JPH0610876A - 給油式スクリュー圧縮機の容量制御方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】オイルセパレータ３の出口配管に設けた圧力セ
ンサ５を設け使用空気量の変動を圧力によって検知し、
ＰＩ制御装置６により圧力一定制御を行い、インバータ
７で電動機８の回転数制御を行うことによる容量制御と
従来のサクションアンロード方式による容量制御を組合
わせて使用しアンロード時の省エネ効果を狙う。 【効果】アンロード時電動機の回転数を適正なレベルま
で下げ動力を低減できるため大幅な省エネ効果が得られ
る。また電動機の回転数が下げられるためベアリング等
への負荷が軽減できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は給油式スクリュー圧縮機
に係り、特に、使用空気量比が０〜１００％の全運転領
域において圧力一定の制御が可能で省エネ効果が得ら
れ、空気槽の不要及びベアリング負荷の軽減にも好適な
給油式スクリュー圧縮機の容量制御方法。

【０００２】

【従来の技術】従来の給油式スクリュー圧縮機の容量制
御に係わる装置は、実開昭50−47141号公報に記載のよ
うに、オイルセパレータと吸込絞り弁を配管で結び、そ
の間に圧力調整弁を設け、オイルセパレータ内の圧力変
動により圧力調整弁の開閉を行い、オイルセパレータ内
の圧縮空気を操作エアーとして吸込絞り弁の開閉を行う
ことにより吸込空気量を無段階で調整する容量制御とな
っていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、アン
ロード時使用空気比０〜１００％の全運転領域を吸込絞
り弁の開閉による吸込空気量の無段階調整を行うことで
負荷の軽減を図っていたが、電動機は使用空気量比０％
の時も１００％と同様定格回転数で運転するため電動機
出力が過大となり、アンロード時の省エネ効果が十分に
得られないといった問題があった。

【０００４】本発明の目的は、アンロード時の電動機の
動力を下げ、従来のサクションアンロード方式のみによ
る容量制御に比べ、大幅な省エネ効果を図ることにあ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的は、アンロード
時の容量制御をインバータを用いたＰＩ制御装置による
圧力一定制御とサクションアンロード方式による容量制
御を組合わせて使用し、過負荷によりインバータがトリ
ップする直前まで電動機の回転数を下げ動力を低下させ
て容量制御を行うことにより達成できる。

【０００６】

【作用】オイルセパレータの出口配管に取付けられた圧
力センサにより使用空気量の変動による圧力変化を検出
し、ＰＩ制御装置により圧力一定制御を行い、使用空気
量比の減少に伴いインバータで電動機の回転数を下げ容
量制御を行う。電動機の回転数低下により過負荷となり
インバータがトリップする直前にサクションアンロード
を利かせ、吸込空気量を絞ることにより更に負荷を低減
しインバータのトリップを防止する。電動機の回転数は
インバータの下限リミッタの作動によりトリップ直前の
回転数に固定され、さらに使用空気量比が減少すると吸
込絞り弁を徐々に絞り込み、使用空気量比０％で吸込絞
り弁を全閉にする。使用空気量比が増加すること吸込絞
り弁を徐々に開いて全開とし、使用空気量比が１００％
になると吸込絞り弁は全開のままインバータで電動機の
回転数を上げ全負荷運転の状態までもっていくように動
作させる。

【０００７】これにより、容量制御は従来のサクション
アンロード方式のみによる容量制御に比べアンロード時
の負荷を軽減し入力を下げることができるため大幅な省
エネ効果が得られる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１及び図２によ
り説明する。

【０００９】図１は本発明の一実施例の給油式スクリュ
ー圧縮機の容量制御系統図である。

【００１０】吸込絞り弁１から吸込まれた空気は圧縮機
２で一定圧力まで圧縮されオイルセパレータ３に送られ
る。ここで圧縮空気中の油分を分離し清浄空気は逆止
弁，調圧弁を介しアフタークーラ４で冷却された後サー
ビスエアーとして使用される。本容量制御は主として圧
力センサ５，ＰＩ制御装置６，インバータ７と吸込絞り
弁１で構成される。圧縮機２の運転開始時は吸込絞り弁
１が開放状態でインバータ７により電動機８の回転数を
徐々に上げ全負荷運転にしロード運転に移行する。オイ
ルセパレータ３からアフタークーラ４につながる配管に
取付けられた圧力センサ５は使用空気量の変動を圧力に
よって検知し、ＰＩ制御装置６により圧力一定制御を行
う。使用空気量が減少し配管内の圧力が上昇すると圧力
センサ５がこれを検知し、ＰＩ制御装置６からインバー
タ７に電気信号を送り電動機８の回転数を下げ吸込空気
量を減らすことにより圧力の上昇を抑え容量制御を行
う。更に使用空気量が減少すると電動機８の回転数は下
げられ、インバータ７が過負荷によりトリップする直前
で下限リミッタが作動しトリップ直前の回転数で固定さ
れる。この時の使用空気量より更に圧縮空気の消費が減
少するとオイルセパレータ３内の圧力が上昇するため圧
力調整弁１１が開き、圧力空気が吸込絞り弁１のＡ室内
に送られ弁が徐々に閉められ吸込空気の量を調節する。
使用空気量比が０％になると吸込絞り弁１は全閉となり
空気の吸込みを遮断する。なお、圧縮機２は運転を続け
ているため、吸込絞り弁１と圧縮機２間が負圧になるの
を防ぐため真空緩和弁１３によりオイルセパレータ３内
のエアーを圧縮機３の吸込口に戻してやる。使用空気量
が増加すると吸込絞り弁１を徐々に開き圧縮機３へのエ
アーの供給を増やす。吸込絞り弁１が全開となり、な
お、吐出配管内の圧力が低下し始めるまで使用空気量が
増加すると圧力センサ５が作動しＰＩ制御装置６から電
気信号が送られインバータ７により電動機８の回転数を
上げる。使用空気量比が１００％になると電動機８が全
負荷状態になるまで回転数を一気に上昇させる。圧縮機
２の停止時は放気電磁弁９を開き減圧弁１０を介して吸
込絞り弁１にオイルセパレータ３内の圧縮空気を送り吸
込絞り弁１を全閉にしバック圧による吸込絞り弁１から
の油の吹出しを防ぐとともにオイルセパレータ３内の圧
縮空気を大気中に放気しセパレータ内圧を大気圧まで下
げる。なお三方電磁弁１２は圧縮機２の停止時吸込絞り
弁１のＢ室内と圧縮機２の吸込口配管を開放し圧縮機２
の吸引力により吸込絞り弁１の全閉動作を補助するため
に設けてある。これにより給油式スクリュー圧縮機の容
量制御装置として機能する。

【００１１】図２は本発明の一実施例の容量制御方法と
従来のサクションアンロード方式による容量制御方法の
軸動力・負荷特性図である。

【００１２】本発明による容量制御１５はアンロード時
インバータ７による電動機８の回転数制御を行う間は従
来のサクションアンロードによる容量制御１４に比べて
大きな傾きをもって動力が減少し、サクションアンロー
ドに移行後は従来のサクションアンロードによる容量制
御１４とほぼ同じ傾きで動力を減少させることができ
る。これによりアンロード時斜線部分に相当する電力を
減らすことができるためこの分の省エネ効果が得られ
る。

【００１３】

【発明の効果】本発明によれば、アンロード時の過負荷
によるインバータがトリップする直前まで電動機の回転
数を下げ動力を低下させることができるため大幅な省エ
ネ効果が得られる。また、アンロード時の電動機回転数
を下げることによりベアリング等への負荷を軽減させる
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の給油式スクリュー圧縮機の
容量制御系統図。

【図２】本発明の一実施例の容量制御方法と従来のサク
ションアンロード方式による容量制御方法の軸動力・負
荷特性図。

【符号の説明】

１…吸込絞り弁、２…圧縮機、３…オイルセパレータ、
４…アフタークーラ、５…圧力センサ、６…ＰＩ制御装
置、７…インバータ、８…電動機、９…放気電磁弁、１
０…減圧弁、１１…圧力調整弁、１２…三方電磁弁、１
３…真空緩和弁、１４…従来のサクションアンロードに
よる容量制御、１５…本発明による容量制御。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 洋幸 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所清水工場内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】圧力調整弁，放気電磁弁及び吸込み絞り弁
   から成る容量制御系統において、オイルセパレータ出口
   配管に圧力センサを設け、使用空気量の変動を圧力によ
   って検知しＰＩ制御装置により圧力一定制御を行い、イ
   ンバータによる電動機の回転数制御で容量制御を行う機
   能を特徴とする給油式スクリュー圧縮機の容量制御方
   法。