JPH06181729A - 自然凍結加工食品の製造方法 - Google Patents

自然凍結加工食品の製造方法

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JPH06181729A
JPH06181729A JP4356066A JP35606692A JPH06181729A JP H06181729 A JPH06181729 A JP H06181729A JP 4356066 A JP4356066 A JP 4356066A JP 35606692 A JP35606692 A JP 35606692A JP H06181729 A JPH06181729 A JP H06181729A
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JP
Japan
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food
ice
frozen
freezing
agar
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Pending
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JP4356066A
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English (en)
Inventor
Etsuo Kobayashi
悦雄 小林
Hitoshi Obata
斉 小幡
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NAGANO PREF GOV NOKYO CHIIKI K
NAGANO PREF GOV NOKYO CHIIKI KAIHATSU KIKO
Original Assignee
NAGANO PREF GOV NOKYO CHIIKI K
NAGANO PREF GOV NOKYO CHIIKI KAIHATSU KIKO
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】天然寒天や高野豆腐などの製造に際して、外気
温度の低下が、十分でなくても、食品の自然凍結加工を
行うことができる方法を開示する。 【構成】自然凍結加工を施すべき食品に、Pseudomonas
fluorescens KUIN-1,Pseudomonas IFO 3310, Pseudomon
as IFO 12686などの氷核活性細菌、及び/又は、これら
の氷核活性細菌から分離される氷核活性物質を、予め前
記食品中に混合するか若しくは前記食品の表面に塗布し
てから、寒気にさらすことにより、食品の凍結加工に際
して生じる過冷却現象を著るしく緩和し、従来より遥か
に高い温度で食品を自然凍結加工することができる自然
凍結加工食品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冬の寒気を利用して食
品を自然凍結させて得られる自然凍結加工食品の新規な
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】冬季の寒気を利用して、食品を凍結した
り、凍結後乾燥をするなどの凍結加工を施して、食品を
長期保存したり、或いは、食品に独特の風味や食感を加
えたりする方法は、長野県や岐阜県など、冬季夜間温度
の低下が大きい地方を中心に行われている。このような
自然の寒気を利用する自然凍結加工食品としては、例え
ば、寒天ゲル(トコロテン)の凍結加工品である棒寒天
や糸寒天が、代表的なものとして、挙げられる。
【0003】寒天は、テングサやオゴノリその他の紅藻
類を原料として用いるが、原料として、主にテングサを
用い、自然の寒気を利用して製造する天然寒天と、多種
類の紅藻類から工業的にゲル化成分を抽出し、寒天ゲル
を圧縮脱水した後、冷凍機により凍結乾燥して得られる
工業寒天とに分けられる。 天然寒天は、角柱状など適
宜な形状に整えたトコロテンを、すのこなどの上に並べ
て、冬季に夜間の寒気により凍らせてから、凍結水分の
昇華や昼間の気温上昇による融解水の流出、風乾等を経
て、約1週間位の期間をかけて製造される。
【0004】したがって、天然寒天の製造には、すくな
くとも、夜間の気温が、トコロテンを氷結させることが
できる一定以下の低温、例えば、少なくとも、トコロテ
ン自体の温度を、ー6℃〜−8℃以下にすることのでき
る温度低下が必要であり、棒寒天製造が、季節工業的に
成り立つには、このような温度低下が、ある一定期間、
確実に継続することが必要であるが、近年の暖冬傾向に
より、このような好条件が得られることは、稀なことに
なりつつあり、菓子や各種の料理の原料として最適な天
然寒天の生産は、年々、困難になっているのが現状であ
る。このような事情は、他の自然凍結加工食品の場合に
おいても、全く同様である。
【0005】
【発明の目的】本発明は、このような事情に対処してな
されたものであって、外気温度の低下が、十分でなくて
も、食品の自然凍結加工を行うことができる方法を開示
することを目的とするものである。
【0006】
【発明の構成】本発明が対象とする食品としては、寒
天、特に、トコロテンを自然凍結乾燥した棒寒天や糸寒
天、豆腐を凍結乾燥してタンパク質を組織化した凍豆腐
(凍り豆腐又は高野豆腐)、コンニャクを凍らせて質を
粗くして食感を改善した凍こんにゃく(凍りコンニャ
ク)、その他、食品の保存性や食感、風味の改善の目的
で行われる凍結加工食品で、蕎麦を凍らせた凍りそば
(凍そば)、杵つき餅を保存する為に凍らせた凍り餅
や、消化吸収のよい病人食として利用される凍もちなど
を挙げることができる。
【0007】このような食品中に含まれる水は、純水と
しては存在せず、タンパク質や糖質が、分散あるいは溶
解した分散液やゲル溶液となっている。このような液体
は、過冷却しやすく、この過冷却状態を破って凍結を開
始させるためには、かなりの低温が必要となる。本願発
明者は、自然条件下における棒状トコロテン、豆腐、コ
ンニャクの凍結実験を行った際、外気の低下に伴って、
これらトコロテン、豆腐、コンニャクの温度もそれに追
従して低下して行くが、過冷却現象により、これらの物
品の温度(以下、品温という)が零度以下になっても、
凍結は始まらず、これらのものは、例外なく、品温が、
−6℃〜−8℃の範囲において、凍結が開始することを
観察した。
【0008】本発明者は、このような知見に基づいて、
このような食品中の水分の過冷却現象を抑えることがで
きる物質を探求していた際、葉の表面に付着しているあ
る種の細菌、例えば、Pseudomonas 属やErwinia 属等に
属する氷核活性細菌が、夜間に葉の表面に生じた微細な
凝結水の中で、氷晶核となって凍結をおこさせることに
より、春先の比較的気温の高い時期に凍霜害が発生する
事実に注目し、凍結加工を施すべき食品に、予め氷核活
性細菌を添加或いは塗布したのちに、凍結加工を施した
ところ、上述の過冷却現象が著しく緩和されることを見
いだし本発明を完成するに至ったものである。
【0009】すなわち、本発明の要旨は、凍結加工を施
すべき食品に、氷核活性細菌及び/又は氷核活性物質
を、予め前記食品中に混合するか若しくは前記食品の表
面に塗布してから、寒気にさらすことを特徴とする凍結
加工食品の製造方法にある。本願発明に使用する氷核活
性細菌或いは該氷核活性細菌から分離される氷核活性物
質は、できるだけ高い温度で、食品に凍結を生じさせる
ものが望ましい。
【0010】このような目的に使用できる氷核活性細菌
としては、Pseudomonas fluorescens,Pseudomonas syr
imgae,Pseudomonas viridiflava,Erwinia herbicola,
Erwinia ananas,Erwinia stewartii, Erwinia uredobor
a 等を挙げることができるが、特に、前述の過冷却現
象の緩和度の高いものとして、本発明者が見いだしたXa
nthomonas translucens(IFO 12686) や、 Pseudomonas
syrimgae(IFO 3310), Erwinia herbicola(IFO 12686),
微工研菌寄第10186号氷核活性細菌が有効である
【0011】このような氷核活性細菌は、生菌の状態で
使用してもよいし、また、氷核活性を失活させる事な
く、殺菌処理したもの、例えば、超高圧処理により殺菌
したり、紫外線を照射して殺菌処理した氷核活性細菌を
培養液と共に凍結乾燥したもの、或いは、小幡等の方法
(Journal of Fermentation and Bioengineering, Vol.
70, No.5, 308〜312p 1990) に基づいて、界面活性剤に
よって氷核活性細菌から分離された氷核活性物質を用い
てもよい。
【0012】この氷核活性細菌或いは氷核活性物質は、
その種類により若干異なるが、ほとんどの場合、40℃
以上の温度では、変質して氷核活性を失ってしまうの
で、使用方法としては、凍結加工処理すべき食品の性質
に応じて、食品に直接添加して均一に分散させるか、或
いは、食品に直接混ぜ込むことが難しい場合は、適当な
分散媒に懸濁させて、噴霧器等で食品の表面に散布す
る。使用濃度としては、凍結加工すべき食品の性状や適
用方法等により異なるが、凡そ、103〜108cells/m
lの範囲で使用すれば、十分に所期の効果がえられる。
従って、例えば、棒寒天製造の場合も、寒天成分の濃度
が高く、ゲル化温度が高い場合は、トコロテンの表面に
塗布する方が好ましく、寒天成分の濃度が低い場合は、
テングサからの寒天成分抽出液が流動性を備えている限
度付近の温度(35℃前後)において、直接添加して使
用することも可能である。
【0013】
【効果】本願方法によれば、従来、天然寒天や凍豆腐の
製造において、品温が、少なくとも−6℃以下に下がら
ないと、トコロテンや豆腐を凍らせることができなかっ
たのが、およそー2℃前後まで品温が下がれば、ほぼ確
実に凍結させることができ、冬季におけるこれら自然凍
結加工食品の製造可能期間を大幅に延長することを可能
にし、寒気の不足の為に、食品を腐らせて無駄にしてし
まうのを防止することができる。また、氷核活性細菌
は、従来から野菜の表面などに天然に存在して氷結促進
作用をしていたものであり、毒性その他の危険性は全く
ないのも優れている。以下に、実施例を掲げる。
【0014】
【実施例1】 (1)氷核活性細菌の準備 氷核活性細菌(微工研菌寄第10186号)を、Trypti
case soy 培地を用いて、5リットルのジャー培養器
で、18℃で24時間、震盪培養を行った後、培養液を
遠心分離機にかけて、氷核活性細菌を分離し、リン酸緩
衝液(pH7.0)で洗浄した後、0.1(O.D.660nm)の
吸光度に調整し、遠心分離後、上清を除去して、精製水
で希釈し、濃度を1.8×108cell/mlに調整した。
【0015】(2)トコロテンの製造 原藻を水洗浄したのち、日光に晒して漂白して得たテン
グサに水を加えて煮沸することにより、熱湯抽出を行っ
た後濾過することにより、寒天溶液を得る。この寒天溶
液を放冷し、角型バットに流し込んで冷却して固まら
せ、更に、室温になるまで放冷する。
【0016】(3)糸寒天の製造 (2)で得たトコロテンを、3mm角の網目を持つトコ
ロテン突きで、細条にして、2枚のすのこ上に、トコロ
テンの細条どうしが互いに重ならないように薄くひろげ
て並べて、水きりをしてから、一方のすのこのトコロテ
ンを試験区として、前記(1)で得た氷核活性細菌液
を、噴霧器により、トコロテンから僅かに散布液が滴る
限度に、一様に散布した。また、他方のすのこ上のトコ
ロテンは、対照区として、精製水を表面が濡れる程度に
噴霧器で散布した。このようにして処理した試験区と対
照区のトコロテンを、断熱壁に囲まれた試験室の床面か
ら10cmに並べて、冷凍機により、試験室内の温度を
0.5℃/hrの速度で下げて、トコロテンの氷結状態を
観察した。
【0017】氷核活性細菌を散布した試験区のトコロテ
ンは、品温が、−1.5℃において、一部分に凍結が観
察され、ー2℃では、氷核活性細菌を散布した試験区の
トコロテンがすべて氷結を開始し、室温が−3℃になっ
た時点では、例外なく氷結が完了した。一方、対照区の
トコロテンは、−5℃においても変化がなく、品温が、
−6℃になって、始めて凍結を開始した。凍結したトコ
ロテンは、常法により、低温で解凍、風乾して水分を流
失、蒸発させて、糸寒天を得た。
【0018】
【実施例2】 (1)凍もちの製造 しん粉を水に解いてから、撹拌しながら火にかけて沸騰
させ、流動性を備えたゾル状の濃い重湯を作る。これ
を、室温近くまで放冷してから、重湯1リットルあた
り、実施例1の(1)で調整した氷核活性細菌液1ml
を加えて均一に撹拌し、アルミニウム製の3枚のバット
の夫々に、約1cmの厚さになるように流し込んで試験
区とした。一方、対照区として、重湯1リットルあた
り、精製水1mlを加えて、同様に3枚のアルミニウム
製バットに厚さ1cmに流し込み、これを、実施例1と
同じ試験室内において、実施例1と同様に冷却した。
【0019】氷核活性細菌を混入した試験区は、品温
が、ー2℃前後において、凍結を開始し、ー3℃では、
全てのバットにおいて、凍結が完了した。一方、対照区
の重湯は、−3℃では、すべてのバットにおいて凍結は
起こらなかった。対照区の凍結は、−6℃において、凍
結を開始した。凍結した重湯は、バットから取り出し
て、紐で、試験室内に吊り下げ、0〜−2℃において1
0日間風乾し、更に、室温で2週間乾燥して、凍もちを
得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 1/20 C12R 1:39) (C12N 1/20 C12R 1:38)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】凍結加工を施すべき食品に、氷核活性細菌
    及び/又は氷核活性物質を、予め前記食品中に混合する
    か若しくは前記食品の表面に塗布してから、寒気にさら
    すことを特徴とする自然凍結加工食品の製造方法。
  2. 【請求項2】氷核活性細菌、或いは、氷核活性物質を分
    離するのに用いられた氷核活性細菌として、Pseudomona
    s fluorescens KUIN-1,Pseudomonas IFO 3310, Pseudom
    onas IFO 12686 の中の1種類以上を用いる請求項1の製
    造方法。
JP4356066A 1992-12-19 1992-12-19 自然凍結加工食品の製造方法 Pending JPH06181729A (ja)

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JP4356066A JPH06181729A (ja) 1992-12-19 1992-12-19 自然凍結加工食品の製造方法

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JP4356066A JPH06181729A (ja) 1992-12-19 1992-12-19 自然凍結加工食品の製造方法

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007105731A1 (ja) 2006-03-13 2007-09-20 Nippon Suisan Kaisha, Ltd. 氷核形成活性を有するタンパク質

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WO2007105731A1 (ja) 2006-03-13 2007-09-20 Nippon Suisan Kaisha, Ltd. 氷核形成活性を有するタンパク質

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