JPH061607A - 高純度塩化アルミニウムの製造方法 - Google Patents

高純度塩化アルミニウムの製造方法

Info

Publication number
JPH061607A
JPH061607A JP4187517A JP18751792A JPH061607A JP H061607 A JPH061607 A JP H061607A JP 4187517 A JP4187517 A JP 4187517A JP 18751792 A JP18751792 A JP 18751792A JP H061607 A JPH061607 A JP H061607A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum chloride
aluminum
molten
reaction furnace
chloride
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP4187517A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadao Ito
忠雄 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP4187517A priority Critical patent/JPH061607A/ja
Publication of JPH061607A publication Critical patent/JPH061607A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 廉価に且つ従来以上に高純度な無水の高純度
塩化アルミニウムを製造する方法を提供することであ
る。 【構成】 溶融アルミニウムと塩素ガスが反応して生成
した気体の塩化アルミニウムを溶融塩により洗浄器中で
洗浄し、及び/又は反応炉中の溶融アルミニウムの表面
を溶融塩の層で覆い、不純物の混入を減らす。食塩を投
入して塩化アルミニウムと複塩とし溶融塩とするのが好
ましい。 【効果】 無水の高純度塩化アルミニウムが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高純度塩化アルミニウム
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、無水塩化アルミニウムは有機合成
におけるフリーデルクラフツ反応触媒やクラッキング反
応触媒、合成ゴム重合触媒など石油化学工業分野におい
て大量に使用されている。近年は、顔料、医農薬品や、
リチウム電池の電解液等の電気的用途を始め、アルミニ
ウム電気メッキ、セラミック工業等において各種の利用
分野が成長し使用量が増加すると共に、極めて高い純度
が要求されるなど、新しい利用分野において品質の仕様
が厳しくなり、低廉且つ良質の製品を製造することに困
難さが増大している。
【0003】従来の塩化アルミニウム(AlCl3 )の
工業的製法としては、ボーキサイトを原料とするアルミ
ナ(Al2 3 )の還元と塩素化による塩素(Cl2
による酸素(O2 )の置換、又は金属アルミニウム(A
l)の塩素化による塩化物の製造方法があった。アルミ
ナの塩素による酸素の置換による塩化物の製造方法では
純度を高くすることが困難であるために、無水の一般工
業用高純度塩化アルミニウムの製造には曝気法が広く用
いられていた。これは、反応炉中の溶融した金属アルミ
ニウムの中に塩素ガスを吹き込み、反応して生成した塩
化アルミニウム蒸気をダクトで移送し、凝縮器において
冷却し凝縮して固体の粉末又は粒状物を補集し製品を製
造する方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、曝気法
によると、原料アルミニウムインゴット中の鉄等の金属
不純物はアルミニウムと同様に塩素と反応して塩化物と
なり、塩化アルミニウム蒸気中に混入して凝縮器まで随
伴され、固体粉末又は粒状物に取り込まれる。又原料ア
ルミニウムインゴットに付着した異物、アルミニウムの
酸化により生成した酸化アルミニウム、反応炉の炉材や
移送用のダクトの材料からの混入物等がダストとなり、
不溶解性の固形異物として塩化アルミニウム蒸気により
凝縮器まで随伴され、固体粉末又は粒状物に取り込まれ
る。
【0005】金属不純物又は不溶解性の固形異物の随伴
量を減少させるためには、反応を穏やかに進行させるこ
とが考えられ、塩素ガスの供給量を減少させて単位時間
当たりの発熱量を抑制し、又は反応炉上部を冷却するな
どして反応の進行を穏やかにさせ、或いは塩化アルミニ
ウム蒸気の流出速度を低下させることが試みられたが、
充分な精製の効果は得られていない。
【0006】他方高純度の試薬の製造には、再昇華精製
法が利用されている。これは工業的品質の塩化アルミニ
ウムを加熱し昇華させ、これを冷却して固体の塩化アル
ミニウムを製造する方法であるが、廉価に製造すること
はできない。
【0007】本発明は上記の課題に鑑み、廉価に且つ従
来以上に高純度な無水の高純度塩化アルミニウムを製造
する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、反応炉中で溶
融アルミニウムに塩素ガスを曝気することにより反応し
て生成した気体の塩化アルミニウムを凝縮器に移送し、
凝縮器中で冷却して固体の塩化アルミニウムを得る高純
度塩化アルミニウムの製造方法において、反応炉と凝縮
器との間に洗浄器を設け、洗浄器中で気体の塩化アルミ
ニウムを溶融塩を以て洗浄する高純度塩化アルミニウム
の製造方法を構成した。
【0009】一方、反応炉中で溶融アルミニウムに塩素
ガスを曝気することにより反応して生成した気体の塩化
アルミニウムを凝縮器に移送し、凝縮器中で冷却して固
体の塩化アルミニウムを得る高純度塩化アルミニウムの
製造方法において、反応炉中の溶融アルミニウムの表面
を覆う溶融塩の層が形成されている高純度塩化アルミニ
ウムの製造方法を構成した。
【0010】更に、反応炉中で溶融アルミニウムに塩素
ガスを曝気することにより反応して生成した気体の塩化
アルミニウムを凝縮器に移送し、凝縮器中で冷却して固
体の塩化アルミニウムを得る高純度塩化アルミニウムの
製造方法において、反応炉に容れられた溶融アルミニウ
ムの表面上に溶融塩の層を形成し、且つ反応炉と凝縮器
との間に洗浄器を設け、洗浄器中で気体の塩化アルミニ
ウムを溶融アルミニウムの表面上に層を形成する溶融塩
と同一又は異なった溶融塩を以て洗浄する高純度塩化ア
ルミニウムの製造方法を構成した。
【0011】上記各高純度塩化アルミニウムの製造方法
において、それぞれ使用する溶融塩が塩化ナトリウムと
アルミニウムとからなる複塩であることが好ましいもの
として構成した。
【0012】
【作用】本発明において、洗浄器が設けられたときは、
反応炉中で反応生成した気体の塩化アルミニウムが洗浄
器中において溶融塩で洗浄され、金属不純物と不溶解性
の固形異物が除去される。溶融塩は塩化アルミニウムの
昇華温度より低い融点を持ち、かつ例えば金属、特にア
ルカリ金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物で塩化ア
ルミニウムと融点の低い二元系あるいはさらに多元系の
復縁を形成する物質が好適で、金属不純物が溶解し易く
又固形異物が取込まれ易いと共に、蒸発して気体の塩化
アルミニウム中に混入することのないものを選定使用す
れば、気体の塩化アルミニウムが洗浄器中で汚染される
ことがなく、従って塩化アルミニウム蒸気に随伴して凝
縮する金属不純物と不溶解性の固形異物が減少する。ま
た洗浄方法としては充填塔、スプレー塔など従来公知の
気液接触方式はすべて使用可能で、塩化アルミニウム期
待の流路中に溶融塩液体を循環使用する方式が一般であ
るが、ワンパで流し放しにしてもよい。
【0013】一方、反応炉中においては溶融アルミニウ
ムの表面を溶融塩の層で覆うときは、この層が金属不純
物と不溶解性の固形異物、中でも原料に由来する不溶解
性の固形異物を取込み、反応炉から流出する塩化アルミ
ニウム蒸気に随伴する金属不純物と不溶解性の固形異物
が減少する。
【0014】特に望ましくは、反応炉中における溶融ア
ルミニウムの表面の溶融塩層の形成と、洗浄器中におけ
る溶融塩の洗浄とが併用されると、反応炉から流出する
塩化アルミニウム蒸気に随伴する金属不純物と不溶解性
の固形異物が減少し、さらに洗浄器から流出する塩化ア
ルミニウム蒸気に随伴して凝縮する金属不純物と不溶解
性の固形異物が減少する。
【0015】洗浄液としての溶融塩として及び表面層を
形成する溶融塩として最も好ましくは、塩化ナトリウム
塩化アルミニウム複塩が選択使用されるから精製の効果
のみならず装置の運転が廉価に且つ容易に行われる。
【0016】
【実施例】本発明の第1実施例を図1により説明する。
図1は一実施例に係る高純度塩化アルミニウムの製造装
置のブロック図である。図1に示すように、反応炉1に
は溶融アルミニウム4がその下半分に容れられている。
本実施例に使用した反応炉1は直径約1m、高さ約1.
5mであり、溶融アルミニウム4の液深は約0.6mで
ある。アルミニウムの融点は660.2°Cであるか
ら、溶融アルミニウム4を容れる部分は少なくも66
0.2°C以上の温度に保持しなくてはならない。又溶
融アルミニウム4は浸食性を有しているから反応炉1は
耐熱性且つ耐腐食性材料により形成されている。
【0017】反応炉1の溶融アルミニウム4の表面より
下の位置に塩素ガスの導入口6が開口し、ボンベ(不図
示)より管7を経て塩素ガスが導入口6より導入され
る。管7の先端は導入口6から反応炉1中に突出した位
置にある。
【0018】反応炉1中の溶融アルミニウム4の表面に
は、塩化アルミニウム(AlCl3)と塩化ナトリウム
(NaCl)とが形成する複塩、塩化アルミニウムナト
リウム(NaAlCl4 )(以下NaAlCl4 と表す
ことがある)の被覆層5が形成されている。NaAlC
4 は融点130°C、比重1.7(温度180°C)
であり、比重2.385(温度660.2°C)の溶融
アルミニウム4の表面上に液状に層をなして浮いてい
る。NaAlCl4 は複塩として供給することもできる
が、通常は塩化ナトリウム(NaCl)を間欠的に溶融
アルミニウム4の表面の被覆層5に投入すると塩化アル
ミニウム蒸気と反応してNaAlCl4 となる。
【0019】反応炉1の上部の開口9より管10が洗浄
器2の開口11に接続している。洗浄器2の内部には非
金属又は金属製の充填材12が充填されている。洗浄器
2及び充填材12は280°Cに保持されている。塩化
アルミニウムの昇華点は183°Cであるから、洗浄器
2及び充填材12は少なくも183°C以上に保持され
なければ、塩化アルミニウム蒸気の洗浄はできない。洗
浄液であるNaAlCl4 は融点130°Cであるか
ら、183°C以上の280°Cに保持されている洗浄
器2内では溶融状態にあり、充填材12を覆い濡らして
いる。NaAlCl4 は複塩として供給することもでき
るが、通常は塩化ナトリウムを間欠的に洗浄器2上部よ
り投入すると塩化アルミニウム蒸気と反応してNaAl
Cl4 となる。
【0020】洗浄器2の下部の開口13より管14が洗
浄器2の上部の開口15に接続し、ポンプ14aにより
洗浄液が循環するようになっている。管14からドレイ
ン管16が分岐している。
【0021】洗浄器2の開口17より管18が凝集器3
の開口19に接続している。凝集器3は塩化アルミニウ
ムを昇華点183°C以下に冷却するために、伝導性の
良い金属製である。凝集器3の上部壁面に凝集した塩化
アルミニウムを下部に集め、これを取り出す取出口20
が下部に設けられている。
【0022】凝集器3の開口21より管22がポンプ2
3に接続し、塩化アルミニウムが除かれた、主として塩
素からなる廃気が排出され回収される。
【0023】次に製造工程について説明する。先ず反応
炉1に原料アルミニウムインゴットを投入する。原料ア
ルミニウムインゴットとしてJIS一級品を使用する
が、JIS一級規格ではアルミニウム純度は99.7パ
ーセント以上と規定され、従って0.3パーセント未満
の不純物が含有されている。本実施例では1日300k
gを3回に分けて原料アルミニウムインゴットヲ投入す
る。反応炉1の内部は運転中はアルミニウムのヒューム
が充満しているから、酸素の流入が無いように投入し、
爆発等の事故の発生を防がなければならない。溶融アル
ミニウム4は融点660.2°C以上であり、後述の如
く発熱反応であるから特に外部より加熱することなく溶
融する。
【0024】塩素ガスを導入口6より16m3 /h供給
すると、塩素ガスは管7の先端より溶融アルミニウム4
中に吹き出し激しく反応する。反応は166.8kca
l/molの発熱反応であり、又反応して生成した塩化
アルミニウムは昇華点183°Cであるから、溶融アル
ミニウム4の温度は外部的な加熱によらずに融点以上に
保持され、又塩化アルミニウムは微量の未反応の塩素ガ
スと共に溶融アルミニウム4の表面に上昇する。この
際、原料アルミニウムインゴットに含まれていた鉄等の
金属不純物はアルミニウムと同様に塩素と反応して塩化
物となり、塩化アルミニウム蒸気中に混入し、原料アル
ミニウムインゴットの夾雑物やペンキ、ゴミ等の付着し
た異物は塩化アルミニウム蒸気の泡に随伴し、溶融アル
ミニウム4の表面に上昇する。
【0025】溶融アルミニウム4の表面に上昇した塩化
アルミニウム蒸気の泡は表面に、ぼこぼこと激しく泡立
ち、NaAlCl4 の被覆層5を突き破る。NaAlC
4に金属不純物が溶解するとその蒸気圧が低下するた
めに被覆層5の無いときに比して開口9に誘導される塩
化アルミニウム蒸気中に混入する金属不純物の量が低下
する。被覆層5は溶融アルミニウム4よりも粘性が大き
く、塩化アルミニウム蒸気の泡に随伴した異物の一部は
被覆層5に留まり、管9に誘導される塩化アルミニウム
蒸気中に混入する異物の量が低下する。被覆層5は次第
に汚染するから月に1回の程度に汚染した部分を除去
し、新たに塩化ナトリウム50kgを投入し新しい被覆
層5を形成する。尚、反応炉1内の上部の開口9の付近
の塩化アルミニウムの温度は、約650℃であった。
【0026】次いで塩化アルミニウム蒸気は、開口9よ
り反応炉1より流出し、管10の中で冷却されながら2
50°Cに保持された洗浄器2に導かれ、充填材12の
表面を濡らしているNaAlCl4 により洗浄される。
即ち液体による気体の洗浄である。従って、塩化アルミ
ニウムの昇華点が183°C、NaAlCl4 の融点が
130°Cであるから少なくも183°C以上でなけれ
ば気体の塩化アルミニウムを液体のNaAlCl4 で洗
浄することができない。又気体の金属不純物の洗浄液へ
の溶解度は温度が高いと減少し、又溶解速度は温度が低
いと減少する。一方温度が高過ぎるとNaAlCl4
揮発して塩化アルミニウム蒸気中に随伴される量が無視
できなくなる。このために洗浄器2の温度は183〜4
00°Cに、好ましくは200〜300°Cに設定され
る。
【0027】洗浄液は連続的にポンプ14aを運転して
循環させる。洗浄液は次第に汚損されるから、間欠的に
洗浄器2のドレイン管16より汚染された洗浄液を排出
し、その都度又洗浄器2の上方より1日1回塩化ナトリ
ウム又はNaAlCl4 を供給する。
【0028】次いで、洗浄器2中で洗浄された塩化アル
ミニウム蒸気は開口17より管18を経て開口19より
凝集器3に導入され、昇華点183°C以下に冷却され
て凝集器3の上部壁面に凝集し、下部に集められ、取出
口20から取出される。1日の製造量は約1tである。
【0029】主として塩素からなる廃気は管22を介し
て排出される。
【0030】上述の如く装置を運転して一日につき、3
00kgの原料アルミニウムインゴットから、約1.5
tの塩化アルミニウムを製造することができた。運転の
条件を要約すると、原料投入量100kg×3回/日、
塩素ガス流入量16Nm3 /時間、被覆層の溶融塩 N
aAlCl4 、反応炉上部の温度 650°C、反応炉
への塩化ナトリウム投入量 50kg/月、反応炉上部
の温度650°C、洗浄器の温度 280°C、洗浄液
の溶融塩 NaAlCl4 、洗浄器への塩化ナトリウム
の投入量 1kg×12回/日である。得られた塩化ア
ルミニウムの品質は、水不溶解分 1〜10ppm、金
属不純分(金属として)鉄 Fe 1〜2ppm、クロ
ーム Cr <1ppm、鉛Pb <1ppm、マグネ
シウム Mg 1〜3ppm、ナトリウム Na 1〜
3ppmと高純度であった。
【0031】次に第2実施例について説明する。第2実
施例は第1実施例に比して、反応炉1中に被覆層を設け
なかったが、洗浄器2中で洗浄を行う等その他はすべて
同様であるから説明の詳細は省略し、得られた塩化アル
ミニウムの品質は表1に記す。被覆層5を設けなかった
から第1実施例の品質に及ばないが、やはり高純度であ
った。
【0032】次に第3実施例について説明する。第3実
施例は洗浄器に塩化亜鉛(ZnCl2 )を投入し、洗浄
液に塩化亜鉛と塩化アルミニウムからなる溶融被塩を使
用した他はすべて第2実施例と同様であるから説明の詳
細は省略し、得られた塩化アルミニウムの品質は表1に
記す。得られた塩化アルミニウムの品質は第2実施例と
同じであった。
【0033】次に第4の実施例について説明する。第4
実施例は第1実施例に比して、洗浄器2中に塩化ナトリ
ウムを投入せず洗浄液のない状態においたが、反応炉1
中に被覆層5を設ける等その他はすべて同様であるから
説明の詳細は省略し、得られた塩化アルミニウムの品質
は表1に記す。洗浄液による洗浄が行われなかったから
第1実施例の品質に及ばないが高品質であった。第2実
施例と比較すると全般的に品質が劣ることから、被覆層
5よりも洗浄液の方が全般的に精製効果が大きいことが
わかる。なかでもナトリウム分は被覆層5が高純度であ
って蒸発がはげしく行われるため後述の比較例と同じ程
度に止まるものと考えられ、ナトリウム分の除去のため
には洗浄液による洗浄の方が好ましいことがわかる。
【0034】次に第5の実施例について説明する。第5
実施例は反応炉中に塩化カルシウム(CaCl2 )を投
入し、被覆層5に塩化カルシウムと塩化アルミニウムか
らなる複塩を使用した他はすべて第4実施例と同様であ
るから説明の詳細は省略し、得られた塩化アルミニウム
の品質は表1に記す。得られた塩化アルミニウムの品質
は第4実施例と同じであった。
【0035】表1に結果を比較例と比較して示す。
【0036】
【表1】
【0037】比較例1は被覆層を設けず、洗浄液を使用
しない他は第1実施例と同じ条件で運転した。比較例2
は塩素ガス流入量を8Nm3 /hに抑制し、及び反応炉
1内の上部を開口9の付近の塩化アルミニウムの温度を
約450°Cになるように冷却した他第1実施例と同じ
条件で運転した。比較例2の如く製造効率を落として反
応を抑制すると、ナトリウムが顕著に減少するが、鉄及
び水不溶解分については全く減少せず、全体として大き
な精製効果が得られない。しかし、各実施例においては
精製効果が明らかであり、なかでも洗浄液の効果が被覆
層に比して顕著であることがわかる。特に被覆層と洗浄
液を併用した場合の精製効果は極めて顕著である。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明により、洗浄
器が設けられたときは、反応炉中で反応生成した気体の
塩化アルミニウムが凝縮器の前に設けられた洗浄器中に
おいて溶融塩で洗浄される。この際溶融塩は金属不純物
が溶解し易く又固形異物が取込まれ易いと共に、蒸発し
て気体の塩化アルミニウム中に混入することのないもの
が選定使用されて塩化アルミニウム蒸気が汚染されるこ
とはないから、塩化アルミニウム蒸気に随伴して凝縮す
る金属不純物と不溶解性の固形異物が減少し高純度塩化
アルミニウムが得られる。
【0039】一方、反応炉中においては溶融アルミニウ
ムの表面が溶融塩の層に覆われるときは、この層が金属
不純物と不溶解性の固形異物、中でも原料に由来する不
溶解性の固形異物を取込むから、反応炉から流出する塩
化アルミニウム蒸気に随伴する金属不純物と不溶解性の
固形異物が減少し高純度塩化アルミニウムが得られる。
【0040】なかでも望ましく、反応炉中における溶融
アルミニウムの表面の溶融塩層の形成と、洗浄器中にお
ける溶融塩の洗浄とが併用されるときは、反応炉から流
出する塩化アルミニウム蒸気に随伴する金属不純物と不
溶解性の固形異物が減少し、さらに洗浄器から流出する
塩化アルミニウム蒸気に随伴して凝縮する金属不純物と
不溶解性の固形異物が減少し、相乗効果により高品位の
高純度塩化アルミニウムが得られる。
【0041】洗浄器は簡易な構造物であり、且つ容易に
既設装置に付置出来るから製造原価の上昇は殆どなく、
又洗浄液としての溶融塩及び表面層を形成する溶融塩と
して、アルカリ又はアルカリ土類塩化物と塩化アルミニ
ウムとからなる複塩が好ましいものとして選択使用さ
れ、中でも塩化ナトリウムの投入で好ましい溶融塩が形
成されるから精製の効果のみならず装置の運転が廉価に
且つ容易に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る高純度塩化アルミニウムの製
造装置のブロック図である。
【符号の説明】
1 反応炉 2 洗浄器 3 凝集器 4 溶融アルミニウム 5 被覆層 6 導入口 9 開口 16 ドレイン管 23 ポンプ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応炉中で溶融アルミニウムに塩素ガス
    を曝気することにより反応して生成した気体の塩化アル
    ミニウムを凝縮器に移送し、該凝縮器中で冷却して固体
    の塩化アルミニウムを得る高純度塩化アルミニウムの製
    造方法において、 前記反応炉と前記凝縮器との間に洗浄器を設け、該洗浄
    器中で前記気体の塩化アルミニウムを溶融塩を以て洗浄
    することを特徴とする高純度塩化アルミニウムの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記溶融塩が塩化ナトリウムとアルミニ
    ウムとからなる複塩であることを特徴とする請求項1に
    記載の高純度塩化アルミニウムの製造方法。
  3. 【請求項3】 反応炉中で溶融アルミニウムに塩素ガス
    を曝気することにより反応して生成した気体の塩化アル
    ミニウムを凝縮器に移送し、該凝縮器中で冷却して固体
    の塩化アルミニウムを得る高純度塩化アルミニウムの製
    造方法において、 前記反応炉中の溶融アルミニウムの表面を覆う溶融塩の
    層が形成されていることを特徴とする高純度塩化アルミ
    ニウムの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記溶融塩が塩化ナトリウムと塩化アル
    ミニウムとからなる複塩であることを特徴とする請求項
    3に記載の高純度塩化アルミニウムの製造方法。
  5. 【請求項5】 反応炉中で溶融アルミニウムに塩素ガス
    を曝気することにより反応して生成した気体の塩化アル
    ミニウムを凝縮器に移送し、該凝縮器中で冷却して固体
    の塩化アルミニウムを得る高純度塩化アルミニウムの製
    造方法において、 前記反応炉に容れられた溶融アルミニウムの表面上に溶
    融塩の層を形成し、且つ前記反応炉と前記凝縮器との間
    に洗浄器を設け、該洗浄器中で前記気体の塩化アルミニ
    ウムを前記溶融アルミニウムの表面上に層を形成する溶
    融塩と同一又は異なった溶融塩を以て洗浄することを特
    徴とする高純度塩化アルミニウムの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記層を形成する溶融塩と前記洗浄器中
    の溶融塩が共に塩化ナトリウム塩化アルミニウム複塩で
    あることを特徴とする請求項5に記載の高純度塩化アル
    ミニウムの製造方法。
JP4187517A 1992-06-22 1992-06-22 高純度塩化アルミニウムの製造方法 Withdrawn JPH061607A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4187517A JPH061607A (ja) 1992-06-22 1992-06-22 高純度塩化アルミニウムの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4187517A JPH061607A (ja) 1992-06-22 1992-06-22 高純度塩化アルミニウムの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH061607A true JPH061607A (ja) 1994-01-11

Family

ID=16207466

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4187517A Withdrawn JPH061607A (ja) 1992-06-22 1992-06-22 高純度塩化アルミニウムの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH061607A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006107020A1 (ja) * 2005-04-04 2006-10-12 Nippon Light Metal Company, Ltd. 高純度無水塩化アルミニウム及びその製造方法
CN104282955A (zh) * 2013-07-09 2015-01-14 中国科学院上海硅酸盐研究所 制备可熔融电解质的方法及其装置
CN107311213A (zh) * 2017-07-13 2017-11-03 中国恩菲工程技术有限公司 高纯无三水氯化铝的制备方法
CN114671447A (zh) * 2022-03-28 2022-06-28 河北诚信集团有限公司 一种甲基二氯化磷生产过程中产生的四氯铝酸钠固体废渣的处理方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006107020A1 (ja) * 2005-04-04 2006-10-12 Nippon Light Metal Company, Ltd. 高純度無水塩化アルミニウム及びその製造方法
JP5125504B2 (ja) * 2005-04-04 2013-01-23 日本軽金属株式会社 高純度無水塩化アルミニウムの製造方法
CN104282955A (zh) * 2013-07-09 2015-01-14 中国科学院上海硅酸盐研究所 制备可熔融电解质的方法及其装置
CN107311213A (zh) * 2017-07-13 2017-11-03 中国恩菲工程技术有限公司 高纯无三水氯化铝的制备方法
CN114671447A (zh) * 2022-03-28 2022-06-28 河北诚信集团有限公司 一种甲基二氯化磷生产过程中产生的四氯铝酸钠固体废渣的处理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US2621121A (en) Production of titanium metal
WO2005080642A1 (ja) Ca還元によるTi又はTi合金の製造方法
JP2009256197A (ja) クロロシランの精製装置及びクロロシラン製造方法
CN1093509C (zh) 由含钨的材料富集钨的方法
WO2005080643A1 (ja) Ca還元によるTi又はTi合金の製造方法
KR900000446B1 (ko) 산화철의 제조방법
CN105378149A (zh) 锌制造方法
JPH061607A (ja) 高純度塩化アルミニウムの製造方法
JP2001192711A (ja) 粉末状チタンの製造方法
US2784058A (en) Production of titanium tetrachloride
US4105440A (en) Process for reducing metal halides by reaction with calcium carbide
US2847297A (en) Method of producing titanium crystals
US2977292A (en) Process of treating metal halides
US2668750A (en) Purification of by-product halide salts
US3977866A (en) Method for producing titanium
US2753256A (en) Method of producing titanium
CN112090105B (zh) 一种循环风升华精制碘的方法
US2792077A (en) Recovery of titanium tetrachloride
JPH0673564A (ja) ニッケル含有エッチング廃液を処理する方法
US2758831A (en) Lined metal reduction apparatus
US2920952A (en) Process for producing a refractory metal subhalide-alkalinous metal halide salt composition
WO1997021628A1 (en) Process for simultaneously preparing anhydrous aluminum chloride and zinc
RU2379365C1 (ru) Способ переработки титансодержащего сырья
CN114632338B (zh) 钛白水洗母液浓缩处理系统
EP0305502A1 (en) Process for the production of group ivb transition metal-alkali metal-fluoride salts and purification thereof

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19990831