JPH06222158A - 赤外線式人体検知器 - Google Patents

赤外線式人体検知器

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Publication number
JPH06222158A
JPH06222158A JP5011196A JP1119693A JPH06222158A JP H06222158 A JPH06222158 A JP H06222158A JP 5011196 A JP5011196 A JP 5011196A JP 1119693 A JP1119693 A JP 1119693A JP H06222158 A JPH06222158 A JP H06222158A
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JP
Japan
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human body
infrared
detection
detector
circuit
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Withdrawn
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JP5011196A
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English (en)
Inventor
Makoto Taniguchi
良 谷口
Yutaka Kojima
豊 小島
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】検知領域内の人体の通過を確実に検出し、小動
物や風によって空気がゆらぐ等の誤動作要因に対して誤
動作のない、構造が簡単で安価に製造出来る赤外線式人
体検知器を提供する。 【構成】赤外線検出素子を構成する4個の感知要素を、
各々の極性が相異なるように隣接させて十文字状に配置
し、集光部の集光器と感知要素との位置関係で決まる4
つの検知領域E1〜E4を、最下部の1つの検知領域E
1が地面Gよりも下側に、残りの3つの検知領域のうち
2つの検知領域E2,E3の底辺部分が地面Gより上側
で地面Gに近くなるように、かつ最後の1つの検知領域
E4が地面Gより上側になるように配置する。集光部
は、帯域フィルタからなるバンドパスアンプ、ウインド
コンパレ−タ回路、タイマ−回路、パルスカウント回路
とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人体から発する赤外線
の変化によって人体の通過を検知する検知器に係り、特
に人体の通過と人体以外の小動物の通過、風などによる
空気のゆらぎを識別して、誤動作の発生を防止出来るよ
うにした赤外線式人体検知器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の赤外線式人体検知器は、図12に
示すように、検知器本体100を壁画Wに設置し、検知
領域101を地面Gとほぼ平行に展開しているが、この
ように検知領域を展開すると、背の高い人間Mが検知器
本体100の前を通過すれば検知領域100内に入り検
知信号を出力するが、背の低い小動物Nが検知器本体1
00の前を通過しても、検知領域101内に入ることが
ないので、検知信号を出力することがない。したがっ
て、このような検知領域101を構成することによっ
て、人間Mと小動物Nの識別を行っていた。
【0003】しかし、このような方法で検知領域を構成
すると、長い距離を線上に警戒しようとした場合、検知
器本体100から遠い距離においては検知領域は101
地面G付近を含むようになるので、小動物Nは検知しな
いように配慮したにもかかわらず、検知信号を出力して
しまう結果となった。そこで、この点を改善するため
に、検知器本体100の設置角度の調整を行っている
が、検知領域101の目視による確認は不可能であり、
また角度調整を確実に行うためには、多くの経験を必要
とするために、現実には赤外線式の人体検知器を使用す
る場合には、小動物Nによる誤動作はある程度やむを得
ないとされていた。
【0004】ところで、このような人体検知器は、検知
領域内の温度変化を検出して、人間の通過を検出するも
のであるため、風等によって空気がゆらぎ、検知領域内
の物体に温度変化が生じると、検知領域内を人間が通過
しないにもかかわらず、検知信号を出力してしまう等の
欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの点に鑑み
てなされたものであり、赤外線検出素子、集光部の集光
器や信号処理回路等の全体の構成は従来と何ら変ること
がなく、検知領域内の人体の通過を確実に検出し、且つ
小動物や風によって空気がゆらぐ等の誤動作要因に対し
ては、検知信号を出力することのない信頼性の高い赤外
線式人体検知器を低コストで提供することを目的として
いる。
【0006】
【課題を解決するための手段】人体を赤外線の変化量で
検出する素子としては、一般に焦電素子と呼ばれている
ものが多くを占めているが、このような焦電素子を用い
た方式では、近赤外線を投光して反射光の変化量を検出
する方式に比べて、発光器を必要とせず、集光器の光学
系の条件を変えることによって、容易に異なった検知領
域の設定が可能なため、防犯用侵入検知器以外にも照明
用自動スイッチ用としても急速に普及しつつある。
【0007】しかし、この方式では検知原理上、検知領
域から発する熱線、すなわち遠赤外線の変化を検出する
ものであるため、赤外線式検出素子からの検知信号によ
って人間の通過と動物の通過との識別は不可能である。
従って、家庭内での使用に際して問題となる犬・猫等の
小動物と人間とを区別する方策としては、検知器本体を
高い位置に設置し、検知領域を地面とほぼ平行になるよ
うにして、地面を通過する小動物は検知しないように対
策が講じられてきた。
【0008】また、赤外線検出素子は感度を高める為、
及び周囲温度の変化によって不用意に出力が発生するの
を防止する目的で、感知要素の極性の異なるものを平行
に2個配置し、集光器を介してそれぞれの感知要素にて
形成される検知領域を横切ることによって、検知信号を
出力するような信号処理を行っている。ところが、焦電
素子は固有の性質として、急激な周囲温度の変化を受け
たときに、感知要素への熱線の入射がないにもかかわら
ず信号を発生する、ポップコンノイズ現象と呼ばれる誤
動作要因があり、自動車のヘッドライト等の過大な可視
光の入射によっても、前述した極性の異なる感知要素の
それぞれの感度レベルの差に起因する誤動作の発生とい
ったことが知られている。
【0009】従って、検知器の信頼性の向上を図る為
に、赤外線検出素子からの信号が閾値を越えたときに信
号を発生するウインドコンパレータ回路の後段に、信号
が閾値を所定の回数越えたときに出力を発生するパルス
カウント回路を設けるなどの対策が講じられてきた。本
発明では、前述の課題を解決するために、焦電素子を用
いた人体検知器本体を壁画などに設置し、集光部と4個
の感知要素との位置関係で決まる検知領域を特定の条件
に設定している。
【0010】すなわち、上記目的を達成するため提案さ
れる本発明は、人体から発する赤外線を赤外線検出素子
を構成する4個の感知要素より成る集光部によって集光
して、検知信号を出力する赤外線式人体検知器におい
て、上記4個の感知要素は、各々の極性が相異なるよう
に隣接させて十文字状に配置されており、上記人体検知
器本体を壁画などに設置したときには、集光部の集光器
と感知要素との位置関係で決まる4つの検知領域を、最
下部の1つの検知領域が地面よりも下側に、残りの3つ
の検知領域のうち2つの検知領域の底辺部分が地面より
上側で地面に近くなるように、かつ最後の1つの検知領
域が地面より上側になるように配置させている。
【0011】また、集光部は、赤外線検出素子の出力を
増幅する増幅器と帯域フィルタからなるバンドパスアン
プと、このバンドパスアンプによって増幅された赤外線
検出素子の出力電圧が、あらかじめ設定された閾値を越
えたときにパルス信号を発生するウインドコンパレ−タ
回路と、上記ウインドコンパレ−タ回路からのパルス信
号によって起動されるタイマ−回路と、上記タイマ−回
路の起動後、タイマー回路がタイムアップする所定の設
定時間内に出力されるパルス信号の数を計数し、その数
が所定数に達した時点で、人体検知信号を発生するパル
スカウント回路を備えた構成となっている(請求項
1)。
【0012】また、請求項2においては、上記バンドパ
スアンプの低域側のカットオフ周波数を、検知器本体か
ら最も遠い有効検知領域を人間が最も遅い速度で通過し
たときに得られる周波数に設定しており、更に請求項3
においては、上記タイマ−回路の設定時間を、検知器本
体から最も遠い有効検知領域を人間が最も遅い速度で通
過するに要する時間に設定してあり、かつ、このタイマ
ー回路が起動され、タイムアップするまでの設定時間内
に上記パルスカウント回路が、3以上のパルス信号を計
数したときに人体検知信号を出力する構成となってい
る。
【0013】このような本発明の赤外線式人体検知器の
基本原理は以下の通りである。 [有効検知領域]人体検知器を屋外で使用することを想
定した場合、例えばこの人体検知器によって庭園灯など
の照明を制御しようとした場合には、人体検知器の有効
検知領域は、庭の平均的な広さから考えると、検知器本
体から3m以上で10m程度が望ましい。 [被検知対象物の移動速度]一般に検知を必要とする人
間の通過速度は、泥棒などの不審者における忍び足か
ら、健脚者の早歩きまでを考慮した場合、0.3m/s
〜2.0m/sの範囲にある。
【0014】本発明では、これらを考慮して、4個の感
知要素を十文字状に配置させ、これらの感知要素の位置
関係を上記した条件下に設定している。また、人体検知
器の有効検知領域は、赤外線検出素子を構成する感知要
素の寸法と、集光器の焦点距離によって定められるの
で、この点も考慮している。
【0015】
【作用】本発明の人体検知器によれば、検知対象物が感
知要素と集光器によって構成された検知領域を横切る場
合、犬・猫等の小動物の場合は3個の検知領域のうち、
2個の同じ極性の地面に近い位置の検知領域しか通過し
ないが、人間の場合は3個の検知領域全てを通過するの
で、3以上のパルス信号を検知したときにはじめて、人
体通過としている。
【0016】また、バンドパスアンプのカットオフ周波
数を、検知器本体から最も遠い有効検知領域を人間が最
も遅い速度で通過したときに得られる検知信号の周波数
に設定しているので、風などのゆるぎによって起こる緩
やかな温度変化による誤動作も防止できる。更に、タイ
マ−回路による設定時間を、検知器本体から最も遠い有
効検知領域を人間が最も遅い速度で通過する時間に設定
している。
【0017】
【実施例】以下に添付図を参照して、本発明の赤外線式
人体検知器の一実施例を説明する。図1に本発明の赤外
線式人体検知器の設置状態と検知領域を示す。本発明の
人体検知器Aによれば、赤外線検出素子は4個の感知要
素1の極性が相異なるように隣接させて十文字状に配置
されており(図3参照)、感知要素1が集光器3によっ
て形成される4つの検知領域のうち、最下部となる1つ
検知領域E1が特定の検知距離においては地面Gよりも
下側に、残りの3つの検知領域のうち2つの検知領域E
2,E3の底辺部分が地面Gより上側で地面Gに近くな
るように、更に最後の1つの検知領域E4が地面Gより
上側にあるように検知ビームを展開させているので、検
知対象物が横切った場合には、検知領域E1〜E4に対
して、その極性に応じた波形が出力されるようになって
いる。
【0018】検知領域をこのような条件に設定した場合
には、図2に示したように、小動物Nが通過すると、2
つの同じ極性の検知領域E2,E3を横切り閾値を2回
越え、ウインドコンパレータ32からは2つのパルス信
号が出力され、これに対して人間が通過すると、3つの
検知領域E2〜E4を横切るので閾値を3回越え、ウイ
ンドコンパレータ32からは3つのパルス信号が出力さ
れることになる。
【0019】ついで、本発明の人体検知器の各部の構成
を説明する。図3に人体検知器の感知要素の配置パタ−
ンの一例を、図4に感知要素を含んだ赤外線検出素子の
内部回路構成を示す。図3に示されるように、極性の異
なる感知素子1は、十文字状に配置され、それらの熱的
なクロスト−クを考え、素子のエネルギ−変化の検知感
度を確保できる寸法に設定されている。試作検討結果に
従えば、感知素子1の中心間のピッチが3.5mm、感
知要素幅は1.1mmが最適である。
【0020】集光器に用いるフレネルレンズの焦点距離
をセットの容積上の制約から17mmに設定すれば、赤
外線検出素子に入射するエネルギ−の変化の周波数は最
小で約0.15Hzとなる。また、赤外線検出素子の入
射エネルギ−の変化のピ−クも、図4に示したFETを
用いた赤外線検出素子2の内部抵抗Rgの条件等により
0.15Hz程度がピ−クであることが知られている。
【0021】一方、前述したように、赤外線検出素子2
は風等によって空気がゆらぎ、検知領域内の物体の温度
変化を検出し、検知領域を人間が通過しないにもかかわ
らず、検知信号を出力することがあるが、この背景温度
の変化は、風等によって空気がゆらぐ事と同期的に変化
する。
【0022】良く知られている1/f理論によれば、低
い周波数はより大きなエネルギ−変化が観測されてい
る。従って、これらの原因による誤動作を無くすために
は赤外線検出素子の出力を増幅するバンドパスアンプの
周波数特性において、これらの周波数成分を除去すれば
良い。図5は、集光部の回路構成を示している。集光部
Bは、図に見るように、集光器31、赤外線検出素子
2、増幅器31aと帯域フィルタ31bで構成されたバ
ンドパスアンプ31、ウインドコンパレータ回路32、
タイマー回路33、パルスカウント回路34、出力回路
35を備えている。
【0023】バンドパスアンプ31によって増幅された
検知信号は、ウインドコンパレータ回路32に送られ、
所定の閾値を越えたときにパルス信号が出力される。そ
して、このとき出力されたパルス信号はタイマ−回路3
3を起動する。このタイマー回路33が起動され、予め
設定された設定時間T内にパルスカウント回路34が、
所定のパルス信号を計数すれば、出力回路35から人体
検知信号が出力され、タイマー回路33の設定時間Tが
経過すれば計数値はクリアされる。
【0024】本発明では、屋外において、人体検知器か
ら約10m以内で、かつ0.3m/sから2.0m/s
の速さで移動する人間を検出する設計にしているので、
タイマ−回路33の設定時間Tを約10秒、検知信号を
出力するためのコンパレ−タ回路の出力パルス数を3発
以上に設定している。図6(a)に理想的なバンドパス
アンプの周波数特性を、同図(b)に実際の電子回路に
よるバンドパスアンプの周波数特性を示す。
【0025】これらに示されるように、バンドパスアン
プのカットオフ周波数を、例えば、0.2Hzに設計し
た場合、理想的には0.2Hz以下の周波数成分は全く
増幅しないが、実際にはカットオフ周波数はゲインのピ
−クから3dB落ちの周波数を示すものであり、逆に言
えばピ−クの3dB落ちるがゲインは存在して信号は増
幅される。これらのことを考慮して、本発明では、低域
側のカットオフ周波数は約0.2Hzに設定している。
ところで、この0.2Hzは、検知器本体より最も離れ
た有効検知領域を10mとし、人が最も遅い速度0.3
m/sで移動したことを想定したものである。理論値は
0.15Hzとなるものを、およその値をとって0.2
Hzとしている。
【0026】ついで、集光部Bの各部の動作とともに本
発明の人体検知器の検知動作を更に詳細に説明する。以
下では、有効検知領域を人体検知器本体Aより3m〜1
0mとし、タイマ−回路33の設定時間を約10秒、パ
ルスカウント回路34の計数値を3に設定した例を説明
する。
【0027】図7(a)〜(e)は、人体検知器Aから
人間Mまでの距離が10mで、人間Mの移動速度が0.
3m/sとした場合の赤外線検出素子の出力波形とタイ
ムチャ−トを示している。この図によると、赤外線検出
素子の出力波形はタイマ−回路33がタイムアップする
10秒間に、3回閾値を越えているので、人体検知信号
となるパルスカウント出力が出力されて、任意に設定さ
れた時間だけ最終出力がONとなり、照明等の制御負荷
が点灯する。
【0028】図8(a)〜(e)は、人間が速く移動し
た場合、例えば2.0m/s程度で移動した場合の赤外
線検出素子の出力波形とタイムチャ−トを示している。
この場合も先程と同様で、タイマ−回路33がタイムア
ップする10秒間に、3回閾値を越えているので、人体
検知信号となるパルスカウント出力が出力されて、任意
に設定された時間だけ出力がONすることになる。検知
対象となる人間の表面温度や、人体検知器から人間まで
の距離等によっては、赤外線検出素子に入射するエネル
ギ−が大きくなり、タイマ−回路33がタイムアップす
るまでの10秒の内に4回以上閾値を越える可能性もあ
るが、この場合も3回目に閾値を越えた時点で、パルス
カウント出力が人体検知信号として出力されるので問題
はない(図2(a)参照)。
【0029】以上のような人体に対して小動物が検知領
域を通過した場合の赤外線検出素子の出力波形とタイム
チャ−トは、図9に示したようになる。前述したよう
に、本発明による人体検知器本体Aの前を、犬・猫等の
小動物が通過した場合は、小動物は同じ極性の2個の検
知ビ−ムによって規定された検知領域E2,E3を横切
るだけであるので閾値を2回しか越えることがなく、従
ってパルスカウントの発生はなく、人体検知信号も出力
することがないので、負荷はOFFの状態を保持する
(図2(b)参照)。
【0030】また、風により空気がゆらぎ、検知領域内
の物体に温度変化が起こった場合には、周波数は0.2
Hz以下となるので、本発明の人体検知器では検出され
ない。本発明の人体検知器では、風による空気のゆらぎ
に起因する温度変化を考慮して、バンドパスアンプ31
の低域側のカットオフ周波数を0.2Hz以下にしてい
るので、このような緩やかな変化は無視される。しかし
ながら、バンドパスアンプ31のカットオフ周波数を
0.2Hz以下に設定しても、実際には増幅率が0とな
ることはないので、急激な温度変動によって、感知要素
に入射するエネルギ−変化が大きい場合には、バンドパ
スアンプによって増幅された出力波が、閾値を越える可
能性がある。しかし、このような場合、本発明では、タ
イマ−回路33の設定時間を10秒に設定し、その設定
時間内に閾値を3回越えなければパルスカウント出力は
発生せず、人体検知信号が出力されることはない。前述
したように、風などによって空気がゆらぎ、検知領域内
の物体に温度変化があった場合の信号のピ−クは、一般
的に0.1Hz程度であり、たとえ閾値を越えるような
出力があったとしても、10秒間に3回以上閾値を越え
る可能性は、大変少ない。この意味で、10秒間という
タイマ−回路の設定は空気のゆらぎによる出力に対して
二重の誤動作防止対策となっている。図10(a)〜
(e)に、赤外線検出素子の出力波形とタイムチャ−ト
を示す。
【0031】ところで、本発明の人体検知器おいて赤外
線検出素子として用いられる焦電素子は、焦電性結晶に
温度変化を与えたときに、表面に自発分極による変化分
の電荷量が発生する現象(焦電効果)を利用しており、
そのため、自発分極の変化によって、外部抵抗を流れる
焦電電流が変化する。焦電素子はこの焦電電流を電圧に
変換して取り出しているが、焦電材料の結晶自発分極の
温度特性には、高温側から低温側に移る際に、突発的に
自発分極が変動する特異点が存在し、このために電荷の
急激な変化により焦電電流が大きくなり、これが電圧に
置き換えられてポップコンノイズになると考えられてい
る。
【0032】従来は、このポップコンノイズは図11
(a)に示したように、一方の極性側だけに1回発生す
ると考えられていたが、マクロ的に観測してみると、図
11(b)に示したように、ポップコンノイズには、1
番目の出力波のほか、2番目の出力波が観測されること
がわかった。また、同図(a)に示されるように、この
2番目の出力波は通常1番目の出力波よりも充分に小さ
く、仮に閾値を越えるような大きさの1番目のポップコ
ンノイズが出力されたとしても、2番目の波は閾値を越
えないので従来の防犯用の人体検知器においては、2発
のパルスカウントによってポップコンノイズによる誤動
作を防止していた。しかしながら、本発明者らの研究結
果では、実際には同図(b)に示されるように、2番目
の出力波が閾値を越えるようなポップコンノイズが観測
された。この場合、前述のような2発のパルスカウント
による識別では、このようなポップコンノイズを人間の
通過と認識してしまう結果となり、誤動作を招く。この
ことから、本発明においては、3発以上のパルスカウン
トによって、人間と認識することとしている。
【0033】
【発明の効果】本発明の人体検知器によれば、赤外検出
素子を構成する感知要素の配置を変更するのみで、従来
と同等の回路構成によって、コストを上げることなく人
間と小動物の識別が可能となる。また、風などによって
空気がゆらぐことによる検知領域内の物体の温度変化
や、ポップコンノイズ等による誤動作をなくし、人体検
知の信頼性を一層向上させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の赤外線式人体検知器の使用状態を説明
する図である。
【図2】本発明の赤外線式人体検知器における動作説明
図であり、(a)は人体通過時の動作、(b)は小動物
通過時の動作を示す図である。
【図3】本発明の赤外線式人体検知器における感知要素
の配置パターンを示す図である。
【図4】感知要素を含んだ赤外線検出素子の回路構成の
例図である。
【図5】本発明の赤外線式人体検知器の集光部の構成を
示したブロック図である。
【図6】バンドパスアンプの周波数特性図であり、
(a)理想特性図、(b)は設計上の特性図である。
【図7】(a)〜(e)は、本発明の赤外線式人体検知
器において、有効検知領域の最も離れ場所を人体がゆっ
くりと通過した場合の各部の動作を示したタイムチャ−
トである。
【図8】(a)〜(e)は、本発明の赤外線式人体検知
器において、有効検知領域の最も離れ場所を人体が速く
通過した場合の各部の動作を示したタイムチャ−トであ
る。
【図9】(a)〜(e)は、本発明の赤外線式人体検知
器において、小動物が通過した場合の各部の動作を示し
たタイムチャ−トである。
【図10】(a)〜(e)は、本発明の赤外線式人体検
知器において、空気の揺らぎによって温度変化が生じた
場合の各部の動作を示したタイムチャ−トである。
【図11】(a),(b)はポップコンノイズを説明す
る図である。
【図12】従来の赤外線式検知器の使用例を説明する図
である。
【符号の説明】
A・・・本発明の赤外線式人体検知器 B・・・その集光部 1・・・感知要素 2・・・赤外線検出素子 3・・・集光器 31・・・バンドパスアンプ 32・・・ウインドコンパレータ回路 33・・・タイマー回路 34・・・パルスカウント回路 E1〜E4・・・検知領域 T・・・タイマー回路の設定時間 M・・・人間 N・・・小動物

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】人体から発する赤外線を赤外線検出素子を
    構成する4個の感知要素より成る集光部によって集光し
    て、検知信号を出力する赤外線式人体検知器において、 上記4個の感知要素は、各々の極性が相異なるように隣
    接させて十文字状に配置されており、上記人体検知器本
    体を壁画などに設置したときには、集光部の集光器と感
    知要素との位置関係で決まる4つの検知領域を、最下部
    の1つの検知領域が地面よりも下側に、残りの3つの検
    知領域のうち2つの検知領域の底辺部分が地面より上側
    で地面に近くなるように、かつ最後の1つの検知領域が
    地面より上側になるように配置させており、 上記集光部は、上記赤外線検出素子の出力を増幅する増
    幅器と帯域フィルタからなるバンドパスアンプと、 このバンドパスアンプによって増幅された上記赤外線検
    出素子の出力電圧が、あらかじめ設定された閾値を越え
    たときにパルス信号を発生するウインドコンパレ−タ回
    路と、 上記ウインドコンパレ−タ回路からのパルス信号によっ
    て起動されるタイマ−回路と、 上記タイマ−回路の起動後、タイマー回路がタイムアッ
    プする所定の設定時間内に出力されるパルス信号の数を
    計数し、その数が所定数に達した時点で人体検知信号を
    発生するパルスカウント回路を備えた構成とされたこと
    を特徴とする赤外線式人体検知器。
  2. 【請求項2】 特許請求の範囲第1項に記載の人体検知
    器において、上記バンドパスアンプの低域側のカットオ
    フ周波数を、検知器本体から最も遠い有効検知領域を人
    間が最も遅い速度で通過したときに得られる周波数に設
    定していることを特徴とする赤外線式人体検知器。
  3. 【請求項3】 特許請求の範囲第1項及び第2項に記載
    の人体検知器において、 上記タイマ−回路の設定時間を、検知器本体から最も遠
    い有効検知領域を人間が最も遅い速度で通過するに要す
    る時間に設定してあり、かつ、上記タイマー回路が起動
    され、タイムアップするまでの設定時間内に上記パルス
    カウント回路が、3以上のパルス信号を計数したときに
    人体検知信号を出力する構成とした赤外線式人体検知
    器。
JP5011196A 1993-01-26 1993-01-26 赤外線式人体検知器 Withdrawn JPH06222158A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009014497A (ja) * 2007-07-04 2009-01-22 Ikari Shodoku Kk 小動物検出装置および方法
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