JPH059100U - 音響放射器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】振動板の振幅を大きくすることにより、低音放
射を可能とする。 【構成】ドーナツ形のフレーム１はその内部に配置され
た円形の振動板２に板ばね３，３…で繋がれている。板
ばね３，３…の表面と裏面には夫々１対の圧電素子４，
４…が貼着されている。板ばね３の表裏の圧電素子４に
は互いに逆位相の電気信号が印加される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は音響放射器に係わり、特に、薄型化に適し、低音放射が可能な音響 放射器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の圧電素子を利用した音響放射器は、圧電素子そのものを振動板として用 いていた。また、放射効率を高めるために、図４に示すように、圧電素子４にコ ーン型振動板７を取付けたものもあった。

【０００３】

【考案が解決しようとする問題点】

上記した従来のものにおいては、音放射源となる圧電素子あるいは振動板の振 幅を大きくすることができなかった。そのために、使用周波数帯域は１０ｋＨｚ 程度以上の高域に限られていた。

【０００４】 この考案は上記した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところ は、音放射源の振幅を大きくすることができ、従って、低音域までの音の放射が 可能な音響放射器を提供することにある。また、この考案の他の目的は、構造的 に薄型化が可能な音響放射器を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案の音響放射器は、ドーナツ状のフレームとその内側に配置された振動 板と前記振動板とフレームとを繋ぐ板ばねと前記板ばねの表裏にバイモルフ構造 をなすように貼着された圧電素子とからなるものである。

【０００６】 また、前記音響放射器において、前記板ばねに２対の圧電素子が貼着されてお り、これらの圧電素子により板ばねがその両端を平行状態に保つように変形され るものである。

【０００７】 さらに、前記音響放射器において、前記振動板とフレームの間に表裏を仕切る 部材を設けたものである。

【０００８】

【作用】

バイモルフ構造をなす２枚の圧電素子には伸び縮みが互いに逆となるように電 気信号が印加され、これら２枚の圧電素子の変形により板ばねが曲げられる。板 ばねの曲げ変形により振動板に接続された端部が大きく変位して、振動板が大き い振幅で振動する。従って、低音域までの音の放射が可能となる。

【０００９】 また、板ばねの長手方向に２対の圧電素子を並べて貼着し、これら２対の圧電 素子により板ばねを逆向きにまげることにより板ばねの両端が平行に保たれ、フ レームと振動板との接続部に応力が発生せず、振動板を大きく振動させることが 可能となる。

【００１０】 さらに、前記振動板とフレームの間に表裏を仕切る部材を設ければ、振動板の 裏面に放射される音が振動板の表側に回り込んで干渉することによる周波数特性 の乱れを防止できる。

【００１１】

【実施例】

この考案の実施例である音響放射器を図面に基づいて説明する。図１はこの考 案の第１の実施例である音響放射器を示す。図において、１はドーナツ形のフレ ームであり、その内部に配置された円形の振動板２との間に板ばね３，３…で繋 がれている。板ばね３，３…の表面と裏面には夫々１対の圧電素子４，４…が貼 着されている。但し、裏面に貼着された圧電素子は図示していない。

【００１２】 フレーム１はバッフル板６に固定されており、その内側にはさらにエッジ材５ が取付けられている。図では、エッジ材５の一部が切欠かれて示されている。板 ばね３の表裏の圧電素子４には互いに逆位相の電気信号が印加される。

【００１３】 圧電素子４は電気信号により伸縮し、図２（ａ）に示すように、下側の圧電素 子４が縮み上側の圧電素子４が伸びるときは板ばね３は上に凸に曲がり振動板は 矢印に示すように下に移動する。また、図２（ｂ）に示すように、下側の圧電素 子４が伸び上側の圧電素子４が縮むときは板ばね３は下に凸に曲がり振動板は矢 印に示すように上に移動する。このように振動板は上下に振動して音が放射され る。振動板の裏面に放射される音はバッフル板６とエッジ材５により表面側に回 り込むことが妨げられて干渉が防止される。

【００１４】 図３はこの考案の第２の実施例を示す。この実施例では、板ばね３に２対の圧 電素子４，４…が貼着されている。他の構成は第１の実施例と同様である。各対 の圧電素子には互いに逆向きに板ばね３を曲げるように電気信号が印加され、板 ばね３の先端は振動板３に対して水平に保たれる。従って、板ばね３の振動板２ との接続部に曲げ応力が発生しない。

【００１５】

【考案の効果】

この考案の音響放射器によれば、振動板の振幅を大きくすることができ、低音 放射が可能となる。また、構造上音響放射器を極めて薄型に構成することができ 、軽量化が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の第１の実施例である音響放射器を示
す斜視図である。

【図２】同実施例の作用を示す断面図である。

【図３】この考案の第２の実施例の部分を示す断面図で
ある。

【図４】従来の例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ フレーム ２ 振動板 ３ 板ばね ４ 圧電素子 ５ エッジ材 ６ バッフル板 ７ コーン型振動板

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドーナツ状のフレームとその内側に配置
   された振動板と前記振動板とフレームとを繋ぐ板ばねと
   前記板ばねの表裏にバイモルフ構造をなすように貼着さ
   れた圧電素子とからなる音響放射器。
2. 【請求項２】 前記板ばねに２対の圧電素子が貼着され
   ており、これらの圧電素子により板ばねがその両端を平
   行状態に保つように変形される請求項１の音響放射器。
3. 【請求項３】 前記振動板とフレームの間に表裏を仕切
   る部材を設けた請求項１または２の音響放射器。