JPH0591000U - 基板バックアップ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 種々の板厚の基板に対応して、所定の位置に
自動的に支持する基板支持装置を、安価に提供する。 【構成】 基板を裏面から支えるバックアップピンＰを
複数個配列するベース２と、ベースの下面を複数個所で
支え、上下方向の案内手段４に沿ってベース２を昇降さ
せる平行リンク機構３を設ける。そして、平行リンク機
構３にベース２を上昇または下降させる方向の回転力を
与える一枚のカム５を、引っ張りコイルバネ７によって
当接させ、駆動手段９によりこのカム５を指令角度回転
させてベース２を所望の高さに保持する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電子部品自動装着装置等で基板位置決めを行う際の、基板支持装置 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、電子部品装着装置等において種々の板厚の基板に部品を装着する際、板 厚が変わる度に、バックアップピンが配置された、基板を支持するベースの上下 位置を、手動あるいは自動的に変更する装置が種々提案されている。実開平２− １３１４００号公報では、ベースを上昇させる平行リンク機構の回転運動につい て、人為的にカム位置を変えることにより制限を加え、基板板厚の変更に対応し ている。また、本出願人が出願した実願平３−６６７０３号では、ベースを昇降 させる複数の揺動レバーの各々にカムを当接させ、カムを指令角度回転させるこ とにより、ベースの基板支持位置を自動的に設定している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前述第１番目のような装置では、基板の板厚が変わる度に、作業者がカム位置 を調整しなければならず、多品種少量生産における自動化という点で課題となっ ていた。また、前述第２番目の装置では、自動的に基板支持位置を変更できるも のの、各揺動レバーのそれぞれにカムを当接させているため、装置のコストアッ プを招いていた。本考案では、簡単な構造で基板支持位置を自動的に変更でき、 かつ安価な基板バックアップ装置を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

基板を裏面から支えるバックアップピンを複数個配列するベースと、ベースの 下面を複数個所で支え、上下方向の案内手段に沿ってベースを昇降させる平行リ ンク機構を設ける。そして、平行リンク機構にベースを上昇または下降させる方 向の回転力を与える単一のカムを当接させ、駆動手段によりこのカムを指令角度 回転させてベースを所望の高さに保持する。

【０００５】

【作用】

基板板厚に応じて一定角度回転する一枚のカムで、平行リンク機構のベース支 持位置を変えることができる。

【０００６】

【実施例】

図１は本考案基板バックアップ装置の一実施例を示す正面図、図２はその平面 図である。基板バックアップ装置１は、ベース２、平行リンク機構３、案内手段 ４、カム５、カム軸６、引っ張りコイルバネ７、プーリ８、駆動手段９からなる 。ベース２は、バックアップピンＰを配列させるための図示しない埋め込み穴を 上面に複数個有し、下面の４個所に後述する平行リンク機構３のローラ３６が接 しており、同じく２個所に案内手段４の案内ロッド４１上端部が連結されている 。

【０００７】 平行リンク機構３は、支持板１１上に図２のように前後並行に直立する２枚の 側板１２、１３に回転可能に支持される。３１は左右並行な一対のシャフトで、 側板１２、１３間の同一高さに回転可能に支持され、それぞれの中央部に第１レ バー３２が所定の同一角度で固定されている。３３はリンクで、各第１レバー３ ２の下端部同志をつないで、第１レバーを連動させる。３４、３５は前後一対の 第２レバーで、各々一端が各シャフト３１の両端に所定の同一角度で固定されて いる。第２レバー３４、３５の他端には各々ローラ３６が取り付けられ、ベース ２の下面に４個のローラ３６を当接させている。また、図１で云う右方の第１レ バー３２の中央部にカムフォロワ３７が取り付けられている。

【０００８】 一対の案内手段４は、図２のように側板１２、１３の内側に取り付け、カム軸 ６を挟んで点対称に配置されている。４１はベース２の昇降を案内する案内ロッ ドで、上端部をベース２の下面に固定し、各々直線案内軸受４２を介して側板１ ２または１３に取り付けられる。

【０００９】 カム５は、側板１２、１３間に水平かつ回転可能に支持されたカム軸６に取り 付け、前述のカムフォロワ３７に接する位置に固定する。また、カムフォロワ３ ７を有する第１レバー３２の下端部と側板１３間に張られた引っ張りコイルバネ ７によって、カムフォロワ３７は常時カム５に接する方向へ付勢されている。そ して、側板１２を貫通して図２で云う手前側のカム軸端部に、歯付きプーリ８を 固定する。

【００１０】 駆動手段９は、パルスモータとその制御装置からなり、制御装置の指令により 、パルスモータの回転軸を指令角度回転させる。この回転力は、パルスモータの 回転軸に固定した歯付きプーリ８と歯付きベルト８１で、カム軸前端の歯付きプ ーリ８に伝達される。また、あらかじめ駆動手段９の制御装置は、自身に入力さ れた基板Ｂの板厚によって、ベース２上に配列されたバックアップピンＰが、基 板Ｂを所定の位置に支持する位置まで上昇しなければならない距離を算出し、こ の上昇距離とカム曲線との相関関係から、上昇距離に応じたカム軸６の回転角度 を算出している。こうして、所定量カム５が回転すると、カムフォロワ３７が引 っ張りコイルバネ７に逆らって移動し、右側の第１レバー３２を揺動させる。こ の第１レバー３２の揺動は、リンク３３を介して左側の第１レバー３２にも伝達 され、両者は連動する。この各第１レバーの揺動に対応して軸３１が回転すると 、その回転量に対応して各軸両端に固定された第２レバー３４、３５が一斉に揺 動し、ベース２を所定量押し上げる。

【００１１】 このような構成を持つ本実施例の動作について、図１および図３に基づいて説 明する。図示しない基板搬送装置によって、基板Ｂが基板バックアップ装置１上 の所定位置に停止すると（図１）、駆動手段９の制御装置が、あらかじめ算出し ておいた基板Ｂの板厚に対応するカム軸６の必要回転角度分だけ、パルスモータ を回転させる。すると、歯付きプーリ８と歯付きベルト８１によって、カム軸６ に回転が伝達され所望の角度カム５が回転し、これに接するカムフォロワ３７が 、引っ張りコイルバネ７に逆らって図３のように右方向へ移動する。カムフォロ ワ３７が移動すると、右側の第１レバー３２は右側の軸３１を支点として右方向 に旋回し、第１レバー下端部同志をつなぐリンク３３によって、左側の第１レバ ーも右側の第１レバーと同期して、左側の軸３１を支点に右方向に旋回する。

【００１２】 各第１レバーはそれぞれの軸３１に所定の同一角度で固定されているため、レ バーの旋回に同期して各軸３１も回転する。すると、各軸３１の両端部に同一角 度で固定されている第２レバー３４、３５も、一斉に軸３１を支点として上方へ 旋回し、各ローラ３６がベース２を所定量押し上げる。この時、ベース２の下面 に連結された案内ロッド４１が、それぞれ直線案内軸受４２に沿ってベース２の 上昇を案内し、やがて、ベース２上に配列されたバックアップピンＰが所望の高 さで基板Ｂを支持する。

【００１３】 この状態で電子部品装着などの作業を行い、作業終了後、駆動手段９の制御装 置は、カム５が原点位置に戻るように、前述した基板Ｂの板厚に対応するカム軸 ６の必要回転角度だけ、パルスモータを逆転させる。すると、カムフォロワ３７ が引っ張りコイルバネ３７によって図中左方向へ引き戻され、右側の第１レバー ３２が右側の軸３１を支点として左方向へ旋回し元の位置に戻る（図１）。この 時、前述したリンク動作と同様にして、左側の第１レバー３２、一対の軸３１、 各第２レバー３４、３５が元の位置に戻り、ベース２は案内ロッド４１に案内さ れて下降する。バックアップピンＰから離れた基板Ｂは、図示しない基板搬送装 置によって次工程に送られ、新たな基板Ｂが基板バックアップ装置１上に搬送さ れ、以降上記動作を繰り返す。

【００１４】 本実施例では、基板バックアップ装置１の支持板１１を固定したものとしたが 、支持板１１をＸ−Ｙテーブル上に取り付けて、可動型の基板バックアップ装置 としても構成可能である。

【００１５】

【考案の効果】

基板板厚に応じて一定角度回転する一枚のカムと、これに係合する平行リンク 機構と云う単純な構成で、基板支持位置を自動的に設定でき、基板バックアップ 装置のコストダウンに効果大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案基板バックアップ装置の一実施例を示
す、部分的に破断ないし切除した正面図である。

【図２】本考案基板バックアップ装置の一実施例を示
す、部分的に切除した平面図である。

【図３】本考案基板バックアップ装置の動作を説明す
る、部分的に破断ないし切除した正面図である。

【符号の説明】

１ 基板バックアップ装置 ２ ベース ３ 平行リンク機構 ３１ 軸 ３２ 第１レバー ３３ リンク ３４，３５ 第２レバー ３７ カムフォロワ ４ 案内手段 ５ カム ６ カム軸 ７ 引っ張りコイルバネ ８ プーリ ９ 駆動手段 Ｂ 基板 Ｐ バックアップピン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数個のバックアップピンを支持するベ
   ースを上下移動させて、基板をバックアップする装置で
   あって、 前記ベースを上下方向に案内する案内手段と、 前記ベースをその下面の複数個所で支える平行リンク機
   構と、 前記平行リンク機構に、ベースを上昇または下降させる
   方向の回転力を与えるカムと、 前記平行リンク機構を、前記カムに常時当接する方向に
   付勢するバネと、 前記カムを指令角度回転させて、ベースを所望の位置に
   保持する駆動手段とを備えることを特徴とする基板バッ
   クアップ装置。