JPH0580011A - 発熱体付き薄膜型化学センサ - Google Patents

発熱体付き薄膜型化学センサ

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JPH0580011A
JPH0580011A JP3245757A JP24575791A JPH0580011A JP H0580011 A JPH0580011 A JP H0580011A JP 3245757 A JP3245757 A JP 3245757A JP 24575791 A JP24575791 A JP 24575791A JP H0580011 A JPH0580011 A JP H0580011A
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JP
Japan
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sensor
heating element
thin film
substrate
electrode
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JP3245757A
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Kajiro Ushio
嘉次郎 潮
Masaru Miyayama
勝 宮山
Hiroaki Yanagida
博明 柳田
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Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱効率が良く、しかも、製造工程が複雑でな
く製造コストが安い「発熱体付きの薄膜型化学センサ」
を提供する。 【構成】 ガラス基板(1)の上に蒸着法により、発熱
抵抗体薄膜(2)、下部電極(第2電極5)、第2部材
(3B)、第1部材(3A)、上部電極(第1電極4)
をそれぞれ形成する。真空薄膜形成技術を使用して、
基板とセンサの間又はセンサ上に薄膜状の抵抗発熱体
を形成することにより、センサ部材に直接又は電極又は
電気絶縁層を介して熱が伝わる(つまり、基板を通して
熱を伝えない)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜型化学センサ、特
にガス、湿度、溶媒等の試料を感知する薄膜型化学セン
サに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、CO、Cl2 、NOX 、SOX
オゾン、フロンその他のガス、湿度、アルコール、エー
テル、アセトン、トルエン、ガソリン、ペンタン、シン
ナーその他の溶媒などの試料を感知する化学センサが提
案されている。例えば、特開昭62− 90529号、日本化学
会誌1985年NO.6第1154〜1159頁、日本化学会誌1987年N
O.3第 477〜 483頁などを参照されたい。
【0003】この種の化学センサは、最も一般的には、
基板上に板状に形成されたセンサ材料なるセンサ部材、
センサ部材の一端に接合された第1電極、センサ部材の
他端に接合された第2電極からなる。このタイプは単体
型と呼ばれる。この単体型は試料のセンサ部材への吸着
又は内部拡散を検知する方式のものと、触媒を担持させ
たセンサ部材を用い試料を反応検知する方式のものとに
分けられる。その外、センサ部材が、第1センサ材料か
らなる第1部材と、第1センサ材料とは異なる第2セン
サ材料からなる第2部材の2つに分かれており、一方の
上に他方が積層(接合)している接合型センサがある。
これは、図7に示す如く、第1電極(4)第1電極に接
合する第1部材(3A)、第1部材と接合する第2部材
(3B)、及び第2部材と接合する第2電極(5)とか
らなり、第1部材と第2部材との接合界面が露出してい
る構造を有する。この場合、第1部材には、例えば、p
型半導体である酸化銅(CuO)や酸化ニッケル(NiO)
の焼結体が使用され、第2部材には、例えば、n型半導
体である酸化亜鉛(ZnO)の焼結体やCVD法で形成さ
れたZnO薄膜がそれぞれ使用されている。接合型化学セ
ンサが試料を感知する機構については、まだ十分に解明
されておらず、不明であるが、第1部材と第2部材との
接合界面が露出していることが必要であり、この露出し
た接合界面に、試料が接触すると、第1部材と第2部材
との間の電気的関係が変化する。そこで、この変化を第
1部材に接合した上部電極と、第2部材に接合した下部
電極とを通じて検知するのである。実際に検知される電
気的情報は、電流、電圧、電気抵抗、整流特性、静電容
量等である。接合界面又はその近傍へ試料が吸着したり
離脱したときに、キャリアが第1部材又はと第2部材の
一方から他方へ注入したり、キャリアが消滅したり、或
いは界面ポテンシャルエネルギーが変化することによっ
て、これらの電気的情報が得られるものと推定されてい
る。
【0004】日本化学会誌1987年NO.3第 477〜 483頁
によれば、p型半導体であるCuO焼結体とn型半導体で
あるZnO焼結体とを圧着させてなる化学センサの検知機
構は、 1)吸着酸素の離脱によるZnO表面のエネルギー
障壁の低下2)CuO表面へのガスの化学吸着によって生じ
る界面準位を経由する電流輸送の2つが単独又は同時に
進行することにある。
【0005】電気的情報は、再現性があるので、予め、
既知の試料について、これらの情報と試料の種類や量と
の相関関係を測定しておく。そうすれば、未知の試料に
ついて、これらの情報を測定し、前に測定しておいた相
関関係から、その試料の種類や量を感知することができ
る。他方、化学センサは、単体型にせよ接合型にせよ、
製作方法から分けて薄膜型と呼ばれるタイプがある。こ
の薄膜型では、センサ部材或いはセンサ部材と電極が薄
膜で構成されており、この薄膜は主に真空薄膜形成技術
例えば真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティン
グ、CVD、PVD等で製作されたものである。薄膜型
は、センサ部材として焼結体や厚膜(原料の塗布、その
後の焼成により成膜する厚膜法で製作された膜)を使用
するものに比べて、センサ部材が、緻密で均質で、薄く
(1μm以下)、かつ表面が平滑であることから、性能
が優れている。
【0006】このような薄膜型センサのうち接合型のセ
ンサについて、接合面に直角な方向から見たとき、セン
サを所定の形状にパターニングし、それにより露出した
接合界面の長さを増加させたセンサも提案されている
(特願平3−38622)。化学センサの中には、室
温より高い温度の方が感度が良かったり(日本化学会
誌,1987,(No.3)p.477〜483)、実
際的であったりするものや、長いこと使用すると、試
料が吸着されて次第に感度が低下するので、感度回復
(リフレッシュ)のため、熱処理が必要なものがある。
このようなセンサには、加熱のために抵抗発熱体が設け
られる。従来のセンサは、センサが基板の表面に形成さ
れた場合、基板の裏面に抵抗発熱体を有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、基板の
裏面に抵抗発熱体を設けた従来のセンサは、熱効率が悪
いという問題点があった。また、シリコン基板を用い、
基板にある種の不純物をドープさせて、そこに抵抗発熱
体を形成したセンサも提案されているが、製造工程が複
雑で製造コストが高くなる問題点があった。
【0008】本発明の目的は、熱効率が良く、しかも、
製造工程が複雑でなく製造コストが安い「発熱体付きの
薄膜型化学センサ」を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、薄膜型化学センサを製作するときに使用する真
空薄膜形成技術を使用して、基板とセンサの間又は
センサ上に薄膜状の抵抗発熱体を形成すれば、上記目的
が達成されることを見いだし、本発明を成すに至った。
よって、本発明は第1に「基板上に形成された薄膜型化
学センサにおいて、基板とセンサとの間又はセンサ
の上に、薄膜状の抵抗発熱体を設けたことを特徴とする
薄膜型化学センサ(請求項1)」を提供する。
【0010】また、第2に本発明は、「前記センサと抵
抗発熱体との間に電気的絶縁層を設けたことを特徴とす
る請求項1記載の薄膜型化学センサ(請求項2)」を提
供する。第3に本発明は、「基板上に形成された薄膜型
化学センサにおいて、基板とセンサとの間又はセン
サの上のいずれか一方に、薄膜状の抵抗発熱体を設け、
他方に断熱層を設けたことを特徴とする薄膜型化学セン
サ(請求項3)」を提供する。
【0011】第4に本発明は、 「前記センサが、接合
型センサであり、かつ、接合面に直角な方向から見たと
き、センサと抵抗発熱体が同一形状にパターニングされ
ており、そのため、露出した接合界面の長さが増加して
いることを特徴とする請求項1〜3記載の薄膜型化学セ
ンサ(請求項4)」を提供する。
【0012】
【作用】本発明のセンサは、単体型も接合型も含むが、
少なくともセンサ部材は、真空薄膜形成技術例えば真
空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング、CV
D等や、電着、メッキ、スピンコーティング、スプレ
ー法等の薄膜形成法により製作(成膜)する。これによ
り、焼結体や厚膜(10μm以上)からなるセンサ部材
に比べて、センサ部材が、緻密で均質で、薄く(1μm
以下)、かつ表面が平滑である特徴がでる。また、第1
部材と第2部材との接合(積層)界面が平滑な平面にな
ることと、両部材を外部手段で圧着せずとも両者が接合
状態を保つことから、接触面積はいつも一様になるもの
利点がある。
【0013】センサ材料としては、例えば、酸化物半導
体(後述する例示物質が使用可能である)が使用され
る。他方、接合型に使用される第1センサ材料と第2セ
ンサ材料の組合せ例としては、例えば、p型半導体とn
型半導体、酸と塩基、酸化性物質と還元性物質、イオン
化傾向の大なる物質と小なる物質などが挙げられる。p
型半導体としては、例えば、NiO、CuO、Cu2O、Co
O、Cr23 、MnO2 、MnO、MoO2 、α−BiO3 、 p
−Si等があり、これに組み合わされるn型半導体として
は、例えば、WO3 、ZnO、TiO2 、BeO、SnO2 、V
2 5 、Fe23 、CdO、SiC、In23 、ThO2 、A
l23 、Nb2 5 、Ta2 5 、BaTiO3 、SrTiO3 、Pb
CrO3 、 n−Si等がある。
【0014】酸性物質としては、例えば、TiO2 、ZrO
2 等があり、これに組み合わされる塩基性物質として
は、例えば、MgO、NiO、MgCrO4 等がある。酸化性物
質としては、例えば、AlN、ZnO等があり、これに組
み合わされる還元性物質としては、例えば、CaO、Y2
3 等がある。センサ部材及び第1部材、第2部材の厚
さは、一般に、0.1〜1μm位あれば十分である。
【0015】電極材料としては、アルミニウム、金、白
金、銀、銅、ステンレス、鉄、ロジウム、インジウム等
の金属や、酸化スズ、酸化インジウム、ITO(酸化イ
ンジウムに少量の酸化スズを混合したもの)などが使用
される。特に上部電極は試料に触れることが多いので、
耐食性の高い金、白金が推奨される。電極も真空薄膜
形成技術例えば真空蒸着、イオンプレーティング、スパ
ッタリング、CVD等や、電着、メッキ、スピンコー
ティング、スプレー法等の薄膜形成法で形成することが
好ましい。抵抗発熱体の材料としては、例えば、Ta
2 N、Ta−SiO2 サーメット、NiCr−SiO2 サーメッ
ト、NiCr合金があげられる。抵抗発熱体も薄膜に形成す
ることが本発明の特徴の1つであり、上述の真空薄膜
形成技術や薄膜形成法で形成される。抵抗発熱体の厚
さは、一般に、0.1〜1μm位あれば十分である。こ
の発熱体に一対の電極を設け、これらを通じて通電する
と熱が発生する。これにより容易に最高400℃程度に
センサを加熱することができる。
【0016】先に述べたように、感度を上げるために、
接合型センサにおいては、第1、第2部材の接合界面の
露出した長さを増加させるべく、接合面に直角な方向か
ら見たとき、センサを所定形状にパターニングするが、
このとき、抵抗発熱体もセンサと同一形状であることが
熱効率の上から好ましい。この好ましいセンサは、基
板上に予め抵抗発熱体薄膜しておき、その上に薄膜型の
接合型センサを積層形成するか、又は基板上に先に薄
膜型の接合型センサを積層形成し、その上に抵抗発熱体
薄膜を積層し、その上で、全体を所定形状にパターニン
グすることにより、容易に製造される。
【0017】単体型のセンサ(図1参照)では、抵抗発
熱体はセンサ部材に隣接することになり、また、接合型
のセンサでは、上部電極の上又は下部電極と基板との間
に抵抗発熱体を設けることになる。いずれの場合も、発
熱体とセンサ部材、あるいは発熱体と電極との間に電流
が流れると、抵抗発熱体の発熱量が狂うことや、センサ
の出力値が狂うことがある。このため、両者の間に電気
的絶縁層を設けることが好ましい。このような絶縁層の
材料としては、二酸化けい素* 、窒化けい素、酸化タン
タル、酸化アルミニウム、窒化ホウ素*、ダイヤモンド
状炭素薄膜(*が特に好ましい)などがあげられる。絶
縁層も薄膜に形成することが好ましく、上述の真空薄
膜形成技術や薄膜形成法で形成される。絶縁層の厚さ
は、一般に、0.1 〜1μm位あれば十分である。
【0018】抵抗発熱体はセンサの表面及び裏面の両方
に設けても良いが、いずれか一方に設けた場合には、保
温のため、他方の側に断熱層を設けることが好ましい。
このような断熱層の材料としては、ガラス、酸化けい
素、酸化タンタル、酸化アルミニウム* などがあげられ
る。断熱層も薄膜に形成することが好ましく、上述の
真空薄膜形成技術や薄膜形成法で形成される。断熱層
の厚さは、一般に、0.1〜1μm位あれば十分であ
る。基盤自体を断熱層としても良い。
【0019】絶縁層や断熱層は発熱体と同一形状である
ことが好ましく、3層ともセンサのパターニングと同時
にパターニングすることが好ましい。センサを所定の形
状にパターニングする場合、パターニングの1種として
センサに垂直な孔や溝を開けてもよい。孔はドットマト
リックス状に多数設けてもよく、また、溝は蛇行又は
「つづら折り状」に形成してもよい。孔又は溝を形成す
るには、数十μ程度以下が好ましいので、フォトリソグ
ラフィとそれに続くエッチング技術(湿式もしくは乾
式)又はリフトオフ法を使用することが好ましい。しか
し、レーザーカッティングや機械的な切断法を採用して
もよい。このように最初にセンサを薄い平板状に形成
し、その後、孔又は溝を形成することにより、露出した
接合界面の長さを増加させる方法ではなく、マスク蒸着
のようなマスクを用いた真空薄膜形成技術により、露出
した接合界面の長い構造のセンサを製作する方法を採用
してもよい。乾式エッチングは、ドライエッチングとも
呼ばれ(イ)反応性エッチング(例えばCClガスを使
う)と(ロ)イオンミリング(例えばArイオンとNイオ
ンを衝突させる)に分けられる。
【0020】孔又は溝が小さい(細かい)場合、フォト
リソグラフィとそれに続くエッチング技術(湿式もしく
は乾式)又はリフトオフ法を使用することが多いが、そ
の場合、本発明では、センサ部材(第1、第2部材)が
上述の真空薄膜形成技術や薄膜形成法で形成されて
いるので、小さい(細かい)孔や溝の形状を正確に形成
できる利点及びこれにより露出する接合界面の長さがい
つも一様になる利点がもたらされる。このことは化学セ
ンサの再現性を良くする。
【0021】試料はしばしば腐食性であり、耐食性の高
い電極材料を使用しても、電極特に上部電極が腐食され
る恐れがある。腐食が進むと、やがて消滅する恐れがあ
るばかりでなく、僅かな腐食、また腐食しなくとも試料
の付着のみでも電気抵抗が変化し電気的情報に悪影響が
ある。従って、電極特に外部に露出した電極の上に保護
膜を形成してもよい。保護膜の材料としては、酸化ケイ
素、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化チタン、酸化ジル
コニウム、フッ化マグネウシム、窒化ケイ素、窒化チタ
ン、カーボン薄膜、ダイヤモンド状カーボン薄膜、ダイ
ヤモンド薄膜、炭化ケイ素、炭化チタンなどが挙げられ
る。保護膜の厚さは、0.01〜100 μmもあれば十分であ
る。従って、保護膜は、断熱層を兼用していてもよい。
保護膜は薄膜形成技術で形成することができる。電極、
第1、第2部材、保護膜の全てを薄膜形成技術で製造す
ることは、製造コストの低減になるので好ましい。保護
膜を形成した後でも孔又は溝を形成することは可能であ
り、それが好ましい。
【0022】以下、実施例により本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれに限られるものではない。
【0023】
【実施例1】本実施例を図2(垂直断面図)を引用して
説明する。15mm×15mmの矩形のガラス基板(1)を用意
し、その表面全体に真空蒸着により、厚さ約0.2μm
の酸化アルミニウムを成膜することにより断熱層(7)
を形成した。この断熱層は基板の熱伝導率が低い場合は
不要である。
【0024】その上に真空蒸着により厚さ約0.3μm
のサーメット(Ta−SiO2 )を成膜し、発熱抵抗体薄膜
(2)を形成した。その上に真空蒸着により厚さ約0.
1μmの酸化けい素を成膜することにより電気絶縁層
(6)を形成する。絶縁層の上に、Auを約0.08μ
の厚さに真空蒸着することにより、下部電極(第2電極
5)を形成した。
【0025】その上にp型半導体であるCuOを約0.5
μmの厚さに蒸着することにより、第2部材(3B)を
形成した。同様にn型半導体であるZnOを約0.5μm
の厚さに蒸着することにより、第1部材(3A)を形成
した。最後に、Alを約0.08μmの厚さに蒸着する
ことにより上部電極(第1電極4)を形成し、これによ
り図2に示す化学センサを得た。
【0026】
【実施例2】実施例1のセンサを用意し、その表面全体
にフォトレジストを塗布した後、「つづら折り」が何本
も並んだ形状を投影露光し、次いで現像することによ
り、「つづら折り」が何本も並んだ形状のフォトレジス
ト・パターンを形成した。この後、全層又は断熱層
(7)を除く全層を湿式エッチングした。エッチングに
使用する腐食液(エッチャント)は、それぞれの層に応
じたエッチャントを交換しながら使用するか、又はいく
つかの層を一度にエッチングできるエッチャント例えば
酸や塩基性溶液を用いる。例えば、酸化けい素はふっ酸
に溶け、Auは王水、ZnOやCuOは、多くの酸や塩基に
溶ける。エッチングの後、フォトレジスト・パターンを
除去することにより、露出した接合界面の長さが増加し
たセンサが得られた。
【0027】このセンサを上から見た様子を図3に示
す。感知する部分は、x=5mm、y=5mmの矩形をして
いる。図3では、感知する部分は概略で描いてあり、点
線の円で囲んだ部分を拡大した様子を図4に示す。図4
において、単位長さwは5〜10μmである。図5は別
のパターンの例である。このセンサの発熱抵抗体(2)
に一対の取り出し電極を取りつけ、それらを通じて電流
を流すと、抵抗体が発熱する。
【0028】
【実施例3】実施例2において、湿式エッチングに代え
て、Arイオン衝撃によるドライエッチング(イオンミリ
ング)を用いて、センサを製作した。この方法は、それ
だけで全部の層をエッチングできる。つまり、エッチャ
ントの交換が必要なセンサの層構成のときに有利であ
る。
【0029】
【実施例4】実施例1と同じくガラス基板(1)を用意
し、表面全体に真空蒸着により、厚さ約0.2μmの酸
化けい素を成膜することにより断熱層(7)を形成し
た。次いで、その表面全体にフォトレジストを塗布した
後、図4の反転パターン形状を投影露光し、次いで現像
することにより、図4の反転パターンに相当するフォト
レジスト・パターンを形成した。
【0030】この後、基板全体に実施例1と同じ発熱抵
抗体薄膜(2)、電気絶縁層(6)第2電極(5)、第
2部材(3B)、第1部材(3A)、及び第1電極
(4)を順に積層した。最後にアセトンその他の溶剤で
レジストを除去すると、その上に積層されていた部分だ
けが、リフトオフした。こうして、実施例2と同じセン
サが得られた。
【0031】尚、断熱層(7)をフォトレジストの塗布
後に形成してもよい。そうすると、断熱層(7)もパタ
ーニングされる。
【0032】
【実施例5】実施例1〜4と同じであるが、但し、上部
電極(第1電極4)の上に、厚さ約0.2μmの酸化け
い素薄膜からなる断熱層を設けた。
【0033】
【実施例6】実施例1〜4と同じであるが、但し、積層
の順序を、図6に示すように、下部電極(第2電極
5)、第2部材(3B)、第1部材(3A)、上部電極
(第1電極4)、絶縁層(6)、発熱体(2)及び断熱
層(7)の順にした。
【0034】
【測定例】実施例4のセンサを用い、発熱体(2)に通
電して加熱することにより、センサ材料に吸着されてい
た水を離脱させた後、 COガス(濃度 4000ppm/空気中): NO2 ガス(濃度 4000ppm/窒素ガス中): Cl2 ガス(濃度 4000ppm/窒素ガス中): を室温でそれぞれ測定した結果を図8にグラフで示す。
センサへの印加電圧は2Vである。
【0035】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、薄膜型の
化学センサにおいて、基板上に抵抗発熱体を設けたの
で、センサ部材に直接又は電極又は電気絶縁層を介して
熱が伝わる(つまり、基板を通して熱を伝えない)ので
熱効率が良く、しかも、薄膜状の発熱体としたので、セ
ンサを製作するときに使用する真空薄膜形成技術や
メッキ等の薄膜形成法を使用して発熱体を製作できるこ
とから、製造コストが安価で済む。
【0036】また、センサ部分だけを加熱できるので、
いたずらに周囲環境(雰囲気)の温度を上げて乱す欠点
もない。接合型センサでパターニングするときも、抵抗
発熱体を同時にパターニングできる可能性がある。実施
例に示したZnO/CuO系の接合型センサでは、室温で湿
度センサとして機能するため、常態(つまり物理吸着水
の存在する状態)で、例えば、COガスの検出を行うこ
とは困難であるが、発熱体に通電することでセンサを加
熱すれば、吸着水が離脱するので、その後、COガス検
出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかる化学センサ(単体型)
の概略断面図である。
【図2】本発明の実施例1にかかる化学センサ(単体
型)の概略断面図である。
【図3】実施例2の化学センサの概略平面図である。
【図4】図3の点線円内の部分拡大図である。
【図5】図3に相当する図の別のパターン例を示す部分
拡大図である。
【図6】実施例6の化学センサで湿度を測定したデータ
を示すグラフである。
【図7】従来の接合型化学センサの概略断面図である。
【図8】実施例のセンサによる測定データ(電流の変
化)を示すグラフである。
【主要部分の符号の説明】
1・・・基板 2・・・抵抗発熱体 3・・・センサ部材 3A・・第1部材(センサ部材の一部) 3B・・第2部材(センサ部材の一部) 4・・・第1電極 5・・・第2電極 6・・・電気絶縁層 7・・・断熱層 8・・・断熱層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された薄膜型化学センサに
    おいて、基板とセンサとの間又はセンサの上に、薄
    膜状の抵抗発熱体を設けたことを特徴とする薄膜型化学
    センサ。
  2. 【請求項2】 前記センサと抵抗発熱体との間に電気的
    絶縁層を設けたことを特徴とする請求項1記載の薄膜型
    化学センサ。
  3. 【請求項3】 基板上に形成された薄膜型化学センサに
    おいて、基板とセンサとの間又はセンサの上のいず
    れか一方に、薄膜状の抵抗発熱体を設け、他方に断熱層
    を設けたことを特徴とする薄膜型化学センサ。
  4. 【請求項4】 前記センサが、接合型センサであり、か
    つ、接合面に直角な方向から見たとき、センサと抵抗発
    熱体が同一形状にパターニングされており、そのため、
    露出した接合界面の長さが増加していることを特徴とす
    る請求項1〜3記載の薄膜型化学センサ。
JP3245757A 1991-09-25 1991-09-25 発熱体付き薄膜型化学センサ Pending JPH0580011A (ja)

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JP3245757A Pending JPH0580011A (ja) 1991-09-25 1991-09-25 発熱体付き薄膜型化学センサ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08503305A (ja) * 1993-07-02 1996-04-09 ポハン・アイアン・アンド・スティール・カンパニー・リミテッド 一酸化炭素(co)検出センサおよびその製造方法
JP2006308397A (ja) * 2005-04-27 2006-11-09 Nec Tokin Corp 半導体式ガスセンサ
WO2015029541A1 (ja) * 2013-08-30 2015-03-05 株式会社村田製作所 ガスセンサ、ガスセンサの製造方法、及びガス濃度の検出方法
CN113406155A (zh) * 2021-06-23 2021-09-17 长春理工大学 氧化锡/多酸/氧化钨三层同轴纳米纤维气体传感材料及其制备方法

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