JPH06273567A - 原子炉格納設備の除熱装置 - Google Patents

原子炉格納設備の除熱装置

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JPH06273567A
JPH06273567A JP5062057A JP6205793A JPH06273567A JP H06273567 A JPH06273567 A JP H06273567A JP 5062057 A JP5062057 A JP 5062057A JP 6205793 A JP6205793 A JP 6205793A JP H06273567 A JPH06273567 A JP H06273567A
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誠也 立野
Kenji Tominaga
研司 富永
Yasutaka Iwata
安隆 岩田
Shiyouichirou Kinoshita
詳一郎 木下
Takeshi Shinno
毅 新野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】原子炉格納容器の除熱効果が高く、静的な冷却
が可能でありかつ立地条件の制約が少ない原子炉格納設
備の除熱装置を提供する。 【構成】圧力抑制室6の外側周囲に鋼製の原子炉格納容
器3の壁面を隔壁として外周プール7が設置され、外周
プール7は下部連絡配管8及び上部連絡配管9を介して
海洋10と連絡している。下部連絡配管8は冷たい海水
を外周プール7に導びく配管であり、上部連絡配管9は
暖まった外周プール水を海に戻す配管である。これらの
上下連絡配管8,9の途中には電動駆動の仕切弁11,
12が設置される。通常のプラント運転状態において
は、仕切弁11,12は閉鎖し、海水が外周プール7に
流入しないように外周プール7は空の状態で維持してお
く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は原子炉格納設備の除熱装
置に係り、特に、冷却材喪失事故時に圧力抑制型の原子
炉格納容器を自然放熱で冷却するのに好適な原子炉格納
設備の除熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】冷却材喪失事故時における原子炉格納容
器外への除熱に関する従来技術としては、特開昭63−
191096号公報に示す方式がある。この従来技術で
は、鋼製の原子炉格納容器の外周に清浄水を満たしたプ
ールを設け、格納容器の壁面を伝熱面として高温の圧力
抑制プールから低温の外周プールに熱を伝え、自然放熱
で冷却している。
【0003】また、特開昭63−315989号公報に
記載の装置では、原子炉格納容器外側に海水を導入する
ための空間を設け、この空間に導入した海水で格納容器
を冷却している。空間に導入された海水の循環は動的機
器であるポンプで行っている。また、格納容器壁面には
冷却フィンを設置し、除熱効果を促進している。
【0004】さらに、特開昭64−28592号公報に
記載の装置では、ダム貯水面より下方に原子炉格納容器
を設置すると共に、原子炉格納容器の外側に空間を設
け、その空間をダム貯水に配管で連絡し、この配管を介
して外側空間に導かれたダム貯水で格納容器を冷却して
いる。外側空間に導かれ暖められた水は更に下方に配管
を介して排出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には次のような問題がある。特開昭63−191
096号公報に記載の従来技術では、最終的には外周プ
ールのプール水の蒸発により除熱するため、外周プール
の水温は最終的には100℃となっていた。このため、
圧力抑制室と外周プールとの温度差を大きくできないの
で、必要除熱量を達成するためには原子炉格納容器の壁
面に大きな伝熱面積を必要とし、原子炉格納容器を大型
化する必要があった。
【0006】特開昭63−315989号公報に記載の
従来技術では、海水の循環を動的機器であるポンプで行
なっており、静的な冷却はできないので、信頼性に問題
がある。
【0007】特開昭64−28592号公報に記載の従
来技術では、ダム貯水面より下方に原子炉格納容器を設
置しさらにその下方に冷却水を排水する必要があり、こ
のためダムとその周囲に大きな高低差があることを必要
とし、立地条件に制約があった。また、ダム貯水を水源
とするため、渇水時には必要な冷却水量が得られない恐
れがある。
【0008】本発明は、原子炉格納容器の除熱効果が高
く、静的な冷却が可能でありかつ立地条件の制約が少な
い原子炉格納設備の除熱装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、炉心を内蔵した原子炉圧力容器と、前記
圧力容器を格納する鋼製の原子炉格納容器とを備え、前
記原子炉格納容器の内部に、前記圧力容器が位置するド
ライウエルと、万一の異常時に前記ドライウェルに放出
される蒸気をベント管を介し導入して蒸気凝縮を行なう
プール水を内蔵した圧力抑制室とを有する原子炉格納設
備の除熱装置において、前記圧力抑制室の外側周囲に前
記鋼製の原子炉格納容器を隔壁として設けられた外周プ
ールと、前記外周プールと海又は湖とを連絡しプラント
異常時に外周プール内に海水又は湖水を自然循環させる
連絡手段とを有することを特徴としている。
【0010】上記原子炉格納設備の除熱装置において、
好ましくは前記連絡手段の途中に、通常運転中は前記外
周プールを海又は湖から隔離し、プラント異常時に開放
され外周プールに海水又は湖水を導入する仕切手段が設
けられる。前記連絡手段が配管の場合、前記仕切手段は
好ましくは前記配管の途中に設置された仕切弁である。
前記仕切手段は、前記配管の途中に設置され通常運転時
には前記配管内の海水又は湖水を氷結させ、プラント異
常時には氷結部を溶解して前記外周プールと海または湖
をつなげる冷凍機であってもよい。
【0011】また、上記原子炉格納設備の除熱装置にお
いて、好ましくは、前記連絡手段は前記外周プールに海
水又は湖水を導く下部連絡配管と外周プールから海水又
は湖水を戻す上部連絡配管とを有し、前記下部連絡配管
の出口に複数の開口を有し外周プールに冷たい海水を一
様に分布させるスパージャーが設置される。前記上部連
絡配管の入口にも複数の開口を有するスパージャーを設
置してもよく、これにより外周プールの周方向の温度分
布が均一になる。
【0012】さらに上記原子炉格納設備の除熱装置にお
いて、好ましくは、前記原子炉格納設備は原子炉建屋構
造物の一部にしみ出し海水を処理する空間を有し、前記
仕切手段はこの空間に配置されている。
【0013】また上記目的を達成するために、本発明
は、炉心を内蔵した原子炉圧力容器と、前記圧力容器を
格納する鋼製の原子炉格納容器とを備え、前記原子炉格
納容器の内部に、前記圧力容器が位置するドライウエル
と、万一の異常時に前記ドライウェルに放出される蒸気
をベント管を介し導入して蒸気凝縮を行なうプール水を
内蔵した圧力抑制室とを有する原子炉格納設備の除熱装
置において、前記圧力抑制室の外側周囲に前記鋼製の原
子炉格納容器を隔壁として設けられた外周プールと、前
記原子炉格納設備及び外周プールを収納し海上に設置さ
れた原子炉建屋と、前記外周プールと海とを連絡しプラ
ント異常時に外周プール内に海水を自然循環させる連絡
手段とを有し、前記原子炉建屋の周囲を海水の入口及び
出口を有する防波堤で取囲んだことを特徴とする。
【0014】上記原子炉格納設備の除熱装置において、
好ましくは、前記連絡手段は、前記原子炉建屋に設けら
れ前記外周プールと海とを連絡するカナルである。また
好ましくは、前記防波堤の入口及び出口は主たる潮流の
流れ方向に沿って形成されている。さらに、前記入口及
び出口の少なくとも一方に海水ポンプを設けることが好
ましい。
【0015】
【作用】以上のように構成した本発明においては、原子
炉格納容器の鋼製壁面を通して圧力抑制室から熱が外周
プールへ伝達し、格納容器に放出された熱は最終的に海
又は湖へ伝達されるが、外周プール内に海水又は湖水を
自然循環させる連絡手段を設けたことにより、外周プー
ルの熱は海水又は湖水の自然循環により海又は湖に逃
げ、動的機器なしに残留熱が除去される。このように原
子炉格納容器内の除熱が自然の力によりなされるため、
原子炉冷却の信頼性が向上する。また、外周プールが海
又は湖と連絡しているため、外周プール水温が従来(1
00℃)よりも低く保たれ、原子炉格納容器内の除熱効
果が向上する。
【0016】また、自然循環の駆動力により外周プール
に海水又は湖水を循環させるので、排水のために大きな
高低差を必要としない。このため本発明の除熱装置は海
洋又は湖に隣接しているという条件さえ満たせば基本的
には設置が可能であり、立地条件の制約は比較的少な
い。さらに、海水は無尽蔵にあるので、冷却水量を十分
に確保できる。
【0017】連絡手段の途中に仕切手段を設けることに
より、通常運転中は外周プールを空の状態に保つことが
でき、これにより海水が格納容器壁に接触付着すること
が防止され、格納容器の寿命が向上する。さらに、通常
運転中は外周プール内に積極的に防錆材入りの純水を満
たすこともできる。
【0018】上下連絡配管の入口及び出口にスパージャ
ーを設置することにより、外周プールに冷たい海水又は
湖水が一様に分布し外周プールの周方向の温度分布が均
一になり、除熱効果がさらに向上する。
【0019】また、原子炉建屋を海上に設置した場合
は、原子炉建屋の周囲を海水の防波堤で取囲むことによ
り、外洋の波の影響を低減し、外周プールと圧力抑制室
のプール水との水位差による格納容器の損傷が防止され
る。
【0020】連絡手段をカナルとすることにより配管を
利用する場合よりも多量の海水が循環し、除熱効果がさ
らに向上する。
【0021】防波堤の入口及び出口を主たる潮流の流れ
方向に沿って形成することにより、自然循環力に潮流の
力が加わり、除熱効果がさらに向上する。部は低の入口
及び出口の少なくとも一方に海水ポンプを設けることに
より潮流の流れが促進され、除熱効果がさらに向上す
る。
【0022】
【実施例】本発明の第1の実施例を図1〜図4により説
明する。
【0023】図1は、本実施例の自然放熱型の原子炉格
納設備を示すもので、炉心1を内蔵した原子炉圧力容器
2と、圧力容器2を格納する鋼製の原子炉格納容器3と
を備え、原子炉格納容器3の内部には、圧力容器2が位
置するドライウエル4と、万一の異常時にドライウェル
4に放出される蒸気をベント管5を介し導入して蒸気凝
縮を行なうプール水を内蔵した圧力抑制室6とが形成さ
れている。
【0024】圧力抑制室の外側周囲に鋼製の原子炉格納
容器3の壁面を隔壁として外周プール7が設置され、外
周プール7は下部連絡配管8及び上部連絡配管9を介し
て海洋10と連絡している。下部連絡配管8は冷たい海
水を外周プール7に導びく配管であり、上部連絡配管9
は暖まった外周プール水を海に戻す配管である。これら
の上下連絡配管8,9はそれぞれ1本または複数本の配
管から構成され、配管の途中には電動駆動の仕切弁1
1,12が設置されている。
【0025】通常のプラント運転状態においては、仕切
弁11,12は閉鎖し、海水が外周プール7に流入しな
いように外周プール7は空の状態で維持しておく。これ
により海水が格納容器壁に接触付着することが防止さ
れ、格納容器の寿命が向上する。なお、通常運転中は外
周プール7内に積極的に防錆材入りの純水を満たしても
よい。
【0026】以上の外周プール7、上下連絡配管8,
9、海洋10及び仕切弁11,12は原子炉格納容器3
を含む原子炉格納設備の除熱装置を構成する。
【0027】次に、上記のように構成した除熱装置の作
用を説明する。万一の冷却材喪失事故(LOCA)を仮
想すると、図示しない破断口からドライウェル4内に放
出されたブローダウン蒸気はベント管5を経由して圧力
抑制室6のプール水に導かれ、ここで凝縮させることに
より急激な圧力上昇が防止される。
【0028】LOCA後、長期に亘り炉心の崩壊熱で発
生する蒸気を同様に圧力抑制室6のプール水で凝縮する
ことにより、圧力抑制プールの水温は除々に上昇してい
く。この過程において、上下連絡配管8,9の仕切弁1
0,11を開放し、冷たい海水を外周プール7に導入す
る。ここでLOCA後、約半日〜1日の崩壊熱は圧力抑
制室6のプール水で吸収することが可能なので、仕切弁
11,12は十分な時間余裕をもって操作すればよい。
【0029】外周プール7に導入された海水は、原子炉
格納容器3の鋼製壁を介し圧力抑制室6のプール水から
熱を受け、温度が上昇する。外周プール水の温度が上昇
してくると、海洋10の海水との温度差に伴う自然循環
の駆動力により、上部連絡配管12と下部連絡配管11
を介してひとりでに海水とミキシングし、外周プールの
温度上昇を緩和するように作用する。
【0030】ここで、圧力抑制プールから外周プールへ
の熱移動量Qは、 Q=K・A・(Tsp−Top) …(1) K :熱伝達係数 A :伝熱面積 Tsp:圧力抑制室6のプール水温 Top:外周プール水温 で表され、圧力抑制室6のプール水温と外周プール7の
水温との温度差が熱移動量Qに大きく影響している。
【0031】図2に本実施例による外周プール7の除熱
能力の変化を示す。図2において、15a〜15fは外
周プールから海への除熱量、16は圧力抑制プールから
外周プールへの除熱量を示している。
【0032】外周プール7から海への除熱量15a〜1
5fは連絡配管口径を関数として外周プール水温が高い
ほど海との温度差が増加し、それにより自然駆動力が増
加するため除熱量は増加する。一方、圧力抑制室6のプ
ールから外周プールへの除熱量16は(1)式に示した
通り、外周プール水温が低いほど圧力抑制室6のプール
水温との温度差が増加し、これにより除熱量が増加す
る。したがって、外周プールから海への除熱量15a〜
15fと圧力抑制室6のプール水から外周プール7への
除熱量16との釣り合った点(除熱量15a〜15fの
線と除熱量16の線との交点)として本実施例の除熱装
置による除熱量が決定する。
【0033】また、図3及び図4はそれぞれ従来の外周
プール型格納容器を用いた場合、本実施例による格納容
器を用いた場合の冷却喪失事故(LOCA)後の温度変
化を示したものである。これらの図において、17は圧
力抑制室6のプール水温、18は外周プール7の水温、
19は圧力抑制室6のプール水と外周プール7の水との
温度差を示したものである。
【0034】図3においては、外周プール水温18は事
故後ある時点まで上昇し、その後一定となっている。こ
れは外周プール7が大気開放のため水温が100℃で沸
騰するため、その温度で一定となることを示す。一方、
本発明による図4においては、海水10と外周プール7
を連結することによって外周プール7と海洋10との自
然循環力により外周プール7が海洋10の海水で冷却さ
れることにより、外周プール水温18は低く保たれてい
る。
【0035】従って、本実施例では、海水の循環による
冷却により、外周プール水温が従来の100℃より低く
維持され、これにより圧力抑制室6のプール水との温度
差が従来の外周プール型格納容器を用いた場合より大き
くなる。すなわち、(1)式のTspとTopの差が大きく
なり、圧力抑制室6のプール水から外周プール7への移
動熱量が大きくなるということである。また、除熱量の
増加により従来、外周プール7による冷却が適用不可能
であった大型出力プラント(1000MWe以上)への
適用も可能となる。
【0036】以上のように本実施例によれば、原子炉格
納容器3内の除熱が自然の力により成されるため、原子
炉冷却の信頼性が向上する。また、外周プール7が海1
0と連絡しているため、外周プール水温が従来よりも低
くでき、原子炉格納容器内の除熱効果が向上する。
【0037】また、外周プール水と海水との温度差に伴
う自然循環の駆動力により外周プールに海水を循環させ
るので、排水のために大きな高低差を必要とせず、海洋
に隣接しているという条件さえ満たせば基本的には設置
が可能であり、立地条件の制約は比較的少ない。さら
に、海水は無尽蔵にあるので、冷却水量を十分に確保で
きる。
【0038】本発明の第2の実施例を図5により説明す
る。本実施例は、配管の仕切手段として第1の実施例の
仕切弁11,12の代わりに冷凍機を設置したものであ
る。すなわち、図5において、第1の実施例の上下連絡
配管8,9に相当する配管21に冷凍機22が設置さ
れ、冷凍機22は電源23を図示しないコントローラで
制御することにより作動する。プラントの通常運転時に
は電源23をオンし冷凍機22で配管21内の流体(水
又は海水)を氷結させ、海水が外周プールへ浸入するの
を阻止し、プラント異常時には電気信号により電源23
を停止し、それにより配管21内の氷結部が外気温度に
より溶解し、海水が外周プールに流入し循環を開始す
る。
【0039】本発明の第3の実施例を図6及び図7によ
り説明する。図中、図1に示す部材と同等の部材には同
じ符号を付している。図6において、本実施例は第1の
実施例の原子炉格納設備で下部連絡配管8と上部連絡配
管9の入口とにスパージャー30,31を設けている。
スパージャー30は図7に示すようにリング状をしてお
り、その上部に多数の開口32が形成されている。スパ
ージャー31も同様にリング状をしており、その下部に
多数の開口33が形成されている。スパージャー30を
設置することにより、プラント異常時に外周プール水が
海水と循環する際に、スパージャー30の多数の開口3
2より冷たい海水を周方向に一様に注入する。また、ス
パージャー31により外周プール水の温度分布を一様に
することができる。
【0040】本実施例によれば、圧力抑制室6のプール
水から外周プール7への熱伝達を一様にすることがで
き、熱除去量の更なる向上を図ることができる。
【0041】本発明の第4の実施例を図8及び図9によ
り説明する。図中、図1に示す部材と同等の部材には同
じ符号を付している。
【0042】図7及び図9において、原子炉格納容器3
は原子炉建屋40内に収納され、原子炉建屋40の周囲
は防波堤41で取り囲まれている。海水と外周プール7
は原子炉建屋40に形成されたカナル42,43で連絡
し、カナル42,43の途中には堰44,45が設けら
れている。防波堤41の主たる潮流の流れ方向に対面す
る部分に潮流の入口48及び出口49が設けられてい
る。
【0043】本実施例では、事故時に堰44,45を開
とすることによりカナル42の入口46より外周プール
7へ、外周プール7よりカナル43の出口47へと海水
が流れ、格納容器3の冷却が行われる。この場合、原子
炉建屋40を防波堤41の中に設置することにより外洋
の波の影響が低減し、これにより外周プール7の水位と
圧力抑制室6のプール水位差による格納容器の損傷が防
止される。また、海10と外周プール7との連絡がカナ
ル42,43であるため、連絡配管を利用する場合より
も多量の海水が外周プールを循環するので、第1の実施
例よりさらに外周プール水温を低く保持でき、多量の熱
を除去することができる。
【0044】また、図10に示すように、防波堤41の
入口48及び出口49の少なくとも一方、例えば出口4
9に潮流の流れを促進する海水ポンプ50を設けてもよ
く、これにより防波堤41内に海水を侵入又は放出させ
る際に、潮流に加えて海水ポンプ50を使用して海流の
循環力を高め、格納容器3からの熱除去力を増加させる
ことができる。
【0045】本発明の第5の実施例を図11に示す。図
中、図1に示す部材と同等の部材には同じ符号を付して
いる。本実施例は、原子炉格納設備を収納する原子炉建
屋40の構造物の一部にしみ出し海水を処理する空間5
5を形成し、上下連絡配管8,9の仕切り弁11,12
をこの空間55に配置している。
【0046】なお、以上の実施例では、水源として海を
利用したが湖を利用しても同様な効果が得られる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、原子炉格納容器内の熱
を原子炉格納容器壁面を通して外周プールに伝達でき、
さらにこの熱が連絡配管により海へ放熱されると共に次
の効果がある。
【0048】(1)原子炉格納容器内の除熱が自然の力
により成されるため、原子炉冷却の信頼性が向上する。
【0049】(2)外周プールが海と連絡しているた
め、外周プール水温が従来よりも低くできるため、原子
炉格納容器内の除熱効果が向上する。
【0050】(3)外周プール水と海水との温度差に伴
う自然循環の駆動力により外周プールに海水を循環させ
るので、自然循環のために大きな高低差を必要とせず、
海洋に隣接しているという条件さえ満たせば基本的には
設置が可能であり、立地条件の制約は比較的少ない。
【0051】(4)海水は無尽蔵にあるので、冷却水量
を十分に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による除熱装置を備えた
原子炉格納設備の縦断面図である。
【図2】図1に示す実施例による外周プールの除熱特性
の評価を示す図である。
【図3】従来の外周プールを備えた原子炉格納設備にお
ける事故後の圧力抑制室のプール水温度、外周プール水
温度及びその温度差を示す図である。
【図4】図1に示す実施例における事故後の圧力抑制室
のプール水温度、外周プール水温度及びその温度差を示
す図である。
【図5】本発明に第2の実施例による仕切手段を示す図
である。
【図6】本発明の第3の実施例による除熱装置を備えた
原子炉格納設備の縦断面図である。
【図7】図6に示す実施例におけるスパージャーの斜視
図である。
【図8】本発明の第4の実施例による除熱装置を備えた
原子炉格納設備の縦断面図である。
【図9】図8のIX−IX線断面図である。
【図10】図8に示す第4の実施例の変形例を示す図で
ある。
【図11】本発明の第5の実施例による除熱装置を備え
た原子炉格納設備の縦断面図である。
【符号の説明】
1 炉心 2 原子炉圧力容器 3 原子炉格納容器 4 ドライウエル 5 ベント管 6 圧力抑制室 7 外周プール 8 下部連絡配管(連絡手段) 9 上部連絡配管(連絡手段) 10 海洋 11,12 仕切弁(仕切手段) 22 冷凍機 30,31 スパージャー 40 原子炉建屋 41 防波堤 42,43 カナル(連絡手段) 44,45 堰(仕切手段) 48 入口 49 出口 50 海水ポンプ 55 空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木下 詳一郎 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 新野 毅 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉心を内蔵した原子炉圧力容器と、前記
    圧力容器を格納する鋼製の原子炉格納容器とを備え、前
    記原子炉格納容器の内部に、前記圧力容器が位置するド
    ライウエルと、万一の異常時に前記ドライウェルに放出
    される蒸気をベント管を介し導入して蒸気凝縮を行なう
    プール水を内蔵した圧力抑制室とを有する原子炉格納設
    備の除熱装置において、 前記圧力抑制室の外側周囲に前記鋼製の原子炉格納容器
    を隔壁として設けられた外周プールと、前記外周プール
    と海又は湖とを連絡し、プラント異常時に外周プール内
    に海水又は湖水を自然循環させる連絡手段とを有するこ
    とを特徴とする原子炉格納設備の除熱装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の原子炉格納設備の除熱装
    置において、前記連絡手段の途中に、通常運転中は前記
    外周プールを海又は湖から隔離し、プラント異常時に開
    放され外周プールに海水又は湖水を導入する仕切手段を
    設けたことを特徴とする原子炉格納設備の除熱装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の原子炉格納設備の除熱装
    置において、前記連絡手段は配管であり、前記仕切手段
    は前記配管の途中に設置された仕切弁であることを特徴
    とする原子炉格納設備の除熱装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の原子炉格納設備の除熱装
    置において、前記連絡手段は配管であり、前記仕切手段
    は、前記配管の途中に設置され通常運転時には前記配管
    内の海水又は湖水を氷結させ、プラント異常時には氷結
    部を溶解して前記外周プールと海または湖をつなげる冷
    凍機であることを特徴とする原子炉格納設備の除熱装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の原子炉格納設備の除熱装
    置において、前記連絡手段は前記外周プールに海水又は
    湖水を導く下部連絡配管と外周プールから海水又は湖水
    を戻す上部連絡配管とを有し、前記下部連絡配管の出口
    に複数の開口を有し外周プールに冷たい海水を一様に分
    布させるスパージャーを設置したことを特徴とする原子
    炉格納設備の除熱装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の原子炉格納設備の除熱装
    置において、前記上部連絡配管の入口にも複数の開口を
    有するスパージャーを設置し、外周プールの周方向の温
    度分布を均一にすることを特徴とする原子炉格納設備の
    除熱装置。
  7. 【請求項7】 請求項2記載の原子炉格納設備の除熱装
    置において、前記原子炉格納設備は原子炉建屋構造物の
    一部にしみ出し海水を処理する空間を有し、前記仕切手
    段はこの空間に配置されていることを特徴とする原子炉
    格納設備の除熱装置。
  8. 【請求項8】 炉心を内蔵した原子炉圧力容器と、前記
    圧力容器を格納する鋼製の原子炉格納容器とを備え、前
    記原子炉格納容器の内部に、前記圧力容器が位置するド
    ライウエルと、万一の異常時に前記ドライウェルに放出
    される蒸気をベント管を介し導入して蒸気凝縮を行なう
    プール水を内蔵した圧力抑制室とを有する原子炉格納設
    備の除熱装置において、 前記圧力抑制室の外側周囲に前記鋼製の原子炉格納容器
    を隔壁として設けられた外周プールと、前記原子炉格納
    設備及び外周プールを収納し海上に設置された原子炉建
    屋と、前記外周プールと海とを連絡しプラント異常時に
    外周プール内に海水を自然循環させる連絡手段とを有
    し、前記原子炉建屋の周囲を海水の入口及び出口を有す
    る防波堤で取囲んだことを特徴とする原子炉格納設備の
    除熱装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の原子炉格納設備の除熱装
    置において、前記連絡手段は、前記原子炉建屋に設けら
    れ前記外周プールと海とを連絡するカナルであることを
    特徴とする原子炉格納設備の除熱装置。
  10. 【請求項10】 請求項8記載の原子炉格納設備の除熱
    装置において、前記防波堤の入口及び出口は主たる潮流
    の流れ方向に沿って形成されていることを特徴とする原
    子炉格納設備の除熱装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の原子炉格納設備の除
    熱装置において、前記入口及び出口の少なくとも一方に
    海水ポンプを設けたことを特徴とする原子炉格納設備の
    除熱装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012242376A (ja) * 2011-05-20 2012-12-10 Kazuo Murakami 原子力発電所の外周堤をめぐらす敷地構造と原発廃止処分工程
JP2020133981A (ja) * 2019-02-18 2020-08-31 株式会社東芝 冷却水循環システム、冷却水循環方法および汽力発電プラント

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