JPH06246478A - イオン洗浄によるろう付け装置及びろう付け方法 - Google Patents

イオン洗浄によるろう付け装置及びろう付け方法

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JPH06246478A
JPH06246478A JP4152093A JP4152093A JPH06246478A JP H06246478 A JPH06246478 A JP H06246478A JP 4152093 A JP4152093 A JP 4152093A JP 4152093 A JP4152093 A JP 4152093A JP H06246478 A JPH06246478 A JP H06246478A
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JP
Japan
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brazing
vacuum chamber
joint
ion
joining
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JP4152093A
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English (en)
Inventor
Tsugio Watanabe
二夫 渡辺
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TECHNO OOTE KK
Original Assignee
TECHNO OOTE KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】洗浄後の接合面に酸化膜や油脂が再生成しな
い。 【構成】真空チャンバー2内にろう付け加熱用のヒータ
13を固定する。ヒータ13からずれた位置でワーク2
0,25をイオン洗浄及びエッチングするための、イオ
ン銃8の銃口8aを装着する。ワーク20,25を移動
させる上部及び下部マニュピレーター6,7のロッド1
9,24とワークベース21,26をチャンバー2内に
位置させ、接合面20b,25aをチャンバー2内のイ
オン照射位置と加熱位置とに、選択的に保持する。 【効果】フラックスを使用しなくても母材へのなじみが
良く、ボイド、ろうの回り不良をなくす。比較的低温で
ろう付けできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の接合部材を互い
にろう付けして接合するためのろう付け装置及びろう付
け方法に関するものであって、特に硬ろう付けのろう付
け装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ろう付けの種類として、ろう材の
溶融点により、溶融温度が450℃以下のろう材による
軟ろう付け(ハンダ付け:ソルダー)と、溶融温度が4
50℃を越えるろう材による硬ろう付け(ブレージン
グ)とがある。本発明は硬ろう付けに関するものである
が、一般に、超硬合金、セラミック、金属複合材料等の
高機能材料はろう付けが比較的難しかった。硬ろう付け
を行なう場合、各接合部材の接合面には空気中で酸化膜
や汚れが付着しており、そのままの状態でろう付けを行
なうと、ろう材(溶融金属)が接合面になじまず、良好
なろう付けができない。これを取り除くための手段とし
て、研磨布、グラインダー、ワイヤーブラシ等の機械的
な表面除去手段、酸洗い等の化学的手段、更には超音波
洗浄等の物理的手段等があり、これらの手段を組み合わ
せて酸化膜や汚れ等を除去するようにしている。しかし
ながら、除去後に再び生成される酸化膜及び他の気体分
子による汚れを、ろう付け時まで完全に防ぐことは不可
能であった。そのために、通常はフラックスを使用して
接合面を活性化するようにしている。硬ろう付けのフラ
ックスとして代表的なものに、ほう砂、ほう酸がある。
しかし、フラックスの使用により、スラグ(溶滓)が接
合面周囲に発生することになる。
【0003】又、フラックスを使用しないで済むろう付
け方法として、水素ガス、不活性ガス等の雰囲気でのろ
う付けや真空中でのろう付け等がある。従来における真
空ろう付けは、まず空気中で接合部材の接合面上の酸化
膜等を上述のやすり等で除去し、次いでアセトン等のフ
ラックスで脱脂作業を行なうなどして洗浄し、その後に
これらを真空中に導入して、ろう付けを行なうようにし
ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そのため、空気中で酸
化膜の除去や脱脂作業等の洗浄を行なった後、真空中に
接合部材を導入する前の段階で、酸化膜が再生成するこ
とを避けられず、更に油脂による再汚染の問題を解決で
きなかった。この場合、接合面を活性化させるためにフ
ラックスを用いることもあるが、上述のようにフラック
スの使用によってスラグ(溶滓)が発生するという問題
があり、その上、酸化膜や油脂による接合欠陥は依然と
して十分には解決できなかった。
【0005】本発明は、このような課題に鑑みて、フラ
ックスを用いることなく、真空中で接合面の洗浄とろう
付けを良好に行えるようにした、イオン洗浄によるろう
付け装置及びろう付け方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によるイオン洗浄
によるろう付け装置は、複数の接合部材の接合面を洗浄
し、加熱手段で加熱してろう付けするろう付け装置にお
いて、接合部材の接合面をろう付けするろう付け手段が
内部に収納された真空チャンバーと、この真空チャンバ
ー内に位置する把持部によって複数の接合部材をそれぞ
れ把持して外部から移動操作する操作手段と、銃口が真
空チャンバー内に開口していて各接合部材の接合面にイ
オン流を照射して洗浄するイオン銃と、が備えられたこ
とを特徴とするものである。
【0007】又、本発明によるイオン洗浄によるろう付
け方法は、複数の接合部材の接合面を洗浄し、加熱手段
により加熱してろう付けするろう付け方法において、複
数の接合部材を操作手段の真空チャンバー内に位置する
把持部でそれぞれ把持させ、真空チャンバーの外部から
操作手段を移動操作して接合部材を真空チャンバー内の
イオン照射位置に移動し、真空状態でイオン銃によって
イオン流を接合部材の接合面に照射してこの接合面を洗
浄し、次いで、各接合部材の接合面を対面させた状態に
して、加熱手段によって接合部材の接合面をろう材の溶
融温度まで加熱してろう付けを行なうようにしたことを
特徴とするものである。
【0008】又、加熱手段は、真空チャンバー内に配置
された抵抗加熱炉又は誘導加熱炉であることを特徴とす
る。
【0009】又、加熱手段は、真空チャンバー外に位置
するハロゲンランプ又はレーザーであって、覗き窓を介
して真空チャンバー内の各接合面をスポット加熱するよ
うにしたことを特徴とする。
【0010】又、本発明によるろう付け方法は、接合部
材の接合面に対するイオン流の照射時に、イオン流に対
して各接合面が傾斜する位置に保持されるようにしたこ
とを特徴とする。
【0011】
【作用】複数の接合部材を操作手段の真空チャンバー内
に位置する把持部でそれぞれ把持させ、真空チャンバー
を真空状態にして、真空チャンバーの外部から操作手段
を移動操作して、接合部材の接合面をイオン銃によるイ
オン流の照射位置に移動し、イオン流を接合面に照射し
て各接合面を洗浄してエッチングし、次いで、各接合部
材を加熱手段による加熱位置まで移動させて、各接合面
を対面する位置に移動し、加熱手段によって接合面をろ
う材の溶融温度まで加熱して、ろう付け手段によってろ
う付けを行なう。
【0012】イオン流による接合部材の接合面を洗浄し
てエッチングする工程と、加熱してろう付けする工程と
が、真空チャンバー内で連続して行なわれる。
【0013】抵抗加熱炉又は誘導加熱炉によって、接合
面とろう材をろう材の溶融温度に加熱して、ろう付けす
る。
【0014】ハロゲンランプ又はレーザーによって、真
空チャンバーの覗き窓を通して接合面とろう材をスポッ
ト照射して、ろう材の溶融温度に加熱して、ろう付けす
る。
【0015】イオン流に対して接合面を傾斜した状態で
イオン照射することで、エッチングの状態がより良くな
る。
【0016】
【実施例】以下、本発明の好適な一実施例を添付図面に
よって説明する。図1は本実施例によるろう付け装置の
概略を示す構成図、図2は図1の真空チャンバーの開閉
蓋を除いた状態の正面図、図3は図2のワーク把持部分
の拡大図、図4はイオン照射位置のワークを示す部分拡
大図、図5は真空チャンバーの略縦断面図である。
【0017】図1に示すろう付け装置1において、内部
で接合部材の洗浄とろう付けが行なわれる略円筒型の真
空チャンバー2は、チャンバー2内の高真空排気制御を
行なうメインポンプとしてのターボ分子ポンプを内蔵す
る基体3に支持されている。又、真空チャンバー2の高
真空排気システムの補助ポンプとして、図示しない油回
転ポンプが用いられる。又、基体3に隣接して、後述す
るイオン銃の駆動を制御するイオン銃制御盤4、そし
て、真空チャンバー2内の真空圧や後述するヒータの温
度制御等を行なう総合制御盤5が順次接続配置されてい
る。更に図上、真空チャンバー2の垂直方向に対して所
定角度(例えば、略45゜)傾斜した位置の周側面両側
に、上部マニュピレーター6及び下部マニュピレーター
7が略対向して装着されている。両マニュピレーター
6,7間の周面上には、垂直方向に対して傾斜してイオ
ン銃8がチャンバー2に装着されている。又、円筒型の
真空チャンバー2の円形面はこのチャンバー2の開閉蓋
10を構成するものであり、この蓋10上には、外部か
ら真空チャンバー2内に位置する接合部材の接合面への
イオン照射位置を観察するための第一覗き窓11と、ヒ
ータ加熱部を観察するための第二覗き窓12とが設置さ
れている。
【0018】図2は、蓋10を除いた状態における真空
チャンバー2の内部構造及びその周辺構成を示すもので
ある。図において、真空チャンバー2内の円筒軸線から
下部マニュピレーター7方向寄りにずれた位置に、ろう
材加熱用の、例えば抵抗加熱炉からなるヒータ13が固
定配置されており、ヒータ13は、正面視矩形枠状の二
重のモリブデン板とその外側の四重のステンレス板から
なる反射板13a内の中央に、発熱体13bとして高真
空中での1300℃加熱に耐え得るタンタル線を、両マ
ニュピレーター6,7方向に延びるよう一対平行に架設
して構成されている。尚、この発熱体13bはセラミッ
クで絶縁配置されている。又、反射板13aによって、
発熱体13bの輻射熱による放熱が抑制されることにな
る。ヒータ13は、接続線14を介してチャンバー2内
外に配設された電流端子15に接続されることで、外部
の総合制御盤5で作動制御される。
【0019】又、電流端子15と上部マニュピレーター
6との間の真空チャンバー2周面には、高真空制御用の
排気口16が接続されており、上述したターボ分子ポン
プ及び油回転ポンプによって排気口16から空気が排気
されて高真空(例えば10-4Pa、好ましくは10-8
a以下の超高真空)に制御されることになる。又、真空
チャンバー2の排気口16と略対向するチャンバー周面
領域には、ヒータ13の温度制御のための電流端子17
が装着されている。そして、ヒータ13内部に設置され
た図示しないR熱電対温度計によって、ヒータ13内に
発生する熱起電力を電流端子17を介して、例えば総合
制御盤5内等の温度調節器に取り込み、ヒータ13の入
熱コントロールが行なわれるようになっている。そのた
め、正確なろう付け温度制御が可能になる。
【0020】次に、上部マニュピレーター6は、真空チ
ャンバー2内に延びるロッド19を有しており、図3に
示すように、その先端面には凹部19aが形成されてい
る。接合すべき一方のワーク(ここでは台金)20を固
定保持するワークベース21は、その一端面から延びる
嵌合突起21aが凹部19aに嵌合した状態でセットス
クリュー22で固定されるようになっていると共に、嵌
合突起21aと略対向し且つロッド19の長手方向に対
して或る角度(例えば、45゜)に傾斜された端面上
に、ワーク20のネジ部20aが螺合するネジ穴21b
が形成されている。又、ワーク20の他端面は接合面2
0bを構成する。しかも、このロッド19を保持する上
部マニュピレーター6は、真空チャンバー2の外部に位
置する回転導入端子23(図1参照)によってロッド1
9を回転可能であると同時に、ロッド19を図示しない
操作部によってX軸(前後動)、Y軸(左右動)及びZ
軸(上下動)方向に移動制御可能になっている。又、下
部マニュピレーター7も同様に、ロッド24、接合面2
5aを有する他方のワーク25を螺合保持するワークベ
ース26、回転導入端子及び操作部をそれぞれ有してい
る。
【0021】従って、上部マニュピレーター6及び下部
マニュピレーター7は、それぞれ独自にワーク20,2
5を保持して適宜位置に移動及び回転可能になってい
る。又、本実施例では、図3に示すように、接合すべき
ワークは三個(勿論、二個又は四個以上でもよい)ある
ため、接合面は二つある。しかも、図3では他方のワー
ク25は、既にワークベース26に螺合保持された台金
25bとワーク25cとはろう付け接合処理されている
ものとする。又、各ワークベース21,26のワーク取
付部の材質は、高温(例えば、最大1300℃)に耐え
得る材質であることを要し、しかも接合ワークとの関係
から、高純度カーボンを使用し、ロッド19,24のヒ
ータ13の炉内に位置する部分は高温での特性の安定性
を考慮して純モリブデンを使用するものとし、更に各マ
ニュピレーター6,7の移動部とその接続部とには、ス
テンレス棒に二硫化モリブデン皮膜を設けた材質を用い
るものとする。
【0022】次に、イオン銃8は、その銃口8aが円筒
真空チャンバー2の円筒中心軸線に対しヒータ13と反
対側領域にずれた位置に取り付けられており、イオン照
射位置にあるワーク20,25の接合面20b,25a
にイオン流を照射することで、接合面20b,25aの
洗浄及びエッチングに用いられる。そのため、銃口8a
から真空チャンバー2内に直線的に照射されるイオン流
の軸線Oは、チャンバー2の円筒中心軸線に対しヒータ
13と反対側に進むことになる。しかも、イオン流は例
えば下向きに或る角度(例えば45゜)に放射されるよ
う、銃口8aを設定する。ここで、イオン銃8は、電子
サイクロトロン共鳴を利用したECRイオン銃を使用す
るものとし、例えば10-2Paより高真空な条件でAr
ガスをイオン化して2kVまで加速放出することで、
1.5mA/cm2のイオン流密度に設定した。しかし
ながら、接合面の洗浄及びエッチングの時間短縮と照射
面積の増大による処理の効率化を得るために、もっと大
型のものを用いるようにしてもよい。又、放射されるイ
オンビームはArでなくてもよく、他の適宜の気体イオ
ンを用いてよい。
【0023】又、イオン銃8の銃口8aの前面近傍に
は、チャンバー2の周側面に沿ってスライドして銃口8
aを開閉可能な弧状板のシャッター28が装着されてお
り、このシャッター28はチャンバー2の外部に取り付
けられた開閉操作部材29を操作することで連動して、
銃口8aに対してスライドして進退するようになってい
る。このシャッター28は、誤動作によるイオン流の誤
射を防止することに役立つ。そして、上部及び下部マニ
ュピレーター6,7は、各ワーク20,25のそれぞれ
の接合面20b,25aを、図2及び図3に示すヒータ
13の一対の発熱体13b,13b間中央の加熱位置
と、図4に示すイオン流の軸線Oを挟んで軸線Oに対し
て等距離にあるイオン流照射位置とに選択的に位置させ
るよう、操作されることになる。これに関連して、各停
止位置を各マニュピレーター6,7上の操作部に表示し
ておくと、位置決めに便利である。
【0024】又、図5において、真空チャンバー2の蓋
10とその対向する円形の底面31には、それぞれイオ
ン照射位置観察用の第一覗き窓11と第一覗き窓32と
が対向配置されており、各覗き窓11,32の前面に
は、各窓を遮蔽及び開放するための平板状シャッター3
3、34と、シャッターをスライド回転開閉させるため
の開閉操作部材35,36がそれぞれ設けられている。
このシャッター33,34はイオン照射時に接合面から
はじけ飛ぶ飛散物から第一覗き窓11,32を保護す
る。同様なシャッター37及び開閉操作部材38が、ヒ
ータ加熱位置を観察するための第二覗き窓12に設けら
れている。更に、真空チャンバー2の底面31には、ろ
う付け後のワーク20,25の冷却速度を制御するため
の不活性ガス例えば高純度Arガスをチャンバー2内に
放出するためのバルブ40が設けられている。又、底面
31上のバルブ40に隣接する位置には、真空チャンバ
ー2内の真空圧力を測定するための電離真空計41が取
り付けられている。この電離真空計41による測定値は
総合制御盤5に出力されて、各ポンプ駆動による真空チ
ャンバー2内の真空度が制御される。尚、真空チャンバ
ー2内にヒータ13を収納してあることで、その輻射熱
で真空チャンバー2が過熱することを防止する等のため
に、チャンバー2の外壁には冷却水の管pがコイル状に
張りつけられている(図5参照)。そして、冷却水の通
水及びその停止は、ろう付けの段階に応じて総合制御盤
5で自動制御されるようになっている。
【0025】本実施例は上述のように構成されており、
次にそのろう付け方法を説明する。まず、真空チャンバ
ー2の蓋10を開けて、各ワーク20,25をそれぞれ
ワークベース21,26に螺合して固定する。そして、
蓋10を閉じた後、ターボ分子ポンプ及び油回転ポンプ
によって、真空チャンバー2内の圧力が所定の高真空状
態になるよう、排気口16からチャンバー2内の空気を
排気する。尚、真空チャンバー2内の真空圧力は電離真
空計41によって測定できる。又、高真空到達のため
に、ヒータ13によるチャンバー2の焼きだし(ベーキ
ング)を平行して行なってもよく、この場合には、チャ
ンバー外壁の冷却水の通水を自動的に停止させるものと
する。
【0026】次に、上部及び下部マニュピレーター6,
7をそれぞれ操作して各ワーク20,25をイオン照射
位置に移動させると、図4に示すように、各ワーク2
0,25の各接合面20b,25aはイオン銃8から照
射されるイオン流の中心軸線Oを挟んで軸線Oから互い
に等距離のイオン照射領域内にある。しかも、各ワーク
20、25の接合面20b,25aは、平行流として放
射されるイオン流に対して、両接合面20b,25aを
互いに内向きに対向させてそれぞれ或る角度(例えば4
5゜)に保持される。この状態で、シャッター28を開
閉操作部材29でスライドさせてイオン銃8の銃口8a
を開口させ、各接合面20b,25aにイオン流を放射
させる。加速放出されたイオンビームによって、各接合
面20b,25aにイオンが衝突し、各接合面20b,
25aに付着する酸化膜や油脂が除去され、洗浄され
る。更に、各接合面は接合に適した微細な凹凸状態にエ
ッチングされ、ろう付けに最適な活性化した表面状態に
なる。この場合、接合面20b,25aは、イオン流に
対して傾斜しているので、エッチングがより良好にな
る。尚、イオン照射状態は、第一覗き窓11,36を通
して観察できる。
【0027】そして、その後、この真空チャンバー2内
で、上部及び下部マニュピレーター6,7を再び操作し
て、図3に示すように、両ワーク20,25をヒータ1
3の発熱体13b,13b間の加熱位置に持ち来し、そ
の位置で、いずれか一方又は両方のワークベース21,
26を所定角度回転させることで、両ワーク20,25
の接合面20b,25aを互いに対面させて加熱位置中
心に位置させ、所定間隔に保持する。この状態で、ヒー
タ13を加熱し、ろう材の溶融温度までワーク20,2
5及びろう材を昇温させ、ろう付けを行なう。ろう付け
の方法は一般的な適宜方法を用いるものとする。その一
例として、置きろうによる抵抗加熱方法を説明する。即
ち、各ワーク20,25の接合面20b,25aには、
接合面の間隔を一定に保つための高融点金属線(タング
ステン等)の細線によるスペーサを設けておき、その間
隙にろう材である溶融金属を毛細管現象で吸い込ませる
ように、ろう材をリング状線に配置した状態で、ろう付
けを行なう。尚、加熱状態は、第二覗き窓12から観察
できる。
【0028】そして、ろう付け後のワーク20,25を
冷却するものであるが、真空チャンバー2が真空である
ためにその冷却速度は遅い。そのため、バルブ40から
高純度Arガスをチャンバー2内に導入し、ワーク2
0,25を空気に触れさせることなく冷却速度を加速で
きる。
【0029】以上のように、本実施例によれば、真空チ
ャンバー2内で、空気に触れることなく、真空状態で接
合面20b,25aを洗浄して、そのままろう付け処理
できるため、接合面に酸化膜が再生成されることがな
く、フラックスを使用しなくても溶融ろう材の母材への
なじみが改善され、ろう付けの欠陥である、ボイドやろ
う回りの不良等をなくすことができる。そのため、従
来、ろう付けが比較的難しい超硬合金、セラミック、金
属複合材料等の高機能材料のろう付けを、フラックスな
しで行なうことができる。尚、従来、水素ガス等の還元
雰囲気での高温加熱による接合面酸化膜還元除去による
ろう付け方法では、特に異種金属の接合における各金属
間の熱膨張差によって、接合面に残る残留応力による常
温付近で発生する強度低下に問題があったが、本実施例
によれば、高真空中でのイオン流による酸化膜除去及び
表面のエッチングは、常温で行なわれるために、ろう付
けを比較的低温で行なうことが可能になり、接合面の残
留応力減少によるより高度な接合を可能にする効果が得
られることになる。
【0030】尚、上述の実施例では、各ワーク20,2
5を直接真空チャンバー2内に着脱するようにしたが、
このような構造であるとワークの挿脱の際に、チャンバ
ー内部を汚染する恐れがあり、又その都度真空状態でな
くなることになる。そのため、真空チャンバー2内の汚
染防止と真空チャンバー2内を真空状態に保持した状態
で、複数組のワークを順次挿脱とろう付けを行なうこと
が可能なように、真空チャンバー2への導入準備室を隣
接して設置することが好ましい。そして、この導入準備
室を真空状態にしてから真空チャンバー2内にワークを
導入するように構成すればよい。又、ヒータ13に関
し、真空ろう付けの場合、発熱体13bからのガス発生
及び反射板13a等による基体分子脱離面積増加による
真空への影響を考慮して、誘導加熱を用いることが多
い。本発明においても、加熱部分を誘導加熱に置き換え
ることは可能である。即ち、抵抗加熱炉に代えて誘導加
熱炉を配置すれば、真空チャンバー2内の炉体表面積が
少なくてすみ、炉表面からの脱離分子が少ないために内
部を高真空に保持するのに有利である。或いは、加熱手
段として、ヒータ13に代えて、真空チャンバー2の外
部にハロゲンランプ又はレーザ等を用い、これらの熱源
から第二覗き窓12を通してワーク20,25の接合面
20b,25aをスポット加熱するようにしてもよい。
【0031】
【発明の効果】上述のように、本発明によるイオン洗浄
によるろう付け装置及びろう付け方法では、真空チャン
バー内に、ろう付け手段と、接合部材を把持して移動す
る操作手段の把持部と、接合面をイオン洗浄するイオン
銃の銃口とが備えられているから、真空チャンバー内で
接合面を洗浄して、空気等に触れることなくそのままろ
う付け処理でき、接合面に酸化膜や油脂が再生成される
ことがない。そのため、フラックスを使用することなく
溶融ろう材の母材へのなじみが改善され、ろう付けの欠
陥である、ボイドやろう回りの不良等をなくすことがで
きて、良好なろう付けができる。よって、高機能材料の
ろう付けも可能になる。更に、高真空中でのイオン流に
よる酸化膜除去等の洗浄及び表面のエッチングは常温で
行なわれるために、ろう付けを比較的低温で行なうこと
が可能になり、接合面の残留応力減少によるより高度な
接合を可能にする効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるろう付け装置の概略を
示す構成図である。
【図2】図1の真空チャンバーの開閉蓋を取り外した状
態の正面図である。
【図3】図2に示す加熱位置にあるワークの部分拡大図
である。
【図4】イオン照射位置にあるワークを示す部分拡大図
である。
【図5】真空チャンバーの略縦断面図である。
【符号の説明】
2 真空チャンバー 6 上部マニュピレーター 7 下部マニュピレーター 8 イオン銃 8a 銃口 13 ヒータ 20,25 ワーク 20b,25a 接合面
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01J 61/52 Z 7135−5E

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の接合部材の接合面を洗浄し、加熱手
    段で加熱してろう付けするろう付け装置において、前記
    接合部材の接合面をろう付けするろう付け手段が内部に
    収納された真空チャンバーと、該真空チャンバー内に位
    置する把持部によって前記複数の接合部材をそれぞれ把
    持して外部から移動操作する操作手段と、銃口が前記真
    空チャンバー内に開口していて前記各接合部材の接合面
    にイオン流を照射して洗浄するイオン銃と、が備えられ
    たことを特徴とするイオン洗浄によるろう付け装置。
  2. 【請求項2】複数の接合部材の接合面を洗浄し、加熱手
    段で加熱してろう付けするろう付け方法において、前記
    複数の接合部材を操作手段の真空チャンバー内に位置す
    る把持部でそれぞれ把持させ、真空チャンバーの外部か
    ら前記操作手段を操作して接合部材を真空チャンバー内
    のイオン照射位置に移動し、真空状態でイオン銃によっ
    てイオン流を各接合部材の接合面に照射して該接合面を
    洗浄し、次いで、前記各接合部材の接合面を対面させた
    状態にして、加熱手段によって前記接合部材の接合面を
    ろう材の溶融温度まで加熱してろう付けを行なうように
    したことを特徴とするイオン洗浄によるろう付け方法。
  3. 【請求項3】前記加熱手段は、真空チャンバー内に配置
    された抵抗加熱炉又は誘導加熱炉であることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載のろう付け装置又はろう付け方
    法。
  4. 【請求項4】前記加熱手段は、真空チャンバー外に位置
    するハロゲンランプ又はレーザーであって、覗き窓を介
    して前記真空チャンバー内の各接合面をスポット加熱す
    るようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の
    ろう付け装置又はろう付け方法。
  5. 【請求項5】前記接合部材の接合面に対するイオン流の
    照射時に、イオン流に対して各接合面が傾斜して保持さ
    れるようにしたことを特徴とする請求項2乃至4のいず
    れかに記載のろう付け方法。
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JP2019063852A (ja) * 2017-10-05 2019-04-25 東京ブレイズ株式会社 ろう付装置及びろう付方法

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