JPH0626439Y2 - 車両用表示装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は表示器の表示像を反射面で反射させることによ
り表示像の虚像を反射面の後方に視認するようにした車
両用表示装置に関する。

〔従来の技術及び考案が解決しようとする問題点〕

従来、表示器の多様化による増設スペースの確保等を考
慮して投影装置を利用した表示装置の採用が提案されて
いる。

従来この種の表示装置として、表示面を上方に向けた表
示器をダッシュボード内に配設するとともに、運転席側
に傾斜させたハーフミラー等の反射板をダッシュボード
上面に設け、表示器の表示像を上記反射板で反射させ
て、表示像が反射板後方すなわち車両前方に視認される
ようにしたものがある（実開昭５０−４８５７６号）。

しかしながらこのような従来の装置では車外の強い光な
どの影響によって視認性が著しく低下することがあり、
また、ダッシュボード内には他の機器が収納されている
こともあって表示器の収納スペースあるいは収納位置に
は制約が多かった。

このため、表示器を車室内の天井に設け、この天井位置
にある表示器の表示像を運転席前方の反射面で反射して
視認できるようにしたものが提案されている（実願昭６
２−０５６６６６号）。

しかしながら、反射面を用いたこの種の装置においては
表示器の表示を単に反射投影するだけであるので、視認
される表示像は一般に単調なものとなっていた。

本考案は、上記のような反射型の車両用表示装置におい
て簡単な構成で多様な表示を行えるようにすることを目
的とする。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕

上記の目的を達成するためになした本考案の車両用表示
装置は、表示器の表示像を反射面で反射して得られる表
示像の虚像を視認するようにした車両用表示装置におい
て、前記反射面が弾性部材で形成され、該反射面の断面
形状を変形させる駆動手段を備えたことを特徴とする。

上記の構成により、駆動手段によって反射面の断面形状
が変形されると表示像の反射状態が変化するため、例え
ば、反射面を凹面にすると表示像は拡大され、また、反
射面を振動させると表示像に動感が与えられる。

〔実施例〕

第１図は本考案の実施例を示す図であり、図において、
表示器１ａを内臓するプロジェクタ１は運転席上方の天
井１０に固定されており、フロントガラス２０の手前の
ダッシュボード３のパネル面には弾性部材でできた反射
板２が取り付けられている。

プロジェクタ１内の表示器１ａは車速などの情報を表示
し、この表示像は反射板２に投影され、その反射光が運
転者３０の視点に達するようになっている。したがっ
て、表示器１ａの表示像が表示器１ａからパネル面まで
の距離ａに等しい距離ａ′だけ反射板２の後方に虚像Ｘ
として現れ、運転者３０はこの虚像Ｘを視認することに
なる。

これによって、運転者はパネル面よりかなり前方位置に
表示像を視認することになり、走行中など車両前方を注
視しているときの視認性が向上する。

第２図は上記反射板２付近の詳細を示す図である。

図に示したように、反射板２の背後には、ダッシュボー
ド３に取り付けられたモータ２１と、これに連結された
ウォーム歯車装置２２が駆動手段として配設されてお
り、ウォーム２２ａはモータ２１のモータ軸に固定され
ている。このウォーム２２ａに噛合されたウォーム歯車
２２ｂの外周近傍には連結腕２ｂが一端を軸支され取り
付けられ、さらに、この連結腕２ｂの他端は反射板２の
背面に軸支されている。

そして、第２図図示の状態からモータ２１が駆動されて
ウォーム歯車２２ｂが図において反時計回りに回動され
ると、第３図に概念的に示したように連結腕２ｂによっ
て反射板２の略中央部がダッシュボード３の内部方向に
引かれて反射面２ａは凹面２ａ′に変形され、モータ２
１が逆方向に駆動されると反射面２ｂは凸面２ａ″に変
形される。

上記のように反射面２ａを凹面と凸面に切り替えること
により、表示像の拡大縮小を行うことができる。

例えば、表示像を拡大することにより老人用の表示にし
たり、また、拡大像による警告、高速域でのスピード表
示の拡大等を行うこともできる。

上記の実施例では駆動手段としてウォーム歯車装置２２
を用いているが、第４図(a)に示したように、反射板
２′の背面全面、あるいは同図(b)に示したように反射
板２′の背面の一部に圧電素子２２′を貼付し、この圧
電素子２２′に所定の交流電圧を印加して反射板２′を
振動させるようにすることもできる。

これにより、例えば車速が一定値を越えた場合、あるい
は異常発生時の警告表示時に反射板２′を振動させ、運
転者に注意を促すような表示を行うことができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案の車両用表示装置によれば、
表示器の表示像を反射する反射面を弾性部材で形成する
とともに駆動手段によって反射面の断面形状を変形させ
るようにしたので、反射面によって視認される表示像の
形状を変化させて表示像の拡大、縮小あるいは振動等を
行うことができ、簡単な構成で多様な表示を行うことが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す図、 第２図は実施例における反射板付近の詳細を示す図、 第３図は実施例における反射板の変形状態を示す図、 第４図は本考案による車両用表示装置の駆動手段の他の
例を示す図である。 １…プロジェクター、２，２′…反射板、３…ダッシュ
ボード、２１…モータ、２２…ウォーム歯車装置、２
２′…圧電素子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】表示器の表示像を反射面で反射して得られ
   る表示像の虚像を視認するようにした車両用表示装置に
   おいて、 前記反射面が弾性部材で形成され、該反射面の断面形状
   を変形させる駆動手段を備えたことを特徴とする車両用
   表示装置。