JPH0598020A - ポリカプロラクトン変性ポリプロピレン及びこれを相溶化剤とするポリマーアロイ並びにその製造方法 - Google Patents

ポリカプロラクトン変性ポリプロピレン及びこれを相溶化剤とするポリマーアロイ並びにその製造方法

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JPH0598020A
JPH0598020A JP13864691A JP13864691A JPH0598020A JP H0598020 A JPH0598020 A JP H0598020A JP 13864691 A JP13864691 A JP 13864691A JP 13864691 A JP13864691 A JP 13864691A JP H0598020 A JPH0598020 A JP H0598020A
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polycaprolactone
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Eitatsu Chinen
栄達 知念
Kazutada Saka
一忠 坂
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 種々の樹脂成分の組合せに係るポリマーアロ
イに対しても優れた相溶化剤として使用することができ
るポリカプロラクトン変性ポリプロピレンを提供し、こ
のポリカプロラクトン変性ポリプロピレンを相溶化剤と
して使用するポリマーアロイを提供し、また、このポリ
マーアロイの有利な製造方法を提供する。 【構成】 ポリカプロラクトン類と無水マレイン酸変性
ポリプロピレンとの反応生成物からなるポリカプロラク
トン変性ポリプロピレンであり、このポリカプロラクト
ン変性ポリプロピレン相溶化剤として樹脂混合物100
重量部中に10〜30重量部の割合で含有するポリマー
アロイであり、また、樹脂Aと樹脂Bの樹脂混合物10
0重量部中にポリカプロラクトン類と無水マレイン酸変
性ポリプロピレンとをその両者の合計が10〜30重量
部の範囲となる割合で配合し、溶融混練するポリマーア
ロイの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリカプロラクトン変
性ポリプロピレン及びこれを相溶化剤として含有するポ
リマーアロイに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ポリマーアロイは、樹脂Aと樹
脂Bとをブレンドして新たな物性を有する樹脂混合物を
得ようとするものであるが、組合せによっては樹脂Aと
樹脂Bとの相溶性が悪く、良好なポリマーアロイを得る
ことが困難な場合が多い。この様な場合に、樹脂Aと樹
脂Bの両方に対して相溶性のある化合物、すなわち相溶
化剤を少量配合すると、両樹脂間の界面張力が低下し、
良好なミクロ相分離構造を形成し、物性の優れたポリマ
ーアロイを得ることができる。
【0003】例えば、ポリカーボネート(PC)とポリ
プロピレン(PP)とのポリマーアロイについては、従
来から多くの提案がされている。先ず、特公昭40−1
3,664号公報と特開昭59−223,741号公報
には、PCとPPの単純ブレンド物に関するものが開示
されている。しかしながら、これらは、相溶化剤を使用
せずに、単に文字通りPCとPPとを機械的に混練した
だけのものであり、両樹脂の相溶性が極めて悪く、その
射出成形品は層状剥離現象を呈し、外観が不良で実用に
供し得ないものである。
【0004】そこで、これらPCとPPの相溶性を向上
させる目的で、PPの代わりに無水マレイン酸変性PP
を用いたものとして、特開昭57−123,251号、
特開昭57−123,253号あるいは特開昭59−2
23,742号の各公報に記載された技術が提案されて
いるが、これらはその何れも本質的に問題を解決するに
は至っていない。すなわち、PCは、その重合終了時に
p−ターシャリーブチルフェノールや長鎖アルキルフェ
ノール類で末端封止が行われて不活性になっており、P
Pに代えて無水マレイン酸変性PPを使用しても、この
無水マレイン酸変性PPと反応せず、両者の相溶性が本
質的に向上するということはない。
【0005】この様な難問に対して、相溶化剤の本質的
な機能に着眼し、根本的な解決を図ろうとするものとし
て、特開昭63−215,749号、特開昭63−21
5,750号、特開昭63−215,751号、特開昭
63−215,752号公報及び特開昭63−215,
753号の各公報記載の技術が提案されている。これら
一連の技術は、PCの末端停止剤としてフェノール性ヒ
ドロキシル基、カルボキシル基、エステル基、ヒドロキ
シメチル基等を有する化合物を使用し、このPCの末端
を封止して重合を停止させることに関する提案である。
そして、これらの化合物は、上記の官能基を有するため
に、エポキシ基を含有するPPのエポキシ基と反応して
PC−PP型の相溶化剤を生成し、PCとPPのブレン
ド物からなるポリマーアロイ中に配合されてこのポリマ
ーアロイの諸物性、すなわち、分散性、曲げ弾性率、ア
イゾット衝撃強度、耐薬品性、及び成形品の外観等の向
上に寄与する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
一連の技術の問題点は、PC−PP型相溶化剤を製造す
るために使用するPCが一般に広く汎用されている通常
のPCではなく、特定の官能基を有する化合物で末端封
止を行った変性PCを用いてPC−PP型の相溶化剤と
しなければならないことである。そして、この特定の官
能基を有する化合物は、工業的に入手困難若しくは高価
格であり、また、既存のPC製造設備を転用できる場合
はともかく、それができない場合には新たにこの変性P
C製造設備を建設する必要が生じ、PCの製造メーカー
でない場合には相当の負担が強いられることになる。従
って、本発明の目的は、変性PCに代えて汎用PCと相
溶性のある化合物を使用し、従来のPC−PP型相溶化
剤と同等の効果を有して優れた相溶化剤となり得るポリ
カプロラクトン変性ポリプロピレンを提供することにあ
る。また、本発明の他の目的は、PCとPPのブレンド
物からなるポリマーアロイの相溶化剤としてだけでな
く、種々の樹脂成分の組合せに係るポリマーアロイに対
しても優れた相溶化剤として使用することができるポリ
カプロラクトン変性ポリプロピレンを提供することにあ
る。更に、本発明の他の目的は、相溶化剤としてポリカ
プロラクトン変性ポリプロピレンを使用して得られた優
れた物性を有するポリマーアロイを提供することにあ
る。更に、本発明の他の目的は、この様なポリカプロラ
クトン変性ポリプロピレンを相溶化剤として含有する優
れた物性のポリマーアロイを有利に製造するための方法
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたものであって、その要旨とすると
ころは、ポリカプロラクトン類と無水マレイン酸変性ポ
リプロピレンとの反応生成物からなるポリカプロラクト
ン変性ポリプロピレンである。また、本発明は、ポリカ
プロラクトンに対して相溶性を有する樹脂A1〜99重
量部と無水マレイン酸変性ポリプロピレンに対して相溶
性を有する樹脂B99〜1重量部とからなる樹脂混合物
100重量部中に、ポリカプロラクトン類と無水マレイ
ン酸変性ポリプロピレンとの反応生成物であるポリカプ
ロラクトン変性ポリプロピレンを10〜30重量部の範
囲で配合したポリマーアロイである。更に、本発明は、
ポリカプロラクトンに対して相溶性を有する樹脂A1〜
99重量部と、無水マレイン酸変性ポリプロピレンに対
して相溶性を有する樹脂B99〜1重量部と、これら樹
脂Aと樹脂Bの樹脂混合物100重量部中にポリカプロ
ラクトン類と無水マレイン酸変性ポリプロピレンとをそ
の両者の合計が10〜30重量部の範囲となる割合で配
合し、溶融混練するポリマーアロイの製造方法である。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。先ず、本
発明のポリカプロラクトン変性ポリプロピレンは、ポリ
カプロラクトン類と無水マレイン酸変性ポリプロピレン
とを反応させて得られた反応生成物からなるものであ
る。そして、このポリカプロラクトン変性ポリプロピレ
ンは、ポリカーボネート(PC)、アクロニトリル・ブ
タジエン・スチレン共重合体(ABS)、アクロニトリ
ル・スチレン共重合体(AS)、メチルメタアクリレー
ト・スチレン共重合体(MS)、ポリスチレン(PS)
あるいは変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)等
を樹脂Aとし、また、ポリプロピレン(PP)、ポリエ
チレン(PE)あるいはエチレン・プロピレン共重合体
(EPR)等を樹脂Bとする樹脂A/樹脂B型のブレン
ド物からなるポリマーアロイに対して、その相溶化剤と
して優れた性能を発揮する。
【0009】そして、このポリカプロラクトン変性ポリ
プロピレンの製造原料の1つであるポリカプロラクトン
類は、γ−カプロラクトン、δ−カプロラクトンあるい
はε−カプロラクトンを、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール等
の2つの水酸基を有する種々のジオール類、グリセリン
等の3つの水酸基を有する種々のトリオール類、更には
ペンタエリスリトール等の4つ以上の水酸基を有するポ
リオール類の存在下に開環重合させて得られるポリエス
テル型の重合体の総称であり、具体的にはポリ−γ−カ
プロラクトンジオール、ポリ−δ−カプロラクトンジオ
ール、ポリ−ε−カプロラクトンジオール、ポリ−γ−
カプロラクトントリオール、ポリ−δ−カプロラクトン
トリオール、ポリ−ε−カプロラクトントリオール、ポ
リ−γ−カプロラクトンポリオール、ポリ−δ−カプロ
ラクトンポリオールあるいはポリ−ε−カプロラクトン
ポリオールを挙げることができ、コストや物性等の面か
ら好ましくはε−カプロラクトンを使用したポリ−ε−
カプロラクトンジオール、ポリ−ε−カプロラクトント
リオールあるいはポリ−ε−カプロラクトンポリオール
であり、より好ましくは、ポリカーボネート〔Macr
omolecules,10,681(1977)〕や
アクロニトリル・スチレン共重合体〔Macromol
ecules,6,760(1973)〕を始め、アク
ロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、メチルメ
タアクリレート・スチレン共重合体、ポリスチレン及び
変性ポリフェニレンエーテル等に対して特に優れた相溶
性を有し、LCST(lower critical
solution temperature、下限臨界
共溶温度)型の低温で一相の完全相溶性を示すポリ−ε
−カプロラクトンジオールである。なお、工業的に普通
に使用されるカプロラクトンはε−カプロラクトンであ
り、以下、ポリ−ε−カプロラクトンジオールを単に
「ポリカプロラクトンジオール」と、ポリ−ε−カプロ
ラクトントリオールを単に「ポリカプロラクトントリオ
ール」と、また、ポリ−ε−カプロラクトンポリオール
を単に「ポリカプロラクトンポリオール」という。
【0010】そして、この様なポリカプロラクトン類に
ついては、その分子量、分子量分布、結晶性、官能基数
等を基準に多くのグレードがあるが、本発明において使
用するポリカプロラクトン類は、少なくとも分子量が
1,000以上で、ワックス又はペースト状のものであ
ればよく、好ましくは分子量が30,000以上のもの
であるものがよい。これらポリカプロラクトン類は、そ
の末端にヒドロキシル基を有し、このヒドロキシル基が
無水マレイン酸で変性されたポリプロピレンの酸無水物
と反応し、本発明のポリカプロラクトン変性ポリプロピ
レンを与える。この反応生成物は、エステル結合で結合
しており、ポリカプロラクトン部分がポリカーボネート
等の樹脂Aに対して優れた相溶性を発揮し、また、ポリ
プロピレン部分がポリプロピレン等の樹脂Bに対して優
れた相溶性を発揮する。また、本発明で使用する無水マ
レイン酸変性ポリプロピレンとしては、好ましくはその
変性率が0.1〜10wt%のもの、より好ましくは1
〜3wt%のものがよい。変性率が0.1wt%より低
いと相溶化剤としての機能が低下するという問題が生
じ、また、10wt%より高くても同様な問題が生じ
る。
【0011】本発明のポリカプロラクトン変性ポリプロ
ピレンを製造する方法については、ポリカプロラクトン
類と無水マレイン酸変性ポリプロピレンとを溶融混練し
て直接両原料を反応させる方法や、これら両原料を極性
溶媒中に溶解し、両者を反応させたのちにこの溶媒を除
去する方法等でもよい。更に、より実用的には、ポリマ
ーアロイの主原料である樹脂Aと樹脂Bとを押出機で混
練する際に、これら樹脂A及び樹脂B中にポリカプロラ
クトン類と無水マレイン酸変性ポリプロピレンとを混合
し、樹脂Aと樹脂Bとの混練と同時にポリカプロラクト
ン類と無水マレイン酸変性ポリプロピレンとを反応させ
る方法である。
【0012】ここで、上記ポリカプロラクトン類と無水
マレイン酸変性ポリプロピレンとを反応させる割合は、
使用するポリカプロラクトン類の種類や無水マレイン酸
変性ポリプロピレン変性率等により異なるが、ポリカプ
ロラクトン類100重量部に対して無水マレイン酸変性
ポリプロピレンが50〜200重量部、好ましくは80
〜120重量部である。ポリカプロラクトン類100重
量部に対する無水マレイン酸変性ポリプロピレンの使用
量が50重量部より少ないと相溶化剤としての機能が十
分に発揮されないという問題が生じ、また、200重量
部より多くても同様の問題が生じる。また、両原料の混
練温度は、通常200〜300℃の範囲、好ましくは2
30〜270℃の範囲がよい。
【0013】以上の様にして得られた本発明のポリカプ
ロラクトン変性ポリプロピレンを樹脂A/樹脂B型ブレ
ンド物からなるポリマーアロイ中に配合して相溶化剤と
して使用する場合、その使用量は、これら樹脂A及び樹
脂Bの合計100重量部に対して10〜30重量部、好
ましくは15〜20重量部である。この使用量が10重
量部より少ないと層状剥離の問題が生じ、また、30重
量部より多いとIZ衝撃値が低下するという問題が生じ
る。
【0014】ここで、上記樹脂A/樹脂B型ブレンド物
からなるポリマーアロイを構成する樹脂Aとしては、ポ
リカーボネート、アクロニトリル・ブタジエン・スチレ
ン共重合体、アクロニトリル・スチレン共重合体、メチ
ルメタアクリレート・スチレン共重合体、ポリスチレン
及び変性ポリフェニレンエーテル若しくはこれらのうち
の2種以上の混合物等が挙げられ、また、樹脂Bとして
は、ポリプロピレン、ポリエチレン及びエチレン・プロ
ピレン共重合体若しくはこれらのうちの2種以上の混合
物等が挙げられる。そして、これら樹脂Aと樹脂Bの配
合割合は、使用する樹脂A及び樹脂Bの種類によっても
異なるが、樹脂A1〜99重量部及び樹脂B99〜1重
量部の割合で使用でき、好ましくは樹脂A30〜70重
量部及び樹脂B70〜30重量部の割合である。
【0015】また、これら樹脂A、樹脂B及びポリカプ
ロラクトン変性ポリプロピレンを混合する方法について
は、これらの重合体を完全に混合できる方法であればど
の様な方法でもよく、具体的には機械的に混合する方
法、ラテックス状態にして混合する方法、溶融状態にし
て混合する方法、溶液状態にして混合する方法など、公
知の方法を適宜選択して採用することができる。更に、
本発明のポノマーアロイを製造する好ましい方法は、相
溶化剤として使用するポリカプロラクトン変性ポリプロ
ピレンが、上述したように、ポリカプロラクトン類と無
水マレイン酸変性ポリプロピレンとを溶融混練すること
により容易に反応させることができるので、ポリカプロ
ラクトンに対して相溶性を有する樹脂A1〜99重量部
と、無水マレイン酸変性ポリプロピレンに対して相溶性
を有する樹脂B99〜1重量部と、これら樹脂Aと樹脂
Bの樹脂混合物100重量部中にポリカプロラクトン類
と無水マレイン酸変性ポリプロピレンとをその両者の合
計が10〜30重量部の範囲となる割合で配合し、これ
らを樹脂A及び/又はBの溶融温度の下で溶融混練する
方法である。
【0016】
【作用】本発明のポリカプロラクトン変性ポリプロピレ
ンは、そのポリカプロラクトン部分がポリカーボネート
等の樹脂Aに対して優れた相溶性を発揮し、また、ポリ
プロピレン部分がポリプロピレン等の樹脂Bに対して優
れた相溶性を発揮し、これによってこれら樹脂Aと樹脂
Bとを基本とする樹脂混合物中においてそれぞれ樹脂A
及び樹脂Bに対して優れた相溶性を発揮し、相溶化剤と
して優れた性能を発揮する。また、この様な本発明のポ
リカプロラクトン変性ポリプロピレンを相溶化剤として
含有するポリマーアロイは、樹脂混合物中における樹脂
Aと樹脂Bの間の界面張力が低下し、良好なミクロ相分
離構造を形成し、優れた物性を発揮する。
【0017】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明
を具体的に説明する。
【0018】実施例1 分子量50,000のポリカプロラクトンジオール(P
CLD、ダイセル化学工業(株)製商品名:プラクセル
H5)と無水マレイン酸変性ポリプロピレン(MAP
P、日本ヒドラジン(株)製商品名:FTH−100)
とを配合比(PCLD/MAPP)1.1の割合で二軸
混練機に仕込み、260℃で溶融混練して反応させた。
反応終了後、得られた反応生成物を、ポリカーボネート
樹脂(PC)80重量部とポリプロピレン(PP)20
重量部との合計100重量部に対して上記反応生成物を
表1に示す割合で配合し、混合して再度260℃の条件
で溶融混練し、実施例1のポリマーアロイを得た。得ら
れたポリマーアロイについて、温度230℃及び荷重
2.16kgの条件でASTM D 1238に準拠し
た流動性、ASTM D 790に準拠した曲げ弾性率
及びASTM D 256に準拠した1/4inchノ
ッチ付IZ衝撃値を測定し、また、成形品についてその
層状剥離の状態を観察した。なお、層状剥離状態の評価
は、○:全く認められない、△:若干認められる、×:
認められる、の3段階で行った。結果を表1に示す。
【0019】実施例2及び3 ポリカプロラクトンジオールに代えて、実施例2では分
子量2,000のポリカプロラクトントリオール(PC
LT、ダイセル化学工業(株)製商品名:プラクセル3
20)を、また、実施例3では分子量1,140のポリ
カプロラクトンポリオール(PCLP、ダイセル化学工
業(株)製商品名:プラクセル611)をそれぞれ使用
し、実施例1と同様にしてポリマーアロイを調製し、そ
の評価を行った。結果を表1に示す。
【0020】比較例1 相溶化剤を全く使用しなかった以外は、上記実施例1〜
3と同様にしてポリマーアロイを調製し、その評価を行
った。結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】本発明のポリカプロラクトン変性ポリプ
ロピレンは、ポリカーボネートとポリプロピレンとのポ
リマーアロイに対して優れた相溶化剤としての性能を有
するだけでなく、種々の樹脂Aと樹脂Bの組合せに係る
ポリマーアロイの相溶化剤として有用である。また、こ
の様なポリカプロラクトン変性ポリプロピレンを相溶化
剤として使用する本発明のポリマーアロイは、複数の樹
脂を単純にブレンドした際に生じる真珠光沢及び層状剥
離が解消される。しかも、相溶化剤として使用されるポ
リカプロラクトン変性ポリプロピレンは、特に別個に製
造しておかなくても、ポリマーアロイを構成する複数の
樹脂を溶融混練する際に、その製造原料であるポリカプ
ロラクトン類と無水マレイン酸変性ポリプロピレンとを
配合するだけで容易に反応して生成するので、ポリマー
アロイの製造工程が簡略化され大幅なコスト低減が可能
である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカプロラクトン類と無水マレイン酸
    変性ポリプロピレンとの反応生成物からなるポリカプロ
    ラクトン変性ポリプロピレン。
  2. 【請求項2】 ポリカプロラクトン類が平均分子量3
    0,000以上のポリカプロラクトンジオールである請
    求項1記載のポリカプロラクトン変性ポリプロピレン。
  3. 【請求項3】 ポリカプロラクトンに対して相溶性を有
    する樹脂A1〜99重量部と無水マレイン酸変性ポリプ
    ロピレンに対して相溶性を有する樹脂B99〜1重量部
    とからなる樹脂混合物100重量部中に、ポリカプロラ
    クトン類と無水マレイン酸変性ポリプロピレンとの反応
    生成物であるポリカプロラクトン変性ポリプロピレンを
    10〜30重量部の範囲で配合したことを特徴とするポ
    リマーアロイ。
  4. 【請求項4】 樹脂Aがポリカーボネート、アクロニト
    リル・ブタジエン・スチレン共重合体、アクロニトリル
    ・スチレン共重合体、メチルメタアクリレート・スチレ
    ン共重合体、ポリスチレン及び変性ポリフェニレンエー
    テルから選ばれた1種又は2種以上の混合物であり、ま
    た、樹脂Bがポリプロピレン、ポリエチレン及びエチレ
    ン・プロピレン共重合体から選ばれた1種又は2種以上
    の混合物である請求項2記載のポリマーアロイ。
  5. 【請求項5】 ポリカプロラクトンに対して相溶性を有
    する樹脂A1〜99重量部と、無水マレイン酸変性ポリ
    プロピレンに対して相溶性を有する樹脂B99〜1重量
    部と、これら樹脂Aと樹脂Bの樹脂混合物100重量部
    中にポリカプロラクトン類と無水マレイン酸変性ポリプ
    ロピレンとをその両者の合計が10〜30重量部の範囲
    となる割合で配合し、溶融混練することを特徴とするポ
    リマーアロイの製造方法。
JP13864691A 1991-05-15 1991-05-15 ポリカプロラクトン変性ポリプロピレン及びこれを相溶化剤とするポリマーアロイ並びにその製造方法 Withdrawn JPH0598020A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010202768A (ja) * 2009-03-03 2010-09-16 Nihon Univ オリゴオレフィン−ポリエステル系又はポリカーボネート系ブロック共重合体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010202768A (ja) * 2009-03-03 2010-09-16 Nihon Univ オリゴオレフィン−ポリエステル系又はポリカーボネート系ブロック共重合体

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