JPH0612897Y2 - 冷却カッター付のペレタイザ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、押出機のヘツドに装設されているダイスから
線状に成型されたストランドを冷却された回転カツター
によって切断した樹脂ペレツトを製造する冷却カツター
付のペレタイザに関するものである。

（従来の技術） 従来、この種のペレタイザは、水槽で冷却されたストラ
ンドを固定刃と回転刃の間に送り込んで切断したペレツ
トを製造するものである。

しかし、ストランドが切断によつて回転刃に生ずる温度
の上昇によつて切断されたペレツトに不揃い等の欠陥が
生ずる現状である。即ち、回転刃の温度が上がり、材料
である合成樹脂が回転刃に粘りついて切断力が大変に悪
化したりする。また、静電気が発生してペレツトが塊状
に付着する問題点がある。

（考案が解決しようとする課題） 従来の技術で述べた押出機よりのストランドを、冷却水
槽を通過させて冷却した後にカツターで切断しても、回
転カツターと固定刃とに生ずる発熱により回転カツター
の温度が上昇し、ストランドの切断が正確にできず、ま
た、回転刃のカツトが不可能になる等の問題点を有して
いた。

そこで、本考案は上記従来の技術の有するこのような問
題点に鑑みてなされたものであつて、その目的とする所
は、ストランドを切断する回転刃の内部に冷却水を注水
循環することによつて冷却させ、回転刃の発熱を防止し
て、回転刃への合成樹脂の付着するのを防止すると共
に、回転刃と固定刃とのクリアランスの変化等を皆無と
し、切断性の向上と耐久性を増大させ、且つ回転力に生
ずる静電気除去してペレツトの取り扱いを極めて容易に
するものである。

（課題を解決しようとする手段） 上記目的を達成するために、この本考案はストランドを
切断する回転刃の中心に中空回転軸を設け、この中空回
転軸軸の内部に隔壁を設けて給水管を挿通支持する。ま
た、中空回転軸の外周に流入孔と排出孔とを穿設する。
この流入孔と排出孔との外周位置の内面に流通室を形成
してある回転刃を、被嵌した状態で固定するものであ
る。そして、切削性の向上と、耐久性を増大するように
したものである。

（実施例） 以下実施例を示す図面と共に説明する。

装置本体(1)は、図に示すように固定刃(2)と該固定刃
(2)に近接した円筒状の回転刃(3)を有し、上下に位置す
る送りローラー(4)、(5)によりストランド(6)を上記固
定刃(2)と回転刃(3)との間に送り込んで該ストランド
(6)をペレツトに切断する。次に、上記回転刃(3)には、
表面に切断用の刃(7)を有し、内面に流通室(8)を形成
し、装置本体(1)に軸受(9)、(10)で回転自在に支持さ
れ、且つ中心の中空回転軸(11)に適宜回り止めされた状
態で取付られ、両側よりナツト(12)、(13)で固定されて
いる。該回転刃(3)と該中空回転軸(11)の間にＯリング
(14)が設けられている。上記回転軸(11)は一端が閉蓋さ
れ、他端が開放されていて内面に排出流路(15)を形成し
てある。上記回転刃(3)に対応する所要位置に所定間隔
を設けて流入孔(16)、排出孔(17)を各穿設し、一端部に
取付けたプーリ(18)等により回転される。

前記中空回転軸(11)の排出流路(15)の内部には、給水管
(19)を中空回転軸(11)の他方の開放端から挿通してあ
る。該給水管(19)には、一方に供給口(20)を設け、該供
給口（２０）からは冷却水が流入する。該中空回転軸(1
1)の流入孔(16)、排出孔(17)間に位置する給水管(19)の
外周には隔壁(21)を形成してあり、該隔壁(21)と中空回
転軸(11)の内面との間はできるだけ隙間を少なくし、所
望により隔壁(21)の周面にテフロン、ナイロン等の滑性
良好な摺動材料を被覆することにより該中空回転軸(11)
の内面に内接させるようにしてもよい。

なお、給水管(19)自体は回転しない。

上記中空回転軸(11)の開放端には、適宜のカツプリング
(22)を介してＴ型等の異径管(23)を接続してある。該異
径管(23)には、排水口(24)を形成してあるが、適宜のロ
ータリージヨイントを用いて排水口(24)を形成すると共
に、排水の圧力は極めて小さいのでジヨイント等を使用
せず、単に排水ガイド等で排水することもできる。な
お、この場合には、異径管(23)を用いなくてもよい。

（作用） 次に、本考案の使用例を図面について説明すると、前記
給水管(19)に冷却水を流入させると、冷却水は、給水管
(19)の内方端を出て、該流入孔(16)を通り回転刃(3)の
流通室(8)内を流れ、回転刃(3)の温度を低下させ、回転
刃(3)の発熱を防止すると共に、冷却水を介し接地され
るので、回転刃(3)に発生した静電気を消失させること
ができる。冷却水は排出孔(17)より給水管(19)の外周か
ら排水口(24)を経て排出循環される。なお、上記隔壁(2
1)を設けると、図に示すように冷却水の流れが規制さ
れ、冷水、暖水を分離させて効率を高めることができる
が、該隔壁(21)を設けないこともある。また、図におい
ては、中空回転軸(11)の一方端に冷却水の出入口を設け
たが、他端も開放して中空回転軸の一端に供給口(20)
を、他端に排水口(24)を設けることもできる。この場合
は、例えば給水管(19)を隔壁(21)の左側の個所などで切
断して閉鎖すると共に、右側適当個所の給水管(19)に透
孔を設け、中空回転軸(11)の左側端部に開口を設けてこ
れにカツプリング(22)等を介して排水管を取付け、右側
の端部にある排水口(24)を塞いでおけばよい。この場
合、冷却水の流通室(8)内の流れ方向は図示の装置と反
対方向になるものである。

（考案の効果） 本考案は以上のように構成され、回転刃を冷却水で冷却
するようにしたから、回転刃の発熱を防止し、ストラン
ドの粘りつき等を防ぎ、連続的に不揃いがなく、確実に
カツト形成され、且つ刃の耐久性を向上させ、切削性を
良くし、また回転刃の熱変形を防いで回転刃と固定刃の
クリアランスを一定に保持し、均一なペレツトが得ら
れ、また静電気を除去してペレツトの取り扱いを容易に
し、塊状にならないようにすることができる。そして、
中空回転軸の外周に流入孔と排出孔を設けて給水管を挿
通してあるので、排水通路が冷却水の通路と温暖水の通
路とが各々分離して使用できると云う便利な効果と、該
中空回転軸の外周に流入孔と排出孔とを穿設し、その外
周の内部に流通室を形成した回転刃を被嵌してあるの
で、回転刃を流動する冷却水で内部から確実に冷却し、
回転刃の発熱を効率よく防止できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案のペレタイザの１実施例を示し、第１図は
平面図、第２図は拡大断面図、第３図は一部を断面した
側面図である。 符号(1)は装置本体、(2)は固定刃、(3)は回転刃、(4)、
(5)は送りローラ、(11)は中空回転軸、(16)は流入孔、
(17)は排出孔、(19)は給水管、(20)は供給口、(21)は隔
壁である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】装置本体(1)には、固定刃(2)を介して上下
   の送りローラー(4)、(5)と外周に切断刃を設けた回転刃
   (3)とを対設し、前記回転刃(3)には、中心に中空回転軸
   (11)を有し、該中空回転軸(11)の内部に給水管(19)を挿
   通し、前記中空回転軸(11)の外周には、流入孔(16)と排
   出孔(17)を穿設し、該流入孔(16)と該排出孔(17)との外
   周には、内部に流通室(8)を形成した該回転刃(3)を該中
   空回転軸(11)の外周位置に被嵌固定したことを特徴とす
   る冷却カツター付のペレタイザ。