JPH06235788A - 高速増殖炉のルーフデッキ構造 - Google Patents

高速増殖炉のルーフデッキ構造

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JPH06235788A
JPH06235788A JP5020435A JP2043593A JPH06235788A JP H06235788 A JPH06235788 A JP H06235788A JP 5020435 A JP5020435 A JP 5020435A JP 2043593 A JP2043593 A JP 2043593A JP H06235788 A JPH06235788 A JP H06235788A
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bottom plate
cooling
fast breeder
copper
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Tadashi Goto
忠 後藤
Kazuo Takahashi
和雄 高橋
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Hitachi Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速増殖炉において、ルーフデッキ冷却時に
おけるルーフデッキの温度分布の均一化を、熱遮蔽構造
物を省いた簡単な手段で行うことにより、ルーフデッキ
の熱変形量を減少させ、1次系機器の据え付け位置ずれ
を抑制するとともに、ルーフデッキで支持されている機
器の熱応力の発生を低減することが可能な高速増殖炉の
ルーフデッキ構造を提供する。 【構成】 ルーフデッキ底板17の冷却ダクト16側、
すなわちルーフデッキ11上に、熱良導体である銅板2
0を敷設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高速増殖炉のルーフデ
ッキ構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高速増殖炉は、一般に液体金属ナトリウ
ム(以下、ナトリウムと略称)を冷却材として用いられ
ており、例えば、図5は、Phenix炉等に代表され
る一般的なタンク型高速増殖炉の1次系の模式縦断面図
である。図5に示すように、原子炉容器1の内部には、
炉心2、複数基の1次系ポンプ3と中間熱交換器4、及
び炉心上部機構5などの1次系機器が納められている。
【0003】原子炉容器1の内部には、1次系冷却材で
あるナトリウム6が充填され、原子炉容器1の頂部はル
ーフデッキ11で蓋がされ、原子炉容器1の内部のほぼ
中心に炉心2が設置されている。ナトリウム6は、炉心
2の上部を境にして隔壁構造物8により、高温プレナム
域9と低温プレナム域10とに仕切られ、高温プレナム
域9のナトリウム液面7とルーフデッキ11との間の空
間部は、不活性ガスが充填されたカバーガス領域12と
なっている。
【0004】ルーフデッキ11は、回転プラグ13と固
定デッキ14とに分けられ、回転プラグ13は、大回転
プラグ、及び大回転プラグの内側に偏芯して設置されて
いる小回転プラグからなる二重回転構造になっている。
そして、大・小両回転プラグの回転角度の組合せによ
り、炉心2の全ての位置の燃料集合体(図示せず)につ
いて、燃料取扱機構(図示せず)による取り扱いが可能
になっている。
【0005】回転プラグ13及び固定プラグ14の内部
構造は基本的に同じであるので、ここでは、固定プラグ
14を例にとり、ルーフデッキ11について説明する。
【0006】ルーフデッキ11は、1次系機器の重量物
を支持するため、鉄骨の組合せによる丈夫な梁構造にな
っており、梁間の空隙には、放射線輻射を遮蔽するため
の鋼球又はコンクリートが充填された放射線遮蔽体15
が設置されている。
【0007】また、放射線遮蔽体15の下方とルーフデ
ッキ底板17との間に空隙があり、この空隙が冷却ダク
ト16となっており、冷却ダクト16は冷却ガス導入管
22と冷却ガス放出管24とに、それぞれ連通してい
る。
【0008】ルーフデッキ11は、下記の理由により、
冷却されて常に低温に保持されている。
【0009】(1)ルーフデッキ11の上面に設置して
ある電気計装部品及び機器貫通部のシール材の許容温度
を、耐熱上、50℃以下に制限する必要がある。
【0010】(2)放射線遮蔽体15を構成しているコ
ンクリート部材の温度を、コンクリート内部から結晶水
が脱水しない温度、すなわち150℃以下に保持する必
要がある。
【0011】(3)ルーフデッキ及び原子炉容器を支持
するコンクリート部材の許容温度を、強度確保のため、
50℃以下に制限する必要がある。
【0012】このような、ルーフデッキ11の冷却に
は、ルーフデッキ11内に冷却ガスを導入し、ルーフデ
ッキ11内を循環させながら、ルーフデッキ11全体を
冷却する強制循環空冷方式が採用されている。
【0013】また、ルーフデッキ11の下方のカバーガ
ス領域12に積層構造の熱遮蔽構造物23が設置され、
ナトリウム液面7からの輻射熱を防ぐ構造になってい
る。
【0014】以上のように構成された、従来の一般的な
高速増殖炉の1次系の動作を、次に説明する。
【0015】図5において、複数基の1次系ポンプ3が
同時に稼働し、低温プレナム域10のナトリウム6を炉
心2に圧送する。ナトリウム6は、炉心2内で発生する
核分裂反応熱により加熱され、約550℃の高温ナトリ
ウムとなり、炉心2の頂部から高温プレナム域9に流出
する。
【0016】高温のナトリウム6は、複数基の中間熱交
換器4に分流し、中間熱交換器4内を降下しながら、伝
熱管を介して2次冷却系(図示せず)に放熱し、約37
0℃の低温のナトリウム6となり、再び低温プレナム域
10に戻る一巡の流路を形成する。すなわち、定常循環
時におけるナトリウム6の温度分布は、高温プレナム域
9で約550℃、低温プレナム域10で約370℃であ
る。
【0017】熱交換により2次系に供給された熱は、図
示は省略するが、中間熱交換器4から蒸気発生器へ連絡
する配管を有する2次系ナトリウムループに移行され、
蒸気発生器で発生した蒸気でタービン・発電機を稼働
し、発電するシステムになっている。
【0018】一設計例では、熱出力3000MWt級の
タンク型高速増殖炉の通常運転時、370℃で炉心2へ
流入したナトリウムは550℃まで加熱される。したが
って、高温プレナム域9のナトリウム液面7は、ほぼ炉
心2出口温度と同様の高温となり、この高温により、ナ
トリウム液面7の上方のカバーガス領域11を介してル
ーフデッキ底板17が加熱されることになる。
【0019】すなわち、ルーフデッキ11の下面は高温
のナトリウム液面7に曝されるが、熱遮蔽構造物23に
よるルーフデッキ11の熱遮蔽、及びルーフデッキ11
の強制冷却により、ルーフデッキ11の上面の温度はほ
ぼ室温に保たれるようになっている。
【0020】更に、一設計例では、熱出力3000MW
t級のタンク型高速増殖炉の場合、原子炉容器1の直径
は約18〜20メートルにも及び、ルーフデッキ11の
直径は、原子炉容器1のそれよりも更に大きくなる。ま
た、ルーフデッキ11は、1次系主要機器である4基の
1次系ポンプ3、8基の中間熱交換基4、及び炉心上部
機構5などの1次系機器の重量物を支えており、ルーフ
デッキ11の強度部材は約2000トンにも及ぶ大型重
量物になる。
【0021】このようにタンク型高速増殖炉は、大型で
複雑であることから、建設コストは同クラスの軽水炉に
比べて約2.5倍にも増大する。将来、高速増殖炉が実
用炉になり、軽水炉と発電コストを競合する場合、それ
に打ち勝つためにも、大幅な合理化を進めておく必要が
ある。
【0022】近年、タンク型高速増殖炉の合理化設計に
関する研究開発が盛んに行われている。その狙いは、物
量を減らし、簡素化を図り、建設コストを下げようとす
るものであり、ルーフデッキの簡素化も有効な合理化手
段として取り上げられている。
【0023】前述したPhenix炉のルーフデッキの
熱遮蔽構造部は、約5000枚の熱遮蔽板、及びこれら
の板を固定するための約10万個の部品によって構成さ
れている。更にこれらの部品を製作するため、約200
0枚の設計図が用いられており、これらが大幅なコスト
アップの要因であった。このことから、SuperPh
enixII炉といわれるRNR1500炉には、熱遮蔽
構造物23を省いた合理化型ルーフデッキの概念が取り
入れられている。
【0024】図6は合理化型ルーフデッキの要部の説明
図である。図6に示すように、合理化型ルーフデッキ
は、ルーフデッキ11の下部に取り付けてある熱遮蔽構
造物23(図5参照)を全て省いた基本構造となってい
る。
【0025】この場合は、強制冷却によって、放射線遮
蔽体15、及びルーフデッキ11の上面の温度は、前述
した許容温度内に維持することが可能であるが、ルーフ
デッキ11の下面の温度は150〜250℃の高温とな
る。すなわち、強制冷却によって、ルーフデッキ11の
下面の温度を約150〜250℃に制御しながら運転さ
れることになる。
【0026】このような強制冷却は、冷却ガス導入管2
2から冷却ガスを吹き込み、放射線遮蔽体15の下部の
冷却ダクト16内を流動させて、ルーフデッキ底板17
を直接冷却するものであり、冷却量は増加するが、熱遮
蔽構造物23の削除は大幅なコスト低減になると試算さ
れているものである。
【0027】ルーフデッキ11の冷却に伴うルーフデッ
キ11への伝熱は、カバーガス領域12におけるカバー
ガスの自然対流、高温のナトリウム液面7からの輻射、
及び、カバーガス(主としてアルゴンガス)の伝導によ
る複合伝熱である。
【0028】これらのうち、カバーガスの伝導による伝
熱量は、カバーガスの熱伝導率が低いことから小さい。
また、ナトリウム液面7とルーフデッキ11との間の温
度差は大きいが、ナトリウム液面7は鏡面状に輝くこと
から、輻射率が低く、輻射による伝熱量も比較的小さ
い。すなわち、伝熱について最も支配的なものは、カバ
ーガスの自然対流による伝熱である。
【0029】カバーガス領域12には、下層に高温のナ
トリウム液面7、上層に低温のルーフデッキ11が、そ
れぞれ隣接して存在しており、最も自然対流が発生し易
い温度条件となるため、ルーフデッキ11への伝熱に
は、この自然対流が支配的となる。
【0030】カバーガス領域12における自然対流は、
上昇流と下降流とが対になって形成される複数個の循環
流となり、径方向の各所に複数個存在する。
【0031】図7は冷却ダクト16の模式平面図であ
る。ルーフデッキ11は円盤形状であり、内部には1次
系機器の挿入孔が多く穿設され、補強リブが張り巡らさ
れているため、冷却ダクト16は、図7に示すように扇
状形の分割構造になっている。
【0032】なお、特開昭59−182391号公報に
は、ルーフデッキの冷却層を温度均一化部と冷却部とに
区分し、温度均一化部内を真空にした後、水又はアルコ
ールの冷却媒体を封入し、冷却媒体を温度均一化部で蒸
発させ、冷却部で凝縮させて、冷却層内の温度分布を均
一化する関連技術が開示されている。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】上記の循環流の数と大
きさは、カバーガス領域12の上下温度差と形状とで決
まるが、ルーフデッキ11の下面の温度は、上昇流の当
たる部分で高く、下降流となる部分で低くなるため、ル
ーフデッキ底板17は径方向に不均一な温度分布にな
る。
【0034】また、1次系機器の配列が、ルーフデッキ
11の中心に対して必ずしも対称とはならず、冷却ダク
ト16内の冷却ガス流路形状が不均一となるため、冷却
ガス導入管から導入される冷却ガスを扇状形の分割構造
内に均等に分散させることは困難である。
【0035】すなわち、カバーガス領域12の循環流、
及び冷却ガス量の不均等な分散が、ルーフデッキ11の
温度分布を不均一にしている。
【0036】特に合理化型ルーフデッキは、従来の熱遮
蔽構造物付きのルーフデッキに比べて、カバーガス領域
12の上下温度差が大きいため、自然対流が激しく、ル
ーフデッキ11は高温状態となるため、不均一な温度分
布によるルーフデッキ11の熱変形量が増大する。
【0037】上記のように、ルーフデッキ11に熱変形
が生じる場合、多くの1次系機器を支持しているルーフ
デッキ11の1次系機器の支持部に影響を与え、1次系
機器の据え付け部が位置ずれを起こすことになる。
【0038】1次系ポンプ3の位置ずれは、炉心2の入
口の配管部に集中し、配管の炉心高圧プレナム19との
接続部などから、大量のナトリウム6が漏れる可能性が
ある。また、中間熱交換器4や炉上部機構5などに、過
大な熱応力を発生させることになる。特に合理化型ルー
フデッキでは、ルーフデッキ11の熱変形量が大きいこ
とから、ルーフデッキが支持している1次系機器へ与え
る影響が顕著となる。また、上記の特開昭59−182
391号公報における真空中の水又はアルコールの蒸発
温度は、ルーフデッキ底板の温度範囲に比べて極端に低
いため、実際に水又はアルコールを適用するためには、
ナトリウムの作動温度範囲から離れ過ぎていて現実的で
はない。
【0039】本発明は上記の状況を鑑みなされたもので
あり、ルーフデッキ冷却時におけるルーフデッキの温度
分布の均一化を、熱遮蔽構造物を省いた簡単な手段で行
うことにより、ルーフデッキの熱変形量を減少させ、1
次系機器の据え付け位置ずれを抑制するとともに、ルー
フデッキで支持されている機器の熱応力の発生を低減す
ることが可能な高速増殖炉のルーフデッキ構造を提供す
ることを目的とする。
【0040】
【課題を解決するための手段】上記目的は、次のように
して達成することができる。
【0041】(1)内部に液体金属ナトリウムからなる
1次系冷却材を有し、1次系冷却材の中に炉心及び1次
系主要機器などを格納し、1次系冷却材の液面上にカバ
ーガス領域を形成する原子炉容器の上部を、上板と底板
との間に冷却ダクトを構成するルーフデッキで蓋をして
ある高速増殖炉のルーフデッキ構造において、前記ルー
フデッキの底板上に熱良導体を敷設してあること。
【0042】(2)(1)において、熱良導体を、円盤
形状を有するルーフデッキの底板上の全面にわたり敷設
してあること。
【0043】(3)(1)又は(2)において、熱良導
体を、複数の板状部材を重ねた積層材で構成してあるこ
と。
【0044】(4)(1)、(2)又は(3)におい
て、熱良導体が、ルーフデッキの底板を構成する材料に
比べて熱伝導率の大きい材料であること。
【0045】(5)(1)〜(4)において、熱良導体
の材料が、銅又は銅合金であること。
【0046】(6)(1)〜(4)において、熱良導体
の材料が、アルミニウム又はアルミニウム合金であるこ
と。
【0047】
【作用】本発明では、ルーフデッキの底板上に、銅、銅
合金、アルミニウム又はアルミニウム合金などの熱良導
体を敷設してあるので、ルーフデッキの径方向及び周方
向の温度分布が均一化される。すなわち、不均一な温度
分布が平滑化し、ルーフデッキ底板全面が均一な温度分
布になる。
【0048】このように、ルーフデッキ底板全面の温度
分布が均一化するので、ルーフデッキの熱変形量が減
り、ルーフデッキに支えられている1次系機器の据え付
け位置ずれ量が減少し、1次系機器の熱変形応力の発生
が低減する。
【0049】また、複数枚の熱良導体を積層状に敷設し
てあるので、熱良導体の軸方向の伝熱抵抗が増加する。
すなわち、径方向及び周方向への熱伝導が阻害されず
に、軸方向への伝熱が抑制されるので、強制冷却量が低
減される。
【0050】
【実施例】本発明の一実施例を図1〜図3を用いて説明
する。図1は本実施例のタンク型高速増殖炉の1次系の
模式縦断面図、図2は図1の要部の縦断面図、図1の熱
良導体近傍の縦断面図である。
【0051】本実施例が、図5に示す従来例に比べて大
きく異なる点は、カバーガス領域に、従来例では熱遮蔽
構造物23を設けているのに対し、本実施例では、図1
及び図2に示すように、熱遮蔽構造物23を省いて、ル
ーフデッキ底板17の冷却ダクト16側、すなわち、ル
ーフデッキ底板17上に熱伝導率の良好な熱良導体を敷
設していることである。
【0052】熱良導体としては、ルーフデッキ底板17
に用いられるステンレス鋼よりも熱伝導率の大きい銅板
20を使用している。また、カバーガスにはアルゴンガ
スを使用している。
【0053】図3は、図1の熱良導体を含む熱良導体近
傍の縦断面図であり、1枚の銅板20をルーフデッキ底
板17上に敷設した場合を示しており、円盤形状のルー
フデッキ底板17上の全面に敷設している。この場合、
ルーフデッキ底板17と銅板20との接触面を、できる
だけ密着させて、ルーフデッキ底板17の冷却を一層効
果のあるものにしてある。
【0054】前述したように、熱出力3000MWt級
の原子炉容器1の直径が約18〜20メートルにも及ぶ
ことから、熱良導体に1枚板をそのまま用いるには困難
を伴う。この困難を避けるため、熱良導体を適当な寸法
に分割して運搬し、この分割物を設置箇所で組合せるこ
とが考えられるが、この場合は、径方向及び周方向の熱
伝導が妨げられないように、分割物どうしの密着性をよ
くする工夫が必要になる。
【0055】以上のように構成された本発明のルーフデ
ッキを有する高速増殖炉の1次系は、次のように動作す
る。
【0056】ルーフデッキ11の冷却には、従来例の場
合と同様に、室温の空気を冷却ガス導入管22に導き、
冷却ダクト16内を流動させる。ただし、本実施例で
は、空気はルーフデッキ底板17に敷設した熱良導体2
0の表面を冷却した後、冷却ガス放出管24から外気に
放出される。
【0057】銅板20は良好な熱伝導性を有するため、
多少の冷却むらがあっても径方向及び周方向に一様な温
度分布を形成するようになり、銅板20に密着している
ルーフデッキ底板17も、銅板20に追従して均一な温
度分布となる。なお、放射線遮蔽体15の温度は、許容
温度範囲内に維持する。
【0058】次に、本発明の他の実施例を図4を用いて
説明する。図4には、複数枚の銅板20を積層にし、ル
ーフデッキ底板17上に敷設した場合を示してある。
【0059】複数枚の銅板20を積層状に敷設した場合
には、銅板20の軸方向の伝熱抵抗が増加するため、径
方向及び周方向への熱伝導量を阻害することなしに、軸
方向への伝熱量を抑制することができる。したがって、
強制冷却量を低減することが可能となる。
【0060】以上、本発明の実施例では、良好な熱伝導
性を有する金属として銅板を用いたが、本発明の基本的
な構成要件として、ルーフデッキ底板上に敷設する熱良
導体は、ルーフデッキの温度条件に耐え、かつルーフデ
ッキ底板に用いるステンレス鋼よりも熱伝導率の大きい
熱伝導物質であればよく、それらに適する金属として、
本発明の実施例で用いた銅のほかに、銅合金、アルミニ
ウム及びアルミニウム合金などを挙げることができる、
また、上述した熱的条件を満足する物質であれば液体で
もよい。この場合、漏洩防止などの安全対策が必要とな
るが、液体はルーフデッキ底板との密着性を向上させる
ので、より大きな効果を得ることができる。
【0061】なお、高速増殖炉は、ループ型とタンク型
とに形式が分けられ、本発明は両方式に適用できるが、
タンク型高速増殖炉に適用したほうが、より効果的であ
る。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、ルーフデッキ冷却時に
おけるルーフデッキの温度分布の均一化を、熱遮蔽構造
物を省いた簡単な手段で行うことができ、ルーフデッキ
の熱変形量を小さくして、1次系機器の据え付け位置ず
れを低減させ、1次系機器の熱応力の発生を抑制するこ
とができる。また、ルーフデッキを冷却するための強制
冷却量を減少することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の模式縦断面図である。
【図2】図1の要部の縦断面図である。
【図3】図1の熱良導体近傍の縦断面図である。
【図4】本発明の他の実施例における熱良導体近傍の縦
断面図である。
【図5】従来例の模式縦断面図である。
【図6】合理化型ルーフデッキ要部の縦断面図である。
【図7】図6の冷却ダクトの模式平面図である。
【符号の説明】
1…原子炉容器、2…炉心、3…1次系ポンプ、4…中
間熱交換器、5…炉心上部機構、6…ナトリウム、7…
ナトリウム液面、8…隔壁構造物、9…高温プレナム
域、10…低温プレナム域、11…ルーフデッキ、12
…カバーガス領域、13…回転プラグ、14…固定デッ
キ、15…放射線遮蔽体、16…冷却ダクト、17…ル
ーフデッキ底板、18…ポンプ出口配管、19…炉心高
圧プレナム、20…銅板、21…ルーフデッキ上板、2
2…冷却ガス導入管、23…熱遮蔽構造物、24…冷却
ガス放出管。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に液体金属ナトリウムからなる1次
    系冷却材を有し、前記1次系冷却材の中に炉心及び1次
    系主要機器などを格納し、前記1次系冷却材の液面上に
    カバーガス領域を形成する原子炉容器の上部を、上板と
    底板との間に冷却ダクトを構成するルーフデッキで蓋を
    してある高速増殖炉のルーフデッキ構造において、前記
    ルーフデッキの前記底板の上に熱良導体を敷設してある
    ことを特徴とする高速増殖炉のルーフデッキ構造。
  2. 【請求項2】 前記熱良導体を、円盤形状を有する前記
    ルーフデッキの底板上の全面にわたり敷設してある請求
    項1記載の高速増殖炉のルーフデッキ構造。
  3. 【請求項3】 前記熱良導体を、複数の板状部材を重ね
    た積層材で構成してある請求項1又は2記載の高速増殖
    炉のルーフデッキ構造。
  4. 【請求項4】 前記熱良導体が、前記ルーフデッキの底
    板を構成する材料に比べて熱伝導率の大きい材料である
    請求項1、2又は3記載の高速増殖炉のルーフデッキ構
    造。
  5. 【請求項5】 前記熱良導体の材料が、銅又は銅合金で
    ある請求項1〜4のいずれか1項に記載の高速増殖炉の
    ルーフデッキ構造。
  6. 【請求項6】 前記熱良導体の材料が、アルミニウム又
    はアルミニウム合金である請求項1〜4のいずれか1項
    に記載の高速増殖炉のルーフデッキ構造。
JP5020435A 1993-02-09 1993-02-09 高速増殖炉のルーフデッキ構造 Pending JPH06235788A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998055902A1 (fr) * 1997-06-05 1998-12-10 Citizen Watch Co., Ltd. Systeme d'emission-reception pour montres electroniques

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WO1998055902A1 (fr) * 1997-06-05 1998-12-10 Citizen Watch Co., Ltd. Systeme d'emission-reception pour montres electroniques

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