JPH0612109B2 - 自然エネルギーの貯蔵方法及び貯蔵システム - Google Patents

自然エネルギーの貯蔵方法及び貯蔵システム

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JPH0612109B2
JPH0612109B2 JP2149788A JP14978890A JPH0612109B2 JP H0612109 B2 JPH0612109 B2 JP H0612109B2 JP 2149788 A JP2149788 A JP 2149788A JP 14978890 A JP14978890 A JP 14978890A JP H0612109 B2 JPH0612109 B2 JP H0612109B2
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洋司 内山
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/70Wind energy
    • Y02E10/72Wind turbines with rotation axis in wind direction

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、自然エネルギーの貯蔵方法に関する。更に詳
述すると本発明は、自然エネルギーを高圧の空気に変換
して貯蔵する方法及びそのシステムに関する。
(従来の技術) 従来、水力や波力、風力等といった自然エネルギーは、
水力発電、波力発電、風力発電等において、そのエネル
ギーが有効利用されている。これらはいずれも水や波の
持つ位置エネルギーあるいはその変動、風力で水車や風
車等を駆動して回転力を得、それによって発電機を回転
させて電力を得るものである。
(発明が解決しようとする課題) このため、いずれの方法もエネルギーとして貯蔵するこ
とができない。しかも、風力や波力を利用する場合には
絶えず発電に適した風等が得られるわけではないので、
エネルギー源として不安定なものとなる欠点を有してい
る。このため、風力や波力を利用した発電システムの場
合、電源として補助電源を必要としたりあるいは補助電
源として使用するしか有効利用方法が従来考えられなか
った。また、水力を利用した発電システムの場合、夜間
の余剰電力を利用して落下した水を再びダムに揚げるこ
とでしかエネルギーの貯蔵という観点では実施されてい
なかった。斯様に従来では自然エネルギーの利用は発電
以外のエネルギー化の他には特に考えられていない。
本発明は、自然エネルギーを貯蔵し、必要なときに必要
なだけ利用することができるようにする自然エネルギー
の貯蔵方法及びそのシステムを提供することを目的とす
る。
(課題を解決するための手段) かかる目的を達成するため、本発明の自然エネルギーの
貯蔵方法は、圧縮性流体を充填した圧力容器内に、ダム
の水をその位置エネルギーを利用して注入し、圧力容器
の上方から散水してこの圧力容器内で水と圧縮性流体と
を直接接触による熱交換を行わせて冷却しながら水面の
上昇で圧縮性流体を圧縮し、水の位置エネルギーを高圧
の圧縮空気に変換するようにしている。
また、本発明の自然エネルギーの貯蔵方法は、圧縮性流
体を充填した圧力容器内に、波力によって作動するポン
プを液体を循環供給し、圧力容器の上方から散水してこ
の圧力容器内で液体と圧縮性流体とを直接接触による熱
交換を行わせて冷却しながら液体の液面の上昇で圧縮性
流体を圧縮し、波のエネルギーを高圧の圧縮空気に変換
するようにしている。
また、本発明の自然エネルギーの貯蔵方法は、圧縮性流
体を充填した圧力容器内に、風力によって作動するポン
プで液体を循環供給し、圧力容器の上方から散水してこ
の圧力容器内で液体と圧縮性流体とを直接接触による熱
交換を行わせて冷却しながら液体の液面の上昇で圧縮性
流体を圧縮し、風のエネルギーを高圧の圧縮空気に変換
するようにしている。
また、本発明の自然エネルギーの貯蔵システムは、圧縮
性流体を充填した複数の圧力容器と、ダムと、これらを
連結する送水管と、この送水管に設置された水タービン
とから成り、圧力容器の任意の一つを開放してダムの水
をその位置エネルギーを利用して注入し、圧力容器の上
方から散水してこの圧力容器内で水と圧縮性流体とを直
接接触による熱交換を行わせて冷却しながら水面の上昇
で圧縮性流体を圧縮する一方、送水管内を落下する水の
運動エネルギーを利用して水タービンを回転させて水力
発電し、上記圧力容器内の圧縮性流体がヘッド圧力に等
しくなる前に次の圧力容器を順次開放するようにしてい
る。
(作用) したがって、圧力容器内に上方からの散水によって注入
される水あるいはその他の液体は、圧力容器内の圧縮性
流体と直接接触して圧縮性流体を冷却する一方、圧力容
器に貯まった水あるいはその他の液体の液面の上昇によ
って圧縮性流体を圧縮する。この圧縮に伴って発生する
熱は注入される水あるいは液体との直接接触によって吸
熱され冷却される。依って、圧力容器内の圧縮性流体は
等温圧縮され、高圧状態で貯められる。
(実施例) 以下、本発明の構成を図面に示す実施例に基づいて詳細
に説明する。
第1図および第2図に波力ないし風力エネルギーを利用
した自然エネルギー貯蔵システムの一例を示す。この自
然エネルギー貯蔵システムは、波力ないし風力によって
駆動されるポンプ1によって非圧縮性媒体である液体2
を冷却器付きリザーバ5と圧力容器4a,4b,…,4
nとの間で循環させ、圧縮性流体3を充填した圧力容器
4a,4b,…,4n内に液体2を供給し、この液体2
で圧縮性流体3の圧縮と冷却を同時に行うようにしたも
のである。該システムは圧縮性流体例えば空気3を充填
した複数の圧力容器4a,4b,…,4nと、風力ない
し波力によって駆動されるポンプ1と、非圧縮性媒体で
ある液体2例えば水等を一定量貯蔵しておく冷却器付き
リザーバ5と、圧力容器4a,4b,…,4nを相互に
連結しかつリザーバ5とポンプ1とに連結して循環流路
を形成する連結管6とから構成されている。
各圧力容器4a,4b,…,4nには底部に液体を抜き
取るための排出弁7a,7b,…,7nが設けられる一
方、圧力容器上部から散水させる液体2の注入量を制御
するための供給弁8a,8b,…,8nと、外部から空
気3を導入させるための開閉弁9a,9b,…,9n並
びに高圧に圧縮された空気3を図示していない貯蔵用圧
力タンクあるいはその他の圧縮空気を利用する施設等に
取出すための吐出弁10a,10b,…,10nが設け
られている。これら各弁7a,8a,9a,10a,
…,7n,8n,9n,10nは、全て油圧で制御さ
れ、一つの圧力容器で空気を圧縮している間に圧縮仕事
を完了した他の圧力容器中の液体を冷却器であるリザー
バ5に還流させるのと同時に容器内に新しい常圧の空気
が入るように開閉操作が行われる。
上述したシステムによると、例えば圧力容器4nの天井
部から液体例えば水が散水されながら注入される。この
とき、散水される液体によって圧力容器内は冷却され
る。そして、散水された液体2が溜まるにつれて液面が
上昇するため、圧力容器4n内の圧縮性流体例えば空気
が圧縮される。圧縮によって空気は温度を高めるが、散
水される水によって冷却される。即ち、空気は冷却され
ながら圧縮される。次いで、圧縮仕事が完了した圧力容
器4a,4b,…,4n内の液体は、圧力容器4a,4
b,…,4nの天井部分から散水される際の圧縮空気と
の直接接触によって、圧縮空気の熱を吸熱して温水とな
っているため、再利用のためにリザーバ5において冷却
される。非圧縮性媒体としては、排気処理が容易で冷却
能力の高い流体例えば水等を使用することが可能であ
る。特に経済性を考慮すると、水の使用が好ましい。
また、流体を循環させる動力源としてのポンプ1は自然
エネルギーによって駆動される。例えば、第2図
(A),(B)に示すように、波の上下動をフロート1
1を利用してポンプ1のピストンの回転に変換し液体を
圧送したり、第2図(C)に示すように、風力によって
回転する風車12の回転でポンプ1を駆動する。
また、他の自然エネルギーの利用法としては、第3図に
示すような水の位置エネルギーを利用した方法がある。
この貯蔵方法はダム15とこのダム15より低所に設け
られている複数の圧力容器4a,4b,…,4nとを送
水管16で連結し、圧力容器4a,4b,…,4nに水
を順次流し込んで圧縮性流体・気体を圧縮するようにし
たものである。圧縮仕事後の水はそのまま圧力容器体4
a,…,4nの外に放水される。この方法は、動力源に
ダム15の水のヘッド圧を利用していることから、設備
は圧力容器4a,4b,…,4nの他には弁7a,8
a,9a,10a,…,7n,8n,9n,10nと配
管6,16及びその制御装置だけの簡単なものとなる。
更に、他の実施例を第4図に示す。この実施例は水の位
置エネルギーを圧縮空気に変換するのと同時に水力発電
を行うようにしたものである。このシステムは、複数の
圧力容器4a,4b,…,4nとダム15とを結ぶ送水
管16の途中に水車(タービン)17を設置し、落下す
る水のエネルギーの一部を水車17の回転に利用すると
共に一部を圧力容器4a,4b,…,4nで圧縮空気に
変換するようにしている。各圧力容器4a,4b,…,
4nは一つずつ開放されてダム15の水を注入するよう
に設けられている。そして、その切換えは、例えばある
圧力容器4b内の圧縮性流体3の圧力がヘッド圧と等し
くなる前、好ましくはヘッド圧の半分程度で次の圧力容
器4nを開放して水の落下速度をあるレベル以上に維持
するようにしている。即ち、水の落下速度は水が注入さ
れる圧力容器4a,4b,…,4n内の圧力に支配され
るため、圧力容器内の圧力がある程度高まると次の圧力
容器を開放することによって水の落下速度の低下を防
ぐ。また、圧力容器は内部の圧縮性流体の圧縮が完了す
るまで開放されているため、水の流入速度が遅くなって
もヘッド圧に達するまで依然として流入し続ける。
このときの弁7a,…,10nの開閉動作は例えば次の
ようなものとなる。まず、圧力容器4bの入口の弁8b
を開き、ダム15の水2をその落下エネルギーを利用し
て圧力容器4b内に流入させる。この際、圧力容器4b
の他の弁7b,9b,10bは、圧力容器4b内の空気
3が所定の圧力例えばダム15の水のヘッド圧の約半分
の圧力に達するまで全て閉じている。この間、既に空気
3の圧縮が終っている他の圧力容器4aでは、排出弁7
bが開かれて圧力容器4a内の水2が外部に排水され、
同時外部から空気を導入するために弁9aが開かれてい
る。尚、弁8aは閉じている。
圧力容器4b内に水2が流入する従って水面が上昇し、
容器内の空気3が所定圧(ダム15の水のヘッド圧)ま
で圧縮される。そして、所定圧力にまで圧縮されると、
弁9bが開き圧縮空気3は溶器4bから圧縮空気貯蔵設
備あるいは圧縮空気利用設備に向けて供給される。圧縮
空気3が容器4bから押出された時点で、弁9bは閉
じ、その直後に弁7bが開き、容器4b内の水2の排出
と外部からの空気の導入が行なわれる。
また、圧力容器4b内での空気3の圧縮が完了する前、
好ましくはダム15の水のヘッド圧の半分程度圧縮され
た時点で次の圧力容器4nが開放される。これは、圧力
容器4b内の空気圧が高まるにつれて水の落下速度が低
下し、水力発電の仕事がある程度以下に落ちるのを防ぐ
ためである。しかし、夜間のように電力需要が低下する
ときには、水車を回転させる必要がなくなることから水
の落下速度の維持を図ることは不要となる。この一連の
操作を順次繰り返すことで、圧縮空気を連続的に得るこ
とができる。制御装置は上に述べた各弁の一連の開閉操
作を油圧機構により制御したり、あるいは電磁バルブを
利用した電気的制御をすることが好ましい。
圧力容器4a,4b,…,4n内における圧縮気体・空
気3と非圧縮性流体・水2との接触方法並びに冷却方
式、上述のものに特に限定されない。例えば、図示して
いないが、圧力容器内に金属製の冷却フィンを挿入する
ことで、圧力容器内に散水される水で冷却フィンを冷却
し、更にこの冷却フィンによって圧縮気体を冷却するこ
とが可能である。冷却フィンを介して圧縮気体と液体と
の間の熱交換を効果的なものとする。また、圧力容器内
部に隔壁を設けて圧縮される気体と注入液体との接触面
積を大きくすると共に圧縮気体を絶えず新しい注入液体
と接触するようにして気体の冷却効果を高めたり、更に
は、隔壁を利用して液体の流れを気体と接触する機会が
増えるように工夫したり、隔壁や冷却フィンの形状等を
工夫して圧縮気体と液体との間の熱授受を効果的なもの
とすることが好ましい。
製造した圧縮空気は、そのまますぐに利用してもよい
が、貯蔵して需要に合わせて供給すればその価値も高く
なる。特に、季節や気候で変動する自然エネルギーや夜
間など電力負荷の低い時の大型電源による余剰電力は、
昼間、電力需要の高い時に利用すれば、その分、化石燃
料が節約できる。エネルギーの貯蔵は、できるだけエネ
ルギー貯蔵密度が大きく、かつ変換時のエネルギー損失
の小さい方法が好ましい。この点において、圧縮空気貯
蔵は、立地点の確保が次第に厳しくなりつつある揚水発
電の代替技術として期待される。
圧縮空気の貯蔵法には、定圧式と変圧式がある。定圧式
とは、水のヘッド圧で圧縮空気を貯える方法で、空気の
出し入れ時の貯蔵空気圧はほぼ一定となる。それは圧力
が大きく変動する変圧式に比べたとき、貯蔵タンクの容
量を小さくでき、かつ貯蔵タンクは圧力容器にならない
という特徴を有している。
貯蔵設備は、安全性や経済性を考慮すると地下や海底に
設置するのが好ましい。この場合、容器には外圧として
地圧また水圧がかかり、その分、地上設置するよりも容
器の設計が容易になるか、あるいは高い圧力で空気を貯
えることができる。
第5図、地下あるいは海底を利用した貯蔵方法を示す。
地下貯蔵の場合、岩塩層に空洞を掘るのが最も経済的で
あるが、岩塩層のない我が国では岩盤を利用する以外に
ない。地下岩盤のうち浅部での貯蔵は基本的には変圧式
となる。そして設置位置が浅いほど掘削は容易になる
が、逆に貯蔵タンクには耐圧が要求されることとなる。
また、効率良い貯蔵を考えると、空気はできるだけ高圧
にしたほうが良いが、そうすると貯蔵タンクの耐圧設計
が厳しくなって貯蔵容量が小さくなってしまう。
それを解決するには、貯蔵タンクをできるだけ地下深く
に設置し地圧で以って容器の耐圧性を確保すればよい。
しかし軟岩の深部掘削は、技術的にみて難しい課題が多
く、図示するような経済的な掘削法を開発していく必要
がある。岩盤が硬い(一軸圧縮強度150kgf/cm2
上)と地下空洞は掘ったままの状態で空気を貯えること
ができる。その場合、気密性は水封式と呼ばれる方法で
保たれる。それは空洞の周囲にウォーター・カーテンを
以って空気の漏洩を防ぐもので、貯蔵空気圧はその深さ
に相当する水圧で一定に保たれている。この工法は既に
石油備蓄で我が国でも実積はあるが、その深さはせいぜ
い100メートルで、数百メートルの深さでの経験はま
だなく技術的課題が残されている。
しかし、我が国のように山が多く四方を海に囲まれてい
るところでは、その特異な地形を利用して圧縮空気を貯
えることができる。例えば、丘あるいは山の上に上池を
設け、その水圧を利用して山の中の貯蔵タンクに圧縮空
気を定圧で貯えることができる。この方法は、貯蔵タン
クを地中の深いところでなく、ほとんど地表と同じレベ
ルのところにトンネルと掘削と同じ実施例で掘ることが
できる。それにより土木作業は容易となり、サイトを選
べば建設費も安くなる。
また、図示の如く貯蔵タンクを海底に設置したとする
と、あまり深い所でなければ工事はさらに容易になる。
一方、300m程度の深海底に貯蔵タンクを設置する場
合には、圧縮空気を貯蔵する際にタンク内の深海水を浅
瀬の海域に噴出させることによって海水の浄化や富化を
図ることができる。この海底貯蔵の特徴は、貯蔵タンク
を始めとする多くの設備が工場で制作でき、リスクが高
い現場工事が少なくなることにある。また貯蔵空気圧も
設置深さに相当する水圧でバランスしているため、タン
クは圧力容器でなくなり設計と製作が楽になる。
また、岩盤を利用した空気貯蔵方法には、地下に新しい
空洞を掘らなくても、石炭や金属鉱山の廃坑、廃トンネ
ルなどを利用する方法もある。既存のインフラ利用は、
技術課題も少なく経済性も高いことから最も現実的な方
法と考えられる。今後、我が国では鉱山と炭鉱はその経
済性の厳しさから閉山が増えることは確かで、そのイン
フラ利用は地元振興と鉱山技術の基盤維持のためにも重
要となる。
更に、経済性を高めるには、空気貯蔵設備を他の構造物
と有機物に結合ないし一体化することも考えられる。そ
れは、構造物内部の空間を利用して空気を貯えるもの
で、例えば海洋では、防波堤や護岸、海底魚礁や海洋構
造物の基礎との兼用がある。また陸上でも、洪水防止に
造られる地下ダム、構造物の基礎杭、あるいは核シェル
ターなど、利用できる設備は多い。この場合、空気の貯
蔵法は変圧式で、数十気圧以上の圧力にして貯蔵するこ
とが好ましい。貯蔵した空気は、発電以外に、都市の防
災、一般動力、エアカーテン、空気調和、エアレーショ
ンなど様々な用途に利用できる。例えば、圧縮された空
気は貯蔵され、それを膨張させて冷熱を発生させ、その
冷熱を冷凍や冷蔵に利用し、更に冷熱を有する膨張空気
をそのまま空調用空気として利用することも可能であ
る。その際、圧縮空気を膨張タービンと空気タービンで
膨張させ、その膨張仕事を圧縮機又はポンプの動力に利
用することによって所要動力の低減を図ることも可能で
ある。
この方法を使うと、エネルギー密度の小さい自然エネル
ギーがエネルギーの大きな高圧空気としてコンパクトに
貯えられ、そしてそれは需要家のニーズに合わせて発
電、動力、あるいはエアレーションなどに利用できるこ
とになる。
(発明の効果) 以上の説明より明らかなように、本発明の自然エネルギ
ーの貯蔵方法は、自然エネルギーを利用して水あるいは
その他の液体を圧縮性流体が充填された圧力容器内に散
水によって供給し、圧力容器内の圧縮性流体と直接接触
して圧縮性流体を冷却しながら冷却後の水あるいはその
他の液体の液面の上昇によって圧縮性流体を圧縮するよ
うにしているので、圧縮に伴う圧縮性流体の温度上昇が
水あるいは液体の吸熱作用によって抑制され等温圧縮と
なることから、その温度差分だけ圧縮仕事に要する動力
が節約でき、自然エネルギーをガスタービン駆動にその
まま利用できる程度の高圧の流体に変換して貯蔵でき
る。したがって、本発明によると、自然エネルギーを少
ないロスで効率的に貯蔵することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の自然エネルギー貯蔵方法を説明する原
理図である。 第2図(A)及び(B)は水力を利用する場合の駆動源
の一例を示す図で、(A)は平面図、(B)は概略図で
ある。 第2図(C)は風力を利用する場合の駆動源の一例を示
す原理図である。 第3図は本発明の他の実施例を示す原理図である。 第4図は更に他の実施例を示す原理図である。 第5図は圧縮空気の貯蔵方法を示す原理図である。 1……自然エネルギーによって駆動されるポンプ、 2……非圧縮性媒体である液体、 3……圧力容器内に充填される圧縮性流体、 4a,4b,……,4n……圧力容器、 11……フロート、 13……風車、 15……ダム、 16……送水管、 17……水車(タービン)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−121614(JP,A) 特開 昭56−136144(JP,A) 特開 昭58−178878(JP,A) 特開 昭58−182438(JP,A) 特開 昭57−8363(JP,A) 特開 昭61−226571(JP,A) 特開 昭59−29777(JP,A) 実開 昭57−111036(JP,U) 特公 昭60−37316(JP,B2) 特公 昭48−22617(JP,B2) 特公 昭57−43730(JP,B2)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧縮性流体を充填した圧力容器内に、ダム
    の水をその位置エネルギーを利用して注入し、前記圧力
    容器の上方から散水してこの圧力容器内で水と圧縮性流
    体とを直接接触による熱交換を行わせて冷却しながら水
    面の上昇で前記圧縮性流体を圧縮し、水の位置エネルギ
    ーを高圧の圧縮空気に変換することを特徴とする自然エ
    ネルギーの貯蔵方法。
  2. 【請求項2】圧縮性流体を充填した圧力容器内に、波力
    によって作動するポンプで液体を循環供給し、前記圧力
    容器の上方から散水してこの圧力容器内で液体と圧縮性
    流体とを直接接触による熱交換を行わせて冷却しながら
    前記液体の液面の上昇で前記圧縮性流体を圧縮し、波の
    エネルギーを高圧の圧縮空気に変換することを特徴とす
    る自然エネルギーの貯蔵方法。
  3. 【請求項3】圧縮性流体を充填した圧力容器内に、風力
    によって作動するポンプで液体を循環供給し、前記圧力
    容器の上方から散水してこの圧力容器内で液体と圧縮性
    流体とを直接接触による熱交換を行わせて冷却しながら
    液体の液面の上昇で前記圧縮性流体を圧縮し、風のエネ
    ルギーを高圧の圧縮空気に変換することを特徴とする自
    然エネルギーの貯蔵方法。
  4. 【請求項4】圧縮性流体を充填した複数の圧力容器と、
    ダムと、これらを連結する送水管と、この送水管に設置
    された水タービンとから成り、前記圧力容器の任意の一
    つを開放してダムの水をその位置エネルギーを利用して
    注入し、前記圧力容器の上方から散水してこの圧力容器
    内で水と圧縮性流体とを直接接触による熱交換を行わせ
    て冷却しながら水面の上昇で前記圧縮性流体を圧縮する
    一方、送水管内を落下する水の運動エネルギーを利用し
    て前記水タービンを回転させて水力発電し、上記圧力容
    器内の圧縮性流体がヘッド圧力に等しくなる前に次の圧
    力容器を順次開放することを特徴とする自然エネルギー
    の貯蔵システム。
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