JPH0615956Y2 - 回転把持機構付ホイスト旋回装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はシールド工法のトンネル建設においてセグメン
トを搬送するホイストに用いる回転把持機構付ホイスト
旋回装置に関するものである。

［従来の技術］ 従来は、第６図に示すように、セグメント１の搬送は図
示されていないホイストの巻上げ装置にワイヤ２を介し
て昇降可能に吊下げられたセグメント把持金具３と前記
セグメント１の中心に直立するセグメント吊上げ金具４
とを作業者が連結し、図示されていないホイストの巻上
げ装置によってワイヤ２を巻上げて前記セグメント１を
吊下げ把持して搬送していた。

［考案が解決しようとする課題］ しかし、上記ホイストでは、１本のワイヤ２でセグメン
ト１を巻上下げし且つ吊下げ把持しているので搬送時に
セグメント１が荷振れをおこし、セグメント１をセグメ
ント取付場所に降ろす際に該セグメント１を回動させて
所定の方向に向ける作業が前記荷振れやワイヤ２の撚り
のために困難であり、セグメント１をトンネル壁に自動
的に設置する装置を導入する際の障害ともなっていた。

本考案は上述の問題点を解決するもので、ホイストによ
って巻上げ搬送するセグメントを迅速に把持または解放
し、該セグメントを所定の方向に回動し得る回転把持機
構付ホイスト旋回装置を提供することを目的としてい
る。

［課題を解決するための手段］ 本考案は吊下げ可能な第１のフレームに第１の駆動装置
と該第１の駆動装置によって鉛直軸を中心に回動し得る
出力軸とを設け、該出力軸の下端に第２のフレームを該
第２のフレームが水平面内を回動し得るように枢着し、
該第２のフレームに第２の駆動装置と該第２の駆動装置
によって前記出力軸と同一の鉛直軸を中心に回動し得る
回転軸とを設け、該回転軸の下端に、セグメント吊上げ
金具の水平な板状体が特定の向きで出入し得る開口部と
該開口部の上側に前記板状体をどのような向きでも包含
し得る空間とを有するセグメント把持金具を枢着し、前
記第２のフレーム下面にセグメント突起部外縁に合致し
前記セグメント把持金具をセグメント吊上げ金具と同芯
に位置させ得る位置決め金具を枢着した構成を備えてい
る。

［作用］ 従って位置決め金具でセグメント把持金具とセグメント
吊上げ金具を同心に位置させ、第２の駆動装置によって
セグメント把持金具を回動してセグメントを把持し、第
１の駆動装置によってセグメントを所要の方向に回動す
る。

［実施例］ 以下、図面に基づいて本考案の実施例について説明す
る。

第１図〜第５図は本考案の一実施例を示すもので、セグ
メント搬送方向に延びるホイストビーム５に走行可能に
取付けたホイスト６に複数のワイヤ７を介して第１のフ
レーム11を昇降可能に吊下げ、該第１のフレーム11に第
１の駆動装置８及び歯車減速機９によって鉛直軸を中心
に回動し得る出力軸10を設ける。

前記出力軸(10)の下端に第２のフレーム12を該第２のフ
レーム12が水平面内を回動し得るように枢着し、該第２
のフレーム12に第２の駆動装置13及び歯車減速機14によ
って鉛直軸を中心に回動し得る回転軸15を前記出力軸10
と同心に設け、該回転軸15の下端に、セグメント１の中
心に直立するセグメント吊上げ金具４の水平な板状体16
が特定の向きで出入し得る開口部17と該開口部17の上側
に前記板状体16をどのような向きでも包含し得る空間と
を有するセグメント把持金具19を枢着し、前記第２のフ
レーム12の下面にセグメント突起部20の外縁四隅に合致
し前記セグメント把持金具19をセグメント吊上げ金具４
と同心に位置し得るよう案内する位置決め金具21を枢着
し、回転把持機構付ホイスト旋回装置22を構成する。

上述の構成によれば、台車等によって所定の位置まで搬
送したセグメント１の直上に回転把持機構付ホイスト旋
回装置22を移動し、必要に応じて第１の駆動装置８によ
って第２のフレーム12を水平面内を回動させることによ
り位置決め金具21を該位置決め金具21がセグメント突起
部20の外縁四隅に合致し得るよう回動させ、同様に第２
の駆動装置13によってセグメント把持金具19を該セグメ
ント把持金具19の開口部17からセグメント吊上げ金具４
の板状体16が出入し得る方向に回動させる。

ホイスト６によって回転把持機構付ホイスト旋回装置22
を降下させ、セグメント吊上げ金具４の板状体16が開口
部17を通過し、第３図(イ)のごとく空間に包含されたな
らば、第２の駆動装置13によって前記板状体16が開口部
17から出入し得ない方向に第３図(ハ)のごとくセグメン
ト把持金具19を回動させ、ホイスト６によって回転把持
機構付ホイスト旋回装置22を上昇させてセグメント１を
吊下げ把持し該セグメント１をセグメント取付場所へ搬
送する。

セグメント１をホイスト６によってセグメント取付場所
まで搬送したならば、吊下げ把持しているセグメント１
を第１の駆動装置８によって所要の方向に回動させ、回
転把持機構付ホイスト旋回装置12を降下させて、セグメ
ント１が所要の場所に接地したならば第２の駆動装置13
によって第３図(イ)のごとく板状体16が開口部17から出
入し得る方向にセグメント把持金具19を回動させ、セグ
メント１の把持を解除する。

なお本考案は上述の実施例に限定されるものではなく、
複数の方向で板状体が通過し得るように開口部を設ける
こと、セグメント把持金具の形状を変更すること、位置
決め金具の形状を変更すること、減速機及び駆動装置に
種々の装置を用いること、本考案の要旨を逸脱しない範
囲内で変更を加え得ることは勿論である。

［考案の効果］ 以上述べたように、本考案の回転把持機構付ホイスト旋
回装置によれば、セグメントを駆動装置により確実に把
持し、且つセグメントを駆動装置によって回動できるの
でセグメント搬送作業の安全性が向上し、更にセグメン
トをトンネル壁に自動的に設置する装置が導入できると
いう優れた作用効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す説明図、第２図はセグ
メント把持金具の詳細図、第３図(イ)(ロ)はセグメント吊
上げ金具の把持状態を示す説明図、第４図は位置決め金
具とセグメント突起部を示す説明図、第５図はセグメン
トの搬送状態を示す説明図、第６図は従来のセグメント
の把持を示す説明図である。 ８は第１の駆動装置、10は出力軸、11は第１のフレー
ム、12は第２のフレーム、13は第２の駆動装置、15は回
転軸、17は開口部、18は空間、19はセグメント把持金
具、21は位置決め金具を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】吊下げ可能な第１のフレームに第１の駆動
   装置と該第１の駆動装置によって鉛直軸を中心に回動し
   得る出力軸とを設け、該出力軸の下端に第２のフレーム
   を該第２のフレームが水平面内を回動し得るように枢着
   し、該第２のフレームに第２の駆動装置と該第２の駆動
   装置によって前記出力軸と同一の鉛直軸を中心に回動し
   得る回転軸とを設け、該回転軸の下端に、セグメント吊
   上げ金具の水平な板状体が特定の向きで出入し得る開口
   部と該開口部の上側に前記板状体をどのような向きでも
   包含し得る空間とを有するセグメント把持金具を枢着
   し、前記第２のフレーム下面にセグメント突起部外縁に
   合致し前記セグメント把持金具をセグメント吊上げ金具
   と同芯に位置させ得る位置決め金具を枢着したことを特
   徴とする回転把持機構付ホイスト旋回装置。