JPH06138309A - 無位相反射鏡 - Google Patents

無位相反射鏡

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Publication number
JPH06138309A
JPH06138309A JP29132392A JP29132392A JPH06138309A JP H06138309 A JPH06138309 A JP H06138309A JP 29132392 A JP29132392 A JP 29132392A JP 29132392 A JP29132392 A JP 29132392A JP H06138309 A JPH06138309 A JP H06138309A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
reflecting mirror
reflectance
copper
phase difference
Prior art date
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Pending
Application number
JP29132392A
Other languages
English (en)
Inventor
Noriko Shiokawa
紀子 塩川
Hiroshi Ito
拓 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた位相特性と高い反射特性を有する安価
な無位相反射鏡を提供することを目的とする。 【構成】 透明基板の片面上に反射層として銅層を有す
ることを特徴とする無位相反射鏡である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、OA機器、光通信装
置、光情報処理装置、光学用製造装置あるいはカメラ等
の光学機器等に使用される反射鏡に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】従来から、光の反射を利用
して光の進行方向を変えたり、像を結ばせたりするた
め、反射鏡が一般的に使用されてきた。反射鏡として
は、従来、ガラスの表面を研磨して銀、アルミニウムな
どの金属薄膜を蒸着したものと、誘電体多層膜を蒸着し
たものが知られている。一方、最近では光学系が著しく
複雑になり、光路の変更が光量の減少をできるだけ伴わ
ずに自由に出来ることが要求されている。また、S偏光
とP偏光の位相の差が無い反射鏡が求められている。
【0003】しかしながら、金属薄膜を蒸着した反射鏡
のうち、金や銀を用いたものは、反射率も高く、位相差
の小さい無位相反射鏡を作成できるが、著しく高価であ
ると同時に、耐摩耗性が低いため実用的でなく、アルミ
ニウムを用いた反射鏡は安価であるが、位相差が大き
い。他方、誘電体を用いる場合は、位相差が小さく、性
能の良いものが作成できるが、なかなか反射率が上がら
ないため、数層から十数層の誘電体薄膜を重ねてコート
しなければならず、コストの面でかなり負担がかかって
いた。
【0004】
【発明の目的】本発明は、前記従来技術の問題点を解消
し、優れた位相特性と高い反射特性を有する安価な無位
相反射鏡を提供することを目的とする。
【0005】
【発明の概要】本発明は、銅膜が光に対する吸収作用が
極めて少なく、高い反射率を示すとともにS偏光とP偏
光との位相差が少なく、成膜性も良いことを見出し、か
かる知見に基づいて上記目的を達成したものである。す
なわち、本発明による無位相反射鏡は、透明基板の片面
上に反射層として金属薄膜を有する反射鏡において、金
属薄膜として銅薄膜を有することを特徴とする。
【0006】本発明の反射鏡において透明基板として
は、通常、ガラス基板が用いられる。この基板上に施さ
れる銅薄膜は、一般に、60nm〜1000nm(1μ
m)の膜厚で設けられる。この膜厚が60nm未満では
不透明にならず、銅本来の反射率が得られない。また、
1000nm(1μm)を超えるとクラックが生じるこ
とがある。銅薄膜は、真空蒸着、スパッタリング等の公
知手段で設けることができる。
【0007】本発明の反射鏡において、反射率の調整や
位相特性の向上、あるいは銅薄膜の耐候性を向上させる
ため、銅薄膜上にさらに別の層を1層以上設けることが
できる。このような目的でAl2 3 、TiO2 、Mg
2 、SiO2 、ZrO2 などを使用することができ
る。特に、銅薄膜の空気側にAl2 3 層を設けること
により耐候性が向上する。このアルミナ層は、50〜1
000nm、好ましくは50〜300nm、より好まし
くは75〜250nmの層厚で設けられる。層厚が50
nm未満では、効果がなく、上限は特にないが、100
0nmを超えると、クラックが入る可能性がある。
【0008】
【発明の実施例】次に、実施例に基づいて本発明を詳述
するが、本発明はこれによって制限されるものではな
い。
【0009】実施例1〜3 屈折率1.51のガラス基板の片面に表1に示す層を下
記の方法で設けた。上記基板を精密洗浄した後、表1に
示した層を表1に示した順に真空蒸着法によってコート
した。
【0010】
【表1】
【0011】得られた反射鏡について、700〜900
nmの波長範囲における位相差及び反射率を測定した。
実施例1で作製した反射鏡の位相差を図1、反射率を図
2に示し、実施例2で作製した反射鏡の位相差を図3、
反射率を図4に示し、実施例3で作製した反射鏡の位相
差を図5、反射率を図6に示す。反射率を示すグラフに
おいて、実線はS偏光を示し、点線はP偏光を示す。こ
れらの結果から本発明の反射鏡は、位相差が小さく、反
射率が高いことが分かる。すなわち、上記のようにして
得られた本発明の反射鏡は、780nmの波長の光に対
しては位相差がゼロであり、700〜900nmの広い
波長範囲にわたって位相差が±10程度と小さく、P偏
光でも700nm以上のかなり広い波長範囲において9
8%以上の高い反射率を示す。
【0012】なお、位相差の測定は、溝尻光学工業所製
のエリプソメーターによって行い、S及びP偏光の反射
率の測定は、日立製作所製の分光光度計U−4000に
よって行った。
【0013】比較例1〜3 屈折率1.51のガラス基板の片面に表2に示す層を設
けた。層の形成方法は、実施例1〜3と同様であるが、
銅の代わりに銀、金、アルミニウムを使用した以外は、
実施例1と同様にコートした。
【0014】
【表2】
【0015】得られた反射鏡について、700〜900
nmの波長範囲における位相差及び反射率を測定した。
比較例1で作製した反射鏡の位相差を図7、反射率を図
8に示し、比較例2で作製した反射鏡の位相差を図9、
反射率を図10に示し、比較例3で作製した反射鏡の位
相差を図11、反射率を図12に示す。これらの結果か
ら、比較例1及び2で得られた反射鏡は、性能は良いが
コストがかかりすぎ、比較例3はP偏光に対する反射率
が低く、位相差が大きいことが分かる。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、安価な材料を用いて、
少ない層数で製造でき、優れた位相特性と高い反射特性
を示す無位相反射鏡が得られる。この反射鏡は、広い波
長範囲においてP偏光とS偏光の位相差が小さく、吸収
が小さく、高い反射率を示すため、各種の光学系などに
おいて光路の変更に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で作製した反射鏡の位相差を示すグラ
フである。
【図2】実施例1で作製した反射鏡の反射率を示すグラ
フである。
【図3】実施例2で作製した反射鏡の位相差を示すグラ
フである。
【図4】実施例2で作製した反射鏡の反射率を示すグラ
フである。
【図5】実施例3で作製した反射鏡の位相差を示すグラ
フである。
【図6】実施例3で作製した反射鏡の反射率を示すグラ
フである。
【図7】比較例1で作製した反射鏡の位相差を示すグラ
フである。
【図8】比較例1で作製した反射鏡の反射率を示すグラ
フである。
【図9】比較例2で作製した反射鏡の位相差を示すグラ
フである。
【図10】比較例2で作製した反射鏡の反射率を示すグ
ラフである。
【図11】比較例3で作製した反射鏡の位相差を示すグ
ラフである。
【図12】比較例3で作製した反射鏡の反射率を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
実線 S偏光の反射率 点線 P偏光の反射率。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板の片面上に反射層として金属薄
    膜を有する反射鏡において、金属薄膜として銅薄膜を用
    いたことを特徴とする無位相反射鏡。
  2. 【請求項2】 銅薄膜を60〜1000nmの膜厚で有
    する請求項1記載の無位相反射鏡。
JP29132392A 1992-10-29 1992-10-29 無位相反射鏡 Pending JPH06138309A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29132392A JPH06138309A (ja) 1992-10-29 1992-10-29 無位相反射鏡

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JP29132392A JPH06138309A (ja) 1992-10-29 1992-10-29 無位相反射鏡

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JPH06138309A true JPH06138309A (ja) 1994-05-20

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ID=17767425

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Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29132392A Pending JPH06138309A (ja) 1992-10-29 1992-10-29 無位相反射鏡

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