用いてモルタル壁８を構成した場合
に、透湿防水シート９が良好な透湿性を有するため、そ
こを通して室内の湿気が良好に戸外へ放出され、壁内部
に結露が生じることが少ない。したがって、壁の耐久性
が向上する。しかも、。この透湿防水シート９は、良好
な耐水性乃至はっ水性を有するため、戸外の雨水等が室
内側へ侵入することはない。

また、このようなモルタル壁用下地材７を用いてモルタ
ル壁８を構築する場合には、補強材１０に一体化された
透湿防水シート９を木摺板６等に張設するだけで、従来
必要としていた防水シートを張設する作業と補強材を打
ち付ける作業との２工程が完了するので、その構築作業
の簡略化が図れる。

なお、本考案は、上述した実施例に限定されず、本考案
の範囲内で種々に改変することができる。

たとえば、第２図（Ｂ）に示すように、透湿防水シート
９を縫うように補強材１０を配設することにより、透湿
防水シート９と補強材１０とを一体化してモルタル壁用
下地材７ａを構成するようにしても良い。また、同図
（Ｃ）に示すように、このような同図（Ｂ）に示す下地
材の片面にさらに透湿防水シート９を設けてモルタル壁
用下地材７ｂとするようにしても良い。

このような実施例にあっても、上述した実施例と同様な
作用を有する。

また、第１図に示す壁構造１にあっては、断熱材５を配
設してあるが、本考案に係る下地材７，７ａを用いて構
築される壁構造中には、必ずしも断熱材５を設ける必要
がない。

考案の効果以上説明してきたように、本考案によれば、モルタル壁
用下地材を、透湿防水シートとそれに一体となった補強
材とから構成したので、室内の湿気を戸外へ良好に排出
し得る耐久性に優れたモルタル壁を、低コストで容易に
構築することができるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るモルタル壁の要部断面
図、第２図（Ａ）は同実施例に係る下地材の要部断面
図、第２図（Ｂ）、（Ｃ）はそれぞれ本考案の他の実施
例に係る下地材の要部断面図である。１…壁構造、６…木摺板７…モルタル壁用下地材、８…モルタル壁９…透湿防水シート、１０…補強材

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】モルタル壁を形成するための下地材となる
モルタル壁用下地材において、メタルラス、ワイヤラス、溶接網等の補強材と、この補強材に一体化された透湿防水シートとから成り、その透湿防水シートの透湿度、耐水度、はっ水度及び通
気性が次に示す範囲、透湿度＝１００〜３５０ｇ／m²・ｈ耐水度＝５００〜２５００mm はっ水度＝７０〜１２０点通気性＝０．１〜４cm³/cm²／ｓにあることを特徴とするモルタル壁用下地材。