JPH06248922A - 可変バルブタイミング機構 - Google Patents

可変バルブタイミング機構

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JPH06248922A
JPH06248922A JP3224793A JP3224793A JPH06248922A JP H06248922 A JPH06248922 A JP H06248922A JP 3224793 A JP3224793 A JP 3224793A JP 3224793 A JP3224793 A JP 3224793A JP H06248922 A JPH06248922 A JP H06248922A
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gear
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cam shaft
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Hiroshi Tada
博 多田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 非円形歯車を用いた可変バルブタイミング機
構のバルブタイミング変更動作の応答性を向上させる。 【構成】 吸気カム軸1に対して非円形歯車5a、7a
を自由回転可能に取り付け、歯車5a、7aのいずれか
一方を給気カム軸に固定することにより排気カム軸3か
ら給気カム軸に回転を伝達する。歯車5a、7aは給気
カム軸に固定されたスペーサ9を挟んで取り付け、スペ
ーサ内の係合ピン16を油圧で移動させ、歯車5a、7
aのピン孔15、17のいずれかに係合させて歯車5a
または7aを吸気カム軸に切り換え固定するとともに、
スペーサを歯車5a、7aに対して互いに逆方向に付勢
するスプリング53、73を設けた構成とする

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関のカム軸駆動機
構に関し、詳細には運転条件に応じてバルブリフト特性
を変更可能な可変バルブタイミング機構に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の運転条件に応じて最適のバル
ブリフト特性を得られるようにした可変バルブタイミン
グ機構が従来から考案されている。一般にバルブリフト
特性は、カム軸のカムプロファイルによって決定される
ため、バルブリフト期間を変更するためには、従来は、
異なるプロファイルを持つカムをカム軸に予め形成して
おき、それらを切換えて使用したり、バルブリフトの作
用角が異なるようにロッカアームを切換えてバルブを駆
動する方法がとられていた。
【0003】これに対し本願出願人は、非円形歯車を使
用してカム軸を駆動することによりカムやロッカアーム
の切り換えを要することなくバルブ特性を変更可能な可
変バルブタイミング機構を既に提案している(特願平4
─201472号)。上記に提案した可変バルブタイミ
ング機構は、機関出力軸回転をカム軸にそれぞれ伝達可
能な第一と第二の歯車装置と、該第一と第二の歯車装置
と切り換えて第一と第二の歯車装置のいずれかを介して
カム軸に機関出力軸の回転を伝達するようにする切り換
え手段とを備え、前記第一と第二の歯車装置のうち少な
くとも一方を、機関出力軸の等速回転を機関出力軸回転
角に応じて速度が変化する不等速回転に変換する非円形
歯車を用いて構成したものである。
【0004】同一のプロファイルを有するカムを用いた
場合でも機関出力軸回転角に応じて速度が変動する不等
速回転運動をカム軸に与えることにより、不等速回転の
種類に応じた異なるバルブリフト特性を得ることができ
る。上記に提案した可変バルブタイミング機構は、機関
出力軸から非円形歯車を有する第一と第二の歯車装置を
用いてカム軸を駆動することにより上記カム軸の不等速
回転運動を生じさせるとともに、第一と第二の歯車装置
を切り換えることによりカム軸に異なる不等速回転運動
を生じさせるようにして運転条件に応じてバルブリフト
特性を変更可能としたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記特願平4─201
472号に提案した可変バルブタイミング機構では、第
一と第二の歯車装置とを切り換えてカム軸を駆動するこ
とによりカム軸の不等速回転運動を変えるようにしてい
る。この切り換えは、例えば第一と第二の歯車装置のそ
れぞれを、カム軸に固定された非円形歯車と、該非円形
歯車に噛合するとともに機関出力軸に対して自由回転可
能に取着された駆動用非円形歯車とから構成し、機関出
力軸に上記駆動用非円形歯車のいずれか一方を選択的に
固定することにより行っている。
【0006】ところで、上記の機構では出力軸に固定さ
れている側の駆動用歯車と、出力軸に対して回転自由に
保持されている側の駆動用歯車とは互いに異なる不等速
運動をしており、これらの歯車の相対的位相は出力軸の
回転につれて周期的に変化している。一方、これらの歯
車の切り換えは両方の歯車と出力軸との位相が一致した
とき以外は行うことができない。従って切り換えを行う
ことが出来る時期は上記相対的位相の変動周期のうち相
互の位相が一致する一点に限定され、この点で切り換え
ができないと次に位相が一致する瞬間まで待たなければ
切り換えを行うことができず、切り換えに時間を要する
場合がある。
【0007】更に、上記歯車の切り換えに際しては両方
の歯車がともに出力軸に対して自由になる瞬間が必然的
に生じるが、この時カム軸は駆動力を受けていない状態
になるため、バルブ反力等によりカム軸が回転して両歯
車に対して位相が大きくずれる場合があり、位相が一致
するまでに更に時間を要する場合がある。本発明は、上
記の問題を解決し歯車の切り換えの際の時間を短縮し、
短時間でバルブリフト特性を変更可能な可変バルブタイ
ミング機構を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、機関出
力軸の回転を気筒弁駆動用カム軸に伝達する機構であっ
て、一方が機関出力軸から駆動され、他方がカム軸に連
結された第一と第二の軸と、前記第一の軸に対してそれ
ぞれ自由回転可能に嵌装された第一と第二の歯車と、そ
れぞれ前記第二の軸に固定されるとともに前記第一と第
二の歯車に噛合し前記第一とと第二の軸との間に回転を
伝達可能な2つの歯車と、前記第一と第二の歯車のうち
一方を前記第一の軸に対して選択的に固定することによ
り該一方の歯車を介してカム軸を駆動する切換手段とを
備えた可変バルブタイミング機構において、少なくとも
前記第一の歯車は、前記機関出力軸の等速回転を、機関
出力軸回転角に応じて速度が変動する不等速回転に変換
する非円形歯車であり、前記切り換え手段は、前記第一
と第二の歯車の間に配置され前記第一の軸に固定された
スペーサと、 前記スペーサ内に前記第一の軸の軸線方
向に沿って移動可能に保持され、前記第一と第二の歯車
のうち一方に選択的に係合してスペーサと該一方の歯車
とを固定する係合ピンと、前記スペーサと前記第一と第
二の歯車との間に介装され、前記スペーサを前記第一と
第二の歯車に対して互いに逆方向に弾性的に付勢する少
なくとも1対の付勢手段とを備えたことを特徴とする可
変バルブタイミング機構が提供される。
【0009】
【作用】スペーサは1対の付勢手段により第一と第二の
歯車に対して互いに逆方向に弾性的に付勢されている。
このため、切り換え時に係合ピンがどちらの歯車にも係
合せず歯車に対してカム軸が自由状態になった場合でも
スペーサ(カム軸)は第一と第二の歯車の中間位置に保
たれ、バルブ反力によってスペーサと両歯車との回転位
相が大幅にずれることがない。従って、切り換え時に係
合ピンと歯車との位相が一致するまでの時間が短縮さ
れ、短時間で切り換えが行われる。
【0010】
【実施例】図1に本発明の一実施例を示す。図1は本発
明の可変バルブタイミング機構の断面図であり、図にお
いて1は吸気弁駆動用カム軸、3は排気弁駆動用カム軸
であり、5a、5b、7a、7bは排気カム軸3と吸気
カム軸1との間に回転を伝達する歯車である。
【0011】本実施例はダブルオーバヘッドカムシャフ
ト機関の場合を示し、排気カム軸3は図示しない機関ク
ランク軸からタイミングベルト等を介して回転駆動され
ており、吸気カム軸1は排気カム軸3から歯車5a、5
bまたは7a、7bを介して駆動されている。なお、吸
気カム軸1を排気カム軸3から駆動する代わりに吸気カ
ム軸駆動用に独立した駆動軸を設け、歯車5a、5bま
たは7a、7bを介して吸気カム軸1を駆動するように
することもできる。
【0012】本実施例では歯車5a、5b及び歯車7
a、7bはそれぞれ相互に噛合する非円形歯車として構
成されている。また、本実施例は直列4気筒エンジンを
想定して歯車5a、5b、7a、7bはそれぞれ図2
(B)に示す4葉歯車として構成されている。また、本
実施例では歯車5bと7bとは一体に接合され、図に1
1で示す可変タイミング装置を介してカム軸3に対して
固定されており、排気カム軸3と一体に回転するように
されている。可変タイミング装置11は運転条件に応じ
て排気カム軸3と歯車5b、7bとの取り付け位相を変
化させ、後述のようにバルブリフト特性のみならずバル
ブ開弁期間をも変更可能とする目的で設けられている。
本実施例では、可変タイミング装置11は排気カム軸3
の軸端に嵌装され、座金13とボルト13aにより排気
カム軸3に固定されている。本実施例では、座金13の
端部には直径方向の溝13bが設けられており(図3参
照)、この溝13にエンジンディストリビュータ(図示
せず)の駆動軸の軸端に設けた舌状突起を係合させてデ
ィストリビュータを駆動することにより座金13にディ
ストリビュータ駆動用ギアを兼用させている。12で示
すのは、排気カム軸3、可変タイミング装置11、座金
13の回転方向位置決め用のピンである。
【0013】一方、本実施例では歯車5aと7aとは別
体に形成され、間にスペーサ9を挟んでそれぞれ吸気カ
ム軸1に対して自由回転可能に個別に嵌装されている。
なお、歯車5a、7a及びスペーサ9はこの順に吸気カ
ム軸1の軸端から嵌装され、スペーサ9は吸気カム軸1
に設けた段差21によって軸方向の位置決めがなされ
る。さらに、本実施例では歯車5a、7aはバックラッ
シュによりカタ打ち音が発生することを防止するためそ
れぞれがメイン(51a、71a)とサブ(52a、7
2a)の2枚の歯車をスプリング(53、73)を介し
て組み合わせたシザーズギアの構成とされており、組付
け性を向上させるため、サブギア52a、72aはスペ
ーサ9に対してメインギア51a、71aの外側になる
ように配置されている。また、スペーサ9は吸気カム軸
1に設けた固定ピン22によってカム軸1に対して回転
不能に固定されており、吸気カム軸1と一体に回転する
ようにされている。なお、スペーサ9の詳細については
後述する。
【0014】次に、本発明の可変バルブタイミング機構
の非円形歯車によるバルブリフト特性の変更原理につい
て図2及び図6から図8を用いて説明する。図2は歯車
5a、5b及び歯車7a、7bに使用する非円形歯車の
形状例を示し、例えば図2(A)は2葉(楕円)歯車、
図2(B)は楕円を2つ組合せた形状を有する4葉歯車
である。また図2(C)は、図6に使用する楕円率eの
定義を示す図である。図2(C)に示すように楕円率e
は、歯車の楕円の長半径R1と短半径R2 とを用いて1
+e=R1 /R,1−e=R2 /R(R=(R1
2 )/2)として表される。
【0015】図6は、それぞれ図2(A),図2(B)
の非円形歯車を用いて回転を伝達した場合の速度線図を
示す。図6に示すように入力軸を一定速度で回転させた
場合出力軸は図2(A)の2葉歯車では1回転当り2回
(180度毎)、図2(B)の4葉歯車では1回転当り
4回(90度毎)のサイクルで回転速度が周期的に変化
する不等速回転運動を行い、速度の変化幅は入力軸回転
速度を1とした場合(1−e/1+e)〜(1+e/1
−e)の範囲である。
【0016】従って、上記歯車装置の出力軸側にカムを
形成して、それぞれの不等速回転区間でバルブを駆動す
ることにより同じカムプロファイルを用いて異なるバル
ブリフト期間や特性を得ることができる。なお、この場
合、2葉歯車は2気筒機関、4葉歯車は4気筒機関に使
用可能だが、他の気筒数の場合も気筒数と同じ葉数を持
つ非円形歯車を用いれば本発明を適用できる。
【0017】次に図7を用いて非円形歯車によるバルブ
リフト特性変化の作用を説明する。図7において、横軸
は非円形歯車装置の入力軸回転角θ、縦軸は出力軸(カ
ム軸)回転角φを示す。今、仮に非円形歯車を使用せず
歯数の等しい真円歯車を使用して回転を伝達したとする
と入力軸回転角θと出力軸回転角φとはθ=φの関係に
なり図7において原点を通り傾き45度の直線で表わさ
れる(図7、直線I)。
【0018】しかし、非円形歯車を使用した場合には、
出力軸回転角φは入力軸回転角θに対して図6に示した
変動成分を加算したものになり、図7に曲線IIで示すよ
うに直線Iを中心に周期的に変動する不等速回転になる
(図7,IIは4葉歯車の場合の速度変化を示す)。図7
にIII,IVで示したのは出力軸側に設けたカムのリフトカ
ーブである。実際にはカム軸には歯車葉数(気筒数)に
等しい数のカムが設けられているが本図では簡単のため
1つのみを示し、カム軸に対するカムの形成位置(位
相)を変化させた場合を描いている。またバルブリフト
期間は出力軸回転角φに換算して90度とする。
【0019】今、カム軸を真円歯車を用いて駆動し、等
速伝達を行ったとするとθ=φ(直線I)の関係がある
ため、カムのリフトカーブは入力軸回転角θに換算した
場合もIII と同一である。一方、非円形歯車を用いて曲
線IIに示すような不等速伝達を行った場合にはカムのリ
フトカーブはカムを形成する位置(φの角度位置)によ
り変化する。
【0020】すなわち図7にIII で示すφの範囲にカム
を形成した場合、不等速運動であるため、入力軸回転角
θに換算したカムのリフトカーブはIII ′のような形に
なりリフト開始及び終了時には速度が遅く最大リフト近
傍で速度が早い、いわゆる“やせたリフトカーブ”にな
る。また図7にIVで示すφの範囲にカムを形成した場合
には、θに換算するとリフト開始時及び終了時に速度が
早く最大リフト近傍で速度が遅い図にIV′で示す“太っ
たリフトカーブ”になり高速回転時等に性能向上を図る
ことができる。
【0021】また、図7の場合はバルブリフト期間を9
0度(4葉の場合)としたためリフトカーブの形状は変
化してもθに換算したリフト期間は90度のままであり
変化していない。しかし、リフト期間を90度以外とし
た場合にはリフトカーブの形状と共にθに対するリフト
期間をも変化させることができる。
【0022】図8は実際の4気筒機関のバルブリフト期
間に近い値としてカムのリフト期間を135度(φの値
で)とした場合を示す。図8,Iに示した位置では、θ
に換算するとリフトは遅く始まり早く終了することにな
るためリフト期間は135度より短くなり、図8にI′
で示すように、例えば最小で112度程度になる。ま
た、逆に図8,IIに示した位置にカムを形成するとリフ
ト期間は長くなり、図8にII′で示すように最大158
度程度になる。
【0023】本実施例では、吸気カム軸1を排気カム軸
3から歯車5a、5b(4葉非円形歯車)と歯車7a、
7b(例えば真円歯車、又は位相、形状等が異なる他の
4葉非円形歯車)とを選択的に用いて駆動することによ
り吸気弁のリフト特性を運転条件に応じて切換えるとと
もに排気カム軸3に設けた可変タイミング装置11によ
り歯車5b、7bの排気カム軸3に対する取り付け位相
を変化させることにより図8に示すように吸気弁の開弁
期間をも運転条件に応じて変化させている。
【0024】次に図1を用いて本実施例の歯車5a、7
aの切り換え機構について説明する。図1に示すように
スペーサ9にはカム軸軸線方向に平行にピン孔14が設
けられており、該ピン孔14内には係合ピン16がピン
孔14内を摺動可能に配置されている。また、歯車5
a、7aの側面にはカム軸の軸線に対してピン孔14と
同じ半径位置にピン16が係合可能なピン孔15、17
が設けられている。本実施例では、係合ピン16をスペ
ーサ9のピン孔14内で移動させて歯車5a、5bのピ
ン孔15または17のどちらかに係合させることにより
歯車5a、7aの切り換えを行う。
【0025】すなわち、図1において係合ピンを左方に
移動させて歯車5aのピン孔15に係合させると、スペ
ーサ9と歯車5aがピン16により結合され一体に回転
する。このため、吸気カム軸1は排気カム軸3から歯車
5b、5a(及びピン16、スペーサ9)を介して駆動
される。本実施例では歯車5b、7bは排気カム軸3に
固定されているため、歯車5aがスペーサ9に固定され
ている場合でも歯車7aは排気カム軸3の回転に伴って
歯車5aとは異なる位相の回転運動をすることになる
が、ピン16の長さはスペーサ9の厚さより短く設定さ
れているため、ピン16が歯車5aのピン孔15に係合
している時には歯車7aはスペーサ9及び吸気カム軸1
に対して遊転状態になり、歯車5a、7aの両方が同時
にスペーサ9に固定されることはない。この状態から係
合ピン16を右方に移動させ、歯車7aのピン孔17に
係合させることにより排気カム軸3から歯車7a、7b
の組を介して吸気カム軸1を駆動することができる。本
実施例では上記のように軽量の係合ピン16を移動させ
て歯車の切り換えをおこなうため、切り換え機構の軽量
化が図られるとともに切り換え時の作動時間の短縮を図
ることができる。
【0026】本実施例では、歯車5a、7aの切り換え
は油圧を用いて行う。すなわち、吸気カム軸1には軸受
給油用の潤滑油通路24とは別に切り換え操作用の油圧
通路25、27が軸線方向に穿設されており、通路2
5、27にはそれぞれ歯車5a、7aのピン孔15、1
7底部に連通する油圧通路25a、27a及び油圧ポー
ト25b、27bが設けられている。なお、本実施例で
は油圧通路25、27は軸端からドリル加工により穿設
した一本の通路にボール28、29を圧入して通路を閉
塞することにより区画形成している。
【0027】また、油圧ポート25b、27bは図示し
ない油圧切り換え弁を介して油圧供給源とドレーンとに
選択的に接続されるようになっており、例えば油圧ポー
ト27b側に油圧源が接続されると油圧ポート25b側
はドレーンに接続され、逆に油圧ポート25b側に油圧
源が接続されると油圧ポート27b側はドレーンに接続
されるようになっている。
【0028】従って油圧ポート27bが油圧源に接続さ
れ、油圧通路27および27aを介して歯車7のピン孔
17に油圧が供給されると、歯車5aのピン孔15は油
圧通路25、27a及び油圧ポート27bを介してドレ
ーンに接続され、係合ピン16は油圧に押されて図1の
左方向に移動するため歯車5aへの切り換えが行われ
る。同様に、油圧ポート25bが油圧源に接続されると
上記とは逆に歯車7aへの切り換えが行われる。
【0029】また、図1に30で示すのはオイル漏れ防
止用のリングである。リング30は金属または樹脂等の
適宜な材質からなりスペーサ9と両側の歯車5a、7a
の摺接面に設けた溝に介装され、ピン孔14、15、1
7及び後述のスプリング保持部35、37の外側のスペ
ーサ9全周にわたって延設されており、スペーサ9と歯
車5a、7aとの摺接面からの外部へのオイル漏れを防
止している。
【0030】前述のように、係合ピン16はスペーサ9
の厚さよりも短いため歯車5a、7a間の切り換えの際
には必ずピン16が歯車5a、7aのピン孔15、17
のどちらにも係合していない瞬間が生じる。この時、吸
気カム軸1にはどちらの歯車からも駆動力は伝達されず
吸気バルブ(図示せず)からの反力のみが作用すること
になる。このため、吸気カム軸1はこの反力により正方
向または逆方向に回転し、スペーサ9のピン孔14の位
置が歯車5a、7aのピン孔15、17の位置から大き
く外れてしまい歯車の切り換えが出来なくなる場合が生
じる。このような場合も歯車5a、7aの回転により、
その後ピン孔位置が整合して切り換えが可能になる時期
が来るが、ピン孔位置のずれが大きいと切り換えに要す
る時間が長くなる問題が生じる。
【0031】本実施例では、スペーサ9と歯車5a、7
aとの間にスプリング38、39を介装して互いに逆方
向にスペーサ9を付勢することにより上記ピン孔位置ず
れによる切り換え時間の増大を防止している。図5は図
1のV−V線に沿った断面を示す。図5に示すように、
スペーサ9と歯車5a、7aとの摺接面にはスペーサ側
と歯車5a、7a側にそれぞれ凹部が設けられており、
スペーサ9の両側にスプリング保持部35、37を形成
している。また、それぞれのスプリング保持部35、3
7にはそれぞれスプリングリテーナ35a、37aを介
して円周方向に圧縮スプリング38、39が保持されて
いる。更に、スペーサ9と歯車5a、7aの摺接面に
は、歯車5a、7aのボアとカム軸1との摺動面に油圧
通路25、27から供給された潤滑油をスプリング保持
部35、37に導く半径方向潤滑油溝34が設けられて
いる。
【0032】図5から判るように、係合ピン16により
スペーサ9が歯車5a、7aのいずれかに固定されてい
る場合、自由状態にある歯車側のスプリングは自由状態
側の歯車とスペーサ9の位相差の周期変動に応じて伸縮
を繰り返し、自由状態にある側の歯車の運動を妨げな
い。しかし、歯車5a、7a間の切り換え時にスペーサ
9がどちらの歯車とも係合せず自由状態になると、スプ
リング38、39は互いに逆の回転方向にスペーサ9を
押圧付勢するようになる。このため、自由状態にあるス
ペーサ9はスプリング38と39との押圧力が釣り合う
歯車5aと7aの中間の位置に保持されたまま歯車5
a、7aとともに回転することになる。従ってスペーサ
9の位相が歯車5a、7aの位相から大幅にずれる事態
が防止され、次に歯車5a、7aの一方とスペーサ9の
位相が一致して係合ピン16が歯車5aまたは7aと係
合可能になるまでの時間が短縮される。このため、バル
ブリフト特性の変更の際の切り換え時間が短縮され変更
操作の応答性を向上させることができる。
【0033】なお、スペーサ9はカム軸1とともに高速
回転するため、精密なバランスが必要とされるが、本実
施例では図4(A)に示すようにスプリング保持部3
5、37を回転対称位置に設け、さらにピン孔14部と
回転対称位置にダミーのピン孔部14aを設けた構成、
または図4(B)に示すようにピン孔14部とスプリン
グ保持部35、37を全体としてバランスする位置に配
置した構成としてスペーサのバランスをとっている。
【0034】以上に本発明の位置実施例を説明したが、
本発明は上記の実施例に限定されるわけではなく、本発
明の技術的範囲内で種々の改変が可能である。例えば、
上記実施例では吸気カム軸(被駆動軸)側に歯車の切り
換え機構を設けているが、排気カム軸(駆動軸)側に歯
車の切り換え機構を設けるようにすることもできる。ま
た、上述の実施例では歯車5a、5bと7a、7bとは
いずれも非円形歯車で構成されているが歯車5a、5b
または7a、7bの組のいずれか一方の組を真円歯車で
構成しても良い。更に、本実施例では可変タイミング装
置11を設けて運転条件に応じてバルブリフト特性のみ
ならずバルブ開弁期間も変更できるようにしているが、
可変タイミング装置11を設けずにバルブリフト特性の
みを変更可能とした構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可変バルブタイミング機構の位置実施
例を示す断面図である。
【図2】本発明に使用する非円形歯車の形状例を示す図
である。
【図3】図1のIII-III 線に沿った断面図である。
【図4】図1の実施例のスペーサの形状例を示す図であ
る。
【図5】図1の実施例のv−v線に沿った断面図であ
る。
【図6】非円形歯車による不等速回転動を説明する図で
ある。
【図7】非円形歯車によるバルブリフト特性変化を説明
する図である。
【図8】非円形歯車によるバルブ開弁期間の変化を説明
する図である。
【符号の説明】
1…吸気カム軸 3…排気カム軸 5a,5b…非円形歯車 7a,7b…非円形歯車 9…スペーサ 11…可変タイミング装置 12…ピン 13…座金 13a…ボルト 13b…ディストリビュータ駆動用溝 14…ピン孔 14a…バランス用孔 15,17…ピン孔 16…係合ピン 21…段差 22…固定ピン 24…潤滑油通路 25,27…油圧通路 25a,27a…油圧通路 25b,27b…油圧ポート 28,29…ボール 30…オイル漏防止のリング 34…半径方向潤滑油溝 35,37…スプリング保持部 38,39…スプリング 51a,71a…メインギア 52a,72a…サブギア 53,73…スプリング

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関出力軸の回転を気筒弁駆動用カム軸
    に伝達する機構であって、一方が機関出力軸から駆動さ
    れ、他方がカム軸に連結された第一と第二の軸と、前記
    第一の軸に対してそれぞれ自由回転可能に嵌装された第
    一と第二の歯車と、それぞれ前記第二の軸に固定される
    とともに前記第一と第二の歯車に噛合し前記第一とと第
    二の軸との間に回転を伝達可能な2つの歯車と、前記第
    一と第二の歯車のうち一方を前記第一の軸に対して選択
    的に固定することにより該一方の歯車を介してカム軸を
    駆動する切換手段とを備えた可変バルブタイミング機構
    において、 少なくとも前記第一の歯車は、前記機関出力軸の等速回
    転を、機関出力軸回転角に応じて速度が変動する不等速
    回転に変換する非円形歯車であり、 前記切り換え手段は、 前記第一と第二の歯車の間に配置され前記第一の軸に固
    定されたスペーサと、 前記スペーサ内に前記第一の軸の軸線方向に沿って移動
    可能に保持され、前記第一と第二の歯車のうち一方に選
    択的に係合してスペーサと該一方の歯車とを固定する係
    合ピンと、 前記スペーサと前記第一と第二の歯車との間に介装さ
    れ、前記スペーサを前記第一と第二の歯車に対して互い
    に逆方向に弾性的に付勢する少なくとも1対の付勢手段
    とを備えたことを特徴とする可変バルブタイミング機
    構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US4858570A (en) * 1987-10-19 1989-08-22 Mazda Motor Corporation V-type engine
DE3908475A1 (de) * 1988-03-15 1989-09-28 Mazda Motor Ansaugsystem fuer eine aufgeladene brennkraftmaschine

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DE3908475C2 (de) * 1988-03-15 1999-12-16 Mazda Motor Brennkraftmaschine

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