JPH06225938A - アレルゲンを固定化した材料およびそれを用いた体外循環システム - Google Patents

アレルゲンを固定化した材料およびそれを用いた体外循環システム

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JPH06225938A
JPH06225938A JP50A JP1630393A JPH06225938A JP H06225938 A JPH06225938 A JP H06225938A JP 50 A JP50 A JP 50A JP 1630393 A JP1630393 A JP 1630393A JP H06225938 A JPH06225938 A JP H06225938A
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JP
Japan
Prior art keywords
allergen
immobilized
column
ige
extracorporeal circulation
Prior art date
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Pending
Application number
JP50A
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English (en)
Inventor
Takashi Miwa
敬史 三和
Mayumi Fukuyama
真弓 福山
Hiroichi Okudaira
博一 奥平
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】(1)アレルゲンを固定化したことを特徴とする
アレルゲンを固定化した材料。 (2)アレルゲンを固定化した材料を内蔵したカラム。 (3)アレルゲンを固定化した材料を内蔵したカラムを用
いることを特徴とするアレルゲン特異的なイムノグロブ
リン除去用体外循環システム。 【効果】本発明により、アレルギー治療において、体外
循環モジュールを用いたイムノグロブリン除去を行う際
に、抗イムノグロブリン抗体や疎水性アミノ酸を固定化
したカラムと異なり、アレルゲンに親和性を有するイム
ノグロブリンのみを特異的に除去できることを可能にし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダニ抽出物や杉花粉な
どのアレルギーを誘発する抗原物質であるアレルゲンが
固定化された材料、それを内蔵したカラムおよびそのカ
ラムを用いた体外循環システムに関する。
【0002】
【従来の技術】アレルギーはI型からIV型までに分類
される。その中で、即時型のアレルギーであるI型アレ
ルギーは、通常であれば無害な、花粉やダニ抽出物のよ
うな物質に対して産生されるイムノグロブリンE(以
下、IgEと言う)抗体で感作された肥満細胞から、ア
レルゲン刺激により遊離したヒスタミンなどの化学伝達
物質が喘息や鼻炎などを誘発することにより発症する。
この発症原因であるIgEを血液中より除去することに
よりアレルギーを治療しようとする試みとして、抗ヒト
IgE抗体をカラムに固定すること(特開平1−232
974号,特公平3−13905号)や、疎水性アミノ
酸を固定化すること(特開昭62−155860号)に
よりIgEを吸着除去する報告がされている。しかし、
いずれの方法においてもアレルゲンに対するIgE以外
の、寄生虫感染等に対して有効に作用していると考えら
れるIgEをも除去している。また、抗IgE抗体固定
に際しては抗体の力価を保持したまま固定や滅菌、保存
を行う必要があり操作性が悪い。また、疎水性アミノ酸
を固定したカラムではIgEに対する特異性が低くIg
Eよりも高濃度で存在するIgGやその免疫複合体にも
親和性を有するためIgEの吸着効率は低いと考えられ
る。
【0003】また、アレルギー体質の治療法として現在
は減感作療法が行われている。減感作療法はアレルゲン
を直接患者内に注射する場合と経口的に接種する方法が
ある。
【0004】しかしながら、注射の場合は直接血液内に
アレルゲンをいれるため、アレルゲンと免疫系細胞が直
接接触し、減感作の効果は高いが、逆に副作用であるア
ナフィラキシーショックを誘発する可能性も高い。経口
減感作療法はこの副作用を軽減させる目的で行われてい
るが、アレルゲンの吸収率は静脈注射に比較すれば低く
治療には長期間を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の欠点を解消しようとするものであり、IgE除去及
び高効率な減感作療法が行えるアレルゲンを固定化した
材料を提供することを目的とする。すなわち、アレルゲ
ン特異的なIgEのみを吸着除去し他の有効なIgEを
除去せず、さらには、抗原が複数の抗体に認識される部
位を有するため、抗原1分子に対して複数個のIgEを
吸着できる高効率・高特異性のIgE除去カラムを提供
するものである。また、血液細胞と抗原を体外循環カラ
ム内で接触させることにより減感作療法の効果を有し、
さらには、血液細胞の接触時間を、また、固定化量を変
えることにより接触量を制御することが可能であり、ア
ナフィラキシーショック等の副作用をも制御可能な体外
循環システムを提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために下記の構成を有する。
【0007】「(1) アレルゲンを固定化したことを特徴
とするアレルゲンを固定化した材料。 (2) アレルゲンを固定化した材料を内蔵したカラム。
【0008】(3) アレルゲンを固定化した材料を内蔵し
たカラムを用いることを特徴とするアレルゲン特異的な
イムノグロブリン除去用体外循環システム。」本発明に
用いるアレルゲンはダニやスギ花粉等より直接抽出した
抗原、あるいは遺伝子技術により細菌や細胞により産生
した組換え型の抗原のいづれもが使用できる。また、固
定化するものは、アレルゲン全体でもよいしそのアレル
ゲンの抗原性を有する一部であってもよい。
【0009】アレルゲンは共有結合、イオン結合、配位
結合、疎水結合または包括法を用いて結合または吸着さ
せることにより担体に固定化することが出来る。蛋白等
の生理活性物質の固定化は、当業者にとって周知であ
り、周知のいずれの方法をもアレルゲンの固定化方法と
して用いることが出来る。これらのうち、蛋白が遊離す
る可能性のない共有結合法を用いることが最も好まし
い。共有結合にて蛋白を固定する場合には、蛋白のアミ
ノ基、カルボキシル基又はスルフィド基を利用するのが
一般的である。1種類の官能基を用いて固定化してもよ
いが、固定化反応により抗原部位が失活する可能性もあ
るため2種類以上の官能基を用いて固定化することがよ
り好ましい。これは、アミノ基やカルボキシル基等の官
能基が共存する担体やアミノ基及びカルボキシル基と反
応する架橋剤を混合して用いて反応させることにより行
うことが出来る。
【0010】アレルゲンを固定化する担体は、特に限定
されるものではなく、例えば、ポリメチルメタアクリレ
ート、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリアリルアミ
ン、ポリビニルアルコール等の合成高分子やセルロー
ス、キトサンあるいはその誘導体のような天然高分子、
セラミックスや金属等の無機材料などで構成されるビー
ズ、繊維、中空糸、織物、プレート、チューブ等を用い
ることが出来る。このうち、固定化材料として、官能基
の導入が容易で成形性の高い高分子材料を用いることが
より好ましく、形態としては操作性や表面積の大きさか
ら中空糸や繊維、ビーズ等がより好ましい。
【0011】本発明のアレルゲンを固定化した材料は、
カラムとして用いることが好ましく、特に体外循環カラ
ムとして好ましく用いられる。
【0012】かかる体外循環カラムを用いて体外循環を
行う際には全血潅流によりカラムと血液を接触させる方
法、血漿分離後の血漿と接触させる方法または血漿分離
後の血球と接触させる方法のいずれもが使用できる。こ
のうち、操作のし易さでは全血潅流法が最も好ましい
が、イムノグロブリン吸着では血球成分の妨害の少ない
血漿のみとの接触がより好ましく、また、減感作を目的
とした血球成分の刺激には全血あるいは血球成分のみと
の接触がより好ましく、治療目的に合わせて使用法を変
更することが好ましい。
【0013】本発明のアレルゲンを固定化した材料はア
レルギー患者血液中よりイムノグロブリン特にイムノグ
ロブリンEを除去することあるいは患者血液中の免疫細
胞をアレルゲンと接触させることによりそのアレルゲン
に対する減感作療法を行うことができ、これにより喘
息、花粉症、アトピー性疾患等のアレルギー患者の治療
に有効に用いることが出来る。さらに、アレルゲンが複
数の抗体に認識される部位を有するため、アレルゲン1
分子に対して複数個のIgEを吸着できる高効率・高特
異性のIgE除去カラムを提供することができる。ま
た、血液細胞の接触時間を、また、固定化量を変えるこ
とにより接触量を制御することが可能であり、アナフィ
ラキシーショック等の副作用をも制御可能な体外循環シ
ステムを提供することができる。
【0014】以下本発明を実施例に基づきさらに具体的
に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定され
るものではない。
【0015】
【実施例】
実施例1 ダニより抽出したアレルゲン(Derfl )をビーズ上に固
定化した。固定化はDerf1 を5mg/mlの濃度になるよう
に塩酸でpH4.0に調整した溶液5mlで溶解した水溶
液中にアミノ基及びカルボキシル基を有するセルロース
ビーズを1ml加え、4℃で12時間反応させた。反応に
は触媒としてカルボジイミドを添加した。反応後、ビー
ズを25mMグリシンを含むトリス緩衝液500mlで洗浄
し未反応アレルゲンを除去した。固定化ビーズのアミノ
酸分析の結果よりビーズ1mlあたりの固定化量は16mg
であった。また、血漿中IgEの定量はダニ抗原を固定
化したマイクロプレート及び抗ヒトIgE抗体を用いた
サンドイッチ式酵素免疫学的方法(ELISA)で測定
し、IgE濃度はELISAの発色の450nmを用いて
測定した。ここで、前述のようにして作成したダニ抗原
固定化ビーズ及びグリシン固定化ビーズを各々0.5ml
ずつをダニアレルギーの患者血漿10ml中に添加した。
図1に吸着除去試験結果を示す。IgE濃度は反応時間
0分時の吸光度を1としたときの反応時間ごとの吸光度
として示した。また、図1中、○はダニ抗原固定化カラ
ム、●はグリシン固定化カラムを示す。
【0016】図1に示すように、ダニ抗原固定化ビーズ
においてのみ血漿中のIgEの低下が観察され、ダニ抗
原固定化ビーズにより人血漿中のIgE濃度を低下させ
ることが可能であることが示された。
【0017】実施例2 実施例1で作製したダニ抗原固定化ビーズ及びグリシン
固定化ビーズ各々を、容量1mlの潅流用カラムに充填し
た。この抗原カラムに、ダニアレルギー患者血漿10ml
をペリスタポンプを用いて循環接触させた。図2に、抗
ダニIgEの吸着除去試験結果を示す。IgE濃度は反
応時間0分時の吸光度を1としたときの反応時間ごとの
吸光度として示した。また、図2中、○はダニ抗原固定
化カラム、●はグリシン固定化カラムを示す。
【0018】図2に示すように、ダニ抗原固定化ビーズ
においてのみ血漿中のIgEの低下が観察され、ダニ抗
原固定化ビーズにより人血漿中のIgE濃度を潅流法に
おいても低下でき、体外循環カラムとして利用できるこ
とが示された。IgEの定量は実施例1と同様の方法で
行った。
【0019】
【発明の効果】本発明により、アレルギー治療におい
て、体外循環モジュールを用いたイムノグロブリン除去
を行う際に、抗イムノグロブリン抗体や疎水性アミノ酸
を固定化したカラムと異なり、アレルゲンに親和性を有
するイムノグロブリンのみを特異的に除去できることを
可能にした。
【0020】さらに、アレルゲンが複数の抗体に認識さ
れる部位を有するため、アレルゲン1分子に対して複数
個のIgEを吸着できる高効率・高特異性のIgE除去
カラムを提供することができる。また、血液細胞の接触
時間を、また、固定化量を変えることにより接触量を制
御することが可能であり、アナフィラキシーショック等
の副作用をも制御可能な体外循環システムを提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】バッチ法によるダニアレルギー患者血漿中から
の抗ダニIgEの吸着除去試験結果を示す。
【図2】潅流法によるダニアレルギー患者血漿中からの
抗ダニIgEの吸着除去試験を示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アレルゲンを固定化したことを特徴とする
    アレルゲンを固定化した材料。
  2. 【請求項2】アレルゲンを固定化した材料を内蔵したカ
    ラム。
  3. 【請求項3】アレルゲンを固定化した材料を内蔵したカ
    ラムを用いることを特徴とするアレルゲン特異的なイム
    ノグロブリン除去用体外循環システム。
JP50A 1993-02-03 1993-02-03 アレルゲンを固定化した材料およびそれを用いた体外循環システム Pending JPH06225938A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004500154A (ja) * 1999-06-03 2004-01-08 アドバンスト エクストラバスキュラー システムズ 循環血液からの好ましくない分子の一段階除去
US8865172B2 (en) 2000-05-08 2014-10-21 Advanced Extravascular Systems, Inc. Method for reducing the number of unwanted molecules in bodily fluids

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004500154A (ja) * 1999-06-03 2004-01-08 アドバンスト エクストラバスキュラー システムズ 循環血液からの好ましくない分子の一段階除去
JP4662665B2 (ja) * 1999-06-03 2011-03-30 アドバンスト エクストラバスキュラー システムズ 循環血液からの好ましくない分子の一段階除去
US8865172B2 (en) 2000-05-08 2014-10-21 Advanced Extravascular Systems, Inc. Method for reducing the number of unwanted molecules in bodily fluids

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