JPH06245986A - 室内空気の殺菌方法及び該方法に使用する装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、食器等をそのままにした状態でも
支障なく殺菌できると共に、病院、ホテル等常時人のい
る室内も何ら支障なく殺菌することができる殺菌方法及
び該方法に使用する装置を提供することを目的とする。 【構成】この発明に於いては、エアーフイルターに殺菌
剤を保持させ、室内空気を循環させながら、前記エアー
フイルターを通過させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、レストラン、飲食店
及び病院等の室内空気を、極めて短時間で効率的に消毒
することができると共に、病院等常時室内に人がいる場
合でも何ら支障なく殺菌することのできる室内空気の殺
菌方法及び該方法に使用する装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、レストラン、飲食店等の室内は、
ウイルス、細菌等の有害微生物で汚染されることが多い
ので、これら室内の衛生状態を良好に保つため、薬剤に
より消毒を行っていた。しかして、従来の消毒方法は、
動力噴霧器や人力噴霧器によって、薬液を霧化して、こ
れを室内に噴霧するものであるため、室内全体に均一に
噴霧するのが困難であり、特に物陰や窪みなどの消毒に
は効果が得にくいと共に、薬液は毒性の強いものが多い
ので、作業員が薬液に汚染され、健康を害する危険性も
あった。そればかりか、この方法は、薬液が食器等に付
着するため、食器等を片付けて作業を行わなければなら
ないとか、殺菌処理後に食器などを洗浄しなければなら
ない等の問題があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この発明は、このよう
な点に鑑みなされたものであり、食器等をそのままにし
た状態でも支障なく殺菌できると共に、病院、ホテル等
常時人のいる室内も何ら支障なく殺菌することができる
殺菌方法及び該方法に使用する装置を提供することを目
的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するため鋭意研究の結果、空気中の細菌は水等の
液状物に付着する性質があること、室内のエアコンによ
り空気が満遍なく循環することに着目し、エアーフイル
ターに液状殺菌剤を保持させ、エアコンと同じように室
内空気を循環させながら、室内空気をこのエアーフイル
ターを通過させることによって、極めて短時間にしかも
効果的に室内空気を殺菌し得ることを見い出し、本発明
に到達した。

【０００５】即ち本発明は、エアーフイルターに殺菌剤
を保持させ、室内空気を循環させながら、前記エアーフ
イルターを通過させることを特徴とする。また本発明の
殺菌装置は、モータにより回転しエアーを吸い込んで送
風する回転羽根と、エアーの吸込口または送風口に装着
したエアーフイルターと、該エアーフイルターに保持さ
せた殺菌剤とを具備してなり、前記回転羽根により室内
空気を循環させ、前記エアーフイルターを通過させるよ
うに構成したことを特徴とする。

【０００６】エアーフイルターとしては、エアーの濾材
となるものであれば良く特に限定されないが、例えば、
布、合成樹脂不織布、繊維状活性炭等を使用することが
できる。エアーフイルターとして水の保持力の強い合成
樹脂を使用すれば、水を溶剤とする殺菌剤の場合は、液
状の殺菌剤を液状状態を維持したまま長時間保持させる
ことができるので特に好ましい。また、布状のエアーの
濾材で、保水性の合成樹脂不織布をサンドイッチした
り、或は布状のエアーの濾材で、網状に形成した吸水性
合成樹脂をサンドイッチした構造のエアーフイルターと
すれば、過酸化水素水のような殺菌剤水溶液を長時間保
持できるので特に好ましい。

【０００７】本発明に使用する液状殺菌剤としては、殺
菌剤水溶液、常温で液体の殺菌剤、殺菌剤溶液若しくは
分散液を使用することができる。殺菌剤水溶液として
は、例えば過酸化水素水若しくは次亜塩素酸ナトリウム
水溶液等を使用することができる。常温で液体の殺菌剤
としては、沸点が比較的高い殺菌剤を使用するのが、揮
発することなく長時間使用できるため好ましい。また、
常温で液体の殺菌剤としては、水と混合し得る殺菌剤を
使用するのが良く、沸点の高い殺菌剤に水を混合するこ
とによって、長時間使用することができ、しかも菌の捕
捉殺菌率を向上させることができる。固体の殺菌剤であ
っても、水等の液体に溶解若しくは分散して使用するこ
とができる。しかしながら、過酸化水素水は、分解して
水と酸素とになるため、フイルターから殺菌剤がミスト
状に吹き飛ばされても室内の人間に害を与えたり、室内
の食器などを汚染したりしないので特に好ましい。

【０００８】

【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は、本発明の殺菌装置を示す断面図であり、
４角形筒状に形成されたハウジング１内の下方に、モー
タ２により回転しエアーを吸入して送風する回転羽根３
が装着され、上端にはエアーフイルター４が固定されて
いる。ハウジング１上端開口には、細長い板状のフイン
５が両端に形成した棒状部をハウジング１内壁に軸止す
ることにより回動自在に固定され、室内の大きさ等に応
じて、エアーの送風する向きを選択し得るようになって
いる。エアーは、ハウジング底部の開口と、ハウジング
下方外周に形成された吸気口６とから矢印で示すように
装置内に流入するようになっている。

【０００９】装置内に流入したエアーは、矢印で示すよ
うに上方に送風され、エアーフイルター４を通って装置
外に排出され、室内を循環し、再度装置内に流入する。
図中７は、ジクロルボス、塩化エチルのようなガス状殺
虫剤を収容するボンベであり、必要に応じて、殺虫ガス
をエアーに混合することにより、室内空気の殺菌と殺虫
の両方を行うことができる。

【００１０】エアーフイルター４として、殺菌剤として
５％過酸化水素水を含浸させた合成樹脂不織布を固定し
た上記装置を使用し、３００m²の食堂内のエアーを殺菌
処理した。モーター２により、回転羽根３を回転させる
と、エアーは矢印で示すように、装置底部及び側部の吸
気口６から装置内に流入し、回転羽根３により上方に送
られ、フイン５によりガイドされて、エアーフイルター
４を通過する。２０分間後に装置の運転を停止した。空
気中の細菌は、６０％滅菌されていた。同時に空気中の
ダニの５０％が死滅していることが確認された。

【００１１】

【作用】空気中の細菌は、水のような液体に付着する性
質があるので、液状殺菌剤を保持させたエアーフイルタ
ーに、エアコンと同じ原理で室内空気を循環させながら
通過させることによって、室内空気中の細菌を効果的に
滅菌することができる。過酸化水素水のように殺菌作用
だけでなく殺虫作用をも有する薬剤を使用すれば、ダニ
等のように空気と一緒に循環する虫も死滅させることが
できる。

【００１２】

【効果】以上述べたごとく、本発明によれば、液状殺菌
剤を保持させたエアーフイルターに、室内空気を循環さ
せながら通過させることによって室内空気中の細菌を滅
菌するものであるので、室内には消毒剤を殆ど存在しな
い状態とすることができるから、室内に人のいる場合で
も何ら支障なく室内の隅々まで消毒することができると
共に、消毒の際食器などを片付けたり、消毒後食器など
を洗浄したりする必要が全くなく、しかも極めて簡単
に、短時間で殺菌することができる等、従来のこの種消
毒法には全く見られない著しく顕著な効果を奏する。

【００１３】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の殺菌装置の断面図である。

【符号の説明】

３ 回転羽根 ４ 殺菌剤含有エアーフイルター ５ フイン ６ 吸気口

【手続補正書】

【提出日】平成５年３月２９日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】全図

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１】

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】エアーフイルターに殺菌剤を保持させ、室
   内空気を循環させながら、前記エアーフイルターを通過
   させることを特徴とする室内空気の殺菌方法。
2. 【請求項２】前記殺菌剤が過酸化水素水である請求項１
   に記載の殺菌方法。
3. 【請求項３】モータにより回転しエアーを吸い込んで送
   風する回転羽根と、エアーの吸込口または送風口に装着
   したエアーフイルターと、該エアーフイルターに保持さ
   せた殺菌剤とを具備してなり、前記回転羽根により室内
   空気を循環させ、前記エアーフイルターを通過させるよ
   うに構成したことを特徴とする殺菌装置。