JPH0625221B2 - ポリオレフイン製造用触媒成分を製造する方法 - Google Patents

ポリオレフイン製造用触媒成分を製造する方法

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JPH0625221B2
JPH0625221B2 JP2548084A JP2548084A JPH0625221B2 JP H0625221 B2 JPH0625221 B2 JP H0625221B2 JP 2548084 A JP2548084 A JP 2548084A JP 2548084 A JP2548084 A JP 2548084A JP H0625221 B2 JPH0625221 B2 JP H0625221B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ポリオレフイン製造用触媒成分を製造する方
法に関する。更に詳しくは、本発明は、新規な担持型チ
ーグラー・ナツタ触媒用担体として無水マグネシウムジ
ハライド、ハロゲン化アルミニウム、チタン酸エステル
およびアルコールを一旦不活性炭化水素溶媒中に溶解さ
せ、得られた溶液に(有機)ハロゲン化ケイ素および有
機酸エステルを混合反応させて析出した固体生成物(I)
を用いる方法に関する。
ただし、本発明において、ポリオレフインとは、炭素数
3以上のα−オレフインの単独ならびに共重合体のほ
か、炭素数3以上のα−オレフインと同じく2のα−オ
レフインの共重合体であつて、共重合体中における成分
比率として前者が50重量%以上のものをいう。
従来、チーグラー・ナッタ型触媒の改良方向としては、
重合活性が高く、かつ、高立体規則性の重合体を与える
触媒が精力的に追究されて来た。しかし、近年になつ
て、前述の性能に加えて得られる重合体の粒子形状が良
好であるという性能が要求されるようになつた。
本発明者らはすでに、重合活性が高く、高立体規則性
で、かつ、粒子形状の良好なポリマーを与える担持型固
体触媒成分を用いてポリオレフインを製造する方法を特
願昭58-189010号(以下先願発明という)において提案
した。該提案は、本発明と同様にして無水マグネシウム
ジハライドから固体生成物(II)を得た後は本発明と異な
り、液状不活性炭化水素がほとんど残存しない程度に固
体生成物(II)を乾燥して固体粉末とし、更に、予備重合
処理して担持型固体触媒成分とし、該担持型固体触媒成
分を用いてポリオレフインを製造する方法である。しか
し、その後、担持型固体触媒成分の製造工程の簡略化を
めざして鋭意検討した結果、先願発明の固体生成物(II)
を乾燥する工程および予備重合処理を行なう工程を省略
できることが分り、本発明に至つた。
以上の記述から明らかなように、本発明は、先願発明に
係る触媒成分より著しく簡易な製法によつて同等以上の
重合性能を有する触媒成分とその製造法を提供するにあ
る。他の目的は、この触媒成分を利用した新規なポリオ
レフインを製造する方法を提供するにある。
本発明は、下記(1)の主要構成を有する。
無水マグネシムジハライド、一般式AlXnR1 3-n(こゝ
でXはClまたはBr、R1は炭素数1〜10のアルキル基、ア
リール基若しくは炭素数3〜10のシクロアルキル基、n
は0〜3の数である)で表わされるハロゲン化アルミニ
ウム、一般式Ti(OR2)4で表わされるオルトチタン酸エス
テル若しくは一般式 で表わされるポリチタン酸エステル(こゝでR2,R3
R4,R5およびR6は炭素数1〜10のアルキル基、アリール
基若しくは炭素数3〜10のシクロアルキル基、mは2〜
20の数である)および炭素数1〜20の脂肪族飽和アルコ
ールを不活性炭化水素溶媒中で混合して溶解させ、 かくして得られた溶液に一般式SiXlR7 4-l若しくはSiX
p(OR8)4-p(こゝでXはCl若しくはBr、R7およびR8はそ
れぞれ炭素数1〜10のアルキル基、アリール基または炭
素数3〜10のシクロアルキル基であり、lまたはpは1
〜4の数である)で表わされるハロゲン化ケイ素および
炭素数2〜20の脂肪族若しくは芳香族カルボン酸エステ
ルを反応させて固体生成物(I)を析出させ、 該固体生成物にTiX4で表わされるハロゲン化チタンを
反応させ、 該反応後の固体を液状の不活性炭化水素を用いて洗浄
して固体生成物(II)とし、該固体生成物(II)を少な
くともその50重量%の液状不活性炭化水素が共存する状
態で取得することを特徴とするポリオレフィン製造用触
媒成分を製造する方法。
本発明の構成および効果につき以下に詳しく説明する。
最初に遷移金属化合物を担持させた担持型固体触媒の製
造方法を述べる。
まず、不活性炭化水素溶剤中無水マグネシウムジハライ
ド、ハロゲン化(有機)アルミニウム、チタン酸エステ
ルおよびアルコールと混合し加熱して溶解させる。無水
マグネシウムジハライドとしては無水塩化マグネシウム
および無水臭化マグネシウムが使用できる。無水とはこ
れらの「無水」化合物として市販されている市販品と同
程度の微量の水分を含むものであつてもよい。ハロゲン
化(有機)アルミニウムとしてはAlXn▲R1 3-n▼で表わ
される化合物であり、ここでXはClまたはBr、R1は炭素
数1〜10のアルキル基、アリール基または炭素数3〜1
0のシクロアルキル基、nは0〜3の数である。
例えば、三塩化アルミニウム、エチルアルミニウムジク
ロリド、ブチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミ
ニウムセスキクロリド、ジエチルアルミニウムクロリ
ド、ジプロピルアルミニウムクロリド、トリエチルアル
ミニウム、三臭化アルミニウム、エチルアルミニウムジ
プロミドなどを挙げることができる。チタン酸エステル
としては、Ti(OR2)4で表わされるオルトチタン酸エステ
ルおよび で表わされるポリチタン酸エステルである。ここで、
R2,R3,R4,R5およびR6は炭素数1〜10のアルキル
基、アリール基または炭素数3〜10のシクロアルキル
基であり、mは2〜20の数である。具体的には、オル
トチタン酸メチル、オルトチタン酸エチル、オルトチタ
ン酸n−プロピル、オルトチタン酸n−ブチル、オルト
チタン酸i−アミル、オルトチタン酸フエニルおよびオ
ルトチタン酸シクロヘキシルなどのオルトチタン酸エス
テル、ポリチタン酸メチル、ポリチタン酸エチル、ポリ
チタン酸n−プロピル、ポリチタン酸i−プロピル、ポ
リチタン酸n−ブチル、ポリチタン酸i−ブチル、ポリ
チタン酸n−アミル、ポリチタン酸フエニルおよびポリ
チタン酸シクロペンチルなどのポリチタン酸エステルを
用いることができる。アルコールとしては、脂肪族アル
コールを使用することができる。具体的には、メチルア
ルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
i−アミルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−
ヘプチルアルコール、nオクチルアルコール、n−エチ
ルヘキシルアルコールなどの1価アルコールのほかに、
エチレングリコール、トリメチレングリコール、グリセ
リンなどの多価アルコールも使用することができる。そ
の中でも炭素数4〜10の脂肪族アルコールが好まし
い。
不活性炭化水素溶剤としては、ペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン、ノナン、デカンおよびケロシンなどの脂肪族炭
化水素、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香
族炭化水素、四塩化炭素、1,2−ジクロルエタンおよ
びクロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素を使用する
ことができる。その中でも脂肪族炭化水素が好ましい。
具体的に溶解させる方法としては、無水マグネシウム
ジハライド、ハロゲン化(有機)アルミニウム、チタン
酸エステルおよびアルコールを不活性炭化水素溶剤中任
意の添加順序で混合し、その懸濁液を攪拌しながら加熱
して溶解させる、チタン酸エステルおよびアルコール
を不活性炭化水素溶剤中攪拌しながら加熱し、その溶液
に無水マグネシウムジハライドおよびハロゲン化アルミ
ニウムを加えて溶解させる、あるいは無水マグネシウ
ムジハライドおよびハロゲン化(有機)アルミニウムを
不活性炭化水素溶剤中加熱しながら懸濁させておき、そ
の懸濁液にチタン酸エステルおよびアルコールを加えて
溶解させるなどの方法を挙げることができる。いずれの
方法も採用することができるが、の方法は操作が極め
て容易である点で好ましい。加熱後の溶液は完全に溶解
して均一溶液になる場合もあれば、少量の不溶物が残存
する場合もある。しかしながら少量の不溶物が残存する
ことにより、固体触媒の粒子形状に悪影響を及ぼすこと
があるので、完全に溶解して均一溶液にすることが好ま
しい。少量の不溶物が時間をかけても極めて難溶の場合
もある。そのような場合少量の不溶物を別して均一溶
液としてもよい。溶解させるためには加熱することが必
要である。温度は40〜200℃、好ましくは50〜1
50℃である。時間は5分〜7時間、好ましくは10分
〜5時間である。
ハロゲン化(有機)アルミニウムの使用量は無水マグネ
シウムジハライド1molに対して0.005〜0.7mol、好まし
くは0.01〜0.5molであり、チタン酸エステルの使用量
は、無水マグネシウムジハライド1molに対してオルト
チタン酸エステルの場合は0.1〜2.0mol、好ましくは0.5
〜1.5molである。ポリチタン酸エステルの場合はポリチ
タン酸エステル分子中のオルトチタン酸エステルの繰返
し単位に注目しオルトチタン酸エステル相当の単位をmo
l単位に換算してオルトチタン酸エステルの場合と同様
に使用量を決めればよい。アルコールの使用量は、無水
マグネシウムジハライド1molに対して0.1〜6mol、好
ましくは0.5〜5molである。
チタン酸エステルおよびアルコールの使用量は無水マグ
ネシウムジハライドに対して多い程無水マグネシウムジ
ハライドの不活性炭化水素溶剤に対する溶解性が増す
が、再固体化するために極めて多量のハロゲン化ケイ素
を使用しなければならない上に、再固体化それ自身がむ
ずかしくなり、固体化しても粒子形状の制御は極めて困
難となる。また、チタン酸エステルおよびアルコールの
使用量が少な過ぎると無水マグネシウムジハライドが不
活性炭化水素溶剤に可溶性とならず、固体触媒は不定形
となり、本発明の目的を達成することはできない。
不活性炭化水素溶剤の使用量は、無水マグネシウムジハ
ライド1molに対して0.1〜5、好ましくは0.3〜3
である。一たん溶解させた後の該溶液は多くの場合室温
まで冷却しても固体が析出してくることはないので、室
温で均一溶液として保存することができる。
次に、上述の溶液にハロゲン化ケイ素と有機酸エステル
を反応させて固体生成物(I)を得る。固体生成物(I)を得
る方法としては、マグネシウムハライドを含む該溶液
に、有機酸エステルを加えて反応させた後ハロゲン化
ケイ素を加えて固体を析出させる。有機酸エステルと
共にハロゲン化ケイ素を加えて反応させ固体を析出させ
る、ハロゲン化ケイ素を加えて固体を析出させた後有
機酸エステルを加えて反応させるなどのいずれかの方法
あるいはそれらを組合わせた方法により固体を得た後該
固体を不活性炭化水素溶剤により洗浄し固体生成物(I)
を得る方法を挙げることができる。有機酸エステルとし
ては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピ
オン酸エチル、プロピオン酸ブチルおよび酪酸エチルな
どの脂肪族カルボン酸エステル、安息香酸メチル、安息
香酸エチル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、ア
ニス酸メチルおよびアニス酸エチルなどの芳香族カルボ
ン酸エステルである。ハロゲン化ケイ素としては、SiXl
▲R7 4-l▼およびSiXp(OR8)4-pで表わされる化合物を使
用することができる。ここでXはClまたはBr、R7および
R8は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基または炭
素数3〜10のシクロアルキル基であり、lおよびpは
1〜4の数である。具体的にはSiXl▲R7 4-l▼として、
四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、三塩化エチルケイ素、三
塩化プロピルケイ素、三塩化ブチルケイ素、三塩化フエ
ニルケイ素、三塩化シクロヘキシルケイ素、三臭化エチ
ルケイ素、二塩化ジエチルケイ素、二塩化ジブチルケイ
素、塩化トリエチルケイ素などを使用することができ
る。
SiXp(OR8)4-pとしては、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、
三塩化エトキシケイ素、三塩化プロポキシケイ素、三塩
化ブトキシケイ素、三塩化フエノキシケイ素、三臭化エ
トキシケイ素、二塩化ジエトキシケイ素、二塩化ジブト
キシケイ素、塩化トリエトキシケイ素などを使用するこ
とができる。
上述の化合物の混合物を使用することもできる。それら
の中でも四塩化ケイ素が好ましい。有機酸エステルおよ
びハロゲン化ケイ素は、そのままでもあるいは溶剤で希
釈して使用してもよい。その場合の溶剤は既述の不活性
炭化水素溶剤と同じものを使うことができる。有機酸エ
ステルはハロゲン化ケイ素とは別にあるいはハロゲン化
ケイ素の共存下でハロゲン化マグネシウムを含む溶液に
加えて反応させることが好ましいが、ハロゲン化ケイ素
はその溶液に加えてもよいし、その溶液をハロゲン化ケ
イ素に加えてもよい。有機酸エステルの使用量は使用し
た無水マグネシウムジハライド1molに対して合計0.05
〜0.7mol、好ましくは0.1〜0.6molである。この量の有
機酸エステルを一時に使用してもよいし、数段階に分け
て使用してもよい。反応温度は30〜150℃、好まし
くは50〜130℃であり、反応時間は1段階ごとに5
分〜5時間、好ましくは10分〜2時間である。
ハロゲン化マグネシウムを含む溶液に有機酸エステルの
みを加え反応させても固体が析出してくることはない
が、高温に長時間放置すると有機酸エステルが別の化合
物に変化して、最終的に得られる固体生成物(II)に対す
る立体規則性制御の役割が低下してくることがある。ハ
ロゲン化ケイ素との反応は温度40〜150℃、好まし
くは50〜130℃、時間は5分〜10時間、好ましく
は10分〜5時間である。ハロゲン化ケイ素の使用量は
使用した無水マグネシウムジハライド1molに対して0.1
〜50mol、好ましくは1〜20molである。ハロゲン化
ケイ素を加え反応させることにより固体が析出してく
る。固体生成物(II)の粒子形状は固体生成物(I)の粒子
形状に支配されるので、粒子形状の制御には上述の溶液
とハロゲン化ケイ素との反応が極めて重要である。
有機酸エステルとハロゲン化ケイ素を反応させた後は、
引続いてハロゲン化チタンとの反応を行なわせてもよい
が、析出した固体を一旦既述の不活性炭化水素により洗
浄することが好ましい。溶液中に存在する未反応物もし
くは副生物が以後の反応を防げることがあるからであ
る。かくして固体生成物(I)が得られる。
次に、固体生成物(I)にハロゲン化チタンおよび/また
はハロゲン化バナジウムを反応させて固体生成物(II)と
する。ハロゲン化チタンとしては、TiXq(OR9)4-qで表わ
される化合物を使用することができる。ここでXはCl、
R9は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基または炭
素数3〜10のシクロアルキル基であり、qは1〜4の
数である。具体的には、四塩化チタン、三塩化エトキシ
チタン、三塩化プロボキシチタン、三塩化ブトキシチタ
ン、三塩化オクタノキシチタン、三塩化フエノキシチタ
ン、三塩化シクロヘキソキシチタン、二塩化ジエトキシ
チタン、二塩化ジブトキシチタン、二塩化ジフエノキシ
チタン、塩化トリエトキシチタンおよび塩化トリフエノ
キシチタンなどを挙げることができる。四塩化チタン以
外のハロゲン化チタンは四塩化チタンとオルトチタン酸
エステルとの反応によりつくることができるが本反応に
は四塩化チタンとオルトチタン酸エステルの混合物をも
使用することができる。オルトチタン酸エステルとして
は既述のオルトチタン酸エステルと同じものを使用する
ことができる。これらのハロゲン化チタンの中でも四塩
化チタンが最も好ましい。ハロゲン化バナジウムの具体
例としては四塩化バナジウム、オキシ三塩化バナジウム
若しくはバナジウムに少くとも1ケのハロゲンが結合し
た他のバナジウム誘導体をあげることができる。ハロゲ
ン化チタンおよび/またはハロゲン化バナジウムはその
ままでもあるいは溶剤で希釈しても使用することができ
る。その場合の溶剤は既述の不活性炭化水素溶剤と同じ
ものでよい。
固体生成物(I)とハロゲン化チタン酸との反応は、(1)固
体生成物(I)の懸濁溶液にハロゲン化チタンを加えるか
あるいはハロゲン化チタンの中に固体生成物(I)の懸濁
溶液を加えて反応させる。あるいは、(2)固体生成物(I)
を別またはデカンテーシヨン法により一たん洗浄し
て、固体生成物(I)を既述の不活性炭化水素溶剤中に懸
濁させ、その懸濁液にハロゲン化チタンを加えるかある
いはハロゲン化チタンの中に固体生成物(I)の懸濁液を
加えて反応させる、などである。ハロゲン化チタンに代
えて若しくはハロゲン化チタンと共にハロゲン化バナジ
ウムを使用する場合も同様である。その中でも(2)の方
法が好ましい。ハロゲン化チタン若しくはハロゲン化バ
ナジウムの使用量は使用した無水マグネシウムジハライ
ド1molに対して1〜100mol、好ましくは3〜50mo
lである。
固体生成物(I)とハロゲン化チタン若しくはハロゲン化
バナジウムの反応温度は40〜〜150℃、好ましくは
50〜130℃、時間は5分〜5時間、好ましくは10
分〜2時間である。反応後は別またはデカンテーシヨ
ン法により固体を分離後不活性溶媒で洗浄し、未反応物
あるいは副生成物などを除去する。かくして固体生成物
(II)が得られる。この段階の固体生成物(II)の粒子形状
が良好である必要がある。
洗浄の際使用する溶剤は液状の不活性炭化水素である。
具体的には、ヘキシル、ヘプタン、オクタン、ノナン、
デカンあるいはケロシンなどの脂肪族炭化水素を挙げる
ことができる。洗浄中および洗浄後は固体生成物(II)は
少なくともその50重量%の既述の液状不活性炭化水素
と共存させる必要がある。洗浄方法は特にデカンテーシ
ヨン法が好ましく、洗浄後は少なくとも固体生成物(II)
が液状不活性炭化水素に浸漬される程度の量の液状不活
性炭化水素が固体生成物(II)に対して共存することが好
ましい。固体生成物(II)に対して50重量%未満の液状
不活性炭化水素しか共存しない場合は、その固体生成物
(II)を有機酸アルミニウム化合物と組合わせた後重合に
供しても十分な触媒性能を発揮しない。即ち、重合結果
はポリマー収率やかさ比重が低く、形状も劣り、微粉量
も多く、かつ、立体規則性も低い。洗浄後の固体生成物
(II)は少なくともその50重量%の液状不活性炭化水素
の共存下で保存し、かつ、重合に供することが大切であ
る。
固体生成物(II)は固体触媒成分として有機アルミニウム
化合物および好ましくは有機酸エステルと組合せること
により、α−オレフイン重合体製造用の触媒とすること
ができる。組合せる有機アルミニウム化合物としては、
AlXS▲R10 3−s▼で表わされる化合物を使用するこ
とができる。ここでXはCl、R10は炭素数1〜10のア
ルキル基、アリール基または炭素数3〜10のシクロア
ルキル基であり、sは0〜2の数である。具体的には、
トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニ
ウム、トリ−i−ブチルアルミニウム、トリシクロペン
チルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウム
クロリド、ジ−n−ブチルアルミニウムクロリド、エチ
ルアルミニウムセスキクロリドおよびエチルアルミニウ
ムジクロリドなどを挙げることができる。その中でも、
トリエチルアルミニウム単独あるいはトリエチルアルミ
ニウムとトリ−i−ブチルアルミニウム、トリエチルア
ルミニウムとジエチルアルミニウムクロリドおよびトリ
エチルアルミニウムとエチルアルミニウムセスキクロリ
ドなどの2種類の有機アルミニウム化合物の混合あるい
はトリエチルアルミニウムとトリ−i−ブチルアルミニ
ウムとエチルアルミニウムセスキクロリドなどの3種類
の有機アルミニウム化合物の混合使用が好ましい。
有機酸エステルとしては、錯化合物をつくる段階で使用
した有機酸エステルと同じ化合物を使用することができ
る。その中で、安息香酸エチル、トルイル酸メチル、ト
ルイル酸エチル、アニス酸メチルおよびアニス酸エチル
などの芳香族カルボン酸エステルが好ましい。
固体生成物(II)、有機アルミニウム化合物および有機酸
エステルの組合せ方法としては、固体生成物(II)、有
機アルミニウム化合物および有機酸エステルを独立に重
合器に供給する、有機アルミニウム化合物と有機酸エ
ステルの混合物および固体生成物(II)を独立に重合器に
供給する、固体生成物(II)、有機アルミニウム化合物
および有機酸エステルの混合物を重合器に供給する、な
どの態様があり、いずれの方法も採用できる。しかしそ
れらの中でもまたはが好ましい場合もある。以上の
如く三者を組合せる際、それぞれの成分あるいはいずれ
かの成分をブタン、ペンタン、ヘキシル、ヘプタン、ノ
ナン、デカンおよびケロシンなどの脂肪族炭化水素に溶
解あるいは懸濁させて使用することもできる。および
の如く重合器へ供給する前に混合する場合の温度は−
50〜+50℃、好ましくは−30〜+30℃、時間は
5分〜50時間、好ましくは10分〜30時間である。
有機アルミニウム化合物の使用量は固体触媒成分として
の固体生成物(II)に含まれるチタン原子1molに対して
10〜1000mol、好ましくは50〜500molであ
る。有機酸エステルの使用量は有機アルミニウム化合物
1molに対して0.01〜1mol、好ましくは0.05〜0.7molで
ある。混合有機アルミニウム化合物あるいは混合有機酸
エステルを使用する場合は、それらの総和のmol数が上
述の範囲に入ればよい。
本発明に係る固体触媒成分としての固体生成物(II)、有
機アルミニウム化合物および好ましくは有機酸エステル
の組合せにより得られる触媒を用いて、炭素数3以上の
α−オレフインを用いてα−オレフイン重合体を製造す
る。炭素数3以上のα−オレフインとしては、プロピレ
ン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテ
ン−1、デセン−1、4−メチルペンテン−1および3
−メチルペンテン−1などを使用することができる。こ
れらのα−オレフインの重合においては、単独重合のみ
ならず、他の炭素数2以上のα−オレフインの1種また
は2種以上との共重合体をも含むものである。炭素数2
以上のα−オレフインとしては、上述の炭素数3以上の
α−オレフイン以外にエチレン、ブタジエン、イソプレ
ンおよび1,4−ペンタジエンなどを挙げることができ
る。それらの他のα−オレフインの使用量は共重合によ
り得られる共重合体中に30mol%以下含有されること
となる量である。重合は液相中あるいは気相中で行うこ
とができる。液相中で重合を行う場合は、例えば、ヘキ
サン、ヘプタン、ノナン、デカンあるいはケロシンなど
の不活性炭化水素溶剤を重合媒体として使用してもよい
が、α−オレフイン自身を反応媒体とすることもでき
る。気相中で重合を行う場合は、原則として反応媒体を
使用しないが、触媒またはその成分のいずれかを上述の
不活性炭化水素に溶解または懸濁させて使用することも
できる。重合は重合器内において、触媒とα−オレフイ
ンを接触させることにより行なわれる。重合温度は40
〜200℃、好ましくは50〜150℃であり、重合圧
力は大気圧〜100kg/cm2G、好ましくは5〜50kg
/cm2Gである。重合は回分式、半連続式あるいは連続
式のいずれの態様によつても行うことができるが、工業
的には連続式重合が好ましい。また、重合を重合条件の
異なる多段重合によつて行うことも可能である。ポリマ
ーの分子量を調節するためには、重合系に水素のような
分子量調節剤を加えることが効果的である。
以上述べた固体触媒成分の製造または保存、触媒の調整
およびポリマーの製造は窒素あるいはヘリウムなどの不
活性気体の雰囲気下で行なわなければならないが、場合
によつてはモノマーの雰囲気下あるいは真空条件下でも
行なうことができる。
本発明の主要効果は次の通りである。まず、極めて重合
活性が高く、ポリマー中の残触媒除去の必要がないこと
である。ポリマーの精製工程が不要となり極めて経済的
である。次に、ポリマーの立体規則性が極めて高いこと
である。アイソタクチツクインデツクス(以下IIと略
す)の高いことがこれを示している。溶剤を使用しない
気相重合法によるポリマー製造に極めて有利である。更
に、本発明の特徴的効果は得られるポリマーの粒子形状
が極めて良いことである。即ち、ポリマー粒子の形状が
球形あるいは球形に近い形状であり、ポリマーの粒径を
所定の大きさに、かつポリマー粒径分布を極めて狭く制
御することが可能であり、その上、粒径の非常に小さい
ポリマー即ち微粉体が極めて少ないことである。このこ
とにより、スラリー重合や塊状重合などの液相重合法や
気相重合法において、重合器の長期間安定製造運転が可
能である。また、工業的に本発明に係る重合体の製造プ
ロセス上の輸送や回収がたやすく、造粒機への供給や加
工成形上の操作が容易となり、工業的重合装置当りの生
産性が極めて改善される。微粉体に基づく粉じん爆発を
抑制でき、エントレイメント防止に効果的である。
また、本発明の方法においてα−オレフインを共重合す
る場合であつてもポリマー粒子形状の悪化やかさ比重の
低下は少なく、共重合体の製造が容易である。
また、本発明では、一般に粒子形状の良好なポリマーが
持つポリマー中での微粉状無機物の分散性不良の問題を
充分に解決することができた。
本発明で得られるポリマーからのフイルムやシートは性
能および外観が極めて良好なものであり、充分使用に耐
えるものである。それは、本発明で得られるポリマー粒
子の比表面積が0.15m2/g以上1.0m2/g以下であり、
かつ、その細孔容積が0.15cm3/g以上1.0cm3/g以下
であることに基づいている。
本発明の他の主要な効果は、先願発明における固体生成
物(II)を乾燥する工程および予備重合処理を行なう工程
を省略しても先願と同様の効果を出すことができ、これ
らの工程の省略により固体生成物(II)の製造を極めて容
易に行なうことができる。
以下、実施例によつて本発明を説明する。
実施例および比較例中、ポリマーを規定する諸性質の定
義あるいは測定方法は次の通りである。
(1) メルトフローレート(MFRと略す)はASTM D
1238(L)による。
(2) ポリマーのかさ密度(BDと略す)はASTM D
1895による。
(3) 固体生成物(I)、固体生成物(II)、およびポリマー
粒子の形状観察は光学顕微鏡による。いずれの実施例で
得られたポリマーも球形あるいは球形に近い形状であつ
た。
(4) ポリマーの粒径分布はJIS Z 8801による篩を用
いJIS K 0069により求めた。また、固体生成物(I)お
よび固体生成物(II)の粒径分布はLeeds & Northrup
社製マイクロトラツク分析計により求めた。
(5) 上記粒径分布における粒度累積曲線の累積50重
量%の粒径が平均粒径であり、累積85重量%の粒径を
累積15重量%の粒径で除した値が均一指数である。
(6) ポリマーの微粉量とは、粒径が100μm未満の
ポリマー量の全体量に対する割合である。
(7) II(1)とは、 不活性炭化水素を用いる液相重合の場合: α−オレフインを溶剤とする液相重合および気相重合の
場合: (8) II(2)とは、 不活性炭化水素を用いる液相重合の場合: α−オレフインを溶剤とする液相重合および気相重合の
場合: (9) 本発明で得られるポリマー粒子の比表面積はガス
吸着法により測定した場合、0.15m2/g以上1.0m2/g
以下、好ましくは0.2m2/g以上0.7m2/g以下である。
また、該ポリマー粒子の細孔直径0.003μm以上10μm
未満に相当する細孔容積は水銀圧入法で測定した場合、
0.15cm3/g以上1.0cm3/g以下、好ましくは0.2cm3
g以上0.7cm3/g以下である。シリカゲル分散性を良く
するには両者が共に大きいことが好ましいが、大き過ぎ
るとポリマー粒子が摩砕を受けやすくなるので上限が生
じてくる。
製品表面の荒れは表面粗さ計、製品の透明性はヘイズ測
定装置、製品のフイツシユアイはフイツシユアイカウタ
ーおよび製品のくもり度は肉眼による官能検査により調
べることができる。
実施例1 (1) 担持型固体触媒成分の調製 ガラスフラスコ中において、精製デカン30ml、無水塩
化マグネシウム4.76g、塩化アルミニウム0.47
g、オルトチタン酸n−ブチル17gおよび2−エチル
−1−ヘキサノール19.4gを混合し、攪拌しながら
130℃に1時間加熱して溶解させ均一な溶液とした。
その溶液を70℃とし安息香酸エチル3.2gを加え1時
間反応させた後、攪拌しながら四塩化ケイ素52gを2
時間かけて滴下し固体を析出させ、更に70℃1時間攪
拌した。固体を溶液から分離し精製ヘキサンにより洗浄
し固体生成物(I)を得た。この固体生成物(I)全量を1,2
−ジクロルエタン50mlに溶かした四塩化チタン50ml
と混合し攪拌しながら80℃に2時間反応させ、つづい
て精製ヘキサンで洗浄し、乾燥することなく、精製ヘキ
サンを加えてヘキサン懸濁液とした。該懸濁液1中に
固体生成物(II)が50g存在した。上述の操作および以
後の実施例、比較例中の同様の操作はすべて窒素雰囲気
下で行なつた。
固体生成物(II)は球形であり、平均粒径20μm、均一
指数1.29であつた。25℃、減圧下(10-3mmHg)
3時間乾燥して得られた固体生成物(II)の組成分析結果
は、Ti3.8重量%(以後%と記す)、Cl57.0%、Mg17.6
%、Al0.8%、Si0.9%、安息香酸エチル7.2%、ブトキ
シ基2.4%および2−エチルヘキサノキシ基4.3%で
あつた。
(2) ポリオレフインの製造 窒素置換した内容積3の多段攪拌機付きステンレス製
反応器に、トリエチルアルミニウム1.5m molとジエチル
アルミニウムクロリド0.5m mol、p−トルイル酸メチル
0.5m mol、固体生成物(II)をTi原子換算で4×10-3mg−
原子および水素を500ml添加後、70℃において全圧
が22kg/cm2Gになるようにプロピレンを連続的に導
入しながら2時間重合を行なつた。その後、未反応プロ
ピレンを排出して粉末状ポリプロピレン190gを得
た。その粉末状ポリプロピレンのBDは0.45、MFRは3.2、
ポリマー粒子は球形ないしは球形に近い形状であり、平
均粒径600μm、均一指数1.70、粒径が100μm以
下の微粉量は全体の0.02重量%であつた。沸とうヘキサ
ンによる抽出残分〔II(1)〕は98.3%であり、そのヘ
キサン抽出残分の沸とうヘプタン抽出残分〔II(2)〕
は97.9%であつた。重合後得られた粉末状ポリプロピレ
ンは摩砕を受けにくいものであつた。
(3) 物性試験 実施例1の(2)で得られたポリプロピレンに酸化防止剤
0.09重量%、滑剤0.1重量%および微粒子状シリカゲル
(平均粒子径3μm)0.45重量%を添加してヘンシエル
ミキサーにて充分混合し、220℃において造粒し、2
40℃において厚さ25μmのシートを製造した。シー
ト表面は平滑であり透明性も問題なく、フイツシユアイ
(平均粒子径0.15mm以上の粒子状物)はシート1000
cm2当り20個で問題なく、製品として外観の良好なも
のであつた。なお、実施例1の(2)で得られたポリプロ
ピレン粒子の比表面積は0.23m21g、細孔容積は0.24cm
3/gであつた。
比較例1 実施例1において、固体生成物(II)を精製ヘキサンで洗
浄した後、25℃、減圧下(10-3mmHg)3時間乾燥して
固体生成物(II)相当物を得ること以外は実施例1と同様
にして担持型固体触媒成分を調製し、該固体生成物(II)
相当物を用いてポリオレフインを製造した。
比較例2 比較例1において得られた固体生成物(II)相当物3gを
0℃に冷却した、トリエチルアルミニウム5m molを含
む精製ヘキサン200mlに懸濁させ、攪拌しながら同温
度において懸濁液中にポリマー収率が約5g−ポリマー
/g−固体生成物になるようにエチレンを2時間吹込ん
だ。精製ヘキサンにより液にトリエチルアルミニウム
が検出されなくなるまで洗浄し、25℃、減圧下(10-3
mmHg)3時間乾燥して固体生成物(III)を得た。該固体
生成物(III)中のTiは0.60%であつた。該固体生成物(II
I)を実施例1の(2)の固体生成物(II)の代りに用いるこ
と以外は実施例1の(2)と同様にしてポリオレフインを
製造した。
実施例2 (1) ポリオレフインの製造 窒素置換した内容積2のオートクレープに精製ヘキサ
ン1を入れ、トリエチルアルミニウム2m mol、p−
トルイル酸メチル0.5m molおよび実施例1の(1)で得ら
れた固体生成物(II)をTi原子換算で4×10-3mg原子を加
え、水素300mlを添加した後、プロピレンを全圧が10
kg/cm2Gになるように連続的に導入しながら、70℃
において1時間重合を行なつた。その後、ヘキサン不溶
物を別乾燥して粉末状ポリプロピレン94gを得た。
その粉末状ポリプロピレンのBDは0.44、MFRは2.7、
重合体粒子は球形であり、平均粒径390μm、均一指
数1.40、微粉量は0.07重量%であつた。沸とうヘプタン
による抽出残分〔II(2)〕は97.7%であつた。一方、
ヘキサン不溶物別後の液を蒸発乾固して可溶物1.9
gを得た。
(2) 物性試験 (1)で得られたポリプロピレンを用い、実施例1(3)と同
様にして厚さ25μmのフイルムを製造した。製品とし
て充分良好なものであつた。なお、ポリプロピレンの比
表面積は0.26m2/g、細孔容積は0.25cm3/gであつ
た。
実施例3〜4 実施例1の(1)においてオルトチタン酸n−ブチル17
gの代りに25g用いること(実施例3)、若しくは2
−エチル−1−ヘキサノール19.4gの代りに32.3g用い
ること(実施例4)以外は実施例1の(1)と同様にして
担持型固体触媒成分を調製し、これらの固体触媒成分を
固体生成物(II)の代りに用いてそれぞれ実施例2と同様
にしてポリオレフインを製造した。
実施例5 実施例1の(1)において、塩化アルミニウム0.47gの代
りに2.0g用いること以外は同様にして担持型固体触媒
成分を調製し、この固体触媒成分を固体生成物(II)の代
りに用いて実施例2と同様にしてポリオレフインを製造
した。
実施例6 実施例1において安息香酸エチルの代りに酢酸エチル1.
9gを用いること以外は実施例1と同様にして担持型固
体触媒成分を調製しポリオレフインを製造した。
実施例7 (1) 担持型固体触媒成分の調製 ステンレス製フラスコ中において、精製ノナン50ml、
無水塩化マグネシウム4.76g、塩化アルミニウム2.0
g、オルトチタン酸エチル17.1gおよびn−オクチルア
ルコール13gを混合し、攪拌しながら100℃に2時
間加熱して溶解させ均一溶液とした。その溶液を70℃
とし、p−アニス酸エチル3.2gを含む三塩化エチルケ
イ素57gを2.5時間かけて滴下し固体を析出させ、更
に70℃に1時間攪拌した。固体を溶液から分離し精製
ヘキサンにより洗浄し固体生成物(I)を得た。その固体
生成物(I)をトルエン50mlにとかした四塩化チタン5
0mlと混合し攪拌しながら100℃に1.5時間反応さ
せ、つづいて精製ヘキサンで洗浄し、乾燥することな
く、精製ヘキサンを加えてヘキサン懸濁液とした。該懸
濁液1中に固体生成物(II)が10g存在した。
固体生成物(II)は球形であり、平均粒子径23μm、均
一指数1.33であつた。
室温で3時間減圧乾燥して得られた固体生成物(II)の組
成分析結果はTi3.5%、Cl58.4%、Mg18.1%、Al1.1%、
Si0.6%、アニス酸エチル6.5%、エトキシ基1.9%およ
びオクタノキシ基3.6%であつた。
(2) ポリオレフインの製造 窒素置換した内容積3.6のオートクレープに、トリエ
チルアルミニウム4.5m molとエチルアルミニウムジクロ
ライド1.5m mol、p−トルイル酸メチル1.5m molおよび
固体生成物(III)をTi原子換算で8×10-3mg−原子を添
加した後、水素500mlを液状プロピレン1kgと共に導
入し、70℃で1時間重合を行なつた。その間全圧は3
2kg/cm2Gであつた。その後、未反応プロピレンを排
出して、粉末状ポリプロピレン275gを得た。その粉
末状ポリプロピレンのBDは0.43、MFRは3.0、重合体粒子
は球形ないしは球形に近い形状であり、平均粒径は47
0μm、均一指数1.65、粒径が100μm以下の微粉量
は全体の0.04重量%であつた。沸とうヘキサンによる抽
出残分〔II(1)〕は97.8%であり、そのヘキサン抽出
残分の沸とうヘプタン抽出残分〔II(2)〕は97.7%で
あつた。
比較例3 実施例7において、固体生成物(II)を精製ヘキサンで洗
浄した後、室温で3時間減圧乾燥して固体生成物(II)相
当物を得ること以外は実施例7と同様にして担持型固体
触媒成分を調製し、該固体生成物(II)相当物を用いてポ
リオレフインを製造した。
比較例4 比較例3において得られた固体生成物(II)相当物3g
を、プロピレンの雰囲気下において、5℃に冷却した、
トリエチルアルミニウム10m molを含む精製ヘキサン
400mlに懸濁させ、攪拌しながら同温度において懸濁
液中にポリマー収率が約10g−ポリマー/g−固体生
成物(II)になるようにプロピレンを4時間かけて吹込ん
だ。精製ヘキサンにより洗浄し、室温で3時間減圧乾燥
して固体生成物(III)を得た。該固体生成物(III)中のTi
は0.29%であつた。該固体生成物(III)を実施例7の(2)
の固体生成物(II)の代りに用いること以外は実施例7の
(2)と同様にしてポリオレフインを製造した。
実施例8 ガラスフラスコ中において、精製ケロシン30ml、無水
塩化マグネシウム4.76g、エチルアルミニウムジクロラ
イド0.64g、ポリチタン酸n−ブチル(5量体)14.2g
およびn−ヘキシルアルコール7.7gを混合し、攪拌し
ながら110℃に1.5時間加熱し、微量の不溶物を別
して均一溶液を得た。その溶液を60℃とし、三塩化ブ
トキシケイ素72gを3時間かけて滴下し固体を析出さ
せ、更に1時間継続して攪拌し、続いてp−トルイル酸
メチル3.0gを加え同温度1.5時間反応させた。固体を溶
液から分離し精製ヘキサンにより洗浄し固体生成物(I)
を得た。その固体生成物(I)を四塩化チタン100mlと
混合し攪拌しながら110℃に2時間反応させ、つづい
て精製ヘキサンで洗浄した後は、実施例1と同様にして
固体生成物(II)を調製し、実施例2において、トリエチ
ルアルミニウム2m molの代りにトリエチルアルミニウ
ム1.5m molとエチルアルミニウムジクロリド0.5m molを
用い、実施例2の固体生成物(II)の代りに本実施例の固
体生成物(II)を用いること以外は実施例2と同様にして
ポリオレフインを製造した。固体生成物(II)は球形であ
り、室温で5時間減圧乾燥して得られた固体生成物(II)
の組成分析結果は、Ti3.6%、Al0.9%、Si0.5%、トル
イル酸メチル6.0%、ブトキシ基2.3%およびヘキサノキ
シ基3.5%であつた。
実施例9 実施例1において、安息香酸エチル3.2gを用いる代り
に1.9gを用い、四塩化ケイ素を加えて固体を析出さ
せ、更に1時間攪拌した後、安息香酸エチル1.5gを加
え1時間反応させること以外は実施例1と同様にして担
持型固体触媒成分を調製しポリオレフインを製造した。
実施例10 実施例7において、p−アニス酸エチル3.0gを含む三
塩化エチルケイ素を滴下する代りに、p−アニス酸エチ
ル1.6gを含む三塩化エチルケイ素を滴下して固体を析
出させ、更に1時間攪拌後、p−アニス酸エチル1.4g
を加えて反応させること以外は実施例7と同様にして担
持型固体触媒成分を調製しポリオレフインを製造した。
実施例11 実施例1の(2)において、プロピレンの代りにエチレン
10mol%を含むプロピレンを用いること以外は実施例
1の(2)と同様にしてポリオレフインを製造し、粉末状
プロピレン−エチレン共重合体を得た。共重合体中のエ
チレン含有量は6.8mol%であつた。
本実施例で得られたポリプロピレンに酸化防止剤0.1重
量%、滑剤0.1重量%および微粒状シリカゲル(平均粒
子径3μm)0.4重量%を添加してヘンシエルミキサー
にて充分混合し、220℃において造粒し、210℃に
おいて厚さ30μmのフイルムを製造した。フイルム表
面は平滑であり、透明性やくもりにも問題はなく、フイ
ツシユアイ(平均粒子径0.15mm以上の粒子状物)はフイ
ルム1000cm2当り16個であり、製品として外観上充分
なものであつた。
なお、本実施例で得られたポリプロピレン粒子の比表面
積は0.20m2/g、細孔容積は0.22cm3/gであつた。
実施例12 実施例2において、固体生成物(II)の代りに実施例9で
得られた固体生成物(II)を用い、かつ、プロピレンの代
りに1−ブテン10mol%を含むプロピレンを用いるこ
と以外は実施例2と同様にしてポリオレフインを製造
し、粉末状プロピレン−ブテン共重合体を得た。共重合
体中のブテン含有量は3.8mol%であつた。
実施例13 実施例1の(1)において、塩化アルミニウム0.47gの代
りにジエチルアルミニウムクロライド0.422gを含むヘ
キサン溶液4mlを用いて均一溶液を調製した後、該均一
溶液に70℃において安息香酸エチル1.58gを加え1時
間反応させ、続いて四塩化ケイ素52gを2.5時間かけ
て滴下し固体を析出させ、引続き70℃で1時間攪拌し
た。更に、安息香酸エチル2.1gを加え、70℃に1時
間反応させた後、固体を分離し精製ヘキサンにより洗浄
し固体生成物(I)を得た。その後は実施例1の(1)と同様
にして固体生成物(II)を調製し、この固体生成物(II)を
用いて実施例2と同様にしてポリプロピレンを製造し
た。
比較例5 実施例1において固体生成物(II)をヘキサンで洗浄した
後、精製ヘキサン20mlに固体生成物(II)が5gの割合
で存在するヘキサン懸濁液とし、該懸濁液を20℃に保
ちながら、精製窒素気流中で1時間乾燥させた所、ヘキ
サンを20重量%含む固体生成物(II)が粉末状で得られ
た。ヘキサンを含有する該固体生成物(II)を実施例1の
(2)の固体生成物(II)の代りに用いること以外は実施例
1と同様にしてポリオレフインを製造した。結果を表に
示す。
実施例14 実施例1の(1)と同様にして固体生成物(I)にジクロルエ
タン中で四塩化チタンを反応させ、精製ヘキサンで洗浄
した後、ヘキサンと固体生成物(II)が同じ重量比で存在
する懸濁状態とし、該固体生成物(II)を用いて実施例1
の(2)と同様にしてポリオレフインを製造した。結果を
表に示す。
【図面の簡単な説明】
図−1は、本発明の製造方法を説明するための製造工程
図(フローシート)である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無水マグネシムジハライド、一般式AlXn
    R1 3-n(こゝでXはClまたはBr、R1は炭素数1〜10のア
    ルキル基、アリール基若しくは炭素数3〜10のシクロア
    ルキル基、nは0〜3の数である)で表わされるハロゲ
    ン化アルミニウム、一般式Ti(OR2)4で表わされるオルト
    チタン酸エステル若しくは一般式 で表わされるポリチタン酸エステル(こゝでR2,R3
    R4,R5およびR6は炭素数1〜10のアルキル基、アリール
    基若しくは炭素数3〜10のシクロアルキル基、mは2〜
    20の数である)および炭素数1〜20の脂肪族飽和アルコ
    ールを不活性炭化水素溶媒中で混合して溶解させ、 かくして得られた溶液に一般式SiXlR7 4-l若しくはSiX
    p(OR8)4-p(こゝでXはCl若しくはBr、R7およびR8はそ
    れぞれ炭素数1〜10のアルキル基、アリール基または炭
    素数3〜10のシクロアルキル基であり、lまたはpは1
    〜4の数である)で表わされるハロゲン化ケイ素および
    炭素数2〜20の脂肪族若しくは芳香族カルボン酸エステ
    ルを混合反応させて固体生成物(I)を析出させ、 該固体生成物にTiX4で表わされるハロゲン化チタンを
    反応させ、 該反応後の固体を液状の不活性炭化水素を用いて洗浄
    して固体生成物(II)とし、該固体生成物(II)を少な
    くともその50重量%の液状不活性炭化水素が共存する状
    態で取得することを特徴とするポリオレフィン製造用触
    媒成分を製造する方法。
  2. 【請求項2】無水マグネシウムジハライド1molに対
    して、前記ハロゲン化アルミニウム、前記チタン酸エス
    テル若しくはポリチタン酸エステルおよび脂肪族飽和ア
    ルコールをそれぞれ0.01〜0.5mol、0.5〜1.5molおよび
    0.5〜5mol用い、 不活性炭化水素溶媒中で無水マグネシウムジハライ
    ド、前記ハロゲン化アルミニウム、前記チタン酸エステ
    ル若しくはポリチタン酸エステルおよび脂肪族飽和アル
    コールを50〜150℃、0〜5kg/cm2Gで10分〜5時間攪拌
    若しくは振とう混合して溶解させる特許請求の範囲第
    (1)項に記載の方法。
  3. 【請求項3】無水マグネシウムジハライド、前記ハロ
    ゲン化アルミニウム、前記チタン酸エステル若しくはポ
    リチタン酸エステルおよび脂肪族飽和アルコールの不活
    性炭化水素溶液を得るために使用したマグネシウムジハ
    ライド1molに対して、1〜20molの前記ハロゲン化ケイ
    素および0.1〜0.6molの脂肪族若しくは芳香族カルボン
    酸エステルを用い、 前記の溶液に対して、50〜130℃、0〜5kg/cm2Gで
    10分〜5時間、前記ハロゲン化ケイ素および脂肪族若し
    くは芳香族カルボン酸エステルを混合して固体生成物
    (I)を析出させる特許請求の範囲第(1)項に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】無水マグネシウムジハライド、前記ハロゲ
    ン化アルミニウム、前記チタン酸エステル若しくはポリ
    チタン酸エステルおよび脂肪族飽和アルコールの不活性
    炭化水素溶媒溶液に対して、 脂肪族若しくは芳香族カルボン酸エステルを混合後ハ
    ロゲン化ケイ素を混合させ、若しくは、 脂肪族若しくは芳香族カルボン酸エステルおよび前記
    ハロゲン化ケイ素を同時に混合させ、若しくは、 前記ハロゲン化ケイ素を混合後脂肪族若しくは芳香族
    カルボン酸エステルを混合させ、若しくは、 脂肪族若しくは芳香族カルボン酸エステルおよびまた
    は前記ハロゲン化ケイ素の一部分を用いて、a.前記〜
    のいずれかの混合反応を行なわせた後、b.残部分の脂
    肪族若しくは芳香族カルボン酸エステルおよびまたは前
    記ハロゲン化ケイ素を用いて前段a以外の〜のいず
    れかの方法で混合させる特許請求の範囲第(3)項に記載
    の方法。
  5. 【請求項5】不活性炭化水素溶媒で固体生成物(I)
    を洗浄し、 前記の被洗浄物にハロゲン化チタンとしてTiX4を 前記の被洗浄固体生成物(I)を構成するマグネシ
    ウムジハライド1mol相当量に対して、前記のハロゲ
    ン化チタンを3〜50mol用い、 50〜130℃、0〜5kg/cm2Gで10〜2時間反応させ、 かくして得られた固体生成物(II)を使用する特許請
    求の範囲第(1)項に記載の方法。
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