JPH06275827A - クロム膜製電極の形成方法 - Google Patents

クロム膜製電極の形成方法

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JPH06275827A
JPH06275827A JP6049893A JP6049893A JPH06275827A JP H06275827 A JPH06275827 A JP H06275827A JP 6049893 A JP6049893 A JP 6049893A JP 6049893 A JP6049893 A JP 6049893A JP H06275827 A JPH06275827 A JP H06275827A
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正男 牛田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐薬品性に優れ、かつ側面が基板内で実質的
に一様なテーパー状をなしたゲート電極を容易に形成す
るのに好適なクロム膜製電極の形成方法を提供する。 【構成】 本発明のクロム膜製電極4bの形成方法は、
基板1上に、窒素,炭素,及びフッ素からなる群より選
択される少なくとも1種の元素を含有するクロム膜4で
あって、下層部よりも上層部の方がエッチング速度が速
くなるように前記元素の含有率を厚さ方向に変化させた
クロム膜4を成膜する工程と、前記クロム膜4上に所定
のレジストパターン5aを形成する工程と、前記レジス
トパターン5aに沿って前記クロム膜4を所定のエッチ
ング液によりエッチングすることによりこのクロム膜4
の側面を厚さ方向に対して外側に傾斜させて、前記クロ
ム膜4の側面を、基板表面に対してなす角度が鋭角とな
るようなテーパー状に成形する工程とを含むことを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜トランジスタ用の
ゲート電極等として好適なクロム膜製電極の形成方法、
薄膜トランジスタ作製用の基板等として好適なクロム膜
製電極付基板、及び薄膜トランジスタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の薄膜トランジスタとしては、例え
ば図5に示すような構造のものがある。即ち、この薄膜
トランジスタ20は、ガラス基板21上にアルミニウ
ム,クロム等の金属からなる薄膜を成膜した後にこの薄
膜をエッチングすることにより得られたゲート電極22
を有し、このゲート電極22上にはSiNからなるゲー
ト絶縁層23を介して半導体(a−Si)からなるチャ
ネル層24、チャネル保護層25、及びリンドープa−
Siからなるオーミックコンタクト層26が島状に順次
積層されており、さらにその上にアルミニウム製のソー
ス電極27及びアルミニウム製のドレイン電極28を有
するものである。
【0003】このような薄膜トランジスタのゲート電極
においてその側面がほぼ垂直であると、ゲート電極上に
形成するゲート絶縁層などの被覆性が段差の存在により
悪くなり、絶縁耐圧の低下や配線の段切れを引き起こす
恐れが生じる。このため、近年においてはゲート電極の
側面を厚さ方向に対して外側に傾斜させて、ゲート電極
の側面を基板表面に対してなす角度が鋭角となるような
テーパー状に成形する技術が用いられている。また、ゲ
ート電極形成後に行われる他の膜のエッチングプロセ
ス、洗浄プロセス等を考慮して、耐薬品性に優れたクロ
ムをゲート電極の材料として用いることが行われてい
る。
【0004】テーパー状の側面を有するクロム製のゲー
ト電極の形成方法としては、例えば特開平4−2610
19号公報に開示されている方法がある。この方法は、
クロム膜上にレジストを塗布する前に当該クロム膜表面
を親水化面にすることにより、クロム膜のエッチングの
際にレジストとクロム膜との界面にエッチング液を染み
込ませ、これによりゲート電極側面をテーパー状にする
ものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような方法では、クロム膜の表面状態やエッチングの温
度等により、基板表面に対してなすゲート電極側面の角
度(電極側の角度)が同一基板内で不均一になり易いと
いう問題点があった。
【0006】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、耐薬品性に優れ、かつ側面が基板内で
実質的に一様なテーパー状をなしたゲート電極を容易に
形成するのに好適なクロム膜製電極の形成方法を提供す
ることを目的とする。また本発明の他の目的は、絶縁耐
圧の低下や配線の段切れの少ない薄膜トランジスタの作
製に好適なクロム膜製電極付基板、及び側面がテーパー
状をなしたクロム膜製ゲート電極を備えた薄膜トランジ
スタであって絶縁耐圧の低下や配線の段切れの少ないも
のを得るのが容易な薄膜トランジスタを提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の方法は、基板上に、窒素,炭素,及びフッ素からな
る群より選択される少なくとも1種の元素を含有するク
ロム膜であって、下層部よりも上層部の方がエッチング
速度が速くなるように前記元素の含有率を厚さ方向に変
化させたクロム膜を成膜する工程と、前記クロム膜上に
所定のレジストパターンを形成する工程と、前記レジス
トパターンに沿って前記クロム膜を所定のエッチング液
によりエッチングすることによりこのクロム膜の側面を
厚さ方向に対して外側に傾斜させて、前記クロム膜の側
面を、基板表面に対してなす角度が鋭角となるようなテ
ーパー状に成形する工程とを含むことを特徴とする。
【0008】また、上記目的を達成する本発明のクロム
膜製電極付基板は、基板上に、この基板表面に対してな
す角度が鋭角となるようなテーパー状の側面を有するク
ロム膜製電極を設けたクロム膜製電極付基板であり、前
記クロム膜製電極が、基板側に形成された第1のクロム
膜とこの第1のクロム膜上に形成された第2のクロム膜
との2層構造のクロム膜からなり、前記第1のクロム膜
と前記第2のクロム膜が、 条件(a):窒化度が第1のクロム膜よりも第2のクロ
ム膜の方が大きい 条件(b):炭化度又はフッ化度が第1のクロム膜より
も第2のクロム膜の方が小さい のうちの少なくとも1つの条件を満たすことを特徴とす
る。
【0009】さらに、上記目的を達成する本発明の薄膜
トランジスタは、基板表面に対してなす角度が鋭角とな
るようなテーパー状の側面を有するゲート電極を備えた
薄膜トランジスタであり、前記ゲート電極が、基板側に
形成された第1のクロム膜とこの第1のクロム膜上に形
成された第2のクロム膜との2層構造のクロム膜からな
り、前記第1のクロム膜と前記第2のクロム膜が、 条件(a):窒化度が第1のクロム膜よりも第2のクロ
ム膜の方が大きい 条件(b):炭化度又はフッ化度が第1のクロム膜より
も第2のクロム膜の方が小さい のうちの少なくとも1つの条件を満たすことを特徴とす
る。
【0010】
【作用】本発明の方法で用いるクロム膜は、窒素,炭
素,及びフッ素からなる群より選択される少なくとも1
種の元素を含有し、下層部よりも上層部の方がエッチン
グ速度が速くなるように前記元素の含有率を厚さ方向に
変化させたものである。このため、このクロム膜にエッ
チング処理を施すと、レジストパターンに沿って先ず上
層部が速いエッチング速度でエッチングされる。次い
で、下層部がレジストパターンに沿って遅いエッチング
速度でエッチングされるとともに、レジストパターンの
下部に位置するクロム膜上層部が側方から速いエッチン
グ速度でエッチングされる。また、レジストパターンの
下部に位置するクロム膜上層部が側方からエッチングさ
れるのに伴って、レジストパターンの下部に位置するク
ロム膜下層部も側方から遅いエッチング速度でエッチン
グされる。その結果、最終的に得られるクロム膜製電極
の側面は、上層部にゆくほど等方エッチングによる垂直
に近い形状を呈し、下層部は基板表面に対してなす角度
が鋭角となるようなテーパー状を呈する。
【0011】本発明の方法においては、クロム膜表面を
親水化面にする必要性はない。このため、最終的に得ら
れるクロム膜製電極におけるその側面の基板表面に対し
てなす角度(クロム膜製電極側の角度)が、エッチング
前のクロム膜の表面状態(親水化の程度)の差異に起因
して同一基板内で不均一になるということは有り得な
い。したがって、側面が基板内で実質的に一様なテーパ
ー状をなしたクロム膜製電極をより容易に形成すること
ができる。
【0012】また、本発明のクロム膜製電極付基板にお
いてクロム膜製電極を形成する2層構造のクロム膜で
は、第1のクロム膜と前記第2のクロム膜が、 条件(a):窒化度が第1のクロム膜よりも第2のクロ
ム膜の方が大きい 条件(b):炭化度又はフッ化度が第1のクロム膜より
も第2のクロム膜の方が小さい のうちの少なくとも1つの条件を満たすことから、第2
のクロム膜のエッチング速度の方が第1のクロム膜のエ
ッチング速度よりも速い。
【0013】したがって、このクロム膜製電極は上述し
た本発明の方法により形成することができる。そして、
本発明の上記方法でクロム膜製電極を形成したクロム膜
製電極付基板は、クロム膜製電極の側面が基板内で実質
的に一様なテーパー状をなしたものを容易に得られるこ
とから、このクロム膜製電極をゲート電極として利用す
ることにより、絶縁耐圧の低下や配線の段切れの少ない
薄膜トランジスタを高い生産性の下に作製するうえで好
適である。
【0014】また、本発明の薄膜トランジスタにおいて
ゲート電極を形成する2層構造のクロム膜でも、上述し
た本発明のクロム膜製電極付基板と同様に、第2のクロ
ム膜のエッチング速度の方が第1のクロム膜のエッチン
グ速度よりも速い。したがって、このゲート電極は上述
した本発明の方法により形成することができ、本発明の
上記方法でゲート電極を形成した薄膜トランジスタは、
ゲート電極の側面が基板内で実質的に一様なテーパー状
をなしたものを容易に得られることから、絶縁耐圧の低
下や配線の段切れが少ないものを得ることが容易であ
る。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について図1及び図2
を参照しながら説明する。先ず、透明基板等の基板1上
に、Arガス−100%をスパッターガスとして用い、
クロムをスパッタリングターゲットとして用いたプレー
ナーマグネトロン直流スパッタリングにより、膜厚13
50オングストロームの第1のクロム膜2を成膜した。
【0016】次に、この第1のクロム膜2上に、Arガ
ス−40%,N2 ガス−60%(比率はいずれもモル
比)を混合した混合ガスをスパッターガスとして用い、
クロムをスパッタリングターゲットとして用いたプレー
ナーマグネトロン直流スパッタリングにより、窒化クロ
ムを含有する膜厚150オングストロームの第2のクロ
ム膜3を成膜した。これにより、下層部よりも上層部の
方がエッチング速度が速くなるように窒素の含有率を厚
さ方向に変化させた2層構造のクロム膜4が得られた。
【0017】第1のクロム膜2と第2のクロム膜3は、
単独にエッチング速度を比べてみたところ、第1のクロ
ム膜2のエッチング速度は12オングストローム/se
c、第2のクロム膜3のエッチング速度は38オングス
トローム/secであった。また、両者のエッチング速
度の比(第2のクロム膜のエッチング速度/第1のクロ
ム膜のエッチング速度)は約3.2であった。
【0018】次に、クロム膜4上(第2のクロム膜3
上)に、フォトレジストAZ1350(米国ヘキスト社
製)をスピンコート法により塗布し、90℃で30分ベ
ーキングを行なうことにより、膜厚5000オングスト
ロームのレジスト膜5を形成した(図1(a)参照)。
【0019】次に、このレジスト膜5に微細パターンの
露光を施した。この露光は、微細パターンが形成された
フォトマスクを用い、光源に水銀ランプを用いて行なっ
た。次に、この露光済みのレジスト膜5を現像し、露光
部分を除去してレジストパターン5aを得た(図1
(b)参照)。この現像は、現像液としてAZ1350
用のデベロッパー(米国ヘキスト社製)を用い、現像時
間を60秒とした。
【0020】次に、所定のエッチング液を用いてクロム
膜4(第1のクロム膜2及び第2のクロム膜3)をエッ
チング処理した。エッチング条件は以下の通りとした。 エッチング液 :硝酸第2セリウムアンモニウム165
gと過塩素酸(70%)42mlに純水を加えて100
mlにした溶液 エッチング温度:20℃ エッチング時間:130秒
【0021】その結果、側面が厚さ方向に対して外側に
傾斜し、かつ基板1の表面に対してなす角度θが鋭角と
なるようなテーパー状の側面を有する第1のクロム膜
(エッチング後のもの。以下同じ。)2aと、側面がほ
ぼ垂直な第2のクロム膜(エッチング後のもの。以下同
じ。)3aとの2層構造のクロム膜4aを得た(図1
(c)参照)。このとき、基板1の表面に対してなす第
1のクロム膜2a側面の角度(以下、テーパー角度とい
う)θは、約17°であった。
【0022】次に、残存レジストパターン5aを剥離液
(硫酸)で除去した。これにより、第1のクロム膜2a
と第2のクロム膜3aとの2層構造のクロム膜からな
り、基板1表面に対してなす角度が鋭角となるようなテ
ーパー状の側面を有するクロム膜製電極4bを形成する
ことができ、同時にクロム膜製電極付基板100が得ら
れた(図1(d)参照)。
【0023】次に、上記で形成したクロム膜製電極4b
(以下、ゲート電極4bという)上にプラズマCVD法
によりSiNからなるゲート絶縁層6、a−Siからな
るチャネル層7、SiNからなるチャネル保護層8を順
次積層した(図2(a)参照)。チャネル保護層8の所
望の部分をエッチングした後、リンドープa−Siから
なるオーミックコンタクト層9を堆積し、この後チャネ
ル層7およびオーミックコンタクト層9を島状に連続的
にエッチングした(図2(b)参照)。Alからなるソ
ース電極10およびドレイン電極11を堆積し、パター
ン化した後、これらをマスクにしてソース電極10とド
レイン電極11との間のオーミックコンタクト層9をエ
ッチングして、薄膜トランジスタ200を得た(図2
(c)参照)。このようにして得られた薄膜トランジス
タ200は、ゲート電極4bの側面のテーパー角度が約
17°であるため、ゲート電極4b上の絶縁膜は被覆性
が良く、配線の段切れや絶縁耐圧の劣化が少ない。
【0024】以上、本発明の実施例を説明してきたが、
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、次のよ
うな変形例を含むものである。 (i)第1のクロム膜及び第2のクロム膜として用いる
クロム膜は、上記実施例に記載した組成のものの組み合
わせに限定されず、例えば、表1に示したようなスパッ
ターガスを用い、クロムをスパッタリングターゲットと
して用いたスパッタリングにより、表1に変形例1〜2
として示したような組み合わせとすることもできる。 これらの変形例1〜2のいずれにおいても第2のクロム
膜のエッチング速度は第1のクロム膜のエッチング速度
よりも速く、このような2層構造のクロム膜をエッチン
グすることにより25〜36°のテーパー角度(θ)を
得ることができた。
【0025】
【表1】
【0026】(ii)図3は、第1のクロム膜のエッチン
グ速度に対する第2のクロム膜のエッチング速度の比
(第2のクロム膜のエッチング速度/第1のクロム膜の
エッチング速度)とテーパー角度(θ)との関係を示し
たグラフである。両者の関係は図3中の実線により概ね
示すことができ、前記比が1よりも大きければ第1のク
ロム膜の側面をテーパー状に成形することができるが、
被覆性の良好な絶縁膜を設け易い45°程度またはそれ
以下のテーパー角度(θ)を得るためには、図3に示さ
れるように、前記比が21/2 以上であることが好まし
い。
【0027】(iii) 図4は、スパッターガスの組成(モ
ル比)と得られるクロム膜のエッチング速度との関係を
示すグラフである。このグラフは、スパッターガスとし
てArガスとN2 ガスの混合ガス、ArガスとCH4
スの混合ガス、またはArガスとCF4 ガスの混合ガス
を用いた場合の前記関係を示すものであり、スパッタリ
ングターゲットはいずれの場合もクロム、スパッタリン
グの方法はいずれの場合もプレーナーマグネトロン直流
スパッタリングである。図4から明らかなように、第1
のクロム膜と第2のクロム膜を成膜する際のスパッター
ガスの組成を適宜調節することにより、第1のクロム膜
のエッチング速度と第2のクロム膜のエッチング速度と
を所望の組み合わせにすることができる。
【0028】(iv)第1のクロム膜及び第2のクロム膜
の成膜は、上記実施例及び変形例では、Arガス、Ar
ガスとN2 ガスの混合ガス、ArガスとCH4 ガスの混
合ガス、またはArガスとCF4 ガスの混合ガスをスパ
ッターガスとして用い、クロムをスパッタリングターゲ
ットとして用いたプレーナーマグネトロン直流スパッタ
リングにより行なったが、クロム、窒化クロム、炭化ク
ロム、またはフッ化クロムをスパッタリングターゲット
として用いたプレーナーマグネトロン直流スパッタリン
グにより行なうこともできる。また、第1のクロム膜及
び第2のクロム膜の成膜方法はプレーナーマグネトロン
直流スパッタリングに限らず、他のスパッタリング法、
真空蒸着法、イオンプレーティング法、化学気相法等を
用いることもできる。
【0029】(v)第1のクロム膜の膜厚は1350オ
ングストロームに限られず、最終的に得られるクロム膜
製電極を薄膜トランジスタのゲート電極として用いる場
合にはその特性等に応じて、また他の用途に用いる場合
にはその用途に応じて求められる特性等に応じて、適宜
変更可能である。また、第2のクロム膜の膜厚が薄い
と、エッチングの際に第1のクロム膜とレジストパター
ンとの間に入り込むエッチング液の度合いが少なくなる
ので、第1のクロム膜側面を所望のテーパー角度に成形
するうえからはある程度の膜厚が必要である。第1のク
ロム膜の膜厚が上記実施例のような1350オングスト
ローム程度であれば、30オングストローム以上が好ま
しい。また、第2のクロム膜の膜厚は、この第2のクロ
ム膜の側面が最終的にはほぼ垂直に近い形状を呈するこ
とから、クロム膜製電極付基板あるいは薄膜トランジス
タの歩留まり向上のためには、クロム膜全体の膜厚の2
0〜30%以下が好ましい。
【0030】(vi) クロム膜は、窒素,炭素,及びフッ
素からなる群より選択される少なくとも1種の元素を含
有し、かつ下層部よりも上層部の方がエッチング速度が
速くなるように前記元素の含有率を厚さ方向に変化させ
たものであればよく、必ずしも2層構造とする必要性は
ない。例えば3層以上の複数層構造としても良いし、単
層構造としても良い。前記の条件を満たす単層構造のク
ロム膜の成膜は、例えばスパッタリング法による場合
は、クロム膜の成長に合わせてスパッターガスの組成を
所望の組成に変化させることにより行なうことができ
る。
【0031】(vii) クロム膜を2層構造または3層以上
の複数層構造とした場合には、第1のクロム膜(基板に
最も近いクロム膜)以外のクロム膜は最終的に除去して
も良い。この除去は、例えばレジストを剥離した後にド
ライエッチングを施すことにより行うことができる。
【0032】(viii)レジストは、パターニングが可能で
エッチング液に耐性があれば特にその種類を問わない。
また、エッチング液についても、クロム膜のエッチング
が可能であれば特にその種類を問わない。
【0033】(ix)薄膜トランジスタの構造は、ゲート
電極以外については特に限定されるものではなく、薄膜
トランジスタとして機能するものであれば実施例に示し
た以外の構造にしても良い。また、ゲート電極以外の部
材の材質についても適宜変更可能である。
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、従
来制御が困難であったクロム膜製電極のテーパー角度を
任意かつ容易に制御することが可能となった。また、所
望のテーパー角度を有するクロム膜製電極を安定的に再
現性よく作製できることから、配線の段切れや絶縁体性
の劣化の少ない薄膜トランジスタを高い生産性の下に提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に基づいてクロム膜製電極を形成
をする際の工程の一例を示す工程説明図。
【図2】本発明の薄膜トランジスタの製造工程の一例を
示す工程説明図。
【図3】第1のクロム膜のエッチング速度に対する第2
のクロム膜のエッチング速度の比(第2のクロム膜のエ
ッチング速度/第1のクロム膜のエッチング速度)とテ
ーパー角度(θ)との関係を示すグラフ。
【図4】スパッターガスの組成(モル比)と得られるク
ロム膜のエッチング速度との関係を示すグラフ。
【図5】従来の薄膜トランジスタの一例を示す断面図。
【符号の説明】
1 基板 2 第1のクロム膜 2a 第1のクロム膜(エッチング後のもの) 3 第2のクロム膜 3a 第2のクロム膜(エッチング後のもの) 4 2層構造のクロム膜 4b クロム膜製電極(ゲート電極) 5a レジストパターン 6 ゲート絶縁層、 7 チャネル層 8 チャネル保護層 9 オーミックコンタクト層 10 ソース電極 11 ドレイン電極 100 クロム膜製電極付基板 200 薄膜トランジスタ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、窒素,炭素,及びフッ素から
    なる群より選択される少なくとも1種の元素を含有する
    クロム膜であって、下層部よりも上層部の方がエッチン
    グ速度が速くなるように前記元素の含有率を厚さ方向に
    変化させたクロム膜を成膜する工程と、 前記クロム膜上に所定のレジストパターンを形成する工
    程と、 前記レジストパターンに沿って前記クロム膜を所定のエ
    ッチング液によりエッチングすることによりこのクロム
    膜の側面を厚さ方向に対して外側に傾斜させて、前記ク
    ロム膜の側面を、基板表面に対してなす角度が鋭角とな
    るようなテーパー状に成形する工程とを含むことを特徴
    とするクロム膜製電極の形成方法。
  2. 【請求項2】 クロム膜が、基板側に形成された第1の
    クロム膜とこの第1のクロム膜上に形成された第2のク
    ロム膜との2層構造からなり、前記第1のクロム膜と前
    記第2のクロム膜が、 条件(a):窒化度が第1のクロム膜よりも第2のクロ
    ム膜の方が大きい 条件(b):炭化度又はフッ化度が第1のクロム膜より
    も第2のクロム膜の方が小さい のうちの少なくとも1つの条件を満たすことを特徴とす
    る請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 クロム膜のエッチング工程において、第
    1のクロム膜のエッチング速度に対する第2のクロム膜
    のエッチング速度の比(第2のクロム膜のエッチング速
    度/第1のクロム膜のエッチング速度)≧21/2 である
    ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 基板上に、この基板表面に対してなす角
    度が鋭角となるようなテーパー状の側面を有するクロム
    膜製電極を設けたクロム膜製電極付基板において、 前記クロム膜製電極が、基板側に形成された第1のクロ
    ム膜とこの第1のクロム膜上に形成された第2のクロム
    膜との2層構造のクロム膜からなり、前記第1のクロム
    膜と前記第2のクロム膜が、 条件(a):窒化度が第1のクロム膜よりも第2のクロ
    ム膜の方が大きい 条件(b):炭化度又はフッ化度が第1のクロム膜より
    も第2のクロム膜の方が小さい のうちの少なくとも1つの条件を満たすことを特徴とす
    るクロム膜製電極付基板。
  5. 【請求項5】 基板表面に対してなす角度が鋭角となる
    ようなテーパー状の側面を有するゲート電極を備えた薄
    膜トランジスタにおいて、 前記ゲート電極が、基板側に形成された第1のクロム膜
    とこの第1のクロム膜上に形成された第2のクロム膜と
    の2層構造のクロム膜からなり、前記第1のクロム膜と
    前記第2のクロム膜が、 条件(a):窒化度が第1のクロム膜よりも第2のクロ
    ム膜の方が大きい 条件(b):炭化度又はフッ化度が第1のクロム膜より
    も第2のクロム膜の方が小さい のうちの少なくとも1つの条件を満たすことを特徴とす
    る薄膜トランジスタ。
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