JPH0618595Y2 - 噴射ノズル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は、流体噴射ノズルにかかり、詳しくは噴射さ
れた流体がねじれた形に変形するノズルに関するもので
ある。

〈従来の技術〉 従来、噴水などに利用されるノズルは、円形断面のもの
がほとんどで、噴出された流体は結局略円形状の断面形
状となってしまい、噴水の形状は略同様なものとなって
いた。

〈考案が解決しようとする課題〉 上記、従来一般のノズルでは、噴射される水の形はノズ
ルから離れるといずれも略同様の形となってしまう。こ
のため、噴水によって形成されるパターンが単調とな
り、例えば鑑賞用の噴水などに用いる場合には、どのノ
ズルから噴射される噴水形状も略同じで、鑑賞用の噴水
としての価値が少なくなる等の欠点があった。

また、噴水柱に変化を付けるには、噴射ノズルを回転さ
せる等の方法が用いられるが、噴射ノズルの回転装置等
の補助装置が複雑となり、取り付けのために時間と費用
を費やさなければならないといった問題があった。

〈課題を解決するための手段〉 上記のような課題を解決するための本考案噴射ノズル
は、高圧側から所定圧力の噴出流体が流入する噴出流路
９と、該噴出流路９の下流側に設けられた噴出口11とか
らなるノズル１において、噴出流路９断面及び噴出口11
の形状を矩形状とし、噴出流路９内において噴出流路９
の断面長手方向の片側内面に突出部17を設け、噴出流路
９内の一部を幅狭としたことを特徴としている。

〈作用〉 噴射ノズル１内の噴出流路９には、高圧側から噴出流体
が流入する。噴出流路９内に流入した噴出流体は突出部
17と反対側内面の間を通過する時に、横方向に分布する
流速度が変化し、これにより噴出口11における噴出流体
の流速度が変化する。噴出口11は偏平した矩形状である
ため、噴射された流体は偏平した矩形状断面形状とな
り、噴出口11の横方向の流速分布の変化によって、噴射
された流体の流速の遅い側から順次放物線を描いて落下
する。これにより、噴射流の形状はねじれた形に変形す
ることとなる。

〈実施例〉 以下本考案の一実施例について図面に基づき詳説する。
第１図は噴射ノズルの溝形成部材３の内部を表す平面図
である。

第１図及び第２図に示すように、部材３には溝５が形成
されている。該溝５は部材３に重ねられボル等によって
固定されるプレート状部材７によって覆われる。噴射ノ
ズル１は上記溝形成部材３とプレート状部材７とによっ
て構成され、部材３の溝５と、溝５を覆う部材７とによ
って噴射ノズル１内には噴出流路９が形成される。

噴出流路９内の上流側においては、噴出流体が流入する
流入口13が穿設されている。流入口13は、部材３の外側
に設けられた管状接続部15の噴出流路９側開口部となっ
ている。管状接続部15の外側端にはねじ山が切られ、他
の給水管等と接続が可能となる様に構成されている。給
水管との接続方法は他の構造によっても良く、その際は
接続部15の端部形状を適宜変更する。

本実施例の噴射ノズル１においては、接続部15には噴出
流体たる水を一定の圧力で噴射ノズル１へ送るポンプ等
が接続される。そして、そのポンプ等が接続された高圧
側から接続部15，流入口13を通って、噴出するために必
要な所定圧力で水が供給される。接続部15を噴射ノズル
１に設けたことによって、高圧側給水装置などに、着脱
自在に取り付けることができ、例えば既存の装置に取り
付けられた噴射ノズルと交換することも可能となる。

一方、噴出流路９の下流側端部は噴射ノズル１の外側に
臨み、噴出口11となっている。噴出口11は噴出流路９が
そのまま噴射ノズル１の外側まで及んだもので、噴出口
11の形状は噴出流路９の横断面形状と略等しく、縦の長
さより横の長さが数倍長い偏平した矩形状となってい
る。

第１図及び第２図に示すように、流入口13の下流側に
は、噴出流路９の中心線Ｍへ向けて大きく突出した突出
部17が、噴出流路９の断面長手方向の片側内面に設けら
れている。

突出部17を設けることによって、突出部17と反対側の内
面21との間には流入口13から供給された水流が通過する
幅狭部19が形成される。

第１図及び第２図に示すように、突出部17は、流入口13
の円形孔の円周に沿って凹状円弧曲線を描きながら内側
に突出するガイド面18aと、突出頂点16から凸状に湾曲
して内面21の対向面へ戻るガイド面18bを有している。

以上のように構成された本実施例のノズルの作用につい
て説明すると、流入口13から流入した水は幅狭部19を通
過する際、突出部17のガイド面18aと、反対側の通直な
内面21とに接触する。ガイド面18aに接触した水流は一
部はガイド面18bに沿って流れ、他はガイド面18aの湾曲
によって内面21方向へ向けられて内面21に衝突する。内
面21に衝突した水の一部は跳ね返ってガイド面18aに沿
った流れと合流し、他はそのまま内面21側に沿って流れ
る。内面21に沿って流れる水の速度は速く、噴出口11に
近付くにつれて噴出流路９の中心線Ｍ寄りの水流が内面
21側の高速水流から少しづつ離れて速度が落ち、噴出口
11では第１図に示すように、内面21側から順に噴出速度
が遅くなって噴射される。

ここでガイド面18は上記の如く滑らかな円弧状に湾曲し
た曲線を描いているので、水流は乱流を起こすことなく
滑らかに該ガイド面18に案内されて下流へ流れ、流線に
乱れが生じない。このため噴射ノズル１によって形成さ
れる水流は奇麗にそろって噴射される。

幅狭部19から噴出口11へ向けて流れる流速は、第３図に
示すように、流線の直交方向において線形的に変化して
いる。噴出口11においても同様の流速分布となってお
り、その状態で噴出流体は噴出口11から噴射される。

第３図(A)(B)(C)は噴射ノズル１から噴射された噴水流3
1の形状変化の状態を示す平面図，側面図及び適宜位置
での断面図である。

噴射ノズル１は所定角度で上方へ向けて設置され、同角
度で水を噴射する。噴射された水は噴出口11の噴出位置
において、それぞれ異なる流速を有するため、第３図
(B)(C)に示すように、噴水流速が遅い側の放物線がずれ
て、流速の遅い側の水流が最初に落下する。一方、流速
の速い側の水流は大きな放物線を描いてが遠方まで及
ぶ。この結果、噴射ノズル１の噴出口11から噴射された
水流31は横方向に偏平な噴出口11から噴射されたにも拘
わらず、縦方向にねじれて薄く伸びた形に変形し、第３
図(A)に示すように落下地点の形状は噴出方向へ向けて
一直線となる。

第４図は、突出部の形状が異なる他の実施例を示すもの
で、部材３の平面図である。

第４図(A)は突出部33の凹状ガイド面34aは上記実施例と
同様であるが、下流側の凸状ガイド面34bを下流方向へ
延設し、より滑らかに水が流れるようにしたものであ
る。第４図(B)及び(C)に示す突出部35,37は三角形状及
びプレート状となっており、いずれも加工が容易で組み
立てが簡単であるといった特徴がある。

〈考案の効果〉 以上の如く構成されるこの考案のノズルによれば、噴出
口における左右端の噴出水の速さが異なり噴水形状がね
じれた形状に噴射される。

このため、従来の噴水のパターンに、多彩な変形を施す
ことができ、例えば鑑賞用噴水の鑑賞価値も向上する。

さらに、上記のようなねじれ形状の噴水を、突出部を噴
出流路内に設けた簡単な構造で実現することができ、該
噴射ノズルを低コストで容易に製造できるといった利点
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は噴射ノズルの溝形成部材平面図、第２図は噴出
流路及び突出部を示す噴射ノズルの斜視図、第３図(A)
(B)(C)は噴射ノズルからの噴出流体の噴出形状を示す平
面図及び側面図並びに適宜位置における断面図、第４図
は他の実施例の部材を示す平面図である。 １：噴射ノズル、９：噴出流路 11：噴出口、17：突出部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】高圧側から所定圧力の噴出流体が流入する
   噴出流路(9)と、該噴出流路(9)の下流側に設けられた噴
   出口(11)とからなるノズル(1)において、噴出流路(9)断
   面及び噴出口(11)の形状を矩形状とし、噴出流路(9)内
   において噴出流路(9)の断面長手方向の片側内面に突出
   部(17)を設け、噴出流路(9)内の一部を幅狭とした噴射
   ノズル。