JPH0624807A - フッ化物ガラスの製造法 - Google Patents

フッ化物ガラスの製造法

Info

Publication number
JPH0624807A
JPH0624807A JP20585191A JP20585191A JPH0624807A JP H0624807 A JPH0624807 A JP H0624807A JP 20585191 A JP20585191 A JP 20585191A JP 20585191 A JP20585191 A JP 20585191A JP H0624807 A JPH0624807 A JP H0624807A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
fluoride glass
fluoride
water
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP20585191A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3150723B2 (ja
Inventor
Yoshio Tai
義生 戴
Ichiro Yamaguchi
一郎 山口
Katsuo Takahashi
勝緒 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Original Assignee
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by RIKEN Institute of Physical and Chemical Research filed Critical RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Priority to JP20585191A priority Critical patent/JP3150723B2/ja
Publication of JPH0624807A publication Critical patent/JPH0624807A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3150723B2 publication Critical patent/JP3150723B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Surface Treatment Of Glass (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光学特性を損うことなく、耐水性に優れたフ
ッ化物ガラスを簡便な低コストプロセスとして実現す
る。 【構成】 フッ化物ガラスを熱酸化処理し、耐水性表面
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、フッ化物ガラスの製
造法に関するものである。さらに詳しくは、この発明
は、赤外線伝送用光部品、ファイバー、センサー等とし
て有用な、耐水性に優れた新しいフッ化物ガラスの製造
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、フッ化物ガラスは
近紫外から赤外域までの広い波長域で透過性を有する材
料として知られており、特に、赤外線伝送用光部品およ
びファイバーの材料等として注目されているものであ
る。このようなフッ化物ガラスとしては、たとえば、Z
rF4 −BaF2 系ガラス(特公昭58−2173号公
報)や、AlF3 を主成分としたガラス系(特公昭62
−59066号公報)、あるいはZrF4 −BaF2
AlF3 系のガラス等が知られている。
【0003】これらのフッ化物ガラスについては、その
応用についての検討も進められており、たとえば、Zr
4 を主成分としたガラス系においては、このZrF4
とともにBaF2 、LaF3 、AlF3 、NaF等のフ
ッ化物の原料を混合して溶融し、キャスティング法によ
り透明なガラスを得た後に、この表面を光学研磨し、次
いで光学膜を付けて200nm〜約7μmまでの広い波長
範囲の高透過性能を有する光学窓として応用している。
また、組成の微調整により屈折率の差があるコアとクラ
ッドガラスを2回キャスティングしてプリフォームを形
成し、これを線引きしてファイバーを作成している。こ
のフッ化物ガラスファイバーを使用すると、理論的には
0.001dB/km程度の超低損失での光伝送が可能であると考
えられている。ちなみに石英ファイバーの場合には、0.
1dB/kmの損失が避けられない状況にある。
【0004】さらにまた、希土類イオン(たとえばE
r、Ho、Tm)を添加することにより、高い効率のフ
ッ化物レーザーガラスも得られる。このようにフッ化物
ガラスについてはその光機能特性の顕著なことにおいて
大いに注目されているが、一方で、フッ化物ガラスの水
に対する化学的安定性は低く、たとえばソーダライムガ
ラスに比べると1000倍以上も低いという欠点があ
る。実際に、フッ化物ガラスの表面に結露や水を付着さ
せると、1時間以内に確実に白色の斑点が現われる。こ
れは、可視部での散乱の原因になるばかりでなく、赤外
域においても、2.9 μmでの大きな吸収の原因となる。
このことは、ファイバーの強度を急激に減少させる要因
ともなる。
【0005】このような白斑生成は、その主たる原因と
して、フッ化物ガラス表面のフッ素と水中の水酸イオン
との間の交換反応によるものと考えられる。すなわち、
ガラス表面のフッ化物(主としてZrF4 など)が水と
反応し、酸水化物になる。このことは、2.9 μmでの吸
収が現われることに示唆されている。また、フッ素イオ
ン伝導性のよいフッ化物ガラスの内部からフッ素イオン
が表面に移動し、生成した酸水化物層中に含まれる水と
反応し、酸水化物層が次々に成長し、微小なクラックを
生成させ、可視部での光散乱の原因を形成しているもの
と考えられる。
【0006】このようなフッ化物ガラスの水に対する化
学的安定性の低いことの欠点を改善するためには、ガラ
ス表面に耐水性膜を付着することがまず考えられる。し
かしながら、数多くの試みにもかかわらず、低温で均質
な、光吸収の少い耐水性に優れた被膜はできていない。
窒化物や酸化物等の膜の付着も試みられているが、うま
くできていないのが実情である。これは、被覆している
膜とフッ化物ガラスの熱膨張率が合わないため、膜の付
着が良好でなく、水が、このガラスと被膜との界面より
侵入しやすいことによるものと思われる。
【0007】また、このような被膜形成とは異なる方法
として、ガラス表面に高いエネルギーを持つ酸素イオン
を打ち込んで薄い表面改質膜を作製する方法が試みられ
てもいる。この方法の場合には、表層はガラスの光特性
にほとんど影響を与えることがなく、高い耐水性が得ら
れている。しかしながら、このイオン注入による表面改
質法は高真空で行わなければならず、処理コストや処理
設備等の点において近い将来に実用化することは困難で
ある。特に、ファイバーへの応用は困難である。
【0008】このため、従来の表面被膜形成法やイオン
注入による改質法の欠点を改善し、光特性への影響がな
く、優れた耐水性を低コスト処理として付与することの
できる新しい技術的手段の実現が望まれていた。この発
明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、
従来法の欠点を解消し、フッ化物ガラスの特徴のある光
特性を損うことなく、しかも優れた耐水性を有するフッ
化物ガラスを安価に取得することのできる新しいフッ化
物ガラスの製造法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、フッ化物ガラスを熱酸化処理し
て耐水性表面を形成することを特徴とするフッ化物ガラ
スの製造法を提供する。すなわち、この発明は、従来よ
り知られているガラス表面への被膜形成法とは本質的に
異なり、前記の熱酸化処理によってガラス自身の表面を
改質し、優れた耐水性を実現しようとするものである。
そしてこの方法は、高真空下でのイオン注入による改質
法とも全く異なるものである。
【0010】この発明で採用するところの熱酸化処理
は、極めて簡単な酸化工程であって、一般的には、10
0℃以上で、かつ、ガラスの転移温度(Tg)以下の温
度で、酸素雰囲気下に加熱処理することからなってい
る。この方法においては、対象とするフッ化物ガラスの
ガラス転移温度(Tg)や、目的とするフッ化物ガラス
の用途、使用条件等を考慮しつつ加熱条件を選択するこ
とができる。温度、雰囲気、加熱時間等が適宜に選択さ
れる。
【0011】熱酸化処理を促進するためには、加圧酸素
雰囲気を用いる。さらには電場等のエネルギー付与して
もよい。これまでに知られているフッ化物ガラスは適宜
にこの発明による処理対象となり、組成については特段
の限定はない。これまでの常識からすると、溶融法でフ
ッ化物ガラスに酸化物組成を導入することは好ましいこ
とではなかった。しかしながらこの発明の製造法によっ
て、より合理的で、優れた作用効果、すなわち優れた耐
水性能を有するフッ化物ガラスが実現される。
【0012】この発明についてその作用原理を説明する
と、フッ化物ガラス中ではフッ素イオンの移動性が高い
ことである。これまでの研究により、たとえばジルコニ
ウム(Zr)を主成分としたフッ化物ガラスの構造は、
Zrイオンのまわりで不定数(6〜10個)のフッ素イ
オンが配置するようなルーズな構造であることがわかっ
ている。このような構造のため、フッ素イオン配位数の
変化によって酸素や他のイオンの侵入、あるいは結合が
なされる余裕がある。従って、酸素雰囲気中において酸
素原子がガラス表面から侵入して耐水性に優れた表面酸
化層を形成することになるものと考えられる。そしてこ
の表面酸化層は、フッ化物ガラスの光特性そのものを損
うことはなく、かえって、取扱い易くなる。
【0013】このような表面処理の結果、この表面酸化
層と、しばしば表面に付着される光学反射防止膜(酸化
物)との間では良好な付着性が期待でき、また、ファイ
バーに対して大気中で外被膜を付着させる工程も容易に
行うことができるなどの利点がある。もちろん、この発
明においては、その表面におよそ数百Å程度の表面酸化
層を形成した後に、さらに耐水性や耐候性を向上させる
ために、その表面にAlN等の耐水性に優れた薄膜を付
着させてもよい。その際の被覆方法としては、たとえば
スパッタリング、蒸着法、イオンプレーティング、CV
D等の方法が適宜に採用される。さらに撥水剤を塗布す
るようにしてもよい。
【0014】そして、この発明の製造法の最も重要な点
は、ファイバーの生産ラインと直結することができるこ
とである。たとえば線引工程からできたファイバーの転
移温度到達後、すぐに酸化チャンバーに通して処理でき
る。以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発明の製造
法について説明する。
【0015】
【実施例】実施例1 ZrF4 53モル%、BaF2 20モル%、LaF3
モル%、AlF3 4モル%、NaF20モル%からなる
フッ化物ガラス(約10g)を、200℃の温度におい
て、20ml/分の酸素流量の条件下で20時間処理し
た。
【0016】この熱酸化処理を施したものと、施されな
いものとについて光学透過性を評価したが全く変化はな
かった。また、300時間の水浸試験を行ったところ、
未処理品の表面は著しく劣化し、粉末状にまで崩壊した
が、この発明の処理品の場合には何らの変化も認められ
なかった。
【0017】なお、20時間の水浸後のガラスファイバ
ーの表面状態について示したものが、図1(未処理品)
と図2(処理品)である。処理品においては全く劣化が
見られないのがわかる。実施例2 温度を180℃として実施例1と同様の処理を15時間
行った。
【0018】得られた処理ガラスの場合には、水浸後も
全く変化がなかったが、未処理品の場合には1時間後に
ははやくも劣化が確認された。なお、この発明によって
形成された表面酸化層の存在は、X線光電子分光装置、
オージェ電子分光装置等によって確認することができ
る。
【0019】
【発明の効果】この発明により、以上詳しく説明した通
り、光学特性を何ら損うことなく、優れた耐水性のフッ
化物ガラスを、簡便な低コストプロセスとして製造する
ことを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】未処理品の水浸後の表面状態を示した観察図で
ある。
【図2】この発明の方法による処理品の水浸後の表面状
態を示した観察図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】未処理品の水浸後の表面状態を観察した繊維の
形状を表わした図面に代わる写真である。
【図2】この発明の方法による処理品の水浸後の表面状
態を観察した繊維の形状を表わした図面に代わる写真で
ある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ化物ガラスの表面を熱酸化処理する
    ことを特徴とするフッ化物ガラスの製造法。
JP20585191A 1991-08-16 1991-08-16 フッ化物ガラスの製造法 Expired - Fee Related JP3150723B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20585191A JP3150723B2 (ja) 1991-08-16 1991-08-16 フッ化物ガラスの製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20585191A JP3150723B2 (ja) 1991-08-16 1991-08-16 フッ化物ガラスの製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0624807A true JPH0624807A (ja) 1994-02-01
JP3150723B2 JP3150723B2 (ja) 2001-03-26

Family

ID=16513763

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20585191A Expired - Fee Related JP3150723B2 (ja) 1991-08-16 1991-08-16 フッ化物ガラスの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3150723B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1083444A1 (en) * 1999-09-08 2001-03-14 Nikon Corporation An optical element, a method for manufacturing the same, and an optical apparatus using the same

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1083444A1 (en) * 1999-09-08 2001-03-14 Nikon Corporation An optical element, a method for manufacturing the same, and an optical apparatus using the same
US6495202B1 (en) 1999-09-08 2002-12-17 Nikon Corporation Method for manufacturing an optical element containing fluoride in at least its surface portions

Also Published As

Publication number Publication date
JP3150723B2 (ja) 2001-03-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2498954C2 (ru) Защитные слои для оптических покрытий
JPH0769673A (ja) 波長上方変換透明化ガラスセラミックスおよびその製造方法
Payne et al. New silica-based low-loss optical fibre
Saad Fluoride glass fiber: state of the art
Brusatin et al. GeO2‐Based Sol–Gel Films
US4946490A (en) Method for preparing fluoride glasses
US4183620A (en) Joint doped porous glass article with high modifier concentrations
Bastock et al. Properties of gallium lanthanum sulphide glass
JPH0624807A (ja) フッ化物ガラスの製造法
US4938562A (en) Oxide coatings for fluoride glass
US4299608A (en) Joint doping of porous glasses to produce materials with high modifier concentrations
US3722981A (en) Low melting point optical transmission line
US5015281A (en) Method for preparing fluoride glasses
Schultz et al. Hermetic coatings for bulk fluoride glasses and fibers
JPH0317601A (ja) 反射防止コーティングの形成方法
Ohishi et al. Photoluminescence and absorption of a zirconium fluoride glass and ZrF4
EP0186679A1 (en) HOLLOW OPTICAL FIBERS FOR THE MIDDLE INFRARED REGION.
US6037285A (en) Infrared transmitting optical fiber materials
JPH0692683A (ja) フッ化物光ファイバ
JP2002321938A (ja) 光増幅ガラスおよび光増幅導波路製造方法
US3984602A (en) Vitreous and glass ceramic bodies
JPH06305888A (ja) 薄膜導波路結晶及びその製造法
EP0336280A2 (en) Method for preparing fluoride glasses
Takahashi et al. GeO [sub] 2 [/sub]-Sb [sub] 2 [/sub] O [sub] 3 [/sub] Glass Optical Fibers For 2 To 3 µm Fabricated By Vapor-Phase Axial Deposition (VAD) Method
Bruce Glasses

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees