JPH06207361A - 水流交絡不織布の製造方法及びその装置 - Google Patents

水流交絡不織布の製造方法及びその装置

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JPH06207361A
JPH06207361A JP169093A JP169093A JPH06207361A JP H06207361 A JPH06207361 A JP H06207361A JP 169093 A JP169093 A JP 169093A JP 169093 A JP169093 A JP 169093A JP H06207361 A JPH06207361 A JP H06207361A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】繊維ウエッブ上及び内部に滞留水を生じさせず
交絡または割繊処理できる水流交絡不織布の製造方法及
びその装置を提供する。 【構成】繊維ウエッブ上の滞留水及び繊維ウエッブ内の
水分を、高圧柱状水噴射ノズル直下の地点に位置する排
水口、その地点の後方位置に或はその地点より前方位置
と後方位置に少なくとも1箇所以上の排水口を設置した
サクションボックスを用いて吸引させて製造する水流交
絡不織布の製造方法及びその装置。 【効果】「イラツキ」等の地合の乱れのない品位の優れ
た水流交絡不織布が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維ウエッブに高圧柱
状水を噴射させることにより、繊維ウエッブの構成繊維
を交絡または割繊させる繊維ウエッブの水流交絡不織布
の製造方法及びその装置に関し、詳しくは上記処理中に
おいて、ノズル直下に滞留水が生じない状態で効率良く
交絡または割繊処理できる水流交絡不織布の製造方法及
びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、多孔質支持体で搬送されつつある
繊維ウエッブに対して、高圧柱状水噴射ノズルから高圧
柱状水を噴射させることにより、繊維ウエッブの構成繊
維を交絡または割繊させて品質の良い不織布等を製造す
る水流交絡不織布の製造方法及びその装置としては、例
えば、特公昭61−42031号公報に開示された処理
方法及びその装置が知られている。
【0003】この技術は、繊維ウエッブとして、相異な
る2種類の繊維ウエッブを積層し、これに高圧柱状噴射
ノズルから高圧柱状水をジェット流にして噴射すること
により、上記2種類の繊維ウエッブを三次元的に交絡さ
せるものであるが、高圧柱状水が高圧柱状水噴射ノズル
直下の繊維ウエッブとの衝突点近傍において、排出され
ない高圧柱状水が厚さ1〜5mm程度の滞留水となる溜
り現象を生じ、これが多孔質支持体上で支持された繊維
ウエッブに対する作用効果を弱め、さらに繊維ウエッブ
に及ぼす噴射力の作用効果が不均一となる問題がある。
【0004】そこで、上記公報では、この滞留水を排出
する手段として、多孔質支持体の目の粗さを80メッシ
ュとし、滞留水を高圧柱状噴射ノズル直下の地点だけ排
水口を設けたサクションボックスから680〜1090
mmAq程度の負圧で吸引することを提案している。
【0005】しかしながら、この技術は、滞留水を多孔
質支持体の下方から吸引しつつ、噴射処理を施しても、
高圧柱状水の全てが繊維ウエッブを貫通するわけではな
く、繊維ウエッブに衝突した後、その上方に飛散した一
部の高圧柱状水が再び繊維ウエッブ上に付着して滞留す
る為、高圧柱状噴射ノズルから噴射された高圧柱状水の
噴射エネルギ−が滞留水によって遮られることになる。
その結果、繊維ウエッブが、例えば、超極細繊維束から
なる分割繊維ウエッブである場合、高圧柱状水エネルギ
−の作用効果が不均一になり、繊維ウエッブ間で交絡ム
ラ及び割繊度ムラが生じ、「イラツキ」と称する横縞状
の模様が現れる品質欠点が現れる。
【0006】また、0.1デニ−ルの超極細繊維ウエッ
ブ等を積層し、水流交絡処理する場合、繊維ウエッブ上
に滞留した滞留水あるいは繊維ウエッブ内に存在する滞
留水のため、繊維ウエッブに対する高圧柱状水のエネル
ギ−の作用効果が不均一になるばかりか、繊維ウエッブ
内の滞留水に高圧柱状水が衝突することによって、高圧
柱状水の直進性が失われて、そして、繊維ウエッブ内の
構成繊維を移動させてしまうため、ウエッブ表面は、あ
たかも掘り起こされた状態になって、凹凸の激しい極め
て平滑性に劣る交絡不織布しか得られないという問題が
ある。
【0007】さらに、繊維ウエッブが二層に積層された
目付けの重いものであるため、その吸引力が繊維ウエッ
ブ上の滞留水まで充分に及ばず、これを真空発生装置の
能力を大容量とすることによって敢えて吸引しようとす
ると、装置が高価につくばかりかその消費動力(ランニ
ングコスト)が無視できないほど高くつく等の問題があ
った。
【0008】そこで、このような問題を改善する試みと
して、特公昭62−56254号公報では、高圧柱状水
噴射ノズルの噴射孔の両端に、高圧柱状水噴射ノズル幅
方向に相対向した障壁を設けることにより、上記高圧柱
状水の滞留現象を規制することが提案されているが、こ
の技術にしても上記相対向した障壁内で飛散し、障壁内
に滞留した滞留水の処置についてはどうにもできず、依
然として障壁内に滞留するばかりで完全な問題の解決に
は至らないものであった。
【0009】また、特開平4−34057号公報では、
高圧水噴射ノズルから噴射された高圧柱状水が繊維ウエ
ッブに衝突する衝突点近傍に対して、高圧空気を噴射さ
せる高圧噴射ノズルを設けることにより、上記高圧柱状
水の滞留現象を規制することが提案されているが、この
技術にしても、繊維ウエッブ表面上に滞留した滞留水は
除去できるものの、繊維ウエッブ内の滞留水については
どうすることもできず、完全な問題の解決には至らない
ものであった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解消し、繊維ウエッブ上の滞留水を水流交絡処
理の障害にならない程度に少なくした状態で高圧柱状水
を噴射させることにより、高圧噴射ノズルからの高圧柱
状水のエネルギ−を最大限に活用して、噴射力の繊維ウ
エッブに及ぼす作用効果を均一にし、地合良好な優れた
品位の交絡不織布を得られると共に、構造が簡単で、か
つ、そのランニングコストが安価な水流交絡不織布の製
造方法及びその装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者らは鋭意研究した結果、水流交絡不織布の
製造方法を発明するに至った。即ち、本発明の水流交絡
不織布の製造方法は、走行する多孔質支持体上の繊維ウ
ェッブに高圧柱状噴射ノズルより高圧柱状水を噴射し、
該繊維ウェッブを該高圧柱状水により交絡させる水流交
絡不織布の製造方法において、該繊維ウェッブ上の滞留
水及び該繊維ウェッブの水分を、該高圧柱状噴射ノズル
直下の地点に位置する排水口、該繊維ウエッブ内の進行
方向に対して、該地点の後方位置に或は該地点より前方
位置と後方位置に少なくとも1箇所以上の排水口を設置
したサクションボックスを用いて吸引させて製造するこ
とを特徴とするものである。
【0012】また、本発明の水流交絡不織布の製造装置
は、繊維ウェッブを走行させる多孔質支持体、高圧柱状
水を噴射させる高圧柱状噴射ノズル、サクションボック
スからなる水流交絡不織布の製造装置において、該サク
ションボックスが、該高圧柱状噴射ノズル直下の地点に
位置する排水口を必須とし、且つ該繊維ウエッブの進行
方向に対して、該地点の後方位置に或は該地点より前方
位置と後方位置に少なくとも1箇所以上設置した排水口
を有するものであることを特徴とするものである。
【0013】本発明の水流交絡不織布の製造方法及びそ
の装置が適用できる繊維ウエッブとしては、特に限定さ
れるものではなく、例えば、通常の不織布、織物、さら
に織物や編物と不織布との積層体、性質の異なる複数の
不織布の積層体などに適用できる。なお、これらの繊維
ウエッブは、カ−ド、クロスラッパ−、ランダムウエッ
バ−、フィラメントウエッブ形成法、抄紙法などの製造
法によって製造でき、さらに必要に応じて、ニ−ドルパ
ンチ、一次水流処理などの処理方法による繊維固定を行
うことにより製造できる。
【0014】また、本発明で用いる繊維ウエッブを構成
する繊維の種類としては、特に限定されるものではな
く、ポリエステル系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリ
アクリロニトリル系繊維、ポリビニルアルコ−ル系繊
維、ナイロン繊維、ウレタン繊維等の有機合成繊維、ま
た、再生繊維、半合成繊維、天然繊維等の繊維、あるい
はこれ等の組み合せからなるあらゆる繊維を用いること
ができる。
【0015】以下、本発明に係わる水流交絡不織布の製
造方法の実施例を示す図面を参照しながら、本発明の水
流交絡不織布の製造方法及びその装置を具体的に説明す
る。
【0016】図1は、本発明の水流交絡不織布の製造装
置の右側面図、図2は、図1のサクションボックス近傍
の拡大断面図、図3は、従来の水流交絡不織布の製造装
置のサクションボックス近傍の拡大図、図4は、図3の
従来の水流交絡不織布の製造装置によって製造された水
流交絡不織布の表面の部分拡大図である。
【0017】図1において、1は、多孔質支持体2上の
繊維ウエッブ3に高圧柱状水を噴射するための高圧柱状
水噴射ノズルである。高圧柱状水噴射ノズル1は、繊維
ウエッブ幅よりやや広い幅を有し、内部には、図1に示
すように高圧柱状水を濾過する内部フィルタ−4と、繊
維ウエッブ幅方向に一定ピッチで複数のオリフィス5が
穿孔されたプレ−トノズル6とが収納され、油圧ポンプ
(図示せず)により上下可能な耐圧板7で固定されてい
る。上部の高圧柱状水流入口8は、プランジャ−ポンプ
などの高圧水製造装置(図示せず)とフレキシブルホ−
ス(図示せず)で接続されている。従って、高圧柱状水
噴射ノズル1は、多孔質支持体2上の繊維ウエッブ3に
対して、その幅方向に高圧の高圧柱状水をオリフィス5
から高速で噴射することができる。
【0018】多孔質支持体2としては、一例として、平
織り、綾織り等の織り方で、ステンレス、ブロンズ等の
金属あるいは強化ポリエステル、ポリアミド等のプラス
チック等の材質のワイヤ−が挙げられる。なお、本実施
例では多孔質支持体として、エンドレスの100メッシ
ュのステンレスワイヤ−を用いた例を示したが、ベルト
状のものだけではなく、ドラム状やロ−ル状のものであ
ってもよい。
【0019】繊維ウエッブ3は、多孔質支持体2上に積
載された状態で、駆動ロ−ルによって、支持ブロックで
あるサクションプレ−ト9に沿って搬送することができ
る。1デニ−ル以上の繊維径で構成された繊維ウエッブ
3は、繊維ウエッブ3自体の通気性が良く、高圧柱状水
噴射ノズル1から噴射された高圧柱状水は、繊維ウエッ
ブ3内をほぼ完全に貫通し、繊維ウエッブ3上或は繊維
ウエッブ3内に滞留水がほとんど溜らない。一方、1デ
ニ−ル未満、特に0.5デニ−ル以下の繊維径で構成さ
れた繊維ウエッブ3は、繊維ウエッブ3の通気性が悪く
なるため、高圧柱状水が貫通し難くなり、滞留水を生じ
るようになる。
【0020】多孔質支持体2の開孔率は40%以下で、
一つの開孔の大きさが、0.04mm2以下のものが好
ましい。多孔質支持体の開孔率が40%より大きいと、
得られる不織布に開孔が生じる。逆に、開孔率が小さい
ほど、得られた不織布の面質は良くなるが、余りに開孔
率が小さいと、交絡に要した水が多孔質支持体から下に
抜けず、多孔質支持体に当たった後、再び繊維ウエッブ
3に跳ね返り、跳ね返り水が繊維ウエッブ3を突き上
げ、繊維ウエッブ3が破損する現象が生じ、好ましくな
い。
【0021】多孔質支持体2の開孔の一つの大きさとし
ては、目的とする不織布の坪量により異なる。即ち、具
体例を挙げると、坪量が50g/m2の時は開孔面積を
0.05mm2以下、50〜150g/m2の時は0.0
9mm2以下、150g/m2を超える時は0.2mm2
以下が好ましい。これより大きなものを用いると、不織
布に開孔が生じる。また、交絡時に繊維の抜けが多くな
り、さらには、不織布の面質が低下するため好ましくな
い。
【0022】多孔質支持体2下部に設けられたサクショ
ンボックス10は、高圧柱状水噴射ノズル1から噴射さ
れた高圧柱状水の押圧力に対抗するため、多孔質支持体
2をノズル直下で支持するサクションプレ−ト9を装備
しており、高圧柱状水噴射ノズル1から高圧柱状水が噴
射されたのち、多孔質支持体2上の繊維ウエッブ3内部
及び繊維ウエッブ3上に滞留した滞留水を繊維ウエッブ
3全幅方向に渡って、減圧吸引するための装置である。
このサクションボックス10は、図示してないル−ツ式
ブロワに接続され、吸込圧力1500mmAqで吸引さ
れており、吸引圧力調整弁により吸込圧力を調節でき
る。
【0023】本発明におけるサクションプレ−ト9は、
超高分子量のポリエチレン製で、テ−パ状の排水口11
が設けられており、その排水口は、繊維ウエッブ3と多
孔質支持体2を貫通した高圧柱状水が排水しやすいよう
に、高圧柱状水噴射ノズル1直下の位置を必須とし、且
つ繊維ウエッブ3の進行方向に対して、ノズル直下の地
点の後方位置に或はその地点より前方位置と後方位置に
少なくとも1箇所以上の排水口を有している。
【0024】ここで、高圧柱状水噴射ノズル1直下の地
点に位置する排水口は、主に繊維ウエッブ3と多孔質支
持体2を貫通した高圧柱状水や繊維ウエッブ3内部に溜
った滞留水を吸引する為のものである。また、繊維ウエ
ッブ3の進行方向に対して、ノズル直下の地点の後方位
置にある排水口は、主に高圧柱状水が繊維ウエッブ3に
衝突した後、後方方向に反射して霧状あるいは滴状の飛
散水で、再度凝集してノズル直下近傍の繊維ウエッブ3
表面上に滞留した滞留水、あるいは高圧柱状水噴射ノズ
ル1が流れ方向に複数並んで存在する場合で、繊維ウエ
ッブ3上あるいは繊維ウエッブ3内部に溜った滞留水
が、ある一つの高圧柱状水噴射ノズル1から次の高圧柱
状噴射ノズル1に移動する間に、ノズル直下の排水口あ
るいはノズル直下の地点の前方位置にある排水口で除去
しきれなかった時に、繊維ウエッブ3が高圧柱状水に当
たる直前にその滞留水を除去するためのものである。ま
た、繊維ウエッブ3の進行方向に対して、ノズル直下の
地点の前方位置にある排水口は、主に高圧柱状水が繊維
ウエッブ3に衝突した後、前方方向に反射して霧状ある
いは滴状の飛散水で、再度凝集して繊維ウエッブ3表面
上に滞留した滞留水を除去する為のものである。
【0025】図3に示した従来のサクションプレ−ト1
2のように、高圧柱状噴射ノズル1直下の地点の位置し
か排水口11がない場合では、高圧柱状水噴射ノズル1
から高圧柱状水が繊維ウエッブ3に噴射された後、繊維
ウエッブ3の交絡の状態が進むに連れて、また、坪量が
大きいほど、高圧柱状水は繊維ウエッブ3を貫通し難く
なり、多孔質支持体2上の繊維ウエッブ3内部及び繊維
ウエッブ3上に滞留するようになり、繊維ウエッブ3全
幅方向に渡って、減圧吸引が不可能になる。
【0026】しかし、図2に示したように、高圧柱状噴
射ノズル1直下の位置を必須とし、且つ繊維ウエッブ3
の進行方向に対して、ノズル直下の地点の1cmから4
cmまでの後方位置に1箇所、或はその地点より1cm
から7cmまでの前方位置と後方位置に少なくとも1箇
所以上の排水口を設置したサクションボックス10を用
いて吸引させることで、繊維ウエッブ3を貫通しなかっ
た繊維ウエッブ3内部あるいは、繊維ウエッブ3に衝突
した後、反射して霧状あるいは滴状の飛散水で、再度凝
集して繊維ウエッブ3表面上に滞留した滞留水を完全に
除去できる。
【0027】この発明において、高圧柱状水噴射ノズル
1内の高圧柱状水の印加圧力は、30〜200kg/cm2
の間が好ましい。圧力をこの範囲にすると、繊維の交絡
または割繊効果がよく、しかも、繊維ウエッブ3上に打
撃欠点や変形が生じる恐れがなくなる。
【0028】高圧柱状水噴射ノズル1から繊維ウエッブ
3上の高圧柱状水の衝突点までの距離は、15〜50m
m程度が好ましく、距離をこの範囲にすると、高圧柱状
水噴射ノズル1下面からの衝突後の飛散水の排出域が維
持され、その結果、繊維ウエッブ3表面の滞留水をより
少なくすることができる。
【0029】
【作用】高圧柱状水噴射ノズル1から多孔質支持体2上
の繊維ウエッブ3に対して、高圧柱状水が噴射される
と、大部分の高圧柱状水は、繊維ウエッブ3を貫通した
後、水透過性の多孔質支持体2を経て排出されるが、一
部の高圧柱状水は、繊維ウエッブ3に衝突した後、反射
して霧状あるいは滴状の飛散水となって、再び繊維ウエ
ッブ3上に付着し滞留水になる。この滞留水は、高圧柱
状噴射ノズル1直下の地点に位置する排水口、繊維ウエ
ッブ3の進行方向に対して、ノズル直下の地点の後方位
置に或はその地点より前方位置と後方位置に少なくとも
1箇所以上の排水口を設置したサクションボックス10
を用いて吸引し、取り除くことにより、高圧柱状水噴射
ノズル1から噴射される高圧柱状水の全噴射エネルギ−
が作用し、繊維ウエッブ3は充分に交絡または割繊され
る。
【0030】
【実施例】
実施例1 繊度3デニ−ル、繊維長10mmのポリエチレンテレフ
タレ−トとポリプロピレンを成分とし、17分割にされ
ると、平均0.2デニ−ルの超極細繊維を発生する易分
割性複合繊維を97部、繊度1デニ−ル、繊維長3mm
の熱水可溶性ポリビニルアルコ−ル繊維(VPW10
3、クラレ社製)3部を湿式抄造法により円網抄機で、
坪量40g/m2、幅50cmで繊維ウエッブを製造し
た。これを100メッシュのステンレスワイヤ−である
多孔質支持体上に3枚積層し、搬送速度7m/minで
高圧柱状水流により水流交絡処理を行った。ノズルヘッ
ドは3ヘッド用い、第1ヘッドのノズルはノズル径12
0μm、ノズル間隔0.6mm、2列で水圧120kgf
/cm2、第2ヘッドのノズルはノズル径120μm、ノ
ズル間隔0.3mm、1列で水圧130kgf/cm2、第3
ヘッドのノズルはノズル径100μm、ノズル間隔0.
3mm、1列で水圧150kgf/cm2である。交絡は、ま
ず片面で行った。次に同じ条件で裏面の交絡を行った。
図1と図2は、本発明の実施例の装置で、高圧噴射ノ
ズル直下の位置と繊維ウエッブの進行方向に対して、ノ
ズル直下の地点から2.5cm前方位置と後方位置のと
ころにそれぞれ1箇所ずつ排水口を設置したサクション
ボックスを用いた。
【0031】上記サクションボックスを用いた場合、繊
維ウエッブ表面には滞留水は見られず、また、繊維ウエ
ッブに衝突した後、反射して霧状あるいは滴状の飛散水
となって再び繊維ウエッブ上に付着し、滞留水になった
滞留水も、高圧柱状水噴射ノズル直下の位置とその直下
の位置の前方位置と後方位置の排水口により除去され、
搬送されつつある繊維ウエッブ表面には、高圧柱状水噴
射ノズルから噴射される柱状流のみが観察された。この
ようにして得られた水流交絡不織布を目視したところ、
単繊維が均一に割繊された「イラツキ」のない優れた品
位のものであった。
【0032】実施例2 ステンレス多孔質支持体上の繊維ウエッブを繊度0.1
デニ−ル、繊維長7mmのポリエチレンテレフタレ−ト
繊維(繊維径3μm)を97部、繊度1デニ−ル、繊維
長3mmの熱水可溶性ポリビニルアルコ−ル繊維(VP
W103、クラレ社製)3部とする以外は実施例1と同
様な方法で行った。
【0033】実施例1と同様に、上記サクションボック
スを用いた場合、繊維ウエッブ表面には滞留水は見られ
ず、また、繊維ウエッブに衝突した後、反射して霧状あ
るいは滴状の飛散水となって再び繊維ウエッブ上に付着
し滞留水になった滞留水も、高圧柱状水噴射ノズル直下
の地点より前方位置と後方位置の排水口により除去さ
れ、搬送されつつある繊維ウエッブ表面には、高圧柱状
水噴射ノズルから噴射される柱状流のみが観察された。
このようにして得られた水流交絡不織布を目視したとこ
ろ、ランダムに分散された超極細繊維の単繊維が均一に
効率よく交絡され、極めて地合と平滑性に優れた品位の
ものが得られた。
【0034】比較例1 図3に示したサクションボックスを用いた以外、実施例
1と同じ繊維ウエッブ、水圧、条件で交絡を行った。高
圧柱状水噴射ノズルから高圧柱状水を噴射させたとこ
ろ、繊維ウエッブ上のノズル直下近傍には飛散した高圧
柱状水が滞留しており、特に噴射点に搬送される後方位
置の繊維ウエッブ上には、厚さが5mm程度の滞留水が
常時滞留した状態で噴射されていた。このようにして得
られた繊維ウエッブを目視したところ、ウエッブ表面
は、噴射エネルギ−の作用効果の不均一により、図4に
示したように単繊維間で交絡、割繊度ムラが生じ、「イ
ラツキ」13が現れた。また、ウエッブ表面は、あたか
も掘り起こされた状態になって凹凸の激しい極めて平滑
性に劣る交絡不織布しか得られなかった。
【0035】
【発明の効果】上述したとおり、本発明の水流交絡不織
布の製造方法は、高圧柱状水噴射ノズル直下の地点に位
置する排水口、及び繊維ウエッブの進行方向に対して、
該地点の後方位置或は前方位置と後方位置に少なくとも
1箇所以上の排水口を設置したサクションボックスを用
いることで、繊維ウエッブには、ノズル直下近傍に滞留
している滞留水が問題にならない程度に吸引除去された
後に、高圧柱状水の噴射エネルギ−を最大限に活用する
ことができる。従って、水流交絡不織布は、何ら「イラ
ツキ」等の地合の乱れのない品位の優れたものが得られ
る。
【0036】また、本発明の水流交絡不織布の製造装置
は、サクションボックスの構造が簡単であり、しかもサ
クションプレ−トの排水口の数を今までの1箇所のみで
あったのを3〜5箇所に増やし、サクションボックスに
吸引圧力調節弁を取り付けるだけで良いので、設備費及
びランニングコスト共に安価であり、簡便な設備で上記
の優れた品位の水流交絡不織布を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水流交絡不織布の製造装置の右側面
図。
【図2】図1のサクションボックス近傍の拡大断面図。
【図3】従来の水流交絡不織布の製造装置のサクション
ボックス近傍の拡大図。
【図4】図3の従来の水流交絡不織布の製造装置によっ
て製造された水流交絡不織布の表面の部分拡大図。
【符号の説明】
1 高圧柱状水噴射ノズル 2 多孔質支持体 3 繊維ウエッブ 4 内部フィルタ− 5 オリフィス 6 プレ−トノズル 7 耐圧板 8 高圧柱状水流入口 9 サクションプレ−ト 10 サクションボックス 11 排水口 12 従来のサクションプレ−ト 13 イラツキ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行する多孔質支持体上の繊維ウェッブ
    に高圧柱状噴射ノズルより高圧柱状水を噴射し、該繊維
    ウェッブを該高圧柱状水により交絡させる水流交絡不織
    布の製造方法において、該繊維ウェッブ上の滞留水及び
    該繊維ウェッブ内の水分を、該高圧柱状噴射ノズル直下
    の地点に位置する排水口、該繊維ウエッブの進行方向に
    対して、該地点の後方位置に或は該地点より前方位置と
    後方位置に少なくとも1箇所以上の排水口を設置したサ
    クションボックスを用いて吸引させて製造することを特
    徴とする水流交絡不織布の製造方法。
  2. 【請求項2】 繊維ウェッブを走行させる多孔質支持
    体、高圧柱状水を噴射させる高圧柱状噴射ノズル、サク
    ションボックスからなる水流交絡不織布の装置におい
    て、該サクションボックスが、該高圧柱状噴射ノズル直
    下の地点に位置する排水口を必須とし、且つ該繊維ウエ
    ッブの進行方向に対して、該地点の後方位置に或は該地
    点より前方位置と後方位置に少なくとも1箇所以上設置
    した排水口を有するものであることを特徴とする水流交
    絡不織布の製造装置。
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