JPH0620699B2 - 配電工事用工具着脱装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば、高圧配電線から分岐配電線を取出す
配電工事に使用するロボット等に用いる配電工事用工具
着脱装置に関するものである。

〔従来技術〕

高圧配電線から分岐電線をトンボ腕を称する中継器を通
して変圧器に配線する工事は、近年、活線状態で電気絶
縁棒を使って行ういわゆるホットステイック工法で行わ
れている。

しかし、高所での工事は多数の作業工程を必要とし、こ
れらの作業工程を行う度にホットステイックの先端に工
具を交換する必要があって作業が危険である上に多大の
労力を必要とし作業効率が低い欠点があった。

この欠点を解消するため高所作業車上に搭載されたロボ
ットを用いて配電工事を行うことが提案されている。

このようにロボットを用いて作業を行う場合、ロボット
の監視及び教示、工具の交換は高所作業車に作業者が乗
って行っている。しかし、高所作業車上での作業は作業
者の負担が多くこの作業者の負担を可及的に小さくする
ことが要求される。特に、配電工事では工具の交換は頻
繁に行われることが望まれる。

また、高所作業車上に乗った作業者の安全を十分確保す
る必要もある。

〔本発明の目的〕

本発明の目的は、ロボット等の作業アームの先端で工具
を可及的に迅速に交換することができ、しかも、安全に
工事を行うことができるようにした。配電工事用工具着
脱装置を提供することにある。

〔実施例〕

本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明すると、第
１図は本発明に係る配電工事用工具着脱装置１０を示
し、この配電工事用工具着脱装置１０は配電工事用ロボ
ットの作業アーム１２の先端に設けられたリスト１４に
適用されている。

本発明に係る配電工事用工具着脱装置１０は、作業アー
ム１２の端部１２ａに固定された工具１６が挿入される
べき円筒形の工具ホルダ１８と、この工具ホルダ１８の
径方向の貫通孔１８ａに挿入された複数のボール２０と
を備えている。これらのボール２０は、工具ホルダ１８
内に挿入された工具１６の外周面に形成された係入溝１
６ａに係入されて、工具１６が工具ホルダ１８から抜け
ることがないように、工具１６を保持する働きを有す
る。

工具ホルダ１８の外側には円筒形の可動部材２２が摺動
自在に嵌合されており、この可動部材２２はその内側面
に工具ホルダ１８内のボール２０を外側に逃げることが
できるように緩める逃溝２２ａと、この逃溝２２ａから
径方向の内側に傾斜した傾斜面２２ｂと、この傾斜面２
２ｂから下方に連続して形成された円筒面２２ｃとを有
する。従って、この可動部材２２は第１図に示すように
その傾斜面２２ｂより下方の円筒面２２ｃがボール２０
に接触するように軸線方向の上方に移動すると、ボール
２０は工具ホルダ１８内の工具１６の係入溝１６ａに係
入するように押し込まれて工具１６を工具ホルダ１８内
に保持する。

また、可動部材２２は第２図に示すように、その逃溝２
２ａがボール２０に対応するように軸線方向の下方に移
動すると、ボール２０は可動部材２２の逃溝２２ａ内に
逃げることができるので、工具１６を取り外すことがで
きる。

可動部材２２を軸線方向に駆動する軸線駆動手段２４
は、図示の実施例では、可動部材２２の鍔２３をピスト
ンとするシリンダ２６から成っており、このシリンダ２
６は作業アーム１２の端部１２ａに固定されている。

シリンダ２６の一方のポート２６ａに空気または油の如
き流体を注入すると、可動部材２２は下降してボール２
０を緩め、他方のポート２６ｂに流体を注入すると、可
動部材２２は上昇してボール２０を工具１６に係入溝１
６ａに係入する。

図示の実施例では、工具ホルダ１８はその中に工具１６
を駆動軸２８に連結する連結軸３０を有し、この連結軸
３０はその上端に工具１６の下端１６ｂに係入する突部
３０ａと、駆動軸２８の上端が係入する凹部３０ｂとを
有し、従って工具１６はこの連結軸３０を介して駆動軸
２８によって駆動される。

駆動軸２８は、作業アーム１２の内部を延びてその上端
面１２ａから突出している。

連結軸３０と作業アーム１２の上端面１２ａとの間には
スラストベアリング３２を介してばね３４が設けられ、
このばね３４はボール２０が可動部材２２の下降で緩め
られたとき、工具１６を飛び出すように付勢している。

このようにすると、高圧配電線に対して何らかの異常が
発生したとき、軸線駆動手段２４のポート２６ａに流体
を注入することによって、可動部材２２を下降し、工具
１６をリスト１４から緊急に離脱させることができる。

また、このように、連結軸３０が工具１６の飛び出し方
向に付勢されていると、工具１６と駆動軸２８との連結
が緩衝されるので、両者の連結に無理な力が働くことが
ない。

なお、第４図に示すような高圧配電線３６に対してロボ
ットの先端のリスト１４を所定位置に位置決めするため
には、リスト１４は、α、β、γの自由度が必要であ
る。このため、通常では第５図に示すように、作業アー
ムにα、β、γの自由関節３８Ａ、３８Ｂ、３８Ｃを設
けている。また工具の軸を回転させるために、工具回転
アクチュエータ４０が設けられている。

工具１６は、例えば第６図に示すように、工具ハウジン
グ４８にカバー４６を装着したカバー取付け用の工具１
６であり、このカバー取付け用の工具１６は、ハウジン
グ４２に螺合した工具軸４４を回転させることにより、
工具ハウジング４８を閉じ、カバー４６を高圧配電線３
６の所定位置に取付けるものである。

なお、工具軸４４は、連結軸３０を介して駆動軸２８に
よって回転させるものである。

〔発明の効果〕

本発明によれば、上記のように、工具の着脱操作は、可
動部材の一部をピストンとする軸線駆動手段に流体を出
し入れして行われるので、操作が容易である上に機械的
に行う場合のように可動部材の周りにリンク機構のアー
ムの如き部品が突出することがなく工事を円滑に行うこ
とができる。

また、作業中に高圧配電線が大きく揺れ、この揺れが作
業アームを介して作業者に伝わり作業者が危険な状態に
なった際には、軸線駆動手段に流体を注入すれば、連結
軸が工具を飛び出す方向に付勢されているので、工具を
容易に作業アームから外すことができ、このため、作業
者の安全を確実に確保することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る配電工事用工具着脱装置の工具装
着状態の断面図、第２図は第１図の装置の工具を取外し
た状態の断面図、第３図は本発明の要部の横断面図、第
４図は高圧配電線とリストの動きの状態を示す説明図、
第５図は通常のリストの概略図、第６図は工具の具体例
の断面図である。 １０は工具着脱装置、、１２は作業アーム、１６は工
具、１６ａは係入溝、１８は工具ホルダ、１８ａは貫通
孔、２０はボール、２２は可動部材、２２ａは逃溝、２
２ｂは傾斜面、２４は軸線駆動手段、２６はシリンダ、
２８は駆動軸、３０は連結軸、３４はばね。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】作業アームの先端に固定されており、作業
   すべき工具を着脱自在に取付け、且つ前記作業アーム内
   を貫通する駆動軸に前記工具を連結する配電工事用工具
   着脱装置であって、前記作業アームの先端に取付けられ
   前記工具が挿入される円筒形の工具ホルダと、前記工具
   ホルダの径方向の貫通孔内に挿入され前記工具ホルダ内
   に挿入された工具の係入溝内に係入されるべき複数のボ
   ールと、前記工具ホルダの外側に摺動自在に嵌合され前
   記工具ホルダ内のボールを外側に緩める逃溝と前記逃溝
   から内側に傾斜した傾斜面とを有し前記傾斜面が前記工
   具ホルダ内のボールに接触して前記ボールを内側に押込
   むように軸線移動する可動部材と、前記可動部材を軸線
   運動する軸線駆動手段とを備え、前記軸線駆動手段は、
   前記可動部材をピストンとするシリンダからなり、また
   前記工具ホルダは、内部に前記工具を前記駆動軸に連結
   する連結軸を有し、前記連結軸は前記工具を工具ホルダ
   から飛び出すように付勢されていることを特徴とする配
   電工事用工具着脱装置。