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高清浄度軸受鋼およびその製造方法

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軸受の転動寿命をより長くした軸受鋼および
そのような軸受鋼の製造方法を提供すること。 【構成】 不純物をO:9ppm以下、Ti:9ppm以下に
規制することによりAl23のような酸化物系介在物の
大型(円相当直径10μm以上)のものが、断面320
mm2あたり9個以内、TiNのようなTi系介在物の中
型〜大型(同5μm以上)のものが、同じく9個以内と
なるようにする。 製造は、電気炉による溶製で過酸化
状態とすることから出発し、スラグカット率を高くと
り、Si脱酸およびAl脱酸を行ない、RF還元精錬お
よびRH脱ガスをそれに続ける諸工程により行なう。

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JPH06145883A

Japan

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English
Inventor
Kazuya Sakaguchi
一哉 坂口
Yoshisato Takesono
嘉識 竹園
Current Assignee
Daido Steel Co Ltd

Worldwide applications
1992 JP

Application JP29405392A events
Pending

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軸受鋼およびその製造
方法の改良に関し、非金属介在物が少い高度に清浄な軸
受鋼を提供する。
【0002】
【従来の技術】軸受の転動寿命にとって、非金属介在物
が大きな影響を及ぼすことが知られている。 この観点
からみた非金属介在物の重要なものは、Al23を主体
とする酸化物系のものと、TiNを主体とするTi系の
ものである。
【0003】しかし、これら介在物の存在を具体的にど
のレベルまで引き下げればよいかは十分明らかでなく、
また介在物の低減された軸受鋼を製造する方法も確立さ
れてはいなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した軸受鋼の技術の現状から前進し、転動寿命がいっそ
う改善された軸受を与えるよう、介在物を適切にコント
ロールした高清浄度軸受鋼を提供すること、またそのよ
うな高清浄度軸受鋼を製造する工業的方法を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の高清浄度軸受鋼
は、C:0.70〜1.2%(重量%、以下同じ)、S
i:0.5%以下、Mn:2.0%以下およびCr:
2.0%以下を含有し、残部が実質上Feからなる軸受
鋼において、不純物を、O:9ppm 以下、Ti:9ppm
以下に規制し、主としてAl23である酸化物系介在物
の円相当直径10μm以上のものが断面320mm2 あた
り9個以内、主としてTiNであるTi系介在物の円相
当直径5μm以上のものが断面320mm2 あたり9個以
内であるようにしたことを特徴とする。
【0006】軸受鋼の原料としては、上記各成分に加え
て、Mo:0.5%以下を添加することもあり、この合
金組成の鋼も本発明に含まれる。
【0007】上記の高清浄度軸受鋼を製造する本発明の
方法は、下記の諸工程からなる。 A)電気炉で製鋼原料を溶解し、酸素富化操業を行なっ
て溶鋼中の〔O〕量が250ppm以上である過酸化状態
とすることにより、原料中のTiをTiO2に変えてス
ラグ中に移行させること、 B)スラグのできるだけ多くを除去してTiO2 を系外
に出すことにより、溶鋼中のTi量を9ppm 以下にする
こと、 C)Si脱酸を行なって溶鋼中の〔O〕量を150ppm
以下にするとともに、Al脱酸を行なってスラグ中の
〔O〕も固定すること、 D)LF(取鍋精錬法)操業とそれに続く脱ガス精鋼によ
り、溶鋼中の〔O〕量を9ppm 以下にすること、ならび
に E)合金成分の調整を行なって、所望の合金組成とする
こと。
【0008】
【作用】本発明の対象となる軸受鋼の合金組成におい
て、各成分が担う役割とその組成範囲の限定理由は、こ
の分野において知られているところととくに異ならない
が、簡単に述べればつぎのとおりである。
【0009】C:0.70〜1.2% 軸受に必要な耐摩耗性を得るために、0.70%以上の
C量が必要である。一方、靭性の低下を考えて、上限を
1.2%に定める。
【0010】Si:0.5%以下 脱酸剤として必要であるが、熱処理に際して粒界酸化を
ひきおこしやすいので、0.5%以内の添加に止める。
【0011】Mn:2.0%以下 やはり脱酸剤として使用するが、多量になると被削性を
低下させて、材料を軸受用に適しないものにするから2
%の上限を設けた。
【0012】Cr:2.0%以下 軸受に望ましい耐摩耗性を高める。 しかし靭性を低下
させるので、上記限界内の量をえらぶ。
【0013】Mo:0.5%以下 焼入性を向上させる効果を狙って、とくに大型の製品
(径150〜250mmまたはそれ以上)を製造する場合
に添加する。 Moは高価であるし、靭性にとっては好
ましくない成分なので、使用量は0.5%を限度とす
る。
【0014】上記のような合金組成をもつ軸受鋼におい
て、軸受の転動寿命を左右する介在物は、Al23のよ
うな酸化物系介在物では円相当直径(長径と短径の平均
値)が10μm以上の比較的大型のもの、またTiNの
ようなTi系介在物では円相当直径が5μm以上の中型
〜大型のものであることがわかった。 そしてそれらの
許容できる存在量は、材料の切断面を検査して、視野3
20mm2 あたり、いずれも9個が限度であることが、転
動疲労寿命の測定により明らかになった。
【0015】酸化物系介在物およびTi系介在物のサイ
ズおよび量を上記のように規制するための条件を求めた
ところ、鋼中の不純物を、O:9ppm以下、Ti:0.
9ppm以下に低減する必要のあることが判明した。
【0016】製造方法は、上述したところから明らかな
ように、最終的な軸受鋼中の〔O〕およびTiを規制す
ることにポイントがあるから、まず製鋼に使用する原料
を吟味して、Tiの含有量のできるだけ少ないものをえ
らぶべきことはいうまでもない。 あわせて、製造装置
の内張り耐火物にも注意を払い、原理的にTiの系内へ
の混入を最少限に止める。
【0017】近年、Tiは各方面で広く使用されている
から、溶解原料を選択してもその事前の排除には限界が
ある。 そこで本発明では、電気炉による鋼の溶解精錬
に当って、酸素富化操業を行ない、溶鋼中のTiをTi
2 に変えてスラグ側へ移すという手法をとった。 溶
鋼中〔O〕:250ppm 以上の過酸化状態にすれば、溶
存Tiはppm オーダーとなって所期の目的にかなう。
【0018】従ってスラグ除去はできるだけ高い率で行
なうことが望ましく、スラグカット率90%以上を確保
したい。 残存するスラグ中のTiO2 は、後の取鍋精
錬工程において還元され、再び溶鋼に戻るからである。
【0019】次の課題は、Tiの排除に使った〔O〕の
低減であり、これにはまずSi脱酸を行なって、溶鋼中
〔O〕量を150ppm以下、100ppm程度に低下させ
る。続いて、または同時にAl脱酸を行なうと、残存ス
ラグ中の〔O〕もAlで固定される。 そこで還元スラ
グを使用する取鍋精錬を実施し、真空脱ガス、代表的に
はRH法脱ガスを後続させることによって、溶鋼中の
〔O〕量を9ppm 以下にすることができる。
【0020】
【実施例】容量70トンのアーク炉でスクラップを溶解
し、酸素富化操業を行なって、〔O〕濃度が350ppm
の溶鋼を得た。
【0021】スラグを95%除去したのち、Siを溶鋼
トンあたり0.2%、Alを0.05%投入しつつ、L
F(取鍋精錬炉)に移注した。 湯量は85トンあっ
た。塩基度(CaO/SiO2)3.5の強塩基性スラグ
1.5トンを投入し、電極に通電して保温しながら、1
時間にわたって脱酸精錬を行なった。
【0022】その結果〔O〕濃度が10〜20ppm のレ
ベルに下ったので、合金成分を添加して、それぞれ目標
範囲内とした。
【0023】取鍋をRH装置に移し、45分間、真空脱
ガスを行なった。 〔O〕濃度が9ppm 以下であること
を確認して、必要な合金成分の微調整を行なってから、
600mm角のインゴットに鋳造した。
【0024】インゴットを圧延し、600mm角から24
0mm角、153mm角を経て、65mm丸の棒材とした。
軸を通る平面に沿ってサンプルを採取し、被検面を磨い
て画像解析装置にかけ、320mm2の視野に見出される
中型および大型の介在物(円相当直径が酸化物系は10
μm以上、Ti系は5μm以上)の個数を測定した。
【0025】別に、各鋼からベアリング球状の試験片を
つくり、それらについて、B10寿命すなわちベアリング
の10%が破壊するに至る使用時間を測定した。
【0026】3個のロットについての上記試験の結果
を、合金組成とともに下の表に示す。比較のため、本発
明の範囲外の軸受鋼についても同様の試験を行なったの
で、その結果をあわせて表に掲げた。
【0027】 区 分 No. C Si Mn Cr Mo O Ti 酸化物 Ti 系 B10 % % % % % ppm ppm 介在物 介在物 寿 命 実施例 1 0.98 0.25 0.32 1.3 − 8 8 7 6 1.5×108 実施例 2 0.97 0.21 0.30 1.4 − 6 5 7 5 3.8×108 実施例 3 0.96 0.18 0.35 1.3 0.35 5 4 5 7 2.7×108 比較例 1 0.97 0.21 0.37 1.25 − 15 9 50 8 7.0×106 比較例 2 1.00 0.17 0.41 1.35 − 6 15 7 33 4.9×107 比較例 3 0.99 0.19 0.31 0.41 0.28 14 13 48 28 6.5×106
【0028】
【発明の効果】本発明の軸受鋼は、大型の酸化物系介在
物および中型〜大型のTi系介在物の存在量を規制する
ことにより、軸受の転動寿命を高めることに成功した。
【0029】この改善された軸受鋼は、本発明の方法に
従って再現性よく製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16C 33/12 A 6814−3J

Claims (3)
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    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.70〜1.2%(重量%、以下
    同じ)、Si:0.5%以下、Mn:2.0%以下およ
    びCr:2.0%以下を含有し、残部が実質上Feから
    なる軸受鋼において、不純物を、O:9ppm以下、T
    i:9ppm以下に規制し、主としてAl23である酸化
    物系介在物の円相当直径10μm以上のものが断面32
    0mm2 あたり9個以内、主としてTiNであるTi系介
    在物の円相当直径5μm以上のものが断面320mm2
    たり9個以内であるようにしたことを特徴とする高清浄
    度軸受鋼。
  2. 【請求項2】 C:0.70〜1.2%(重量%、以下
    同じ)、Si:0.5%以下、Mn:2.0%以下、C
    r:2.0%以下およびMo:0.5%以下を含有し、
    残部が実質上Feからなる軸受鋼において、不純物を、
    O:9ppm 以下、Ti:9ppm 以下に規制し、主として
    Al23である酸化物系介在物の円相当直径10μm以
    上のものが断面320mm2 あたり9個以内、主としてT
    iNであるTi系介在物の円相当直径5μm以上のもの
    が断面320mm2 あたり9個以内であるようにしたこと
    を特徴とする高清浄度軸受鋼。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の高清浄度軸受
    鋼を製造する方法であって、下記の諸工程からなる製造
    方法: A)電気炉で製鋼原料を溶解し、酸素富化操業を行なっ
    て溶鋼中の〔O〕量が250ppm以上である過酸化状態
    とすることにより、原料中のTiをTiO2に変えてス
    ラグ中に移行させること、 B)スラグのできるだけ多くを除去してTiO2 を系外
    に出すことにより、溶鋼中のTi量を9ppm 以下にする
    こと、 C)Si脱酸を行なって溶鋼中の〔O〕量を150ppm
    以下にするとともに、Al脱酸を行なってスラグ中の
    〔O〕も固定すること、 D)LF(取鍋精錬法)操業とそれに続く脱ガス精鋼に
    より、溶鋼中の〔O〕量を9ppm 以下にすること、なら
    びに E)合金成分の調整を行なって、所望の合金組成とする
    こと。