JPH0614666A - 遺伝子組換え率決定方法 - Google Patents

遺伝子組換え率決定方法

Info

Publication number
JPH0614666A
JPH0614666A JP32794491A JP32794491A JPH0614666A JP H0614666 A JPH0614666 A JP H0614666A JP 32794491 A JP32794491 A JP 32794491A JP 32794491 A JP32794491 A JP 32794491A JP H0614666 A JPH0614666 A JP H0614666A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gene
generation
recombination rate
hybrid
observed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32794491A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Yasunaka
敏男 安中
Hiroyuki Suzuki
弘之 鈴木
Makoto Aoki
真 青木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokimec Inc
Original Assignee
Tokimec Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokimec Inc filed Critical Tokimec Inc
Priority to JP32794491A priority Critical patent/JPH0614666A/ja
Publication of JPH0614666A publication Critical patent/JPH0614666A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】染色体内における遺伝子の相対的位置を示す組
換え率を決定する遺伝子組換え率決定方法に関し、観測
で区別できない形質を表現する遺伝子であっても組換え
率を推定可能とすることを目的とする。 【構成】親P1,P2雑種第1世代F1から戻し交配で
子供BC1F1を作り、親P1,P2及び雑種第1世代
F1から2つの注目遺伝子G,Hに起因した質的形質又
は量的形質を表す観測値を求め、次に質的形質又は量的
形質の観測値から遺伝子Gの遺伝子型Gg,gg個体群
の観測値の平均値と分散および遺伝子Hの遺伝子型H
g,hh個体群の観測値の平均値と分散を求め、この平
均値と分散から遺伝子型Gg,gg,Hh,hh個体群
の観測値の確率密度関数fGg,fgg,fHh,fhhを求
め、更にBC1F1の観測値の確率密度関数fBC1F1
を、BC1F1の組換え率pで表現された理論的分離比
と親P1,P2及び雑種第1世代F1の確率密度関数f
Gg,fgg,fHh,fhhの積の一次結合で表現し、BC1
F1の観測値から尤度関数を求め最尤組換え率を導出す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、染色体内における遺伝
子の相対的位置を示す組換え率を決定する遺伝子組換え
率決定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、染色体内の2つの注目遺伝子の相
対的位置を示す遺伝子組換え率の計算方法としては、例
えば図1に示すようなものがある。図1におて、雄親P
1と雌親P2を交配し、雑種第1世代F1を採る。更
に、雄親P1と雌親の雑種第1世代F1との戻し交配を
行い、その結果に採れた子供BC1F1の遺伝子型がど
のように分離するかを調べる。
【0003】具体的には、2つの遺伝子G,Hを考え、
親P1は遺伝子G,Hの双方について劣性ホモ接合(g
ghh)の遺伝子型、親P2は遺伝子G,Hの双方につ
いて優性ホモ接合(GGHH)の遺伝子型であるとす
る。この場合、雑種第1世代F1は必ずGgHhの遺伝
子型になる。ここでG−g座、H−h座の組換え率をp
とすると、戻し交配によるBC1F1個体群における遺
伝子型と、その割合は次の表1のようになる。
【0004】
【表1】
【0005】遺伝子G,Hが色や形といった質的形質の
場合は、表1の4つの遺伝子型、すなわち、GgHh,
Gghh,ggHh,gghhの区別がつけられる。従
って、戻し交配で得たBC1F1の固体群を育成して直
接観測した結果と前記表1を見比べるこで組換え率pを
計算できる。また、別の方法として、戻し交配によるB
C1F1を用いるのではなく、図2に示すように、雑種
第1世代F1同志を交配して雑種第2世代F2を取り、
雑種第2世代F2における個体分離比で計算する方法も
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の遺伝
子組換え率の決定方法にあっては、遺伝子G,Hが表現
している形質が花色や血液型のような二者択一的な質的
形質である場合の組換え率の決定方法は提案されており
(例えば、J.F.クロー著 遺伝学概説、培風館 1
991年1月15日第8版発行)、また遺伝子Gは二者
択一的な質的形質、遺伝子Hは種子の重量や身長といっ
た二者択一的でない量的形質である場合の遺伝子G,H
の組換え率の決定方法が、ここ数年行われてきている
(例えば、Theoretical and Applied Genetics (1989)
78:613-618 Estimation of recombination parameters
between a quantitative trait locus (QTL) and two m
arkergene loci , by J.Jensen )。
【0007】しかし、注目している2つの遺伝子G,H
が共に量的形質を表現している時の組換え率の決定方法
はなかった。特に、2つの遺伝子G,Hが表現している
形質が重量や身長という量的形質であるために、個体を
観測しただけではその遺伝子型がわからず、質的形態を
前提とした従来方法をそのまま適用することはできない
という問題点があった。
【0008】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたもので、量的形質等の固体観測で区別できな
い形質を表現する遺伝子であっても組換え率を推定する
ことができる遺伝子組換え率決定方法を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は遺伝子組換え率決定方法は次のように構成す
る。まず本発明の基本は、染色体内の2つまたは3つ以
上の遺伝子の相対的位置を示す組換え率を決定する遺伝
子組換え率決定方法に於いて、 任意の被観測個体から量的形質または質的形質を表す
観測値を得る第1過程と、 第1過程で得られた単数または複数の観測値から該観
測値の平均値と分散を求める第2過程と、 第2過程で求めた平均値と分散から前記単数または複
数の観測値が従う確率分布を推定する第3過程と、 2つまたは3つ以上の遺伝子の組換え率を推定する関
係式を前記2つまたは3つ以上の遺伝子が表現している
形質の独立性を用いることにより第3過程で求めた単数
又は複数の確率分布の積の一次結合で表現する第4過程
と、 対象固体群の観測値と第4過程で求めた関係式から尤
度関数を求め、この尤度関数を最大とする最尤組換え率
を決定する第5過程と、を備え、必要なサンプル個体群
の分布が未知であっても組換え率を決定できることを特
徴とする。具体的には、親P1とP2の交配で雑種第1
世代F1を作り、更に雑種第1世代F1と親P1との戻
し交配で子供BC1F1を作り、子供BC1F1の染色
体内の2つの遺伝子G,Hの相対的位置を示す組換え率
を決定する遺伝子組換え率決定方法にとして、 親P1,P2及び雑種第1世代の各々について2つの
注目遺伝子G,Hに起因した質的形質または量的形質を
表す観測値を得る第1過程と、 第1過程で得られた質的形質または量的形質の観測値
から遺伝子Gの遺伝子型Gg,gg個体の該観測値の平
均値と分散および遺伝子Hの遺伝子型Hg,hh個体の
該観測値の平均値と分散を求める第2過程と、 第2過程で求めた平均値と分散から遺伝子型Gg,g
g,Hh,hh個体の該観測値の確率密度関数fGg,f
gg,fHh,fhhを求める第3過程と、 戻し交配による子供BC1F1個体の該観測値の確率
密度関数fBC1F1 を、BC1F1の組換え率pで表現さ
れた理論的分離比と第3過程で求めた親P1,P2及び
雑種第1世代F1の確率密度関数fGg,fgg,fHh,f
hhの積の一次結合 fBC1F1 =(1−p)fGgHh+pfGghh+pfggHh+(1−p)fgghh で表現する第4過程と、 戻し交配による固体群BC1F1の観測値と第4過程
で求めた関係式から尤度関数を求め、この尤度関数の微
分値を零とする最尤組換え率を決定する第5過程と、を
備え、戻し交配による子供F2のサンプル個体群の分布
が未知であっても組換え率を決定できることを特徴とす
る。
【0010】また他の具体例としては、親P1とP2の
交配で雑種第1世代F1を作り、更に雑種第1世代F1
同志の交配で雑種第2世代F2を作り、雑種第2世代F
2の染色体内の2つの遺伝子G,Hの相対的位置を示す
組換え率を決定する遺伝子組換え率決定方法として、 親P1,P2及び雑種第1世代F1から2つの注目遺
伝子G,Hに起因した質的形質または量的形質を表す観
測値を得る第1過程と、 第1過程で得られた質的形質または量的形質の観測値
から遺伝子Gの遺伝子型gg,Gg,GG個体の該観測
値の平均値と分散および遺伝子Hの遺伝子型,hh,H
h,HH個体の該観測値の平均値と分散を求める第2過
程と、 第2過程で求めた平均値と分散から遺伝子型gg,h
h,GG,HH,Gg,Hh個体の該観測値の確率密度
関数fgg,fhh,fGG,fHH,fGg,fHhを求める第3
過程と、 雑種第2世代F2個体の該観測値の確率密度関数fF2
を、F2の組換え率pで表現された理論的分離比と第3
過程で求めた親P1,P2及び雑種第1世代F1の確率
密度関数fgg,fhh,fGG,fHH,fGg,fHhの積の一
次結合 fF2=αfGGHH+2βfGGHh+γfGGhh+2βfGgHH +2(α+γ)fGgHh+2βfGghh+γfggHH +2βfggHh+αfgghh 但し、α=(1−p)2 /4 β=p(1−p)/4 γ=p2 /4 で表現する第4過程と、 雑種第2世代F2の観測値と第4過程で求めた関係式
から尤度関数を求め、該尤度関数の微分値を零とする最
尤組換え率を決定する第5過程と、を備え、雑種第2世
代F2のサンプル個体群の分布が未知であっても組換え
率を決定できることを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明によれば、例えば親P1,P2、雑種第
1世代F1の個体群において、注目した2つの遺伝子
G,Hが従っている確率分布をそれぞれ求め、P1とF
1による戻し交配して得られたBC1F1における分離
比を遺伝子G,Hの組換え率pによって表現しておく。
【0012】そして、遺伝子G,Hが表現している形質
の独立性を用いて戻し交配による子供BC1F1におけ
る観測値が従う確率分布を、固体群P1,P2,F1の
遺伝子Gが表現する形質の観測値に関する確率分布と、
固体群P1,P2,F1の遺伝子Hが表現する形質の観
測値に関する確率分布の積の一次結合で表現して、組換
え率pの最尤推定量を計算する。
【0013】即ち、固体群P1,P2,F1について遺
伝子G,Hが表現する観測値の確率分布を独立に計算し
ておき、組換え率pをパラメータとして戻し交配の子供
BC1F1の遺伝子G,Hが表現する形質の観測値x
1,x2,x3,・・・,xnから尤度関数L(p)を
求め、dL/dp=0を解いてpの最尤推定量pを求め
る。
【0014】従って遺伝子G,Hが表現している形質に
関係なく最尤推定量pを求めることができ、従来は不可
能であった二者択一的でない量的形質を表現する遺伝子
同志の組換え率も求めることができ、量的形質の遺伝子
連鎖地図の作成が可能になる。
【0015】
【実施例】
1.戻し交配によるBC1F1の遺伝子組換え率決定 まず図1の戻し交配による子供BC1F1を対象とした
遺伝子組換え率の決定方法の第1実施例を説明する。
【0016】図1に示す雄親P1の遺伝子型をggh
h、雌親P2の遺伝子型をGGHHとする。雑種第1世
代F1と雌親P1の戻し交配で得られた子供BC1F1
における遺伝子型GgHh,Gghh,ggHh,gg
hhの分離比は理論的には前記表1のようになる。遺伝
子Gについて遺伝子型gg,GG,Ggである個体の遺
伝子Gが表現している形質の観測値の分布は、それぞれ
P1,P2,F1の遺伝子Gが表現している形質の観測
値についての分布に等しい。遺伝子Hについても同じこ
とがいえる。
【0017】ここで、説明のため固体群がある遺伝子型
をとる確率分布は連続的であるとすると、前記表1にお
ける遺伝子型GgHh,Gghh,ggHh,gghh
をもつ個体群の該形質の観測値の確率密度関数は
GgHh,fGghh,fggHh,fgghhと書ける。確率密度関
数fGgHh,fGghh,fggHh,fgghhの平均および分散は
固体群P1,P2,F1を観測して計算することができ
る。
【0018】遺伝子GとHが表現する形質は独立である
と仮定すると、遺伝子型GgHh,Gghh,ggH
h,gghhをもつ個体群の確率密度関数fGgHh,f
Gghh,f ggHh,fgghhは、 fGgHh=fGg・fHhGghh=fGg・fhhggHh=fgg・fHh ・・・(1) fgghh=fgg・fhh と表現することができる。
【0019】また前記表1から、戻し交配による子供B
C1F1の理論的分離比は、 GgHh:Gghh:ggHh:gghh=(1−p):p:p:(1−P) となる。従って、理論的なBC1F1の確率密度関数f
BC1F1 は fBC1F1 =(1−p)fGgHh+pfGghh+pfggHh+(1−p)fgghh となり、(1)を代入すると fBC1F1 =(1−p)fGgHh+pfGghh+pfggHh +(1−p)fgghh ・・・(2) となる。この(2)式の右辺は、組換え率pの関数とし
て書くことができる。
【0020】従って、戻し交配による子供BC1F1の
固体群を育成して採取したn個のサンプル{zi;i=
1,2,・・・,n}の遺伝子G,Hが表現する形質の
観測値をそれぞれ{xi;i=1,2,・・・,n}お
よび{yi;I=1,2,・・・,n}とすれば、尤度
関数L(p)は、
【0021】
【数1】
【0022】となり、dL/dp=0の解が最尤推定量
pとなる。実際の処理は、計算機で(3)式の数値計算
する際に組換え率pを適当な刻みで変化させて、dL/
dp=0又は0に最も使い値となる組換え率pの値を求
めればよい。このように組換え率pを変化させてdL/
dp=0を調べる場合、遺伝子G,Hの相対距離を示す
組換え率pの値が図3(a)(b)(c)のように中、
小、大となった場合、図3(c)のように組換え率pが
ある値を超えると染色体が切れて遺伝子G,Hの交差組
換えの確率が大きくなることから、組換え率pをp=0
〜0.5の幅で変化させてdL/dp=0となる最尤推
定量pを求める。 2.雑種第2世代F2の遺伝子組換え率決定 次に図2に示す雑種第2世代F2を対象とした本発明の
遺伝子組換え率決定方法の第2実施例を説明する。
【0023】図2において、雄親P1の遺伝子型をgg
hh、雌親P2の遺伝子型をGGHHとすると、雑種第
一世代F1の遺伝子型は必ずGgHhになる。雑種第1
世代F1同志の交配で得られた雑種第2世代F2におい
て遺伝子型gg,hh,GG,HH,Gg,Hhである
個体の該遺伝子が表現する形質の観測値の確率分布は、
雄親P1の遺伝子G,Hに関する形質の観測値の確率分
布、雌親P2の遺伝子G,Hに関する形質の観測値の確
率分布、雑種第1世代F1の遺伝子G,Hに関する形質
の観測値の確率分布に等しい。
【0024】ここで説明のため確率分布は連続的である
とすると、遺伝子型gg,hh,GG,HH,Gg,H
h個体の該形質の観測値が従う確率密度関数は、fgg
hh,fGG,fHH,fGg,fHhとかける。確率密度関数
gg,fhh,fGG,fHH,f Gg,fHhの平均および分散
は固体群P1,P2,F1を観測して計算することがで
きる。
【0025】更に、固体群P1,P2,F1の観測値か
ら正規分布なのか、一様分布なのかといった分布の形を
推定できる。雑種第2世代F2の遺伝子型の違いによる
発生頻度は、次の表2のようになる。
【0026】
【表2】
【0027】従って、雑種第2世代F2の個体群を観測
すると、遺伝子G,Hが表現する形質が量的形質である
ため、明確な遺伝子型はわからないが、 α=1/4(1−p)2 ,β=1/4p(1−p),γ
=1/4p2 とおけば、各遺伝子型の理論的分離比は GGHH:GGHh:GGhh:GgHH :GgHh:Gghh:ggHH:ggHh:gghh =α:2β:γ:2β:2(α+γ):2β:γ:2β:α となり、この比率で遺伝子型が出現する。
【0028】遺伝子GとHが表現している形質は互いに
独立であると仮定すると、遺伝子GとHの同時分布を考
えた場合、遺伝子型GGHH,GGHh,GGhh,G
gHH,GgHh,Gghh,ggHH,ggHh,g
ghh個体の該遺伝子が表現する形質の観測値の確率密
度関数は、両者の分布の積になる。即ち、 fGGHH=fGG・fHHGGHh=fGG・fHhGGhh=fGG・fhhGgHH=fGg・fHH ・・・(4) fGgHh=fGg・fHhGghh=fGg・fhhggHh=fgg・fHhgghh=fgg・fhhggHH=fgg・fHH ここで、確率密度関数fGG,fGg,fgg,fHH,fHh
hhは、それぞれ固体群P2,F1,P1の遺伝子Gが
表現する形質の観測値の分布、また固体群P2,F1,
P1の遺伝子Hが表現する形質の観測値の分布として、
固体群P1,P2,F1を観測して計算することができ
る。
【0029】このような遺伝子GとHが表現している形
質の独立性を用いて、雑種第2世代F2の確率密度関数
F2は、 fF2=αfGGHH+2βfGGHh+γfGGhh+2βfGgHH +2(α+γ)fGgHh+2βfGghh+γfggHH +2βfggHh+αfgghh ・・・(5) であることがわかる。これは組換え率pの関数として次
式で表わされる。
【0030】即ち、雑種第2世代F2の個体群からとっ
たn個のサンプル{zi;i=1,2,・・・,n}の
遺伝子G,Hが表現する形質の観測値をそれぞれ{x
i;i=1,2,・・・,n}および{yi;I=1,
2,・・・,n}とすると、組換え率pを推定するため
に必要な尤度関数L(p)は
【0031】
【数2】
【0032】となる。最尤推定量pはdL/dp=0を
解けば良い。実際の処理は、計算機で(6)式の数値計
算する際に組換え率pを適当な刻みで変化させて、dL
/dp=0又は0に最も使い値となる組換え率pの値を
求めればよい。また遺伝子G,Hの交差組換えの確率が
意味のある範囲で抑えるために、組換え率pをp=0〜
0.5の範囲で変化させる。
【0033】尚、固体群P1,P2,F1の分布の形
は、正規分布に限定されず、2項分布のようなに離散形
であっても良い。また上記の実施例は染色体内の2つの
遺伝子G,Hに注目して組換え率を推定しているが、3
以上の遺伝子に注目して同様に組換え率を推定するよう
にしてもよい。
【0034】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、以下に列挙する効果が得られる。まず遺伝子G,H
が重量や形といった明確に識別できる形質でなくても、
2つの遺伝子間の組換え率が計算できる。そのため、育
種上有用な遺伝子を単離するために強力な武器になる遺
伝子連鎖地図が、量的形質についても作ることができ
る。
【0035】また、本方法を用いれば、遺伝子G,Hの
分布を特殊なもの、具体的には1点に集中する分布にす
ることにより、従来行われている質的形質同志の組換え
率の決定にも、また質的形質と量的形質の組換え率の決
定にも使うことができる最も一般的な方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】戻り交配による子供BC1F1を得るための交
配説明図
【図2】雑種第2世代F2を得るための交配説明図
【図3】組換え率pの大きさによる交配時の染色体の状
態を示した説明図
【符号の説明】
P1:雄親 P1:雌親 F1:雑種第1世代 BC1F1:戻し交配による子供 F2:雑種第2世代

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】染色体内の2つまたは3つ以上の遺伝子の
    相対的位置を示す組換え率を決定する遺伝子組換え率決
    定方法に於いて、 任意の被観測個体から量的形質または質的形質を表す観
    測値を得る第1過程と、 第1過程で得られた単数または複数の観測値から該観測
    値の平均値と分散を求める第2過程と、 該第2過程で求めた平均値と分散から前記単数または複
    数の観測値が従う確率分布を推定する第3過程と、 前記2つまたは3つ以上の遺伝子の組換え率を推定する
    関係式を前記2つまたは3つ以上の遺伝子が表現してい
    る形質の独立性を用いることにより前記第3過程で求め
    た単数又は複数の確率分布の積の一次結合で表現する第
    4過程と、 対象固体群の観測値と第4過程で求めた関係式から尤度
    関数を求め、該尤度関数を最大とする最尤組換え率を決
    定する第5過程と、を備え、必要なサンプル個体群の分
    布が未知であっても組換え率を決定できることを特徴と
    する遺伝子組換え率決定方法。
  2. 【請求項2】親P1とP2の交配で雑種第1世代F1を
    作り、更に雑種第1世代F1と親P1との戻し交配で子
    供BC1F1を作り、該子供BC1F1の染色体内の2
    つの遺伝子G,Hの相対的位置を示す組換え率を決定す
    る遺伝子組換え率決定方法に於いて、 親P1,P2及び雑種第1世代の各々について2つの注
    目遺伝子G,Hに起因した質的形質または量的形質を表
    す観測値を得る第1過程と、 第1過程で得られた質的形質または量的形質を表す観測
    値から遺伝子Gの遺伝子型Gg,gg個体の該形質を表
    わす観測値の平均値と分散および遺伝子Hの遺伝子型H
    h,hh個体の該形質を表わす観測値の平均値と分散を
    求める第2過程と、 該第2過程で求めた平均値と分散から遺伝子型Gg,g
    g,Hh,hh個体の該形質を表わす観測値の確率密度
    関数fGg,fgg,fHh,fhhを求める第3過程と、 前記前記戻し交配による子供BC1F1固体の該観測値
    の確率密度関数fBC1F 1 を、遺伝子Gと遺伝子Hの組換
    え率pで表現された理論的分離比と前記第3過程で求め
    た親P1,P2及び雑種第1世代F1の確率密度関数f
    Gg,fgg,fHh,fhhの積の一次結合 fBC1F1 =(1−p)fGgHh+pfGghh+pfggHh+(1−p)fgghh で表現する第4過程と、 戻し交配による固体群BC1F1の観測値と第4過程で
    求めた関係式から尤度関数を求め、該尤度関数の微分値
    を零とする最尤組換え率を決定する第5過程と、を備
    え、戻し交配による子供BC1F1のサンプル個体群の
    分布が未知であっても組換え率を決定できることを特徴
    とする遺伝子組換え率決定方法。
  3. 【請求項3】親P1とP2の交配で雑種第1世代F1を
    作り、更に雑種第1世代F1同志の交配で雑種第2世代
    F2を作り、該雑種第2世代F2の染色体内の2つの遺
    伝子G,Hの相対的位置を示す組換え率を決定する遺伝
    子組換え率決定方法に於いて、 親P1,P2及び雑種第1世代F1の各々について2つ
    の注目遺伝子G,Hに起因した質的形質または量的形質
    を表す観測値を得る第1過程と、 第1過程で得られた質的形質または量的形質の観測値か
    ら遺伝子Gの遺伝子型gg,Gg,GG個体の該形質の
    観測値の平均値と分散および遺伝子Hの遺伝子型hh,
    Hh,HH個体の該形質の観測値の平均値と分散を求め
    る第2過程と、 該第2過程で求めた平均値と分散から遺伝子型gg,h
    h,GG,HH,Gg,Hh個体の該形質を表わす観測
    値の確率密度関数fgg,fhh,fGG,fHH,f Gg,fHh
    を求める第3過程と、 前記雑種第2世代F2個体の該観測値の確率密度関数f
    F2を、遺伝子Gと遺伝子Hの組換え率pで表現された理
    論的分離比と前記第3過程で求めた親P1,P2及び雑
    種第1世代F1の確率密度関数fgg,fhh,fGG
    HH,fGg,fHhの積の一次結合 fF2=αfGGHH+2βfGGHh+γfGGhh+2βfGgHH +2(α+γ)fGgHh+2βfGghh+γfggHH +2βfggHh+αfgghh 但し、α=(1−p)2 /4 β=p(1−p)/4 γ=p2 /4 で表現する第4過程と、 雑種第2世代F2の観測値と第4過程で求めた関係式か
    ら尤度関数を求め、該尤度関数の微分値を零とする最尤
    組換え率を決定する第5過程と、を備え、雑種第2世代
    F2のサンプル個体群の分布が未知であっても組換え率
    を決定できることを特徴とする遺伝子組換え率決定方
    法。
JP32794491A 1991-12-12 1991-12-12 遺伝子組換え率決定方法 Pending JPH0614666A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32794491A JPH0614666A (ja) 1991-12-12 1991-12-12 遺伝子組換え率決定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32794491A JPH0614666A (ja) 1991-12-12 1991-12-12 遺伝子組換え率決定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0614666A true JPH0614666A (ja) 1994-01-25

Family

ID=18204758

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32794491A Pending JPH0614666A (ja) 1991-12-12 1991-12-12 遺伝子組換え率決定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0614666A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995017524A3 (en) * 1993-12-23 1995-07-13 Molecular Tool Inc Automatic genotype determination

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995017524A3 (en) * 1993-12-23 1995-07-13 Molecular Tool Inc Automatic genotype determination
EP1352973A2 (en) * 1993-12-23 2003-10-15 Beckman Coulter, Inc. Automatic genotype determination
EP1352973A3 (en) * 1993-12-23 2004-01-02 Beckman Coulter, Inc. Automatic genotype determination

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Wricke et al. Quantitative genetics and selection in plant breeding
Moll et al. Estimates of genetic variances and level of dominance in maize
Oddou‐Muratorio et al. Pollen‐versus seed‐mediated gene flow in a scattered forest tree species
Robertson Characterization of a mutator system in maize
Lloyd Genetic and phenotypic models of natural selection
Catal et al. Heterokaryotic nuclear conditions and a heterogeneous nuclear population are observed by flow cytometry in Phytophthora infestans
Good‐Avila et al. The inheritance of modifiers conferring self‐fertility in the partially self‐incompatible perennial, Campanula rapunculoides L.(Campanulaceae)
DiFazio et al. 23 Gene flow from tree plantations and implications for transgenic risk assessment
Laporte et al. The spatial structure of sexual and cytonuclear polymorphism in the gynodioecious Beta vulgaris ssp. maritima: I/at a local scale
Hegmann et al. Are genetic correlations and environmental correlations correlated?
Soltis et al. Estimates of intragametophytic selfing and interpopulational gene flow in homosporous ferns
MERKER Cytogenetic investigations in hexaploid Triticale: II. Meiosis and fertility in F1 and F2
Wang et al. Resistance to root knot nematode (Meloidogyne hapla Chitwood) in carrot is controlled by two recessive genes
JPH0614666A (ja) 遺伝子組換え率決定方法
JP5818398B2 (ja) 逆子孫マッピング方法
Templeton Cladistic approaches to identifying determinants of variability in multifactorial phenotypes and the evolutionary significance of variation in the human genome
Frankel et al. Sexual incompatibility factors and somatic recombination in Schizophyllum commune
Barranco et al. Avoiding sexual interference: herkogamy and dichogamy in style dimorphic flowers of Narcissus broussonetii (Amaryllidaceae)
CN115064210A (zh) 一种鉴定二倍体胚胎细胞中染色体交叉互换位置的方法及应用
Tai Estimation of double reduction and genetic parameters in autotetraploids based on 4x–2x and 4x–4x matings
Martinez et al. Genetic control of apospory in apomictic Paspalum species
Verma et al. Prediction of QTL genotypes and trait phenotypes using FlexQTLTM: a pedigree-based analysis approach
Votava et al. Brief communication. Inheritance of unique fruit and foliage color mutation in NuMex piñata
Hermsen Genetics of self-compatibility in dihaploids of Solanum tuberosum L. 3. Lethality of S-bearing translocation homozygotes
Farrar Systematics of moonworts Botrychium subgenus Botrychium