JPH06191764A - 油圧エレベータ用プランジャ案内装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】Ｖ形溝１５ａ,１５ｂを設けた１本のガイドレ
ール８ｂとＶ形溝１５ａ,１５ｂと係合回転するガイド
ローラ１２ａ，１２ｂを設け、ガイドレール８ｂをガイ
ドローラ１２ａと１２ｂではさみ込む構成とした。 【効果】保守点検作業の効率向上や、油による昇降路内
の汚れ，ごみやほこりの付着による機器の損傷が低減で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、油圧エレベータ、特に
プランジャの案内装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図５に示すものは実開昭56−124663号公
報に示されている従来の油圧エレベータ用プランジャ案
内装置の正面図である。

【０００３】図において、１はプランジャ、２はプラン
ジャ１の上部に載置されるプーリ支持台、３はプーリ支
持台２に固定されるプーリ、４はプーリ３に掛けられる
ロープ、５はプーリ３の上部に設置されたカバー、６は
プーリ支持台２に設置されたガイドシュー取付板、７は
プランジャ１を案内するためのガイドシュー、８ａはガ
イドシュー７と係合摺動しプランジャを案内するための
ガイドレールである。従来の油圧エレベータ用プランジ
ャ案内装置は前述のように構成され、乗りかご上昇時に
は、プランジャ１が上方向に動作しガイドシュー７がガ
イドレール８ａに係合摺動して、プランジャ１が前後左
右およびねじれ方向に倒れないように案内され、かつ、
乗りかご下降時はプランジャ１が下方向に動作し、ガイ
ドシュー７がガイドレール８ａに係合摺動して、プラン
ジャ１が前後左右およびねじれ方向に倒れないように案
内される。

【０００４】また、プランジャ１の保守点検時にはガイ
ドシュー７とガイドレール８ａの円滑な係合摺動を得る
ためガイドシュー７に給油を行なっていた。

【０００５】さらに、ガイドレール８ａの据付作業は、
２本のガイドレールの芯出しを行ない、据付作業を行な
っていた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従来の油圧エレベータ
用プランジャ案内装置は以上のように構成されているの
で、保守点検時には、ガイドシュー７とガイドレール８
ａの円滑な係合摺動を得るためガイドシュー７に給油を
行なっていた。このため、プランジャ１が上昇，下降毎
にガイドレールに油が付着し、さらに、昇降路内のごみ
やほこり等が給油した油に付着して不衛生なものとなっ
ていた。さらに、不衛生な中で保守点検作業を行なうた
め作業者に精神的苦痛を与え作業効率の悪いものとなっ
ていた。

【０００７】また、ガイドシュー７やガイドレール８ａ
に付着したごみやほこり等により機器の損傷につながる
問題点があった。

【０００８】また、保守点検作業中に作業者が給油用の
油を誤って乗りかご上部や昇降路内にこぼした場合、顧
客に多大な迷惑をかける。

【０００９】また、ガイドシュー７の油が無くなるとプ
ランジャの円滑な摺動が得られない。

【００１０】さらに、ガイドレール８ａの据付工事を行
なう場合、２本のガイドレール８ａの芯出し，据付けを
行なうため工事性が悪いという問題点があった。

【００１１】本発明の目的は、保守点検時、特にガイド
シューとガイドレールに関する作業性，安全性の向上、
さらに、据付作業時の作業性を向上した油圧エレベータ
用プランジャ案内装置を提供することにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明に係る油圧エレベ
ータ用プランジャ案内装置は、プランジャを案内するた
めのガイドレールを１本設け、さらに、ガイドレールに
はＶ形溝を設け、Ｖ形溝に係合回転する形状のガイドロ
ーラを２個設け、ガイドローラによりガイドレールをは
さみ込み、ガイドレールにペンキを塗装する構成とした
ものである。

【００１３】

【作用】本発明では、ガイドローラを設けたため、保守
点検時に給油を行なう必要がなく、給油を行なわなくて
も滑らかなプランジャの動作が得られる。また、ガイド
レールにペンキを塗装しているため、錆の発生を防止で
きる。さらに、ガイドレールを１本にしたため据付作業
時の作業性が向上する。

【００１４】

【実施例】以下、本発明をその一実施例を示す図１から
図４にもとづいて説明する。

【００１５】図１は、本発明の一実施例による油圧エレ
ベータ用プランジャ案内装置の正面図である。９はシリ
ンダ、プランジャ１はシリンダ９内に挿入される。プラ
ンジャ１の上部にはプーリ支持台２が載置され、プーリ
３はプーリ支持台２の上部に載置される。ロープ４はプ
ーリ３にかけられ、一方のロープ端はシリンダ９に固定
され、他方のロープ端は乗りかご１０に固定される。プ
ーリ支持台２には、Ｌ字形のガイドローラ取付ブラケッ
ト１１が取付けられている。ガイドローラ取付ブラケッ
トには２個のガイドローラ１２ａ，１２ｂが１本のガイ
ドレール８ｂをはさみ込む構成で取付けられている。ま
た、２個のガイドローラ１２ａ，１２ｂには、ガイドロ
ーラ押付力調整ボルト１３ａ，１３ｂが１個ずつ取付け
られている。

【００１６】図２は図１の上面図である。２個のガイド
ローラ１２ａ，１２ｂはガイドロール取付ボルト１４
ａ，１４ｂによりガイドローラ取付ブラケット１１に固
定されている。ガイドレール８ｂにはＶ形溝１５ａ，１
５ｂがある。ガイドレール８ｂは、ガイドレール固定ブ
ラケット１６とガイドレール固定金具１７でガイドレー
ル８ｂの片側をはさみ込んで固定している。ガイドレー
ル固定ブラケット１６は、昇降路壁１８にアンカーボル
ト１９で固定されている。

【００１７】図３はガイドローラ取付詳細図である。ガ
イドローラ１２ａ，１２ｂには押板２０ａ，２０ｂが直
付けされている。ガイドローラ取付ブラケット１１には
ストッパ２１ａ,２１ｂが直付けされている。ばね２２
ａ,２２ｂはガイドローラ押付力調整ボルト１３ａ,１３
ｂを通しガイドローラ押付力調整ボルト１３ａ,１３ｂ
の頭部と押板２０ａ，２０ｂの間に設置する。ガイドロ
ール押付力調整ボルト１３ａ，１３ｂの先端にはロック
ナット２３ａ，２３ｂを取付ける。ガイドローラ取付ブ
ラケット１１にはガイドローラ位置決め用長孔２４ａ，
２４ｂが設けられている。

【００１８】図４は図３ガイドローラ取付詳細図の上面
図である。ガイドローラ１２ａには係合回転部２５ａが
設けられ、Ｖ形溝１５ａと係合している。また、ガイド
ローラ１２ｂには係合回転部２５ｂが設けられ、Ｖ形溝
１５ｂと係合している。ガイドレール８ｂはガイドロー
ラ１２ａと１２ｂにはさみ込まれている。また、ガイド
レール８ｂには、防錆のためのペンキ２６が塗装されて
いる。

【００１９】以上のように構成された油圧エレベータ用
プランジャ案内装置では、例えば、乗りかご上昇時は、
プランジャ１が上方向に動作しそれにともないプランジ
ャ１の上部に載置されているプーリ支持台２，プーリ３
も上方向に動作する。さらに、プーリ支持台２に設置さ
れたガイドローラ取付ブラケット１１，ガイドローラ１
２ａ，１２ｂ等の案内装置も同様に動作する。この時、
ガイドレール８ｂのＶ形溝１５ａ，Ｖ形溝１５ｂにガイ
ドローラ１２ａ，１２ｂの係合回転部２５ａ，２５ｂが
はさみ込むように係合回転しているためプランジャは前
後左右およびねじれ方向に倒れることなく、かつ、滑ら
かに案内される。また、ガイドロール押付力調整ボルト
１３ａ，１３ｂによりガイドローラ１２ａ，１２ｂの押
付力を任意の数値に設定できる。また、ガイドレール８
ｂにペンキを塗装してあるので錆の発生を防止できる。
下降時も上昇時と同様の動作となる。

【００２０】本実施例によれば、従来のガイドシューに
代わりにガイドローラを設けたことにより保守点検時に
給油をする必要が無くなる。そのため、保守点検作業の
効率向上や、油による昇降路内の汚れ，ごみやほこりの
付着による機器の損傷が大幅に低減できる。また、給油
を行なわなくてもプランジャの滑らかな動作が可能とな
り、ガイドレールの形溝と係合回転する形状のガイドロ
ーラではさみ込む構成としたため、ガイドレールを１本
にしてもプランジャが前後左右およびねじれ方向に倒れ
ることは無いだけでなく、ガイドレールを１本にするこ
とにより、据付作業時のガイドレールの芯出し，据付等
の作業効率を大幅に向上できる。さらに、ガイドレール
にペンキを塗装するので錆の発生を防止できる。

【００２１】

【発明の効果】本発明によれば、プランジャの案内装置
をＶ形溝を設けた１本のガイドレールと従来のガイドシ
ューに代わり、Ｖ形溝と係合回転する形状のガイドロー
ラを２個設け、ガイドレールをガイドローラではさみ込
む構成としたため保守点検時に給油をする必要が無くな
る。そのため、保守点検作業の効率向上や、油による昇
降路内の汚れ，ごみやほこりの付着による機器の損傷が
低減できる。また、給油を行なわなくてもプランジャの
滑らかな動作が可能となり、ガイドレールを１本にして
もプランジャが前後左右およびねじれ方向に倒れること
は無いだけでなく、ガイドレールを１本にすることによ
り、据付作業時のガイドレールの芯出し，据付等の作業
効率を大幅に向上できる。さらに、ガイドレールにペン
キを塗装するので錆の発生も防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による油圧エレベータ用プラ
ンジャ案内装置の正面図。

【図２】油圧エレベータ用プランジャ案内装置の上面
図。

【図３】ガイドローラ取付説明図。

【図４】ガイドローラ取付詳細図の上面図。

【図５】従来の油圧エレベータ用プランジャ案内装置の
上面図。

【符号の説明】

１…プランジャ、２…プーリ支持台、３…プーリ、４…
ロープ、８ｂ…ガイドレール、９…シリンダ、１０…乗
りかご、１１…ガイドローラ取付ブラケット、１２ａ，
１２ｂ…ガイドローラ、１３ａ，１３ｂ…ガイドローラ
押付力調整ボルト。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 英一 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社日立 製作所水戸工場内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】油圧によりシリンダプランジャ機構のプラ
   ンジャを上下動させて乗りかごを昇降する油圧エレベー
   タにおいて、前記プランジャを案内するためのＶ形溝を
   有するガイドレールと前記Ｖ形溝と係合回転するガイド
   ローラを設けたことを特徴とする油圧エレベータ用プラ
   ンジャ案内装置。
2. 【請求項２】請求項１において、前記プランジャを案内
   するための複数個の前記ガイドローラと１本の前記ガイ
   ドレールを設けた油圧エレベータ用プランジャ案内装
   置。
3. 【請求項３】請求項１または２において、前記ガイドレ
   ールのＶ形溝に係合する形状の前記ガイドローラ２個で
   前記ガイドレールをはさみ込み、前記プランジャが前後
   左右およびねじれ方向に倒れない構造とする油圧エレベ
   ータ用プランジャ案内装置。
4. 【請求項４】請求項１，２または３において、前記ガイ
   ドレールにペンキを塗装する油圧エレベータ用プランジ
   ャ案内装置。