JPH0619037A - 写真乳剤および塗膜用のジカルコゲナイド水性固体粒子分散体 - Google Patents

写真乳剤および塗膜用のジカルコゲナイド水性固体粒子分散体

Info

Publication number
JPH0619037A
JPH0619037A JP5088606A JP8860693A JPH0619037A JP H0619037 A JPH0619037 A JP H0619037A JP 5088606 A JP5088606 A JP 5088606A JP 8860693 A JP8860693 A JP 8860693A JP H0619037 A JPH0619037 A JP H0619037A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silver halide
dichalcogenide
emulsion
dispersion
photographic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5088606A
Other languages
English (en)
Inventor
John W Boettcher
ウィリアム ボエットチャー ジョン
Roger L Klaus
リー クロース ロジャー
Joseph W Manthey
ウィリアム マンセイ ジョセフ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eastman Kodak Co
Original Assignee
Eastman Kodak Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eastman Kodak Co filed Critical Eastman Kodak Co
Publication of JPH0619037A publication Critical patent/JPH0619037A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/005Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein
    • G03C1/06Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein with non-macromolecular additives
    • G03C1/34Fog-inhibitors; Stabilisers; Agents inhibiting latent image regression
    • G03C1/346Organic derivatives of bivalent sulfur, selenium or tellurium
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/005Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カブリ防止効果が向上した写真ハロゲン化銀
乳剤の製造方法を提供する。 【構成】 ハロゲン化銀乳剤の沈殿および増感工程、な
らびにこのハロゲン化銀乳剤に、下記式I R1 −X1 −X2 −R2 (I) (上式中、X1 およびX2 は独立してS,SeまたはT
eであり、R1 およびR 2 はX1 およびX2 と一緒にな
って環系を形成するか、あるいは独立して置換もしくは
未置換の環式基、非環式基または複素環式基である)で
示されるジカルコゲナイドを固体粒子分散体として添加
することを特徴とする写真ハロゲン化銀乳剤の製造方法
を提供する。さらに、上記方法により製造された写真ハ
ロゲン化銀乳剤も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真乳剤お
よび塗膜でのジカルコゲナイド化合物の使用に関する。
【0002】
【従来の技術】カブリの問題点は写真工業の発端からか
かる工業を悩ませてきた。カブリは画像形成露光に直接
的な関係をもたない銀または色素の堆積である。すなわ
ち、現像剤が乳剤層に作用するとき、一定の還元銀が露
光されなかった領域で形成される。カブリは、画像形成
露光の作用と関係がなく、一般的に、乳剤の未露光部で
得られる濃度で、「Dmin」と表現される現像濃度と
して定義されうる。通常測定される濃度は、カブリによ
り生じる濃度と露光により生じる濃度とを含む。当該技
術分野では、銀イオンの意図したまたは意図しない還元
(還元増感)に関連する写真カブリの出現は、ハロゲン
化銀の調製、ハロゲン化銀の(分光)化学増感、液体ハ
ロゲン化銀乳剤メルトの溶融および保存工程、続くハロ
ゲン化銀乳剤の塗布工程、ならびに長い自然のおよび人
工的な塗布ハロゲン化銀乳剤の熟成工程を包含する写真
要素の多段階調製中に生じる可能性があることが知られ
ている。
【0003】このカブリの出現を極小化するために数多
くの方法が使用されてきた。米国特許第2,728,6
63号、同2,728,664号および同2,728,
665号明細書に記載された化合物のような水銀含有化
合物を添加剤として使用してカブリが抑制されてきた。
米国特許第2,440,206号、同2,934,19
8号、同3,047,393号および同4,960,6
89号明細書に記載される化合物のようなチオスルホン
酸塩およびチオスルホン酸エステルも使用されてきた。
【0004】米国特許第1,962,133号、同2,
465,149号、同2,756,145号、同3,0
43,696号、同3,057,725号、同3,06
2,654号、同3,128,186号および同3,5
63,754号に記載される化合物のように反応活性硫
黄または硫化物をもたない芳香族二硫化物、複素環式二
硫化物および非環式二硫化物が乳剤メルト添加物として
主として使用されてきた。
【0005】写真感光材料の製造では、多くの有機添加
剤、特に芳香族ジカルコゲナイド類が水に実質的に不溶
性であることが周知である。この理由により、ハロゲン
化銀写真乳剤にこのような添加剤を添加するのに通常使
用される方法は、まず、前記有機化合物(以下、溶質と
いう)を水と自由に混和する有機溶媒(例えば、アセト
ン、メタノール、エタノール、プロパノールまたはメチ
ルセロソルブ)に溶解する工程、およびこの溶液を乳剤
に添加する工程を含む。
【0006】しかし、これらの方法は多くの短所をも
つ。水と自由に混和する有機溶媒の使用は、共存する塗
布助剤の界面活性を低下するか、共存バインダーを凝集
するか、または共存するカプラーを固形化する可能性が
あるので高速塗布を著しく妨げる。さらに、ジカルコゲ
ナイド溶質は水に実質的に不溶性であるため、溶質の急
激な結晶化および/または凝集が実質的に水性乳剤メル
トに有機溶媒を添加することにより生じ、その結果、固
体が感光性塗膜で分離する。最後に、有機溶媒はそれら
の揮発性のための作業を危険にし、そして地球の生態系
にマイナスの影響を及ぼす。
【0007】有機添加剤の水性固体粒子分散体がこれら
の短所を回避するものとして工業で使用されてきた。米
国特許第4,006,025号明細書は、界面活性剤を
含む水性色素スラリーの昇温(40〜50℃)下のミル
処理により色素を増感するための分散方法を記載する。
英国特許第1,570,362号明細書は、1g/Lに
おける表面張力が38dyne/cm以上の界面活性剤の存在
下で添加剤の水性スラリーのミル処理を使用する写真添
加剤のための分散法を記載する。これらの特許明細書は
ジカルコゲナイド化合物でのこれらの技法の使用を記載
しない。
【0008】米国特許第3,397,986号明細書
は、ビス(p−アクリルアミドフェニル)ジスルフィド
類による写真要素の安定化を記載する。エタノールもし
くはアセトンのような水混和性溶媒中の添加剤溶液また
は写真カプラーに共通して使用される分散体を介するこ
れらの添加剤の写真乳剤への導入を教示する。後者の方
法は、カプラーを水不混和性溶媒に溶解し、この油相を
ゼラチン、界面活性剤および水からなる水性相に添加
し、次いで混合物をコロイドミルまたはホモジナイザー
で乳化することを特徴とする手段を採用する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】写真要素のカブリを制
御するより有効な手段に対する変わることのない要望が
存在する。また、有機溶媒の使用を要しない写真要素の
製造方法の必要性も存在する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、ハロゲン化銀
乳剤の沈殿および増感工程、ならびにこのハロゲン化銀
乳剤に下記式I R1 −X1 −X2 −R2 (I) (上式中、X1 およびX2 は、独立してS,Seまたは
Teであり、R1 およびR2 はX1 およびX2 と一緒に
なって環系を形成するか、あるいは独立して置換もしく
は未置換の環式基、非環式基または複素環式基である)
で示される反応非活性カルコゲン化合物のカブリ防止量
をハロゲン化銀乳剤に添加する工程を含んでなり、そし
て前記カルコゲン化合物を固体粒子分散体として添加す
ることを特徴とする方法を提供する。
【0011】一の態様では、ジカルコゲナイド化合物
は、式(II)または式(III )で示される二硫化化合物
である。
【0012】
【化1】
【0013】式II中、Gは、独立して硫黄に関し芳香族
核上のオルソ、メタまたはパラ位における、水素、水酸
基、SO3 MまたはNR3 4 であり、Mは水素または
アルカリ土類、アルキルアンモニウムもしくはアリール
アンモニウムカチオンであり、R3 は水素または置換も
しくは未置換のアルキルもしくはアリール基であり、R
4 は水素、O=C−R5 またはO=C−N−R6 7
あり、そしてR5 ,R6 およびR7 は、独立して水素、
または水酸基、または未置換のアルキル、またはアリー
ル基、または置換もしくは未置換のフルオロアルキル、
フルオロアリール、カルボキシアルキル、カルボキシア
リール、アルキルチオエーテル、アリールチオエーテ
ル、スルホアルキルもしくはスルホアリール基あるいは
前記基の遊離酸、アルカリ土類塩またはアルキルアンモ
ニウムもしくはアリールアンモニウム塩である。
【0014】
【化2】
【0015】式(III )中、Zは環を完成するのに必要
な置換もしくは未置換の炭素原子またはヘテロ原子を含
み、そしてR8 は炭素原子2〜10個の置換もしくは未
置換アルキルまたはアリール基、あるいは遊離の酸また
は前記基のアルカリ土類金属塩、アリールアンモニウム
塩もしくはアルキルアンモニウム塩である。
【0016】もう一つの態様では、固体粒子分散体が固
体粒子ゼラチン分散体である。さらなる態様では、ハロ
ゲン化銀乳剤が臭ヨウ化銀乳剤である。本発明は、上記
方法によって製造される写真ハロゲン化銀乳剤を提供す
る。
【0017】
【具体的な態様】本発明のジカルコゲナイド化合物は、
下記式Iで示される。 R1 −X1 −X2 −R2 (I) 上式中、X1 およびX2 は、独立してS,SeまたはT
eであり、そしてR1 およびR2 はX1 およびX2 と一
緒になって環系を形成するか、あるいは独立して置換も
しくは未置換の環式基、非環式基または複素環式基であ
る。好ましい分子は対称性であり、そしてR1 およびR
2 がアルキル基またはアリール基である。R1 とR2
組み合わせは、1分子当り210gを越える分子量のジ
カルコゲナイドをもたらすものが好ましい。R1 および
2 は、化合物を反応活性とする基であることができな
い、例えば、次の基である。
【0018】
【化3】
【0019】好ましい化合物のいくつかの例は、下記に
示される。
【0020】
【化4】
【0021】
【化5】
【0022】ジカルコゲンは反応非活性(すなわち、常
用されている写真乳剤の調製または得られた写真要素に
関する特定条件下で元素カルコゲンまたはカルコゲンア
ニオンを放出しないことを意味する)であらねばならな
い。好ましいジカルコゲナイド化合物は、下記式IIまた
はIII で示される二硫化化合物である。
【0023】
【化6】
【0024】式II中、Gは、独立して、硫黄に関して芳
香族核のオルソ、メタまたはパラ位に存在する。より好
ましくはこの分子は対称であり、そして最も好ましくは
Gはパラ位に存在する。Gは水素、水酸基、SO3 Mま
たはNR3 4 である。より好ましくはGはNR3 4
である。
【0025】Mは水素またはアルカリ土類、アルキルア
ンモニウムもしくはアリールアンモニウムカチオンであ
る。好ましいMは水素またはナトリウムであり、最も好
ましくは、Mはナトリウムである。R3 は水素または置
換もしくは未置換のアルキル基もしくはアリール基であ
る。R3 のアルキル基もしくはアリール基の好ましい置
換基は、メチル、アミノ、カルボキシまたはこれらの組
み合わせであることができる。好ましい基は、炭素原子
20個以下、より好ましくは、炭素原子10個以下であ
る。適当な基の具体例は、トリフルオロメチル、メチ
ル、エチル、プロピル、フェニルまたはトリルである。
【0026】R4 は、水素、O=C−R5 またはO=C
−N−R6 7 である。より好ましいR4 は水素または
O=C−R5 である。R5 ,R6 およびR7 は、独立し
て、水素、または水酸基、あるいは未置換のアルキルま
たはアリール基、あるいは置換もしくは未置換のフルオ
ロアルキル、フルオロアリール、カルボキシアルキル、
カルボキシアリール、アルキルチオエーテル、アリール
チオエーテル、スルホアルキルまたはスルホアリール基
であるか、あるいは前記基の遊離酸またはアルカリ土類
塩もしくはアルキルアンモニウム塩もしくはアリールア
ンモニウム塩である。適当な基の具体例は、トリフルオ
ロメチル、メチル、エチル、n−ブチル、イソブチル、
フェニル、ナフチル、カルボキシメチル、カルボキシプ
ロピル、カルボキシフェニル、オキサレート、テレフタ
レート、メチルチオメチルおよびメチルチオエチルであ
る。
【0027】より好ましい態様では、R3 が水素または
メチルであり、そしてR4 がO=C−R5 である。R5
は炭素原子1〜10個のアルキル基、炭素原子6〜10
個のアリール基またはトリフルオロメチル基が好まし
い。最も好ましい二硫化化合物は、p−アセタミドフェ
ニルジスルフィドである。
【0028】好ましい二硫化化合物の具体例は、表Iに
挙げられる。
【0029】
【表1】
【0030】
【化7】
【0031】式III 中、Zは環を形成するのに必要な置
換もしくは未置換の炭素原子またはヘテロ原子を含む。
好ましいヘテロ原子は窒素である。Z上の好ましい置換
基は、例えば、メチル、エチルまたはフェニル基である
ことができる。R8 は、炭素原子2〜10個、好ましく
は炭素原子4〜8個の置換もしくは未置換のアルキルま
たはアリール基、あるいは遊離酸または前記基のアルカ
リ土類塩、アルキルアンモニウム塩もしくはアリールア
ンモニウム塩である。好ましいR8 は、置換もしくは未
置換のカルボキシアルキル、カルボキシアリール、アル
キルエステルまたはアリールエステル基である。適当な
置換基の例としてはアルキル基およびアリール基が挙げ
られる。
【0032】より好ましいZは4個の炭素原子からな
り、そしてR8 は炭素原子4〜8個のアルキルまたはカ
ルボキシアルキル基、あるいは前記基の遊離酸、アルカ
リ土類塩またはアンモニウム塩である。最も好ましい式
III の二硫化化合物は、5−チオクト酸である。式III
の具体例としては以下のものが挙げられる。
【0033】
【化8】
【0034】本発明のジカルコゲナイド化合物は、当業
者に既知の各種方法により製造できる。
【0035】添加されるジカルコゲナイド化合物の最適
量は、所望の最終結果、熟成の程度、ジカルコゲナイド
の構造および他の変化する要因に依存する。一般的に、
適当なジカルコゲナイドの濃度は、Ag1モル当り1×
10-9〜1×10-2モル、好ましくはAg1モル当り1
×10-7〜1×10-2モル、最も好ましくはAg1モル
当り1×10-5〜3×10-4モルである。
【0036】これらのジカルコゲナイド化合物は、固体
粒子分散体としてハロゲン化銀乳剤に添加される。驚く
べきことに、この方法に使用するジカルコゲナイドの添
加は、同じ量のジカルコゲナイド化合物が従来技術に教
示されるように添加される場合よりも遙かに大きなカブ
リ防止活性をもたらす。
【0037】写真乳剤は、一般に当該技術分野の常法に
よりコロイドマトリックス中のハロゲン化銀結晶の沈殿
により製造される。コロイドは、ゼラチン、アルギン酸
またはこれらの誘導体のような親水性フィルム形成性剤
が一般的である。
【0038】沈殿工程で形成される結晶は、当該技術分
野で既知のように化学増感および分光増感される。乳剤
の化学増感は、硫黄含有化合物、例えばアリルイソチオ
シアネート、チオ硫酸ナトリウムおよびアリル尿素のよ
うな増感剤、例えばポリアミンおよび錫塩のような還元
剤、例えば金および白金のような貴金属、ならびに例え
ばポリアルキレンオキシドのようなポリマー材を使用す
る。化学増感を完了するのに高温が使用される(ヒート
スパイク)。分光増感は増感色素のような剤で行われ
る。カラー乳剤では、従来技術文献に記載された多種多
様の剤のいずれかを使用して分光増感工程に色素が加え
られる。このような色素はヒートスパイクの前後の両方
で添加することが知られている。
【0039】分光増感後、乳剤は支持体上に塗布され
る。各種塗布技法としては、デップコーティング、エア
ーナイフコーティング、カーテンコーティングおよび押
出しコーティングが挙げられる。ジカルコゲナイド固体
粒子分散体は、沈殿中または分光/化学増感中の乳剤の
製造中のいずれかの時間に、またはメルト添加剤として
ハロゲン化銀に添加できる。固体粒子分散体を、同時係
属中の米国特許出願第07/869,679号(特願平
5−86988号)明細書に記載されるように沈殿後の
分光/化学増感前もしくはその間に添加する場合には、
感度の低減が最も少なく全体的なカブリ防止活性が最も
大きいことが見い出された。
【0040】水性固体分散体は、Paint Flow and Pigme
nt Dispersion, Temple C.Pattonによる第2版(wiley-
Interscience,New York,1979)(以下、Pattonと
いう)に記載されるような技法を用いジカルコゲナイド
と界面活性剤の水性スラリーをミル(磨砕)処理するこ
とにより製造される。選ばれるミル法の形式は、最終製
品中のジカルコゲナイド粒子が直径で1.0ミクロン未
満である最終製品を製造できるものである必要がある。
【0041】適当なミル法の2つの例は、ボールミルま
たはSWECO Vibro−Energy Mill
(SWECO,Inc.,Los Angeles C
A)を使用する。これらの方法のどちらも固体ジカルコ
ゲナイド化合物が、界面活性剤とミル媒体からなる水性
相を含むミル容器に入れられる。水性相は蒸留水または
水道水であってもよい。また、水性相は追加の界面活性
剤またはポリマーを含んでもよい。水性相に対するジカ
ルコゲン化合物の濃度は、最高の結果のためには1%〜
20%であらねばならない。
【0042】界面活性剤は、ハロゲン化銀写真要素に適
用できるものである必要がある。好ましい界面活性剤
は、トリトン(Triton、商標)X−200(Ro
hm& Haas,Philadelphia,Pa)
のようなアルキル化アリールポリエーテルスルホン酸塩
の精製品であるが、他のアニオン界面活性剤も使用でき
る。英国特許第1,570,362号明細書の教示とは
対照的に、広範囲の表面張力を有する界面活性剤が適す
ることが見い出された。界面活性剤/ジカルコゲナイド
の重量比は、0.01〜1、最も好ましくは0.05〜
0.2であらねばならない。
【0043】各種のミル媒体が使用できる。それらは、
ガラス製、セラミックス製、金属もしくは合金製である
ことができるが、酸化ジルコンのようなセラミックスが
好ましい。これらの媒体の形状およびサイズは変動でき
るが、1〜2mmのビーズが好ましい。ミル媒体に対する
スラリー重量は変動することができるが、SWECOミ
ル用の上記好ましい媒体では0.18であり、ボールミ
ル用では0.12が一般に使用される。好ましい実例で
は、容器の半分量まで媒体を入れられ、次いで媒体がち
ょうど覆われるまでスラリーが添加される。より多くの
スラリーを使用できるが、同じ粒子サイズを達成するま
でのミル処理時間が長くなるであろう。
【0044】上記4種の成分をいずれの順でそしていず
れの組み合わせで添加してもよい。例えば、ジカルコゲ
ナイド化合物を界面活性剤と混合してスラリーを形成
し、次いで水性相とミル媒体に加えるか、また、すべて
の成分を同時に容器へ加えてもよい。
【0045】ミル処理温度は変動できるが、わずかに高
温(<30℃)であってもよい。一般的に混合物は1〜
8日間ミル処理される。所望の粒子サイズはミル処理時
間を決定する因子である。ボールミルを使用する場合、
ミル処理時間は4〜8日間が一般的である。ボールミル
についての最適の回転速度は、Pattonにより示さ
れる式から算出できる。
【0046】ミル処理後、スラリーは粗い濾過によりミ
ル媒体から分離される。次に、スラリーを水性親水性ポ
リマー(好ましくは、ゼラチン)溶液で使用濃度まで希
釈し、固体粒子ゲル分散体を形成する。また、容器の内
容物、スラリーとビーズを親水性ポリマー(好ましく
は、ゼラチン)溶液中に希釈し、次いで粗い濾過により
ビーズを分離することもできる。最後に、スラリーを希
釈またはポリマーを添加することなく使用してもよい。
必要により、超音波処理で凝固物を破壊してもよい。
【0047】ジカルコゲナイド含有物の最終分散体の特
性決定は、分光光度計による分析により、そして粒子サ
イズは顕微鏡により行うことができる。粒子サイズは
1.0ミクロ未満であらねばならない。粒子サイズが小
さくなればなる程、より大きな活性が観察される。
【0048】以下の方法を使用して写真要素のカブリレ
ベルを測定できる。ネガ型ハロゲン化銀からポジ画像ま
たは反転画像を得るには、発色現像主薬で最初の現像を
行なって露光されたハロゲン化銀を現像する(色素は生
成しない)。次に、要素を光または、好ましくは化学的
にカブラせる。これが残りの未露光ハロゲン化銀を現像
可能にする。次に、第二の現像を発色現像主薬により行
ない、ポジ色素画像を得る。この処理はE−6カラーリ
バーサルプロセスしとて知られており、British Journa
l of Photography Annual, 1982, 201〜203 ページに記
載されている。
【0049】E−6プロセスからネガ色素画像を得るに
は、非発色現像後の残りの未露光ハロゲン化銀を要素か
ら溶出する。要素中に残存する現像された銀はハロゲン
化銀に転化し直す(再ハロゲン化)。E−6プロセスの
カラー現像と残りの工程が終了するとネガ色素画像を提
供する。E−6プロセスのこの再ハロゲン化転化は、E
−6リハロ(Rehalo)プロセスと称されている。
【0050】本発明の写真要素は、非発色銀画像形成要
素であることができる。それらは単色要素または多色要
素であることができる。多色要素は、典型的には、可視
スペクトルの3原色領域のそれぞれに感受性の色素画像
形成単位を含む。各単位は、与えられたスペクトル領域
に感受性の単一乳剤層または複数乳剤層からなることが
できる。画像形成単位層を始めとする要素の層は、当該
技術分野で既知の各種順序で配置できる。別のフォーマ
ットでは、スペクトルの3原色の各々は感受性の乳剤
を、例えば米国特許第4,362,806号明細書に記
載されるようなマイクロベッセルの使用により単一のセ
グメント層として配置できる。要素は、追加の層、例え
ばフィルター層、中間層、オーバーコート層、下塗り
層、などを含むことができる。
【0051】本発明の乳剤および要素で使用するのに適
する材料の以下の説明では、引用がResearch Disclosur
e , 1989年12月、Itom 308119,(Kenneth Mason Public
ations,Ltd.,発行、 Dudley Annex,12a North Street,
Emsworth,Hampshire P0107DQ,ENGLAND)について行われ
る。この刊行物は、以後、「Research Dis
closure」と称される。
【0052】本発明の乳剤で使用されるハロゲン化銀乳
剤は、ネガ型またはポジ型のいずれかであることができ
る。適当な乳剤およびそれらの製造例は、Resear
chDisclosure、第IおよびII節ならびにそ
こで引用される刊行物に記載されている。本発明の要素
の乳剤層や他の層に適するビヒクルのいくつかは、Re
search Disclosure、第IX節およびそ
こで引用される刊行物に記載されている。
【0053】これらのハロゲン化銀乳剤は、Resea
rch Disclosure、第III およびIV節に記
載されるように各種の方法で化学増感および分光増感で
きる。限定されるものではないが、本発明の要素は、R
esearch Disclosure、第VII 節、パ
ラグラフD,E,FおよびGならびにそこで引用される
刊行物に記載される各種色素生成カプラーを含むことが
できる。これらのカプラーは、Research Di
sclosure、第VII 節、パラグラフCおよびそこ
で引用される刊行物に記載されるように要素および乳剤
へ組み入れることができる。
【0054】本発明の写真要素またはそれらの個々の層
は、数あるものの中から、蛍光増白剤(例えば、Res
earch Disclosure、第V節)、カブリ
防止剤および安定化剤(例えば、Research D
isclosure、第VI節)、汚染防止剤および画像
色素安定化剤(例えば、Research Discl
osure、第VII 節、パラグラフIおよびJ)、光吸
収剤および光散乱剤(例えば、Research Di
sclosure、第VIII節)、硬化剤(例えば、Re
search Disclosure、第X節)、可塑
剤および滑剤(例えば、Research Discl
osure、第XII 節)、帯電防止剤(例えば、Res
earch Disclosure、第XIV 節)、マッ
ト剤(例えば、Research Disclosur
e、第XVI 節)および現像改質剤(例えば、Resea
rch Disclosure、第XXI 節)を含むこと
ができる。
【0055】これらの写真要素は、限定されるものでな
いが、Research Disclosure、第XV
II節およびそこに記載される引用例に記載される各種支
持体上へ塗布できる。写真要素は、典型的には、Res
earch Disclosure、第XVIII 節に記載
されるように可視領域スペクトルの化学線に露光して潜
像を形成し、次いでResearch Disclos
ure、第XIX 節に記載されるように処理して可視画像
を形成できる。可視画像を形成するための処理は、発色
現像主薬と要素を接触させて現像可能なハロゲン化銀を
還元し、同時に発色現像主薬を酸化する工程を含む。酸
化された発色現像主薬が、次にカプラーと反応して色素
を提供する。
【0056】ネガ型ハロゲン化銀では、上記処理工程は
ネガ画像を提供する。ポジ(または反転)画像を得るに
は、この工程を非発色現像主薬で現像することにより露
光されたハロゲン化銀を現像(色素を生成しない)し、
次いで要素を均一にカブラせて未露光ハロゲン化銀を現
像可能にした後、カラー現像剤で現像する。また、直接
ポジ乳剤を使用してポジ画像を得ることができる。
【0057】現像後、通常の漂白、定着または漂白定着
工程により、銀およびハロゲン化銀を除去し、洗浄し、
次いで乾燥する。
【0058】
【実施例】以下の例は本発明をより具体的に説明するも
のであって、限定するものでない。
【0059】調製例1 60mLの褐色ボトルに、化合物II−1 1.0g、蒸留
水21.68g、12Nプロピオン酸34mLを含む界面
活性剤トリトン(商標)X−200(Rohmand
Haas,Philadelphia,Pa.)の6.
8%溶液2.65g、および1.8mm直径の酸化ジルコ
ン製のミル媒体137gを入れた。次に、このボトルを
蓋をし、SWECOミル上に固定して室温で4日間ミル
処理した。ミルからボトルと内容物を取り出し、40℃
に加温し、次いで溶融脱イオン化骨ゼラチン(12.5
%)8.0gをよく撹拌しながら加えた。ボトル内容物
を粗いメッシュの篩いを通して分散体からミル媒体を分
離した。この分散体の二硫化物の粒子は、顕微鏡により
1.0μmより小さかった。相対的であるが粒子サイズ
の定量測定値は、その濁度起因する試料の吸光度を測定
することにより得た。例えば、この例の分散体を0.1
5%二硫化物と3.0%ゼラチンまで希釈し、0.10
mmセルで500nmにて測定すると吸光度0.20を示し
た。
【0060】調製例2 950ccの褐色ボトルに1.8mmの酸化ジルコンミル媒
体1600gを入れた。次に、例1の二硫化物と界面活
性剤のスラリーと水とを加えた。スラリーの二硫化物濃
度をスラリー当り5.0から10.0重量%に変え、界
面活性剤濃度を二硫化物当り0.10から0.20重量
%に変えた。次に、媒体とスラリーを含むボトルを、P
attonの式から算出された最適回転スピードのボー
ルミル上に4〜8日間置いた。ミル処理後、粗いメッシ
ュの篩でスラリーから媒体を除去し、分散体を脱イオン
化骨ゼラチン溶液で希釈して1.5%と6.0%のゼラ
チン濃度にした。顕微鏡は、すべての分散体の二硫化物
粒子サイズが1ミクロン未満であることを示した。これ
らの分散体の吸光度は、例1に記載したように測定した
とき、0.14〜0.25であった。
【0061】調製例3 構造II−3、II−5、II−6、II−7およびII−8の二
硫化物のSWECOミル処理分散体を例1の方法を用い
て調製した。
【0062】調製例4 例2に記載した技法と二硫化物を用い、さらに各種界面
活性剤を用いてボールミル分散体を調製した。これらの
スラリーは、二硫化物7.5%で、界面活性剤1.12
5%(界面活性対二硫化物の比0.15)であり、そし
て6日間ミル処理した。使用した界面活性剤は、エール
ゾル(Aerosol)OT(American Cy
anamide,Wayne,NJ)、トリトン X−
200(Rohm and Haas,Philade
lphia,PA)、ドデシル硫酸ナトリウム、オレイ
ルメチルタウリンおよびドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウムで、それぞれの1g/Lの表面張力は31.
1,28.0,49.1,42.4および31.9dyne
/cmであった。すべての分散体が1μm未満の二硫化物
粒子サイズを有していた。
【0063】調製例5 1.6ガロンのアベタン(Abbethane)ジャー
(Paul O.Abbe Inc.,Little
Falls,NJ)中に1.8mmの酸化ジルコンミル媒
体10.4kg、例1の二硫化物92.65g、例1の界
面活性剤溶液204.8gおよび蒸留水937.7gを
入れた。内容物を含むジャーをボールミル上に置き、P
attonにより規定される63rpm で14日間回転さ
せた。ミル処理後、例2に記載されるようにスラリーを
媒体から分離し、脱イオン化骨ゼラチンおよび水で希釈
した。最終分散体内の粒子は1μmより小さかった。こ
の分散体の吸光度は、例1に記載されるように測定した
ところ、0.18であった。
【0064】調製例6 下記のように次の例のための対照乳剤を調製し、塗布
し、そして現像した。0.56×0.083μmのAg
Br/I平板状乳剤(4.1%ヨウ化物)を、61℃で
15日間、チオシアン酸ナトリウム(Ag1モル当り
0.185g)、金酸ジチオ硫酸ナトリウム・2水和物
(Ag1モル当り6.6mg)、チオ硫酸ナトリウム・5
水和物(Ag1モル当り6.2mg)、DYE−1(Ag
1モル当り0.88g)およびDYE−2(Ag1モル
当り0.088g)の存在下で増感した。塗膜を調製す
る際に、得られた増感乳剤を追加の水、ゼラチンおよび
4−ヒドロキシ−6−メチル−テトラアザインデンナト
リウム塩・1水和物(Ag1モル当り1.75g)と混
合した。ゼラチン、カプラー1および塗布界面活性剤か
らなる第二メルトを、酢酸セルロース支持体上へ塗布す
る直前に等量の前記乳剤と混合した。次に、この乳剤層
をゼラチンオーバーコートで保護し、次いで硬化させ
た。得られた乾燥塗膜を段階濃度試験片と0.3濃度I
nconelおよびコダックラッテン23Aフィルター
を通して5500K光で露光した。次に、露光されたス
トリップを再ハロゲン化E−6薬品で処理した。
【0065】
【化9】
【0066】例7 1L当りの化合物II−1 4.06gを含有するメタノ
ール溶液(II−1−M)を得た。この溶液の一部を、他
の増感剤を添加する前に例6の原液乳剤の一部に、別々
に加えた。次に、この乳剤を、例6に記載したように増
感し、塗布し、そして処理した。Dminを0.3上廻
る点でのCR単のDminおよびスピードを読み取っ
た。
【0067】
【表2】
【0068】これらの結果は、この態様で使用した場
合、化合物II−1は新鮮カブリとスピードを低減しない
だけでなく、活性が使用レベルに依存することも示す。
【0069】例8 例1の分散体(II−1−D)の一部を、例7のようにA
g1モル当りII−133mgを与えるように、他の増感剤
添加前に例6の原液乳剤に加えた。II−1を含まないブ
ランクゼラチン溶液(O−Dと称する)を調製し、II−
1−Dと等重量をもう一つの原液乳剤の一部に加え、上
記のように処理した。II−1−Mもまた、Ag1モル当
りII−1 33mgとなるように原液乳剤の一部に加え
た。次に、これらの乳剤を、例6のように増感し、塗布
し、そして処理した。下記の結果が得られた。
【0070】
【表3】
【0071】メタノール溶液の状態であるか、固体粒子
分散体の状態であるかにかかわらず、この態様で使用し
た場合、二硫化物の作用はカブリ抑制剤とみなされるこ
とがわかる。II−1−DによるDminとスピードの低
減(O−Dの作用については説明されない)は、驚くべ
きことであり、そしてII−1の固体粒子分散体ではより
大きな活性を示す。
【0072】例9 従来の分散体を、シクロヘキサノン140.0g中二硫
化物II−1 10.0gのスラリーを二硫化物が溶解す
るまで加熱して調製した。この有機溶媒溶液をよく撹拌
しながら8.0%骨ゼラチンと0.8%トリイソプロピ
ルナフタレンスルホン酸ナトリウムの水溶液850g中
に流し込み、次いで5度コロイドミルを通した。得られ
た分散体を急速に冷却凝固し、ヌードル化し、次いで硬
水で14時間洗浄してシクロヘキサノンを除去した。こ
の分散体をII−1−CSと称する。
【0073】例10 従来の分散体II−1−CSの一部を、他の増感剤の添加
前に例7のようにAg1モル当りII−1 5mg提供する
ように例6の原液乳剤に加えた。別の乳剤の一部を、A
g1モル当りII−1 5mgでII−1−Dで同様に処理し
た。さらなる乳剤の一部を、Ag1モル当りII−1 5
mgを提供するようにII−1−Mで同様に処理した。増感
後、乳剤を例6のように塗布しそして処理して下記の結
果を得た。
【0074】
【表4】
【0075】これらの結果は、p−アセタミドフェニル
ジスルフィドのメタノール溶液も従来の分散体もDmi
nを低減することを示す。しかし、固体粒子分散体は、
従来の分散体よりDminの低減剤として遙かに大きな
活性を示す。この大きな活性は、従来技術からは予期さ
れなかった。
【0076】例11 II−1の4種の固体粒子分散体試料を、粒子サイズを変
えて調製した。相対的な粒子サイズを例1の吸光度法で
モニターした。例6に記載したように調製した乳剤の一
部を、Ag1モル当りII−1 5mgを与えるように異な
る粒子サイズ分散体で別個に処理した。次に、これらの
乳剤を例6のように露光し、そして処理した。
【0077】
【表5】
【0078】これらの結果は、固体粒子分散体の粒子サ
イズが小さくなるにつれ、Dminの低減が大きくなる
ことを示す。
【0079】例12 例7由来の各種量の溶液II−1−Mを5%骨ゼラチン溶
液に加えた。メタノール溶液を総溶液量の0.5%を超
えるように調製した場合には、顕微鏡で10μmより大
きい二硫化物の結晶が検出された。同様に重要なこと
は、メタノール溶液が1.0%および2.0%であった
ときには、反復実験は同じサイズまたはサイズ分布の結
晶を生成することができなかった。これは、メタノール
溶液を乳剤および写真塗布メルトに加える場合に同様な
結晶化が生じ、そして塗布を行う前のその後の濾過が写
真要素中の二硫化物の各種レベルと各種の写真の結果を
もたらすものと考えられる。対照的に、例1および2の
もののように水性固体粒子分散体を使用して同様のレベ
ルの二硫化物含有ゼラチン溶液を調製した場合には、顕
微鏡では大きな結晶はまったく見られない。従って、変
動が少なく、より再現性のある写真結果が、水性固体粒
子分散体を使用して要素を作製した場合に得られる。
【0080】本発明を具体例により説明してきたが、請
求項に記載の発明との関連で、さらに具体化された本発
明の態様を下記に記載する。式IのR1 およびR2 が独
立して置換されたアルキルまたはアリール基であり、そ
してそのジカルコゲナイド分子が対称であり、かつ分子
量が1分子当り210gより大きいことを特徴とする請
求項に記載したような方法。前記ジカルコゲナイド化合
物が下記式IIまたはIII で示される二硫化化合物である
ことを特徴とする請求項に記載したような方法。
【0081】
【化10】
【0082】上式中、Gは硫黄に関して芳香核上のオル
ソ、メタまたはパラ位に存在する水素、水酸基、SO3
MまたはNR3 4 であり、Mは水素またはアルカリ土
類、アルキルアンモニウムもしくはアリールアンモニウ
ムカチオンであり、R3 は水素または置換もしくは未置
換のアルキルもしくはアリール基であり、R4 は水素、
O=C−R5 またはO=C−N−R6 7 であり、そし
てR5 ,R6 およびR7 は、独立して水素または水酸基
または未置換のアルキルまたはアリール基または置換も
しくは未置換のフルオロアルキル、フルオロアリール、
カルボキシアルキル、カルボキシアリール、アルキルチ
オエーテル、アリールチオエーテル、スルホアルキルも
しくはスルホアリール基、あるいは前記基の遊離酸、ア
ルカリ土類塩またはアルカリアンモニウムもしくはアリ
ールアンモニウム塩である。
【0083】
【化11】
【0084】上式中、Zは環を形成するのに必要な置換
もしくは未置換の炭素もしくはヘテロ原子を含み、R8
は炭素原子2〜8個の置換もしくは未置換のアルキルも
しくはアリール基、あるいは前記基の遊離酸またはアル
カリ土類塩またはアリールアンモニウムもしくはアルキ
ルアンモニウム塩である。
【0085】二硫化物が式IIで示され、そしてその分子
が対称であり、かつ式II中のGが硫黄に関し芳香族核上
のオルソ、メタもしくはパラ位にあるNR3 4 であ
り、そしてR4 は水素またはO=C−R5 であることを
特徴とする請求項に記載されたような方法。
【0086】式II中のGが硫黄に関しパラ位にあり、R
3 が水素またはメチルであり、R4がO=C−R5 であ
り、そしてR5 が炭素原子1〜10個のアルキル基、炭
素原子6〜10個のアリール基またはトリフルオロメチ
ル基であることを特徴とする請求項に記載されたような
方法。
【0087】二硫化化合物がビス(4−アセタミドフェ
ニル)ジスルフィドであることを特徴とする請求項に記
載されたような方法。
【0088】二硫化化合物が式III で示され、そしてR
8 が炭素原子2〜10個の置換もしくは未置換のカルボ
キシアルキル、カルボキシアリール、アルキルエステル
もしくはアリールエステルあるいは前記基の遊離酸また
はアルカリ土類塩、アリールアンモニウムもしくはアル
キルアンモニウム塩であることを特徴とする請求項に記
載されたような方法。
【0089】式II中のZが環を形成するのに必要な炭素
原子を含んでなり、そしてR8 が炭素原子4〜8個の置
換もしくは未置換のアルキルもしくはアリール基、ある
いは前記基の遊離酸またはアルカリ土類塩またはアリー
ルアンモニウムもしくはアルキルアンモニウム塩である
ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【0090】式II中のR8 が炭素原子4〜8個の置換も
しくは未置換のカルボキシアルキル、カルボキシアリー
ル、アルキルエステルもしくはアリールエステル、ある
いは前記基の遊離酸またはアルカリ土類塩またはアリー
ルアンモニウムもしくはアルキルアンモニウム塩である
ことを特徴とする請求項に記載されたような方法。
【0091】二硫化化合物が5−チオクト酸であること
を特徴とする請求項に記載されたような方法。
【0092】二硫化化合物のカブリ防止量がAg1モル
当り1×10-7〜1×10-2モルであることを特徴とす
る請求項に記載されたような方法。
【0093】二硫化化合物のカブリ防止量がAg1モル
当り1×10-5〜3×10-4モルであることを特徴とす
る請求項に記載されたような方法。
【0094】二硫化化合物の固体粒子のサイズが1ミク
ロン未満であることを特徴とする請求項に記載されたよ
うな方法。
【0095】二硫化化合物の固体粒子分散体が、二硫化
化合物を界面活性剤、水性相およびミル媒体とを混合し
てスラリーを形成し、このスラリーをミル処理し、ミル
媒体を濾去し、そして残存したスラリーをゼラチンと混
合して調製された固体粒子ゼラチン分散体であることを
特徴とする請求項に記載されたような方法。
【0096】界面活性剤がアルキル化アリールポリエー
テルスルホン酸塩であることを特徴とする請求項に記載
されたような方法。
【0097】ハロゲン化銀乳剤が臭ヨウ化銀乳剤である
ことを特徴とする請求項に記載されたような方法。
【0098】臭ヨウ化銀乳剤の沈殿および増感工程を含
んでなる写真ハロゲン化銀乳剤の製造方法であって、式
II
【0099】
【化12】
【0100】(上式中、Gは硫黄に関しパラ位に存在す
るNR3 4 であり、R3 は水素またはメチルであり、
4 はO=C−R5 であり、そしてR5 は炭素原子1〜
10個のアルキル基、炭素原子6〜10個のアリール基
またはトリフルオロメチル基である)で示される二硫化
化合物をAg1モル当り1×10-7〜1×10-2モル臭
ヨウ化銀乳剤へ添加することを特徴とし、さらに前記二
硫化化合物が固体粒子ゲル分散体として添加されること
を特徴とする方法。
【0101】二硫化化合物の添加量がAg1モル当り1
×10-5〜3×10-4モルであることを特徴とする前記
方法。
【0102】固体粒子のサイズが1ミクロン未満である
ことを特徴とする前記方法。
【0103】固体粒子ゲル分散体が界面活性剤としてア
ルキル化アリールポリエーテルスルホン酸塩を使用して
調製されたことを特徴とする前記方法。
【発明の効果】本発明によれば、一定のジカルコゲナイ
ド化合物を固体粒子水性分散体としてハロゲン化銀乳剤
または写真感光材料に添加すると、それらのカブリ防止
効果が、同じジカルコゲナイドの水混和性有機溶媒溶液
または従来のカプラー分散体が奏する効果より有意に大
きいことが見い出された。その上、ジカルコゲナイドの
カブリ防止効果は、固体粒子水性分散体中のジカルコゲ
ナイド粒子のサイズにより制御できる。さらに、本発明
の方法は、水混和性有機溶媒溶液で達成されるものに比
し、高度の再現性を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化銀乳剤の沈殿および増感工程
    を含んでなる写真ハロゲン化銀乳剤の製造方法であっ
    て、次式I R1 −X1 −X2 −R2 (I) (上式中、X1 およびX2 は、独立してS,Seまたは
    Teであり、R1 およびR2 はX1 およびX2 と一緒に
    なって環系を形成するか、あるいは独立して置換もしく
    は未置換の環式基、非環式基または複素環式基である)
    で示される反応非活性カルコゲン化合物のカブリ防止量
    をハロゲン化銀乳剤に添加することを特徴とし、 さらに前記カルコゲン化合物を固体粒子分散体として添
    加することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法によって製造され
    た写真ハロゲン化銀乳剤。
JP5088606A 1992-04-16 1993-04-15 写真乳剤および塗膜用のジカルコゲナイド水性固体粒子分散体 Pending JPH0619037A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US07/869,678 US5217859A (en) 1992-04-16 1992-04-16 Aqueous, solid particle dispersions of dichalcogenides for photographic emulsions and coatings
US869678 1992-04-16

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0619037A true JPH0619037A (ja) 1994-01-28

Family

ID=25354058

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5088606A Pending JPH0619037A (ja) 1992-04-16 1993-04-15 写真乳剤および塗膜用のジカルコゲナイド水性固体粒子分散体

Country Status (4)

Country Link
US (1) US5217859A (ja)
EP (1) EP0566079B1 (ja)
JP (1) JPH0619037A (ja)
DE (1) DE69314216T2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6339965A (ja) * 1986-08-04 1988-02-20 Mitsubishi Chem Ind Ltd モノアゾ染料
EP2292596A2 (en) 1997-02-12 2011-03-09 Japan Tobacco, Inc. CETP activity inhibitor

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5364754A (en) * 1992-04-16 1994-11-15 Eastman Kodak Company Silver halide photographic emulsions precipitated in the presence of organic dichalcogenides
JP2811257B2 (ja) * 1992-04-24 1998-10-15 富士写真フイルム株式会社 ハロゲン化銀写真感光材料
US5328820A (en) * 1992-11-19 1994-07-12 Eastman Kodak Company Silver halide photographic emulsions sensitized in the presence of organic disulfides and sulfinates
US5418127A (en) * 1993-05-28 1995-05-23 Eastman Kodak Company Water-soluble disulfides in silver halide emulsions
JP3401691B2 (ja) * 1994-09-01 2003-04-28 コニカ株式会社 ハロゲン化銀写真用乳剤の化学増感方法及びハロゲン化銀写真感光材料
US5652090A (en) * 1996-03-15 1997-07-29 Eastman Kodak Company Silver halide photographic elements containing dithiolone compounds
US5879872A (en) * 1997-05-16 1999-03-09 Eastman Kodak Company Silver halide photographic elements containing sulfenimide compounds
US5759762A (en) * 1997-05-30 1998-06-02 Eastman Kodak Company High chloride emulsion with dimethylamine silver chloro-iodide and antifoggants
US5759760A (en) * 1997-06-04 1998-06-02 Eastman Kodak Company Aqueous solid particle dispersions in chemical sensitization
DE69801957T2 (de) * 1997-06-13 2002-04-25 Agfa-Gevaert N.V., Mortsel Lichtempfindliches Bildaufzeichnungselement mit verbessertem Verhältnis zwischen Empfindlichkeit und Schleier
US6492101B1 (en) 2001-04-03 2002-12-10 Eastman Kodak Company Silver halide emulsions precipitated in the presence of ortho-substituted water-soluble disulfides
JP2004226434A (ja) * 2003-01-20 2004-08-12 Konica Minolta Holdings Inc ハロゲン化銀乳剤、ハロゲン化銀写真感光材料及び画像形成方法
KR20080008440A (ko) * 2003-03-17 2008-01-23 니뽄 다바코 산교 가부시키가이샤 Cetp 억제제의 약제학적 조성물
CA2519458A1 (en) * 2003-03-17 2004-09-30 Japan Tobacco Inc. Method for increasing the oral bioavailability of s-[2-([[1-(2-ethylbutyl)cyclohexyl]carbonyl]amino)phenyl]-2-methylpropanethioate
TWI393560B (zh) * 2003-05-02 2013-04-21 Japan Tobacco Inc 包含s-〔2(〔〔1-(2-乙基丁基)環己基〕羰基〕胺基)苯基〕2-甲基丙烷硫酯及hmg輔酶a還原酶抑制劑之組合

Family Cites Families (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US1962133A (en) * 1933-05-18 1934-06-12 Eastman Kodak Co Photographic emulsion containing certain disulphides as antifoggants
US2465149A (en) * 1946-04-25 1949-03-22 Gen Aniline & Film Corp Tetrazolyl disulfides as stabilizing agents for silver-halide emulsions
US2728668A (en) * 1952-12-05 1955-12-27 Du Pont Photographic emulsions containing a 1,2-dithiolane
US2756145A (en) * 1953-12-31 1956-07-24 Eastman Kodak Co Silver halide emulsions containing a diamino diphenyl amine stabilizer
BE569317A (ja) * 1957-07-11
BE593048A (ja) * 1959-07-17
BE593047A (ja) * 1959-07-17
BE594454A (ja) * 1959-09-04
US3128186A (en) * 1960-07-15 1964-04-07 Gen Foods Corp Stabilized photographic silver halide emulsions
US3397986A (en) * 1964-12-29 1968-08-20 Eastman Kodak Co Photographic emulsion stabilized with bis (p-acylamidophenyl) disulfides
US3563754A (en) * 1966-11-23 1971-02-16 Eastman Kodak Co Photographic process
US4006025A (en) * 1975-06-06 1977-02-01 Polaroid Corporation Process for dispersing sensitizing dyes
FR2344050A1 (fr) * 1976-03-09 1977-10-07 Agfa Gevaert Ag Technique d'introduction d'additifs photographiques dans des emulsions d'un sel d'argent
JPS58105141A (ja) * 1981-12-17 1983-06-22 Fuji Photo Film Co Ltd ハロゲン化銀乳剤の製造方法
JPS5986039A (ja) * 1982-11-08 1984-05-18 Fuji Photo Film Co Ltd ハロゲン化銀写真感光材料
US4468454A (en) * 1983-06-10 1984-08-28 E. I. Du Pont De Nemours And Company Antifoggant process
US4607000A (en) * 1985-04-04 1986-08-19 Eastman Kodak Company Amido substituted divalent chalcogenide fog inhibiting agents for silver halide photography
JPH0642043B2 (ja) * 1986-04-10 1994-06-01 富士写真フイルム株式会社 固体粒子膜の形成方法
US4948718A (en) * 1987-12-23 1990-08-14 Eastman Kodak Company Photographic silver halide elements containing solid particle dispersions of dyes
US4927744A (en) * 1988-08-05 1990-05-22 Eastman Kodak Company Photographic element having solid particle dispersion oxidized developer scavenger
US5364754A (en) * 1992-04-16 1994-11-15 Eastman Kodak Company Silver halide photographic emulsions precipitated in the presence of organic dichalcogenides
US5219721A (en) * 1992-04-16 1993-06-15 Eastman Kodak Company Silver halide photographic emulsions sensitized in the presence of organic dichalcogenides

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6339965A (ja) * 1986-08-04 1988-02-20 Mitsubishi Chem Ind Ltd モノアゾ染料
EP2292596A2 (en) 1997-02-12 2011-03-09 Japan Tobacco, Inc. CETP activity inhibitor

Also Published As

Publication number Publication date
US5217859A (en) 1993-06-08
DE69314216D1 (de) 1997-11-06
EP0566079A2 (en) 1993-10-20
EP0566079A3 (en) 1995-01-04
DE69314216T2 (de) 1998-04-23
EP0566079B1 (en) 1997-10-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5219721A (en) Silver halide photographic emulsions sensitized in the presence of organic dichalcogenides
JPH0619037A (ja) 写真乳剤および塗膜用のジカルコゲナイド水性固体粒子分散体
JPS61170732A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
US5364754A (en) Silver halide photographic emulsions precipitated in the presence of organic dichalcogenides
JPS63287945A (ja) 感光性ハロゲン化銀写真材料
JPH0772580A (ja) 水溶性ジスルフィド化合物およびそれを含んで成る写真要素
US5700631A (en) Photographic element containing new gold(I) compounds
US5328820A (en) Silver halide photographic emulsions sensitized in the presence of organic disulfides and sulfinates
EP0195622B1 (en) Hydrolyzed azolium speed enhancing/fog-inhibiting agents for silver halide photography
EP0359169B1 (en) Photographic recording material comprising magenta coupler and a chalcogenazolium salt
JPH07199390A (ja) 写真要素及び写真方法
EP0366300A1 (en) Red and infrared films containing either 5-thio-1,2,3,4-thiatriazoles and 5-oxy-1,2,3,4-thiatriazoles or 5-substituted-thio-1,2,3,4-thiatriazoles and 5-substituted-oxy-1,2,3,4-thiatriazoles
JP2791492B2 (ja) 画像形成方法
EP0328391B1 (en) Stabilizers for photographic emulsions
US5989795A (en) Performance of photographic emulsions at high silver ion concentrations
JP2787628B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH01253736A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP2000514931A (ja) ハロゲン化銀写真フィルム用画像トーン変調剤
JPH0772577A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPS6025774B2 (ja) ハロゲン化銀写真材料の製造方法
JP4225664B2 (ja) ハロゲン化銀乳剤の製造方法
CA1060698A (en) Blended internal latent image emulsions, elements including such emsulsions and processes for their use and preparation
JP2001201810A (ja) ハロゲン化銀乳剤の製造方法
JPH05273689A (ja) 固体粒子分散物状で核生成剤を含有する直接ポジ用写真感光材料
JPH04238340A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料