JPH06228793A - 電着塗装用搬送装置 - Google Patents

電着塗装用搬送装置

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JPH06228793A
JPH06228793A JP1882593A JP1882593A JPH06228793A JP H06228793 A JPH06228793 A JP H06228793A JP 1882593 A JP1882593 A JP 1882593A JP 1882593 A JP1882593 A JP 1882593A JP H06228793 A JPH06228793 A JP H06228793A
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path
traveling
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JP1882593A
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Hiromi Yamamoto
弘美 山本
Shuji Sato
修二 佐藤
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NIPPON PAINT PLANT ENG KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被塗装物を連続的に搬送しながら電着塗装を
施す電着塗装ラインの電着塗装用搬送装置において、長
尺物や重量物の処理に適用する場合でも、設備が簡単で
設置スペースが狭くて済み、しかも、いわゆるタクト時
間を短くできて、生産性を向上させることのできる搬送
装置を提供する。 【構成】 被塗装物の着荷部から電着処理槽の上方を経
て脱荷部まで設けられた走行路と、被塗装物を搭載して
前記走行路を走行する保持手段とを備えた電着塗装用搬
送装置において、電着処理槽上方の走行路が、その前後
の走行路と分割形成されていて、昇降自在な上下2段の
走行路が選択的に前後の走行路と連絡可能に設けられて
おり、下段走行路を下降させたときに、下段走行路中の
保持手段に搭載された被塗装物が電着処理槽に送り込ま
れ、上段走行路が前後の走行路と連絡されるようになっ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電着塗装用搬送装置
に関し、詳しくは、多数の被塗装物を連続的に搬送しな
がら、順次電着塗装を施す、いわゆる電着塗装ラインに
おいて、被塗装物を電着処理槽へ送り込み、電着処理が
施された被塗装物を電着処理槽から運び出す搬送装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】電着塗装は、自動車や電化製品のボディ
などに能率的に高品質の塗装を施すことのできる方法と
して、広く普及している。近年、土木建築用の資材のよ
うな、長尺で嵩が高く重量もある物品に対しても、電着
塗装が適用されるようになってきた。
【0003】大量生産が行われる上記のような物品の電
着塗装には、被塗装物を連続的に搬送しながら、順次電
着塗装を施す、いわゆる電着塗装ラインが使用されてい
る。すなわち、被塗装物を、ハンガーコンベアに吊り下
げたり、フロアチェーンコンベアに載せたり、レール上
を走行する台車に搭載したりして、被塗装物を連続的に
搬送するとともに、コンベアなどの搬送経路の途中に設
置され、電着塗料などを含む電着処理液が貯えられた電
着処理槽に、被塗装物を一定時間浸漬して電着処理を施
す。電着処理が終了した被塗装物は、電着処理槽から引
き上げられたあと、水洗工程や焼付工程などの後処理工
程に送り込まれるようになっている。
【0004】電着処理工程における被塗装物の取り扱い
には、次に説明するような方法が採用されている。ま
ず、搬送ラインを搬送されてくる被塗装物が、コンベア
やハンガーに保持されたままで、電着処理槽に入って電
着処理液に浸かり一定時間後に再び出ていくように、搬
送ラインおよび電着処理槽を配置しておく方法がある。
被塗装物は、搬送ラインを一定の速度で移動しながら、
電着処理液に沈められ、電着処理液中を移動する間に電
着処理が施され、電着処理が終了した被塗装物は、電着
処理液から引き上げられて、そのまま搬送ラインの前方
へと送られていく。
【0005】また、被塗装物を保持して搬送ライン上を
走行する台車に、ホイストなどの補助的を搬送手段を装
備しておく方法がある。この方法では、台車が搬送ライ
ン上を電着処理槽の近くまで移動してくると、台車を一
旦停止させた状態で、ホイストなどを作動させて被塗装
物を電着処理槽に送り込む。電着処理は、電着処理槽内
の定位置で行われる。電着処理の終了後、前記ホイスト
などを再び作動させて、被塗装物を台車側の所定位置ま
で戻し、ついで、台車の走行を再開して、被塗装物を搬
送ラインの前方に送っていく。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記したよ
うな従来における電着塗装用搬送装置では、土木建築用
資材のように、長尺であったり、嵩が高かったり、重量
が大きかったりする被塗装物の場合には、設備が非常に
大がかりで複雑なものとなったり、過大な設置スペース
が必要であったり、処理時間が非常に長くかかったりす
るという問題があった。具体的には、長さ数m以上、重
量1t以上もあるような建材を電着塗装しようとする場
合、従来の家電製品用ボディなどを対象とした電着塗装
装置では、十分に対応できないのである。
【0007】たとえば、前記した、被塗装物を搬送ライ
ン上で搬送しながら電着処理槽を通過させる方法では、
非常に大きな電着処理槽が必要になる。すなわち、搬送
ライン上の被塗装物をスムーズに電着処理槽内に出入り
させるには、電着処理槽の両端およびその部分の搬送ラ
インにゆるやかな傾斜をつけて、被塗装物を水平移動さ
せながら徐々に電着処理槽内で上昇下降させる必要があ
る。傾斜がきついと、大型あるいは大重量の被塗装物で
は、搬送ライン上に安定して保持できなくなったり、コ
ンベアなどの負荷が過重になったりする。そのため、通
常は、傾斜角度を15°以下に設定しているが、そうす
ると、この傾斜部分、すなわち被塗装物の出入り部分に
長い距離が必要になる。また、電着処理を行っている間
中、被塗装物は水平移動を行うので、この間の被塗装物
および搬送ラインの走行距離を超えるだけの長い電着処
理槽が必要である。電着塗装処理の生産性を上げるため
に、搬送ラインの速度を増やせば、それだけ、必要な電
着処理槽の長さも増えてしまう。さらに、搬送ラインを
構成するフロアチェーンコンベア等の作動機構が、電着
処理液内に浸かってしまうので、これらの作動機構の傷
みが激しく、寿命が極めて短くなってしまうという欠点
もある。
【0008】つぎに、前記した、搬送ライン上を走行す
る台車にホイストなどを備えておく方法は、被塗装物を
ホイストで昇降させて電着処理槽に出入りさせるので、
電着処理槽の平面寸法は小さくてよく、電着処理槽が小
型化できる点では上記方法に比べて優れている。また、
被塗装物とこれを保持する部材のみが電着処理液に浸か
るので、ホイストや台車の作動機構が電着処理液に侵さ
れる心配はない。しかし、電着塗装が終了した被塗装物
を台車から降ろした後、この空の台車を出発点すなわち
被塗装物の着荷場所まで戻す手間がかかる。そのため、
従来は、1本の直線状搬送ラインに、台車を往復走行さ
せるか、搬送ラインをループ状に配置して、台車を1方
向に循環走行させるかして、空の台車を戻していた。
【0009】ところが、ループ状の搬送ラインを設置し
ておく方法では、搬送ラインが非常に長くなり、設備全
体の占有スペースが広くなってしまう。特に、大型重量
物を搬送する場合には、搬送ラインの曲率半径を小さく
することができず、余計に広い占有スペースを取ること
になる。また、このような長い搬送ライン上に、一定間
隔毎に多数の台車を配置しなければならない。それぞれ
の台車にはホイストなどを装備しているから、台車の設
備コストが高くつき、このような台車を多数配置してお
くのでは、設備全体のコストが増大してしまう。
【0010】1本の搬送ラインを台車が往復走行する方
法では、搬送ラインは短くて済み、台車の必要数も少な
いが、空の台車が着荷場所に戻ってくるまで、次の被塗
装物を処理することができず、作業時間の無駄が多くな
る。そのため、単位時間当たりに処理できる被塗装物の
数が少なくなってしまう。言い換えると、1台車当たり
の使用処理時間(1タクト時間)が長くなってしまうの
である。
【0011】そこで、この発明の課題は、前記したよう
な電着塗装用搬送装置において、長尺物や重量物の処理
に適用する場合でも、設備が簡単で設置スペースが狭く
て済み、しかも、いわゆるタクト時間を短くできて、生
産性を向上させることのできる搬送装置を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する、こ
の発明にかかる電着塗装用搬送装置は、被塗装物の着荷
部から電着処理槽の上方を経て脱荷部まで設けられた走
行路と、被塗装物を搭載して前記走行路を走行する保持
手段とを備えた電着塗装用搬送装置において、電着処理
槽上方の走行路が、その前後の走行路と分割形成されて
いて、昇降自在な上下2段の走行路が選択的に前後の走
行路と連絡可能に設けられており、下段走行路を下降さ
せたときに、下段走行路中の保持手段に搭載された被塗
装物が電着処理槽に送り込まれ、上段走行路が前後の走
行路と連絡されるようになっている。
【0013】電着塗装は、被塗装物の洗浄や化成被膜処
理などの前処理工程と、被塗装物を電着処理槽に貯えら
れた電着処理液に浸ける電着処理工程、および、電着処
理が施された被塗装物に対する余分の処理液の水洗除去
や乾燥、焼付などの後処理工程で構成されている。この
発明の搬送装置は、上記各工程のうち、特に、電着処理
工程における被塗装物の搬送に適用するためのものであ
る。前処理工程および後処理工程における搬送は、コン
ベアなどの通常の搬送手段を適用すればよい。但し、こ
の発明の搬送装置を、電着処理工程を含む前後の工程部
分までに延長して使用することも可能である。すなわ
ち、この発明の搬送装置は、電着塗装ラインのうち、少
なくとも電着処理工程を含む一定範囲部分における被塗
装物の搬送に適用できる。
【0014】着荷部は、この発明の搬送装置に、前の工
程部分から送り込まれた被塗装物を移し換えるところで
あり、脱荷部は、この発明の搬送装置から、後の工程部
分の搬送手段に被塗装物を移し換えるところである。走
行路は、電着処理工程を行う電着処理部を挟んで、着荷
部から脱荷部まで設けられる。走行路の構造は、被塗装
物の形状構造やその保持手段の作動構造などによって異
なるが、基本的には通常の各種搬送装置における走行路
の構造がそのまま利用できる。具体的には、H型鋼など
からなるレールやガイドウェイその他、保持手段を支持
して、その走行を案内できるようになっていればよい。
【0015】走行路全体の配置構造は、着荷部から電着
処理部を経て脱荷部に至る電着塗装ラインの配置パター
ンに合わせて自由に設定できる。走行路は単純な直線的
配置だけでなく、一部に曲線部分や方向転換部分などが
あっても構わない。走行路のうち、電着処理部の走行路
は、電着処理槽の上方に配置しておく。電着処理槽の上
方位置の走行路は、その前後の走行路とは分割形成され
ているとともに、上下2段の走行路が昇降自在に設けら
れている。上下段の走行路同士の間隔は、被塗装物を搭
載した保持手段が上段走行路を走行したときに、下段走
行路が邪魔にならないような間隔に設定しておく。この
2段走行路を昇降させるには、リフト装置やジャッキ装
置その他、通常の機械装置で採用されている昇降手段を
設けておけばよい。上下段の走行路は、同じ昇降手段で
一体的に昇降させてもよいし、別々の昇降手段で昇降さ
せるようにしてもよい。但し、この場合でも、上下段の
走行路は互いに関連して上昇および昇降するように制御
するものとする。
【0016】上記2段走行路の長さは、上下何れかの走
行路に保持手段を確実に支持して昇降させることができ
る程度の長さがあればよい。2段走行路を電着処理部の
前後に延長しておいてもよいが、2段走行路が長くなる
ほど、設備が大がかりになり、2段走行路の昇降に大き
な動力が必要になるなどの問題が生じる。2段走行路の
前後には、通常は、着荷部および脱荷部の走行路が配置
される。但し、2段走行路と前後の着荷部走行路および
脱荷部走行路の間に、中間部分となる別の走行路が配置
されていてもよい。この中間部分の走行路で、被塗装物
に対する各種処理工程を行うこともできる。
【0017】2段走行路の下段走行路または上段走行路
は、その前後の走行路に対して選択的に連絡可能になっ
ている。すなわち、2段走行路が上昇したときには、下
段走行路が前後の走行路と連絡され、2段走行路が下降
したときには、上段走行路が前後の走行路と連絡され
る。上下何れかの走行路に前後の走行路が連絡された状
態では、隣接する走行路の間を、保持手段が前後に自由
に走行して行き来することができる。前後の走行路が、
昇降する構造になっている場合には、前後の走行路が上
昇した位置あるいは下降した位置で、2段走行路の上下
段走行路が、前後の走行路と連絡されるように、2段走
行路の昇降位置を設定しておく。
【0018】2段走行路の下段走行路に、被塗装物を搭
載した保持手段が支持されている状態で、2段走行路を
下降させたときに、被塗装物が電着処理槽の電着処理液
に浸かる。また、この状態で、上段走行路が前後の走行
路と連絡される。そのためには、電着処理槽と2段走行
路の配置間隔、保持手段の形状構造、2段走行路におけ
る上下段走行路の間隔などの関係を適切に設定しておけ
ばよい。
【0019】電着処理槽は、被塗装物に電着処理を行う
のに必要なだけの電着処理液が貯えられ、被塗装物が十
分に浸かるだけの容積があれば、その形状や構造は自由
に構成できる。被塗装物および保持手段は、電着処理槽
に対して垂直方向に昇降移動して出入りするので、電着
処理槽の広さは、被塗装物および保持手段の平面形状よ
りも広ければ十分である。なお、被塗装物および保持手
段を、電着処理中に、電着処理液内で揺動させたり傾け
たりする場合には、このような運動が行えるだけの容積
を電着処理槽に確保しておく必要がある。電着処理槽に
は、電源の供給装置や電着処理液の攪拌装置なども設備
されるが、これらの設備は通常の電着処理槽と同様でよ
い。
【0020】走行路のうち、着荷部と脱荷部の走行路
は、その前後の工程部分における被塗装物の搬送手段の
構造に合わせて、被塗装物の移し換えが良好にできるよ
うに、走行路の構造や配置を決める。たとえば、前後の
工程における搬送手段が、被塗装物を水平移動させるフ
ロアチェーンコンベアなどであれば、着荷部走行路また
は脱荷部走行路を、昇降自在に設けておき、この走行路
の昇降動作によって、走行路とともに昇降する保持手段
で、前記コンベアから被塗装物を取り上げたり、コンベ
ア上に被塗装物を降ろしたりすることができる。走行路
は昇降せず、保持手段に装備された作動部材が、コンベ
アから被塗装物を取り上げたり、コンベア上に被塗装物
を降ろしたりするようになっていてもよい。さらに、走
行路および保持手段は定位置のままで、前後の工程にお
ける搬送手段の作動部材が、保持手段に被塗装物を積み
込んだり、保持手段から被塗装物を取り外したりするよ
うになっていてもよい。
【0021】保持手段は、被塗装物を安定して保持する
ことができ、被塗装物を保持したままで電着処理が可能
であれば、従来の搬送装置におけるハンガーや台車な
ど、通常の各種保持手段が採用できる。保持手段は、被
塗装物を底面から支持するように保持するのが、被塗装
物の取り扱いに便利で、電着処理の仕上がりも良好であ
るが、被塗装物を側面から挟み付けて保持したり、被塗
装物の一部と係合して、持ち上げたり吊り下げたりして
保持するものなどでもよい。
【0022】保持手段を走行路に支持するには、保持手
段が走行路に案内されて走行可能であれば、具体的な支
持構造は、通常の搬送装置における保持手段の支持構造
が自由に採用できる。たとえば、走行路に保持手段が吊
り下げられた形で支持されるものが、保持手段に搭載し
た被塗装物を電着処理槽に出入りさせるのに便利である
が、保持手段が走行路の上部や側方に支持されるような
構造でもよい。
【0023】保持手段は、車輪や摺動部材を介して、走
行路に支持され、自由に走行できるようにしておく。保
持手段側にモータ等の走行駆動機構を設けておけば、個
々の保持手段を単独で自由に走行させることができる。
保持手段には駆動機構を設けず、走行路など外部に設け
られた駆動機構から、保持手段に動力を伝達して走行さ
せるようにしてもよい。具体的には、チェーン機構やプ
ッシュロッド機構などで保持手段を動かすことができ
る。
【0024】この発明の搬送装置では、走行路全体に、
少なくとも2台の保持手段を配置しておき、一方の保持
手段が電着処理槽に配置されているときに、他方の保持
手段が脱荷部から着荷部へと送り返されるようにする。
但し、2台以上の複数台の保持手段が配置されていても
構わない。この場合は、複数台の保持手段を同時に電着
処理槽に配置したり、脱荷部から着荷部へと送り返すこ
とができる。
【0025】この発明の搬送装置で処理できる被塗装物
としては、前記した土木建築用の各種資材のように、比
較的長尺であったり、嵩が高かったり、重量が重かった
りするものが好ましいが、従来、電着塗装が適用されて
いた各種物品の搬送にも利用できる。
【0026】
【作用】この発明の搬送装置は、被塗装物を搭載した保
持手段が、着荷部から電着処理を行う場所を経て脱荷部
まで、走行路を走行して被塗装物を搬送する点では、従
来の搬送装置と同様である。但し、従来の装置では、着
荷部から脱荷部まで1本の走行路を、保持手段が往復走
行するので、保持手段が着荷部に戻ってくるまで、次の
被塗装物を処理することができなかった。
【0027】そこで、この発明の搬送装置は、電着処理
槽の上方位置の走行路として、その前後の走行路と分割
形成された、昇降自在な上下2段の走行路を設けてお
く。被塗装物を着荷部から電着処理槽まで搬送する際に
は、2段走行路を上昇させて、下段走行路を着荷部側の
走行路と連絡しておく。被塗装物を搭載した保持手段
は、着荷部の走行路から電着処理槽の上方まで走行して
くる。
【0028】つぎに、保持手段は停止させた状態で、2
段走行路を下降させれば、下段走行路に支持された保持
手段および被塗装物が下方に移動し、被塗装物が電着処
理槽に入って、電着処理液に浸かる。この状態で、電着
処理が行われる。このとき、2段走行路の上段走行路
が、前後の着荷部側および脱荷部側の走行路と連絡され
る。そこで、脱荷部で被塗装物を降ろした空の保持手段
が、電着処理中の被塗装物の上方で、上段走行路と下段
走行路の間をとおって、着荷部側へと送り返される。着
荷部に戻った保持手段には、前記同様にして、新たな被
塗装物が搭載される。
【0029】電着処理槽で被塗装物の電着処理が終了す
れば、2段走行路を上昇させて、保持手段および被塗装
物を電着処理槽から引き上げる。下段走行路が、脱荷部
側の走行路と連絡されれば、保持手段を走行させて、被
塗装物を脱荷部へと搬送できる。このとき、下段走行路
は、着荷部側の走行路とも連絡されているので、着荷部
で被塗装物を搭載した保持手段が、下段走行路まで走行
してくる。
【0030】したがって、この発明の搬送装置では、前
記のような2段走行路を利用することによって、ひとつ
の保持手段を下段走行路に配置して、被塗装物に電着処
理を行っている間に、空の保持手段を脱荷部から上段走
行路をとおって着荷部へと送り返すことができる。その
結果、空の保持手段を送り返すために、無駄な待ち時間
を費やすことがなくなり、電着塗装の処理能率を格段に
向上させることができるのである。
【0031】また、走行路としては、電着処理槽の上方
位置に、2段走行路を設けておくだけで、大がかりなル
ープ状搬送路を設ける必要がなく、電着処理槽も保持手
段および被塗装物が昇降して出入りするだけの広さがあ
ればよいことになる。
【0032】
【実施例】ついで、この発明の実施例について、図面を
参照しながら以下に説明する。図1は、電着塗装用搬送
装置の全体構造を表している。この実施例の搬送装置
は、大きく分けて、着荷部A、電着処理部Bおよび脱荷
部Cの3つのゾーンにまたがって、被塗装物20を搬送
する。
【0033】図中、左端には、被塗装物20に、前洗浄
処理や化成被膜処理などを行う前処理部10が設けられ
ており、この前処理部10から被塗装物20を送り出し
てくるフロアチェーンコンベアからなる搬送コンベア1
2が設置されている。この搬送コンベア12の末端は、
着荷部Aに配置されている。着荷部Aには、H型鋼など
からなる着荷部走行路42が設けられ、この走行路42
を、被塗装物20を搭載する吊り下げ台車30が走行す
る。吊り下げ台車30は、その上部に設けられた走行車
輪32、32が、走行路42に装着された状態で、走行
路42に沿って水平方向に移動する。走行車輪32に
は、モータなどの駆動機構が取り付けられ、吊り下げ台
車30が前後に自力走行する。
【0034】図5には、吊り下げ台車30の詳細構造を
表しており、鋼材などで枠状に組み上げられた吊り下げ
台車30は、その上部左右両端に、モータ34で駆動さ
れる走行車輪32を備えている。左右の走行車輪32、
32が、左右一対で平行に敷設された断面H形の走行路
42、42の下辺上面に載った状態で、吊り下げ台車3
0が走行路42に支持されている。吊り下げ台車30
は、長尺の被塗装物20の外側を囲む偏平な矩形枠状を
なし、その底辺から上方側に向けて、多数の支持板36
が立てられている。支持板36の上端は細くなってお
り、多数の支持板36の先端で、被塗装物20を分担支
持する。このように、支持板36の先端のみが被塗装物
20に接触して支持していれば、被塗装物20の裏面全
体にも良好な電着塗装処理を行うことができ、塗装され
ない部分が少なくなる。搬送コンベア12は、複数列の
チェーンコンベア12、12が間隔をあけて並設された
構造を備えており、各チェーンコンベア12、12の間
に吊り下げ台車30の各支持板36が配置されるように
なっている。
【0035】図1において、着荷部走行路42は、図中
実線で示す低位置L−Lと二点鎖線で示す高位置H−H
の間を昇降する。具体的には、図示しないが、リフト装
置などが組み込まれていて、平行に配置された手前側と
奥側の一対の着荷部走行路42を、水平状態のまま同時
に昇降させる。着荷部走行路42が、低位置Lにあると
きには、吊り下げ台車30の底辺が、搬送コンベア12
の上面よりも少し低い位置になり、前記した吊り下げ台
車30の支持板36は、被塗装物20の底面から離れて
いる。着荷部走行路42が、高位置Hに上昇すると、吊
り下げ台車30の底辺が、搬送コンベア12の上面より
も高い位置になり、前記支持板36で被塗装物20を持
ち上げることができる。
【0036】つぎに、図1の中央には、被塗装物20に
電着処理を行う電着処理部Bが設けられている。電着処
理部Bの下方には、電着処理液を貯えた電着処理槽60
が設置されている。電着処理槽60の上方で、前記着荷
部走行路42に隣接する個所に、2段走行路44を備え
ている。2段走行路44は、着荷部走行路42と同様の
H型鋼からなる下段走行路45と上段走行路46が、上
下に間隔をあけて配置された状態で一体連結されてい
る。上下の走行路45、46は何れも、吊り下げ台車3
0が走行可能である。上段走行路46と下段走行路45
の間隔は、上段走行路46を吊り下げ台車30が走行す
るときに、吊り下げ台車30が下段走行路45の構成部
材に引っ掛かったりしない程度の間隔に設定されてい
る。
【0037】2段走行路44には、図示しないが、リフ
ト装置などが組み込まれており、上下に昇降作動する。
2段走行路44が、下方に下降したときに、下段走行路
45に支持された吊り下げ手段30の下部が、電着処理
槽60の中に配置されるとともに、上段走行路46は、
低位置Lに配置された着荷部走行路42に連絡される位
置に配置される。この状態では、上段走行路46と着荷
部走行路42の間を、吊り下げ台車30が自由に行き来
できる。2段走行路44が、上方に上昇したときには、
下段走行路45が、高位置Hに配置された着荷部走行路
42に連絡される位置に配置される。このとき、上段走
行路46は、さらに高い位置に配置されている。
【0038】つぎに、図1の右端には、電着処理が施さ
れた被塗装物20に、水洗処理や焼付処理などを行う後
処理部70が設けられている。この後処理部70にも、
前記同様のフロアチェーンコンベアからなる搬送コンベ
ア72が設置されている。この搬送コンベア72の末端
は、脱荷部Cに配置されている。脱荷部Cには、着荷部
走行路42と同様の構造を備えた脱荷部走行路48が設
けられており、脱荷部走行路48も、高位置Hと低位置
Lの間を昇降する。脱荷部走行路48は、前記2段走行
路44に隣接する位置に配置されている。
【0039】上記のような構造を備えた搬送装置の作動
を、図1〜図4の順に、段階的に表している。まず、図
1に示すように、着荷部Aでは、前処理部10の搬送コ
ンベア12に被塗装物20が送り出されてくる。着荷部
走行路42は低位置Lにあり、被塗装物20を受け取る
吊り下げ台車30が走行してくる。吊り下げ台車30の
底辺が、搬送コンベア12の下に入り、被塗装物20の
下方に配置される。
【0040】このとき、電着処理部Bでは、2段走行路
44が下降しているとともに、下段走行路45には、前
記吊り下げ台車30と同じ構造の別の吊り下げ台車50
が配置されている。この吊り下げ台車50には、前回の
工程サイクルで運び込まれた被塗装物20が搭載され、
吊り下げ台車50の下部および被塗装物20が、電着処
理槽60の電着処理液に浸かっている。
【0041】脱荷部Cでは、脱荷部走行路48が低位置
Lに配置されているが、この段階では、脱荷部走行路4
8が低位置Lおよび高位置Hの何れにあってもよい。図
2に示すように、着荷部Aで、着荷部走行路42が上昇
し、搬送コンベア12から吊り下げ台車30に被塗装物
20が持ち上げられて、移し換えられる。電着処理部B
では、2段走行路44が上昇して、吊り下げ台車50お
よび被塗装物20が、電着処理槽60から引き上げられ
る。吊り下げ台車50を支持した下段走行路45は、高
位置Hの着荷部走行路42に連絡する位置に配置され
る。脱荷部Cの脱荷部走行路48も、着荷部走行路42
および下段走行路45と連絡する位置すなわち高位置H
に上昇配置される。
【0042】図3に示すように、被塗装物20を搭載し
た吊り下げ台車30が、着荷部走行路42から下段走行
路45へと走行移動してくる。下段走行路45まで走行
した吊り下げ台車30は停止する。電着処理済みの被塗
装物20を搭載した吊り下げ台車50は、下段走行路4
5から脱荷部走行路48へと走行移動し、後処理部70
の搬送コンベア72の上方で停止する。
【0043】図4に示すように、2段走行路44が下降
して、被塗装物20を搭載した吊り下げ台車30が下降
し、電着処理槽60の電着処理液に、吊り下げ台車30
の下部および被塗装物20が浸かる。被塗装物20は、
このままの状態で、所定の電着処理時間、保持される。
脱荷部Cでは、脱荷部走行路48が低位置Lに下降し、
吊り下げ台車50に搭載された被塗装物20が、後処理
部70の搬送コンベア72上に移し換えられる。電着処
理済みの被塗装物20を降ろした吊り下げ台車50は、
次に電着処理を行う被塗装物20を受け取るために、脱
荷部走行路48から、2段走行路44の上段走行路46
および着荷部走行路42を経て、着荷部Aまで戻る。そ
のため、着荷部走行路42は、低位置Lまで下降させて
おく。この吊り下げ台車50の動きは、図1において、
二点鎖線で示した吊り下げ台車30の動きと同じであ
る。
【0044】なお、電着処理槽60内における被塗装物
20の処理時間に比べて、脱荷部Cの吊り下げ台車50
が脱荷部Cで被塗装物20を降ろして着荷部Aまで戻る
時間のほうが短ければ、吊り下げ台車50に新たな被塗
装物20を搭載した後、吊り下げ台車30の被塗装物2
0に対する電着処理が終了するまで、しばらく待機して
おくことになる。
【0045】以上に説明した各段階を繰り返すことによ
って、前処理部10の搬送コンベア12に送り込まれて
きた被塗装物20が、着荷部Aで保持手段30に移し換
えられ、保持手段30の走行および2段走行路44の昇
降動作などにより、電着処理部Bの電着処理槽60で電
着処理を施され、最終的には、脱荷部Cから、後処理部
70の搬送コンベア12へと送りだされていくことにな
る。具体的には、図1で吊り下げ台車30に搭載された
被塗装物20は、図1〜図4の段階を2回繰り返すこと
によって、脱荷部Cから搬送コンベア72に送り出され
る。
【0046】吊り下げ台車30と50は、着荷部Aの着
荷部走行路42、電着処理部Bの下段走行路45を経
て、脱荷部Cの脱荷部走行路48へと進み、脱荷部走行
路48から、上段走行路46を経て、着荷部走行路42
へと戻るという一連の走行サイクルを、順次繰り返すこ
とになる。上記実施例では、片方の保持手段30(5
0)に搭載された被塗装物20が電着処理槽60で電着
処理を行われている間に、他方の保持手段50(30)
は、脱荷部Cで被塗装物20を降ろして着荷部Aまで戻
ることができるので、保持手段30、50を着荷部Aへ
戻すために、無駄な待ち時間を費やすことがない。この
実施例の搬送装置と、従来の1台の台車が往復作動する
搬送装置で、台車1台当たりの所要処理時間(タクト時
間)を比較すれば、この実施例では、従来の装置に比べ
て、約1/2のタクト時間に短縮されることになる。
【0047】被塗装物20は、着荷部Aで保持手段3
0、50に搭載された後は、脱荷部Cで降ろされるま
で、別の搬送手段に移し換えることなく、全ての取り扱
いが行われるので、嵩が高く重量のある被塗装物20で
あっても、安定した状態で確実に搬送することができ
る。着荷部Aおよび脱荷部Cで、保持手段30、50と
搬送コンベア12、72との間で被塗装物20を移し換
える際には、保持手段30、50を支持した走行路4
2、48を昇降させることにより、スムーズに移動が行
われるので、嵩が高く重量のある被塗装物20であって
も、安全かつ確実に移し換え作業が行える。
【0048】
【発明の効果】以上に述べた、この発明にかかる電着塗
装用搬送装置は、電着処理槽の上方に、昇降自在な上下
2段の走行路を設けておくという比較的簡単な構造を備
えておくだけで、被塗装物の着荷から電着処理を経て脱
荷までの保持手段の作動、および、保持手段の脱荷後の
復帰作動を、狭いスペースで効率良く行わせることがで
きる。
【0049】その結果、従来、設備が非常に大型になっ
たり、作業能率が低かったりするという問題があった、
長尺物や大重量物に対する電着塗装に対しても、設備を
小型化して、設備コストの低減を図るとともに、生産性
の向上にも大きく貢献できることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例となる電着塗装用搬送装置
の稼働中の1段階を表す模式的構造図
【図2】 図1の次の稼働段階を表す模式的構造図
【図3】 図2の次の稼働段階を表す模式的構造図
【図4】 図3の次の稼働段階を表す模式的構造図
【図5】 被塗装物の保持手段である吊り下げ台車を表
す正面構造図
【符号の説明】
A 着荷部 B 電着処理部 C 脱荷部 10 前処理部 12 搬送コンベア 20 被塗装物 30、50 吊り下げ台車 32、52 走行車輪 42 着荷部走行路 44 2段走行路 45 下段走行路 46 上段走行路 48 脱荷部走行路 60 電着処理槽 70 後処理部 72 搬送コンベア

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被塗装物の着荷部から電着処理槽の上方
    を経て脱荷部まで設けられた走行路と、被塗装物を搭載
    して前記走行路を走行する保持手段とを備えた電着塗装
    用搬送装置において、電着処理槽上方の走行路が、その
    前後の走行路と分割形成されていて、昇降自在な上下2
    段の走行路が選択的に前後の走行路と連絡可能に設けら
    れており、下段走行路を下降させたときに、下段走行路
    中の保持手段に搭載された被塗装物が電着処理槽に送り
    込まれ、上段走行路が前後の走行路と連絡されるように
    なっていることを特徴とする電着塗装用搬送装置。
JP1882593A 1993-02-05 1993-02-05 電着塗装用搬送装置 Pending JPH06228793A (ja)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113215640A (zh) * 2021-05-08 2021-08-06 湖北蓝华铝业有限公司 一种可抵抗砂浆酸雨侵蚀的铝型材电泳涂漆装置

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