JPH06272701A - 空気圧シリンダ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 位置センサを用いないでシリンダ内のピスト
ン位置を検出して、電磁弁の空気圧の給排制御を行い、
位置決めを行うこと。 【構成】 内部に介挿されたピストン１の動きに磁気的
に連動するスライダ２を有する磁気式ロッドレス空気圧
シリンダ３と、シリンダ３の両端に設けた空気管４Ｌ、
４Ｒと、各空気管４Ｌ、４Ｒにそれぞれ配設された圧力
センサ５Ｌ、５Ｒと、各空気管４Ｌ、４Ｒを介してピス
トン１によって分割された左右の部屋３Ｌ、３Ｒへの空
気圧の給気量および排気を制御する電磁弁６Ｌ、６Ｒ
と、左右の部屋３Ｌ、３Ｒへの給排状態を周期的に変化
させた時の左右の部屋３Ｌ、３Ｒの圧力変動幅の変化か
らピストン１の位置を推定して位置決めするために、電
磁弁６Ｌ、６Ｒの給排を制御するためのコントロール信
号を出力するコントローラ７と、コントロール信号に基
づき電磁弁の駆動信号を出力する電磁弁駆動回路８とか
ら成る空気圧シリンダ装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ピストンにより分割さ
れた左右の部屋への空気圧の給排状態を周期的に変化さ
せて、その時の少なくとも一方の部屋の圧力の変動幅の
変化によりピストンの他端における位置を演算して、電
磁弁の給排状態を切換える空気圧シリンダ装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来の空気圧シリンダ装置（特開平２−
３３７８３０）は、図７に示すようにピストンＰがシリ
ンダＣの一端Ｏから他端Ｔへ移動するさせる場合、左右
の部屋Ｌ、Ｒに配設した圧力センサＰＬ、ＰＲとは別に
ポテンショＰＯを用いる位置センサＰＳ他によりピスト
ンＰの位置を検出して、電磁弁ＭＬ、ＭＲにより左右の
部屋Ｌ、Ｒへの空気圧の給排状態を切換制御するもので
あった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の空気圧シリンダ
装置は、左右の部屋Ｌ、Ｒの圧力を検出する圧力センサ
ＰＬ、ＰＲとは別にシリンダＣ内のピストンＰの位置を
検出するために位置センサＰＳが必要になり、装置の製
作コストが高くなるという問題が有った。

【０００４】そこで本発明者らは、シリンダ内の左右の
部屋への給排状態を周期的に変化させると、左右の部屋
の容積の変化に応じて圧力の変動幅が変化することに着
目して、位置センサを用いないで左右の部屋への給排状
態を周期的に変化させた時の一方の部屋の圧力の変動幅
の変化から一方の部屋の容積すなわちピストンの位置を
検出するという本発明の技術的思想に着眼し、更に研究
開発を重ねた結果、位置センサを用いないでシリンダ内
のピストン位置を検出して、電磁弁の空気圧の給排制御
を行い位置決めを行うことを可能にするという目的を達
成する本発明に到達した。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の空気圧シリンダ
装置は、ピストンにより左右の部屋に分割された空気圧
シリンダと、左右の部屋の圧力を検出する２個の圧力セ
ンサと、空気圧シリンダの左右の部屋への空気圧の給排
を制御する電磁弁と、一端から他端へ移動している時に
電磁弁の給排状態を周期的に変化させる変化信号を電磁
弁に出力するとともに、変化信号に基づき電磁弁が周期
的に左右の部屋への給排状態を変化させた時の少なくと
も一方の部屋の圧力センサが検出した圧力の変動幅の変
化によりピストンが他端に近づいたことを検知してピス
トンの他端への位置決めを行うための電磁弁の給排状態
を切換える切換信号を出力するコントローラとから成る
ものである。

【０００６】

【作用】上記構成より成る本発明の空気圧シリンダ装置
は、シリンダ内を一端から他端へピストンが移動してい
る時に、コントローラが電磁弁の給排状態を周期的に変
化させる変化信号を電磁弁に出力し、この変化信号に基
づき電磁弁が周期的に左右の部屋への給排状態を変化さ
せた時の少なくとも一方の部屋の圧力センサが検出した
圧力の変動幅の変化により、コントローラがピストンが
他端に近づいたことを検知して、電磁弁の給排状態を切
換える切換信号を出力し、電磁弁がこの切換信号により
左右の部屋への給排状態を制御して、ピストンの他端へ
の位置決めを行うものである。

【０００７】

【発明の効果】上記作用を奏する本発明の空気圧シリン
ダ装置は、位置センサを用いないで、圧力センサが検出
した圧力の変動幅の変化からピストンの位置を検出し
て、電磁弁の空気圧の給排制御を行い、ピストンの位置
決めを可能にするという効果を奏する。

【０００８】

【実施例】以下本発明の実施例につき、図面を用いて説
明する。

【０００９】（第１実施例）第１実施例の空気圧シリン
ダの制御装置は、図１ないし図４に示すように内部にピ
ストン１が介挿され、ピストンの動きに磁気的に連動す
るスライダ２を有する磁気式ロッドレス空気圧シリンダ
３と、シリンダ３の両端に設けた空気管４Ｌ、４Ｒと、
各空気管４Ｌおよび４Ｒにそれぞれ配設された圧力セン
サ５Ｌ、５Ｒと、各空気管４Ｌおよび４Ｒを介してピス
トン１によって分割された左右の部屋３Ｌおよび３Ｒへ
の空気圧の給気量および排気を制御する電磁弁６Ｌおよ
び６Ｒと、圧力センサ５Ｌ、５Ｒからの圧力信号の変動
幅の変化に基づき電磁弁６Ｌおよび６Ｒの給排を制御す
るためのコントロール信号を出力するコントローラ７
と、コントローラ７からのコントロール信号に基づき電
磁弁の駆動信号を出力する電磁弁駆動回路８とから成
り、ピストン１の位置を制御することにより、磁気的に
スライダ２の位置決めを行うものである。

【００１０】空気圧シリンダ３は、図２に示すように中
空円筒体３０で構成され、ピストン１により面積Ａ１お
よびＡ２（Ａ１＝Ａ２）の左右の部屋３Ｌおよび３Ｒを
有し、両端においてフレーム３Ｆに固定された側板３Ｐ
によって支持されるとともに、分岐管３Ｄが配設され、
分岐管３Ｄに圧力センサ５Ｌ、５Ｒと空気管４Ｌ、４Ｒ
とが配設されている。

【００１１】空気圧シリンダ３の中空円筒体３０の外部
には、磁石ｍを組込んだシリンダ可動部３１が配設さ
れ、ピストン１の移動に応じて磁気的結合によりシリン
ダ可動部３１の移動を可能にする構成より成る。

【００１２】スライダ２は、ロの字状部材２０で構成さ
れ、フレーム３Ｆ上に配設されたガイドレール２Ｇ上を
摺動するガイドベアリング２Ｂ上に載置されるととも
に、前記シリンダ可動部３１を内蔵固着しており、ピス
トン１の移動に応じたスライダ２の移動を可能にする構
成より成る。

【００１３】電磁弁６Ｌおよび６Ｒは、空気管４Ｌ、４
Ｒを介して空気圧シリンダ３の左右の部屋３Ｌおよび３
Ｒに連絡しているとともに、給気口は空気圧の供給配管
５１に連絡しており、排気口５２にはサイレンサ５３が
配設されている。

【００１４】コントローラ７は、左右の部屋３Ｌおよび
３Ｒの圧力を検出する左右の圧力センサ５Ｌ、５Ｒに接
続したＡ−Ｄ変換器７１と、ＲＯＭ−ＲＡＭおよびＩ／
Ｏ（図示せず）を具備したＣＰＵ７０とから成り、左右
の部屋の圧力の変動幅の変化に基づき位置決め用コント
ロール信号を出力する。

【００１５】上記位置決め用コントロール信号は、図３
に示すＣＰＵ７０のＲＯＭに予め格納されたフローチャ
ートに示されるプログラムおよび予め実験的に確認した
圧力の変動幅とピストンの位置との関係を示す換算デー
タに従いコントローラ７において演算され、出力される
ものである。

【００１６】図３に従い、ＣＰＵ７０のＲＯＭに格納さ
れているピストン１が図１中右端位置へ位置決めされる
場合を代表的な例として示したフローチャートについて
説明する。まず右端位置への位置決めの動作が開始され
ると、電磁弁６Ｒを排気状態にして、その時の右の部屋
３Ｒの圧力変動を圧力センサ５Ｒで検出し、圧力の変動
幅を求めてＣＰＵ７０のＲＯＭ中の換算データを利用し
てピストン１の位置を推定して、推定した位置が減速開
始領域でない場合は、上述の動作が繰り返される。

【００１７】繰り返された結果、ピストン１の位置が減
速開始領域に到達すると、電磁弁６Ｒが給排気を繰り返
して減速動作が行われ、圧力センサ５Ｒにより右の部屋
の圧力を検出して、その変動幅を求めて上述と同様にＣ
ＰＵ７０のＲＯＭ中換算データによりピストン１の位置
を推定し、所定の右端位置に到達したら位置決め動作を
終了する。

【００１８】上記構成より成る第１実施例の空気圧シリ
ンダ装置は、図１中の右端位置への位置決め動作中にお
いては、ｔ秒周期毎に電磁弁６Ｒが排気状態にされ、そ
の時の右の部屋３Ｒ内の圧力変動が圧力センサ５Ｒで検
出され、図４に示すように変動幅Ｗ１、Ｗ２、Ｗ３、Ｗ
４、Ｗ５はピストン１が右端に近づくに従い徐々に増加
し、ＣＰＵ７０のＲＯＭ中の換算データによりピストン
１の位置を推定して、減速開始領域に到達すると電磁弁
６Ｒが給排気を繰り返して減速動作が行われピストン１
他の可動部の速度が階段状に減速して、その時の右の部
屋の圧力変動を検出して換算データにより同様にピスト
ン１の位置を推定して、所定の右端位置にピストン１が
到達すると位置決め動作を終了する。

【００１９】上記作用を奏する第１実施例の空気圧シリ
ンダ装置は、圧力センサ５Ｒが検出した右の部屋の圧力
変動幅の変化により、換算データを用いてピストン１の
位置を推定してピストン１の右端位置への位置決めを実
現するとともに、高価な位置センサを不要としたので、
設備の製作コストを低減し、部品点数を低減するため信
頼性を向上するという効果を奏する。

【００２０】（第２実施例）第２実施例の空気圧シリン
ダ装置は、図５に示すようにコントローラが電磁弁６Ｌ
を給気状態（電磁弁６Ｒは排気状態）にした後ｔ秒周期
毎にΔｔ秒間電磁弁６Ｌを排気状態にするコントロール
信号を出力して、電磁弁を制御する点のみ相違してお
り、左右の部屋の圧力変動および可動部速度の変動は図
６に示すようになり、それ以外は第１実施例装置と同様
であり、同様の作用効果を奏する。

【００２１】上述の実施例は、説明のために例示したも
ので、本発明としてはそれらに限定されるものでは無
く、特許請求の範囲、発明の詳細な説明および図面の記
載から当業者が認識することができる本発明の技術的思
想に反しない限り、変更および付加が可能である。

【００２２】上述の実施例においては、ｔ秒周期毎にい
ずれか一方の電磁弁をΔｔ秒間給気または排気状態にす
る例について述べたが、本発明はそれに限るものでは無
く、一方の電磁弁６Ｒを給気状態とするとともに同時に
他方の電磁弁６Ｌを排気状態にすることに可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例装置を示すブロック図であ
る。

【図２】第１実施例装置を示す斜視図である。

【図３】第１実施例装置のＣＰＵに格納されたフローチ
ャートを示すチャート図である。

【図４】第１実施例の空気圧シリンダの圧力変化の状態
およびピストンの速度変化の状態を示す線図である。

【図５】第２実施例装置のフローチャートを示すチャー
ト図である。

【図６】第２実施例の空気圧シリンダの圧力変化および
ピストンの速度変化の状態を示す線図である。

【図７】従来装置を示すブロック図である。

【符号の説明】

１ ピストン ２ スライダ ３ 空気圧シリンダ ４Ｌ、４Ｒ 空気管 ５Ｌ、５Ｒ 圧力センサ ６Ｌ、６Ｒ 電磁弁 ７ コントローラ ８ 電磁弁駆動回路 ２０ ロの字状部材 ３０ 中空円筒体 ３Ｆ フレーム ３Ｐ 側板 ３Ｄ 分岐管 ３Ｌ、３Ｒ 部屋 ５１ 供給配管 ５２ 排気口 ５３ サイレンサ ７０ ＣＰＵ ７１ Ａ−Ｄ変換器

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ピストンにより左右の部屋に分割された
   空気圧シリンダと、 左右の部屋の圧力を検出する２個の圧力センサと、 空気圧シリンダの左右の部屋への空気圧の給排を制御す
   る電磁弁と、 一端から他端へ移動している時に電磁弁の給排状態を周
   期的に変化させる変化信号を電磁弁に出力するととも
   に、変化信号に基づき電磁弁が周期的に左右の部屋への
   給排状態を変化させた時の少なくとも一方の部屋の圧力
   センサが検出した圧力の変動幅の変化によりピストンが
   他端に近づいたことを検知してピストンの他端への位置
   決めを行うための電磁弁の給排状態を切換える切換信号
   を出力するコントローラとから成ることを特徴とする空
   気圧シリンダ装置。