JPH0578647A - 遮水用材料及びこれを用いたケーブル - Google Patents

遮水用材料及びこれを用いたケーブル

Info

Publication number
JPH0578647A
JPH0578647A JP4056084A JP5608492A JPH0578647A JP H0578647 A JPH0578647 A JP H0578647A JP 4056084 A JP4056084 A JP 4056084A JP 5608492 A JP5608492 A JP 5608492A JP H0578647 A JPH0578647 A JP H0578647A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
cable
rubber
polymer particles
coating layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4056084A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2505680B2 (ja
Inventor
Noriaki Fujisawa
紀明 藤沢
Yasuro Sakai
康郎 酒井
Tsuneo Kuwabara
恒夫 桑原
Juzo Kukida
重蔵 久木田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp, Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP4056084A priority Critical patent/JP2505680B2/ja
Publication of JPH0578647A publication Critical patent/JPH0578647A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2505680B2 publication Critical patent/JP2505680B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sealing Material Composition (AREA)
  • Insulated Conductors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はL字法、T字法の両方の遮水性に優
れた遮水性材料を提供することを目的とする。 【構成】 非水溶性で可撓性を有する特定のゴムバイン
ダー(5)と、特定の粒子径を有する高吸水ポリマー粒
子(4)を含んで成り、且つ特定の密度を有するコーテ
ィング層(2)と該コーティング層(2)を支承する固
体支持体(3)から構成され、少くとも下記条件を満た
す遮水用材料。 1.コーティング層の密度が0.60〜1.05g/cm3であ
る。 2.コーティング層の主要部(90重量%以上)である高
吸水ポリマー粒子とゴム系バインダーの重量比率が50〜
90重量%対10〜50重量%である。 3.高吸水ポリマー粒子中で20〜97重量%の粒子の粒子
径が45〜 425μmである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遮水性に優れた遮水用
材料に関する。より詳しくはイオン性の低い水に対する
遮水性を有し、且つ例えば海水のように遮水困難なイオ
ン性の高い水に対しても優れた遮水性を有する、特に電
線や光ファイバーケーブルの押さえ巻き遮水テープに有
用に用いることができる遮水用材料に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】近年、光
ファイバーケーブル等のケーブルが、地下に埋設される
ケースが増加している。したがってこれらケーブルに対
して例えば通信ケーブル心線をケーブルの外力から保護
する被覆緩衝性や、ケーブル作製時の作業性の取扱い性
である充填容易性などの充填材料としての要求特性のほ
か、優れた遮水性が要求されている。この遮水性は、ケ
ーブルの外被が破られ、水が侵入した場合、ケーブルの
長手方向に伝わろうとする水を速やかに吸収し、膨潤し
て遮水する性能である。
【0003】遮水性のテスト法にはT字法とL字法があ
る。T字法はケーブルの外被に何らかの力が加わり、外
被に穴又は亀裂ができ、そこから水が侵入しケーブルの
長手方向に伝わろうとするのを想定したテスト法であ
る。一方L字法はケーブルが外力で切断された場合にケ
ーブルの断面から水が侵入しケーブルの長手方向に伝わ
ろうとするのを想定したテスト法である。両方ともに遮
水性は24時間で水が何cm伝潘するかを数値化したもので
表され、この数値が小さいほど遮水性がよいことを示
す。実用上ケーブルに対してはL字法、T字法両方の遮
水性が要求される。
【0004】特開昭63−6055号公報には、その乾燥被膜
が水溶性を有するポリビニールピロリドン系バインダー
を支持体にし、その支持体に水膨張性ポリマーをコーテ
ィングした水膨張性複合材料が開示されている。しか
し、該複合材料はバインダーが水溶性であるため、基布
(支持体)とコーティング層の吸湿によるデイメンジョ
ン変化のため、湿度変化によって遮水テープがカール
し、更に吸湿によりテープがべとつき、実用には供せな
いものである。更に、その被膜が非常に硬いため、ケー
ブル作製時やケーブル施工時の作業性に劣るものであ
る。
【0005】特開平1−240547号公報には、ゴム系バイ
ンダーと高イオン水吸水性組成物を織物又は不織布シー
ト表面にコーティングした遮水用材料が開示されてい
る。しかしこの遮水用材料において、粒子径の小さい吸
水ポリマーを用いた遮水用材料は吸水ポリマーが不織布
シート表面から脱落せずに膨潤して遮水するためL字法
の遮水性が悪く、粒子径の大きい吸水ポリマーを用いた
遮水用材料でもゴム系バインダーと吸水ポリマーとから
成るコーティング層の密度が小さいためにT字法の遮水
性が悪い。従って、例えばこの遮水性材料で光ファイバ
ーケーブル内の遮水を行う際には図4にも示されている
ようにこの遮水性材料をケーブルに巻いて用いるだけで
はなく、ケーブルのスロット(心線の入っている溝)内
にもこの遮水性材料を細巾に裁断したテープ状物を挿入
して用いる必要がある。
【0006】特開平2−183911号公報には、ゴム系バイ
ンダーと水膨潤性樹脂からなる水膨潤樹脂層をポリエチ
レンやポリプロピレンから選ばれる剥離層を介して不織
布シート表面にコーティングした遮水性材料が開示され
ている。しかし、この遮水性材料では水膨潤性樹脂層中
の水膨潤性樹脂の粒径が小さいために水膨潤性樹脂が樹
脂層から脱落することはない。しかし水膨潤性樹脂層全
体が剥離層で離れることによって不織布シート表面から
剥離し、それによって遮水する。したがって、依然とし
てL字法、T字法共に遮水性が悪い。
【0007】以上述べたように、遮水性、特に微小間隙
に対しての遮水性について優れた性能を有すると共に、
湿度変化によるカール防止性及びべとつき防止性、被覆
緩衝性、非腐敗性、ケーブル作製時や施工時の作業容易
性等に対しても優れた性能を有する遮水用材料は今日迄
まだ知られていない。
【0008】本発明の目的は、従来の遮水性材料の問題
点を解決し、遮水性、特に光ファイバーケーブルのスロ
ットの様な微小間隙における遮水性、湿度変化によるカ
ール防止性及びべとつき防止性、被覆緩衝性、非腐敗性
及びケーブル成形性に優れた遮水用材料、これを用いた
電線及び光ファイバーケーブルを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の遮水用材料は、
ゴムバインダーと、高吸水ポリマー粒子からなるコーテ
ィング層とコーティング層を支承する固体支持体とで構
成された遮水性材料であって、上記コーティング層を特
定の密度に設定していることを特徴としている。
【0010】即ち、本発明による遮水用材料は固体支持
体と該固体支持体上に配置された、高吸水ポリマー粒子
とゴム系バインダーを含んで成るコーティング層で構成
された遮水用材料であって、該コーティング層の密度が
0.60〜1.05g/cm3 であり、前記コーティング層中に占
める高吸水ポリマー粒子とゴム系バインダーの合計重量
の比率が90重量%以上であり、高吸水ポリマー粒子とゴ
ム系バインダーとの間の重量比率が高吸水ポリマー粒子
については50〜90重量%、ゴム系バインダーについては
10〜50重量%になるように定められていることを特徴と
する。
【0011】本発明による電線用ケーブル又は光ファイ
バー用ケーブルは前記遮水用材料を押さえ巻き遮水テー
プとして用いることを特徴とする。
【0012】本発明における高吸水ポリマー粒子は、水
に接触しない限りはゴム系バインダーに保持されて固体
支持体から脱落することがなく、水と接触したときには
速やかに膨潤して固体支持体から脱落し、バラバラに分
離した状態でケーブル内に広がり遮水する。
【0013】本発明の遮水用材料は、ケーブルに水が侵
入しても、コーティング層の高吸水ポリマー粒子の大き
さ、密度及び高吸水ポリマー粒子とゴム系バインダーの
比が適正であるため、その箇所の高吸水ポリマー粒子が
速やかに膨潤してT字の遮水が発現する。さらに高吸水
ポリマー粒子がバインダーから脱落し、スロット内に広
がることができるため、T字の遮水性も発現する、優れ
た遮水性(水走り防止性)を持っている。またコーティ
ング層においては、ゴム系バインダーで高吸水ポリマー
が固体支持体に固定されているため、ケーブルコネクト
時に高吸水ポリマー粒子が脱落することがなく作業性に
優れると共に、湿度変化によるカール防止性およびべと
つき防止性に優れる。また非水溶性で可撓性のあるゴム
系バインダーを用いるため、被覆緩衝性、非腐敗性およ
びケーブルコネクト作業時やケーブル製造時のケーブル
成形性に優れている。
【0014】以下本発明の遮水用材料および光ファイバ
ー用ケーブルの一例を示す添付図面を参照して本発明を
詳述する。
【0015】図1に本発明の遮水用材料の拡大断面をモ
デル的に示す。図1に示すように、本発明の遮水用材料
1は固体支持体3とその固体支持体3上に配置された、
複数の高吸水ポリマー粒子4とゴム系バインダー5を含
んで成るコーティング層2で構成され、高吸水ポリマー
の粒径、高吸水性ポリマーとゴム系バインダーの重量比
及びコーティング層の密度を特定の値に設定することに
より、水に接触したときに高吸水ポリマーが速やかに膨
潤して固体支持体から脱落し、遮水するものである。
【0016】本発明の遮水用材料では、第1にコーティ
ング層に用いられる高吸水ポリマー粒子中で好ましくは
20〜97重量%、更に好ましくは55〜95重量%の粒子の粒
子径が45μm(330メッシュオン)〜 425μm(36メッシ
ュパス)である。このことによって本発明の遮水性材料
は水に接触した時に高吸水ポリマーが速やかに膨潤しバ
インダーから離れて固体支持体より脱落し、バラバラに
分離した状態で遮水するために優れた遮水性を発揮する
ことができる。
【0017】ゴム系バインダーが非水溶性であるにかか
わらず、水に接触した時に高吸水ポリマー粒子がバイン
ダーから脱落することができるのは、高吸水ポリマー粒
子の粒子径が充分に大きく、コーティング層ではその高
吸水ポリマー粒子がバインダーの薄い被膜で被われた状
態で存在し、該高吸水ポリマー粒子間に連続又は不連続
の空気間隙があり、水と接触した時に高吸水ポリマー粒
子が直ちに膨潤し、又バインダーの被膜が高吸水ポリマ
ー粒子の膨潤力を押さえ込むほどの力を持たないため、
簡単に高吸水ポリマー粒子がバインダーから離れて、脱
落することができることに基づくと考えられる。
【0018】高吸水ポリマー粒子の粒径が小さいと、大
部分の粒子がコーティング層の中に閉じ込められ、且つ
高吸水ポリマー粒子間の空気間隙が非常に少なく、遮水
用材料が水と接触しても、高吸水ポリマー粒子に直接水
が接触するまでに時間がかかり膨潤速度が遅くなり、ま
た膨潤してもコーティング層から飛び出す力がなく、ポ
リマーが脱落することができず遮水性が低下する。高吸
水ポリマー粒子の好ましい粒径は固体支持体への付着性
の点から45〜 300μmである。
【0019】さらに高吸水ポリマー粒子の粒子径が45μ
m未満の小さい粒子のものも、例えば、光ファイバーケ
ーブルのスロット(図2のスロット10a参照)内の微小
間隙の遮水を行うような場合に存在すると好ましい。そ
の場合の粒径が45μm未満の小さな粒子の比率は80重量
%未満であることが好ましい。80重量%以上になると膨
潤速度が遅くなり、また、膨潤してもコーティング層か
ら脱落する力が弱く、遮水性が低下する。
【0020】図3〜図8に後述する本発明の遮水性材料
の実施例(実施例1及び実施例6)および比較例(比較
例1b)の倍率 100倍の顕微鏡写真による断面図(図
3、図5及び図7)及び平面図(図4、図6及び図8)
を示す。
【0021】本発明の遮水性材料の実施例の断面図であ
る図3および図5から判るように、本発明の遮水性材料
では材料の厚さに比較して相当に大きい粒径を有する高
吸水ポリマー粒子がコーティング層に多数配置され、そ
れぞれの粒子又は粒子集団の周囲には空気間隙が存在す
ることが判る。図3および図5にそれぞれ対応する平面
図である図4および図6から複数の粒子の間にバインダ
ーの被膜が存在し、且つ多数の空気間隙が存在すること
が判る。なお図4および図6で見える繊維状物は後述の
カバークロス(この場合は不織布)を構成する繊維であ
り、図3および図5のコーティング層の下側には固体支
持体(この場合は不織布)が観察される。
【0022】図7(断面図)および図8(平面図)は比
較例1bの遮水性材料であり、高吸水ポリマー粒子とし
て粒径の小さい粒子を用いている。なおこの例ではカバ
ークロスを用いていない。
【0023】高吸水ポリマー粒子の粒径の測定方法は、
JIS Z 8801(標準ふるい)に規定する網ふるいを使用し
て、JIS Z 8815(ふるい分け試験方法)に従う。すなわ
ち、試料(高吸水ポリマー)の粒子径に応じて必要な大
きさの目開きを持ったふるいを上から大きい目開きの順
に重ね、一番上に試料を入れ、一番下には受皿を置き、
JISの規定に従って振動を与えふるい分ける。ふるい
分けた後、各目開きのふるい上に残った粒子の重量を測
定し、粒度分布を算出する。
【0024】本発明の遮水用材料は、遮水用材料を水に
浸漬して10分後の高吸水ポリマー粒子の脱落率が50重量
%以上であるものが好ましく用いられる。該脱落率は、
後で詳述するように遮水用材料1gを1リットルの市販
の精製水中に吊るした状態で静置し、10分間浸漬した後
取り出し、これをそのままの状態で乾燥して残存ポリマ
ー量を測定して求められる。
【0025】高吸水ポリマー粒子の脱落率が50重量%未
満では脱落する高吸水ポリマー粒子が少なくなるため、
遮水性が低下する。一例を示せば、KIゲル201K(クラレ
社製商品名、20メッシュパス: 790μm以下)を 100メ
ッシュの篩を用いて 150μm以下にしたものを70重量
部、オクチルホスフェートカリウム0.7重量部、ゴム系
バインダーを30重量部用い、トルエン、メチルエチルケ
トン、酢酸エチル等の有機溶剤で希釈混合したもので、
ポリエステルスパンボンドE−5060(旭化成工業社製商
品名、ポリエステルスパンボンド)に高吸水ポリマーの
付着量が 100g/m2になるように均一にコーティング
し、乾燥して得られたものを、1gサンプリングして、
1リットルの市販の精製水中に吊るした状態で静置し、
10分間浸漬した後取り出し、そのままの状態で乾燥した
後重量を測定し、重量の減少量から計算されるポリマー
の脱落量が50重量%以上のものが好ましい。
【0026】又本発明の遮水性材料に用いられる高吸水
ポリマーは、遮水性能の点から、後述するCB法で測定
した吸水倍率(以下吸水倍率とはCB法で測定した吸水
倍率を言う)が10倍以上であることが好ましい。
【0027】さらに、高吸水ポリマー粒子は水と接触し
た時にバラバラになって分離し、ケーブル内に広がる必
要があるため粒子状のものでなければならないが、その
粒子形状に特に限定はなく、例えばエマルジョン重合に
よって得られる真円形のもの、通常の粉砕機によって粉
砕されたランダムでいびつな形状のものでもよい。
【0028】上記高吸水ポリマーとしては、例えばポリ
アクリロニトリルグラフト重合体加水分解物、ポリアク
リル酸ソーダ、メチールメタクリル酸−酢酸ビニール共
重合体加水分解物、ポリビニールアルコール架橋重合
物、ポリアクリロニトリル架橋体加水分解物、ポリエチ
レンオキサイド架橋重合体物、ポリアクリルアミド架橋
重合物、アクリルアミド−アクリル酸架橋共重合体物、
スルホアルキル(メタ)アクリレート−アクリル酸架橋
重合体物、イソブチレン−無水マレイン酸架橋重合体物
などが好ましく用いられる。この他、腐敗して水素ガス
を発生する、デンプン−ポリアクリロニトリルグラフト
重合加水分解物、デンプン−アクリル酸グラフト共重合
物、カルボキシメチールセルロース架橋重合物、セルロ
ース−ポリアクリロニトリルグラフト重合体加水分解物
なども腐敗防止処理をして使用することができる。
【0029】本発明の遮水性材料では、第2に、コーテ
ィング層中に高吸水ポリマー粒子を接合するバインダー
としてゴム系バインダーを用いることが必要である。ゴ
ム系バインダーは、例えば、トルエン、メチルエチルケ
トン、酢酸エチル等の有機溶剤に可溶で、水と接したと
きに高吸水ポリマーを容易に脱離し、かつ遮水用材料に
可撓性を与え、また腐敗により水素ガスを発生しないも
のが好ましい。
【0030】このようなゴム系バインダーとしては、ス
チレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴ
ム、ハロプレンゴム、イソブチレンゴム、ブチルゴム、
エチレン・プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチ
レンゴム、シリコンゴム、トリフロロ・クロロエチレン
ゴム、ビニリデン・フロライドゴム、ジヒドロ・パーフ
ロロ・アルキルアクリレートゴム、ポリウレタンゴム、
ビニール系ゴムなどが挙げられるが、これらのうちスチ
レンブタジエンゴムが好ましく用いられる。スチレンブ
タジエンゴムは、支持体への接着力、ケーブル製造時や
敷設時のポリマーの保持性、遮水性材料の遮水性、被覆
緩衝性およびカール防止などの点から、スチレン5重量
%以上、好ましくは10〜40重量%をブロック共重合した
ものが好ましい。またスチレンブタジエンゴムは不飽和
タイプでも飽和タイプでもよいが、耐久性の面から飽和
タイプのものが好ましい。スチレンブタジエンゴムは単
独でもまた2種以上併用して用いてもよく、またランダ
ム重合されたスチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム
などを混合して用いてもよい。
【0031】本発明の遮水性材料では、第3に、前記コ
ーティング層中に占める高吸水ポリマー粒子とゴム系バ
インダーの合計重量の比率が90重量%以上であると共
に、コーティング層の密度が0.60〜1.05g/cm3 であ
り、さらに高吸水ポリマー粒子とゴム系バインダーとの
間の重量比率が高吸水ポリマーについては50〜90重量
%、ゴム系バインダーについては10〜50重量%であるこ
とが必要である。
【0032】コーティング層中に高吸水ポリマー粒子と
ゴム系バインダー以外の充填物を添加してもよいが、10
重量%以上添加した場合は遮水性が悪くなる。コーティ
ング層の密度が0.60g/cm3 未満のものはT字の遮水性
が悪い。また、コーティング層の密度が1.05g/cm3
上のものは遮水性が悪くなり、特にL字の遮水性が悪く
なる。
【0033】コーティング層の密度の測定方法は以下の
とおりである。図1に示した様に電子顕微鏡で 100倍に
拡大した遮水用材料の断面写真を撮り、その断面写真よ
り固体支持体の厚み(Ti-s )を測定し一定面積の体積
(Vs ) を算出する。また、105℃で乾燥した固体支持
体の一定面積の重量(Ws )は別に測定する。つぎに、
遮水用材料の厚みを厚み計で測定し(Ti-T )、一定面
積の遮水用材料の体積(VT )を求めるとともに、 105
℃で乾燥した遮水用材料の重量(WT )を測定し下式に
よりコーティング層の密度(ρct)を算出する。 ρct=Wct/Vct ρct:コーティング層の密度(g/cm3) Wct/Vctは下記の複数の式から算出される。 Vs =Ti-s ×A×B Vs :固体支持体の体積(cm3) Ti-s :固体支持体の厚み(cm) A :固体支持体(遮水用材料)の巾(cm) B :固体支持体の長さ(遮水用材料)(cm) VT =Ti-T ×A×B VT :遮水用材料の体積(cm3) Ti-T :遮水用材料の厚み(cm) Wct=WT −Ws ct:コーティング層の重量(g) WT :遮水用材料(A×B)の重量(g) Ws :固体支持体(A×B)の重量(g) Vct=VT −Vs ct:コーティング層の体積(cm3)
【0034】0.60〜1.05g/cm3 のような密度を有する
コーティング層を得るには、通常のコーティング方法で
加工した遮水用材料を高圧カレンダーにより圧縮すれば
よい。
【0035】本発明の遮水用材料では高吸水ポリマーと
ゴム系バインダーとの間の重量比率が、前述のように吸
水ポリマー粒子に対して50〜90重量%、ゴム系バインダ
ーに対して50〜10重量%であることが必要であるが好ま
しくは吸水ポリマー粒子に対して70〜85重量%、ゴム系
バインダーに対して30〜15重量%である。吸水ポリマー
粒子が50重量%未満でゴム系バインダーが50重量%以上
の組合わせの場合は吸水ポリマー粒子の脱落性が低下す
るので良くない。吸水ポリマー粒子が90重量%以上でゴ
ム系バインダーが10重量%未満の組合わせの場合は吸水
ポリマー粒子の保持性が悪く、水に接触する前に、パラ
パラと落ちるので良くない。
【0036】前記ゴム系バインダーは、疎水性であるた
め、水をはじいて遮水性が低下する場合がある。その場
合は、アルキルホスフェートのアルカリ金属塩等の親水
化剤を併用することにより、遮水性を向上させることが
できる。
【0037】本発明の遮水性材料に用いられる固体支持
体は、耐久性が良好で、特に腐敗して水素ガスを発生し
ないものであればよく、例えば、アクリル系合成繊維、
ポリエステル系合成繊維、ポリアミド系合成繊維、ポリ
プロピレン系合成繊維等の織物、編物、不織布、メッシ
ュ状織物、メッシュ状編物、フィルム等が用いられる。
【0038】次に本発明の遮水用材料の製造方法につい
て説明する。本発明の遮水用材料は、例えば、有機溶剤
に溶解したゴム系バインダー中に高吸水ポリマーを均一
に分散させて得られるコーティング液を、支持体の少な
くとも一面にコーティングし、次に前記溶剤を蒸発さ
せ、熱固着する方法により得られる。コーティング処理
に際し、コーティング量が多いと遮水用材料の厚みが大
きくなり、実用上問題となるため、高圧カレンダープレ
スなどによって遮水用材料の厚みをコントロールするこ
とが好ましい。又は高圧カレンダープレスは目的とする
密度をコーティング層に与えるのに役立つ。
【0039】本発明の遮水用材料においてコーティング
層の表面に吸水膨潤時に膨潤した吸水ポリマー粒子が通
過できる程度の空隙を持った熱可塑性合成繊維からなる
不織布シート(カバークロス)、水可溶性のPVAフィ
ルム、ポリメチルシロキサン系の離型剤を有したもの
は、高圧カレンダー処理時の取扱性がよい等の利点があ
り、特に、本発明の遮水性材料は水と接触しない限り高
吸水性ポリマーが外に出ないよう固体支持体に保持され
るが、遮水用材料の表面の滑り性をよくし、取扱いを容
易にするという点でも効果があるものである。
【0040】また光ファイバー用ケーブルの場合、温度
変化の大きい環境下で吸湿し、遮水用材料にべとつきが
発生した場合、光ファイバーテープと遮水用材料が接着
し、その後の温度変化により各材料の線膨張係数の違い
から光ファイバーテープに歪みが発生し、光ファイバー
ケーブルの電送損失が多くなる事がある。このような場
合、上記のカバークロスを有した遮水用材料を使用した
光ファイバーケーブルではこのような接着がおこらず電
送損失が発生しないという大きな利点がある。
【0041】上記カバークロスは吸水膨潤時に膨潤した
ポリマーが通過できる程度の目を持った不織布で、耐久
性が良好、腐敗して水素ガスを発生しないものであれば
よいが、特に好ましくは熱可塑性合成繊維からなる不織
布シートであり、不織布シート中で構成する複数の単繊
維がその表面を相互に融着することによって一体化した
交絡点が不規則に点在しており、且つそれぞれの交絡点
において複数の単繊維が舌状また水掻き状に接合してお
り、前記交絡点によって形成される単繊維間の間隙を多
角形とした時に、前記不織布シート中の複数の間隙の50
%以上が辺の長さの総和が0.3mm以上であり、且つ90%
以上が辺の長さの総和が5mm以下の目を持った不織布が
良い。該不織布は例えば、40g/m2のポリエステルスパ
ンボンドを1軸、又は2軸方向に熱延伸して作るか、合
成繊維の短繊維と熱融着繊維を混合して、あるいは熱融
着繊維 100%でサーマルボンド法によって作ることが出
来る。
【0042】また上記PVAフィルムの場合水膨潤速度
を低下させないために、フィルムに孔を開けることによ
り改良することができる。この場合、始めから孔の開い
たフィルムを用いてもよいし、孔の開いてないフィルム
を貼り付けた後に孔を開けてもいずれでもさしつかえな
い。
【0043】図2に、本発明の一実施例による吸水テー
プを用いたスロットタイプの水走り防止型ファイバーケ
ーブルの拡大断面である。図2(A)に示すケーブル
(シングルスロットロッドタイプケーブル)は、最中心
部に設けられたコアとしてのテンションメンバー7と、
その周りに設けられ、スロット10aを有するスロット型
スペーサ10と、スロット10a内に設置される光ファイバ
ー芯線テープ8と、該光ファイバー芯線テープ8内に収
められた光ファイバー9と、前記スロット型スペーサ10
の周りに設けられる遮水用材料を用いた押さえ巻き遮水
テープ6と、外皮11とからなる。このような構成の光フ
ァイバーケーブルは、外皮11にクラックが生じて水が侵
入すると、侵入してきた水により遮水テープ6に保持さ
れた高吸水ポリマー粒子が水を吸収して速やかに吸水膨
潤し、スロット10a内に脱落して広がる。従って、水の
侵入を長時間にわたって防ぐことができる。又図2
(B)に示すケーブルは図2(A)に示すケーブルの遮
水テープを巻いた状態のものを5スロットロッド集め
て、外側にさらに遮水テープを巻いたマルチスロットロ
ッドタイプケーブルである。
【0044】本発明になる吸水テープを用いることによ
り、ほとんどのタイプの光ファイバーケーブルの水走り
防止が、図2に示す遮水用材料を用いた押さえ巻き遮水
テープ6だけで可能となる。
【0045】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、実施例中の%および部は重量%および重量部
を意味する。また実施例中の吸水倍率、腐敗テスト、遮
水性及び脱落率は下記の測定方法で行った。
【0046】(1)CB法による吸水倍率 試料(重量X)を23℃の市販の精製水中に1時間浸漬
し、遠心脱水器のステンレス製チューブに装填出来る様
に作ったチューブ状の 330メッシュのステンレス製金網
の篭に試料を入れて濾過する。10分間放置後、遠心脱水
器にセットし、100Gの力で1分間遠心脱水した後、メッ
シュ状チューブを取り出し重量(Y)を測定する。次式
により試料の吸水倍率(GB)を算出する。但し、式中X
は 105℃に調整した熱風乾燥機中で重量変化のなくなる
まで乾燥した後の試料の重量を示す。イオン性の高い水
の吸水倍率を測定する場合は、精製水の代わりに、人工
海水(アクアマリン、八洲薬品社製商品名)を使用して
測定する。 吸水倍率(倍)=(Y−X)/X−1
【0047】(2)腐敗テスト ガラス製三角フラスコにテストサンプルを4gとリン酸
二水素アンモニウムを0.4g入れ、下記に述べる土壌抽
出液を 200cc入れて混合し、30℃で日陰に保存し、30日
経過後に容器のコックを開き、空気の部分から2〜3cc
の空気を抜き取り、ガスクロマトグラフで発生ガスを分
析するとともに、肉眼で溶液の色や状態を調べる。土壌
抽出液の作製は以下のように行う。
【0048】a)土壌は落ち葉などのある草のはえてい
るところから採取する。 b)500 gの土を2000ccの純粋に混ぜて攪拌する。 c)12時間放置後、上澄み液を濾過し、濾過液50ccに水
を 150cc加え土壌抽出液とする。 d)土および土壌抽出液は試験のバッチごとに新しく採
取、抽出する。
【0049】(3)遮水性 a)L字法 図9にL字法の遮水性測定装置の斜視図を示し、図10に
遮水性測定装置に用いられる棒16の断面図を示す。図9
に示すように直径1.5cmのポリアセタール製の円柱状の
棒16に長さ方向に沿って幅1.6mm、深さ2.00mmの溝(ス
ロット)を掘る。このスロット棒の溝にまず厚さ0.4m
m、幅1.1mmの光ファイバー芯線テープ8を4枚入れ
る。全体を押さえ巻き遮水テープ6で覆い、さらにその
上をシール用ビニールテープ15で覆い、光ファイバーケ
ーブルと似た構造のもの(疑似ケーブル)を作成する。
両端をオープンにして水平に置き、その片方の先端に垂
直に立てた内径10mmのガラス管12にゴム管13でつなぎ、
水平に置いた疑似ケーブルから1mの高さのところまで
水を満たし、24時間後に水平に置いた疑似ケーブル中の
遮水テープへの水の侵入長さを測定する。水の侵入長さ
の短いものが遮水性が良好である。
【0050】b)T字法 図11にT字法の遮水性測定装置の斜視図を示す。図11に
示す様に直径1.5cmのポリアセタール製の円柱状の長さ
4mの棒に、長さ方向に沿って幅1.6mm、深さ2.0mmの
溝(スロット)を掘る。このスロット棒の溝にまず厚さ
0.4mm、幅1.1mmの光ファイバー芯線テープを4枚入れ
る。全体を押さえ巻き遮水テープ6で覆い、さらにその
上をシール用ビニールテープ15で覆い、光ファイバーケ
ーブルと似た構造のもの(類似ケーブル)を作成する。
両端をオープンにして水平に置き、その真ん中に当る2
mの所のシール用ビニールテープ15を1cmに渡って剥ぎ
取り、長さ10cm、内径1.8cmのT字管17の中に入れ、シ
ール用ビニールテープ15を剥がした部分をT字管の真ん
中にセットし、T字管の両端をジョイント用ビニールテ
ープ18でシールし、T字管17を垂直に立てた内径10mmの
ガラス管12にゴム管13で繋ぎ、水平に置いた疑似ケーブ
ルから1mの高さのところまで水を満たし、24時間後に
水平に置いた疑似ケーブル中の遮水テープへの水の侵入
長さを測定する。水の侵入長さの短いものが遮水性が良
好である。
【0051】(4)脱落率 遮水用材料の一定面積(S)をサンプリングし、重量
(A)を測定した後、23℃の市販の精製水1l 中に10分
間浸漬後取り出し、 105℃で乾燥して重量(B)を測定
する。別に遮水用材料の一定面積(S)中に含まれる吸
水ポリマー重量(C)をコーティング層の吸水ポリマ
ー、バインダー等の比率より計算し、次式により吸水ポ
リマーの脱落率を算出する。但し、式中のA,B、及び
Cは 105℃に調整した熱風乾燥機中で重量変化のなくな
るまで乾燥した後の試料の重量を示す。 脱落率(%)=(A−B)/C
【0052】〔実施例1〕タフデン1000(スチレンブタ
ジエン系ゴム、旭化成工業社製商品名)15部、タフプレ
ンA(スチレンブタジエン系ゴム、旭化成工業社製商品
名)15部、KIゲル201K・F3(イソブチレン−無水マレイ
ン酸架橋共重合物、クラレ社製商品名、粒子径45〜 425
μmが91%)70部、オクチルホスフェートカリウム0.7
部及び希釈液としてトルエン90部を混合し、均一に分散
させた。この分散液をポリエステルスパンボンドE−50
60(ポリエステルスパンボンド、旭化成工業社製商品
名)に高吸水ポリマーの付着量が 100g/m2になるよう
にコーティングし乾燥した。これにスマッシュYR10(10
g/m2のポリエステルスパンボンド、旭化成工業社製商
品名)をコーティング面に重ね、50℃に調節した線圧70
kg/cmの高圧カレンダーで処理した。得られた布帛のコ
ーティング層の密度は0.76g/cm3 であった。この得ら
れた遮水用材料を2.5cm巾にスリットし、遮水テープを
作成した。得られた遮水テープの遮水性を調べた。結果
を表1及び表2に示す。表2に示すようにL字、T字共
に良好な遮水性を示した。この遮水テープはケーブルコ
ネクト作業性、被覆緩衝性共に良好であり、腐敗テスト
による水素ガスの発生は認められなかった。実施例1の
遮水性材料の顕微鏡写真を図3(断面図)及び図4(平
面図)に示す。
【0053】〔比較例1a〕実施例1における、コーテ
ィング、乾燥までを行った布帛(コーティング層の密度
は0.46g/cm3)を、実施例1と同様に2.5cm巾にスリッ
トし、遮水性を調べた。この結果を表1及び表2に示
す。この遮水テープはケーブルコネクト作業性、被覆緩
衝性共に良好であり、腐敗テストによる水素ガスの発生
は認められなく、表2に示すようにL字の遮水性は良好
であったが、T字の遮水性に劣っていた。
【0054】〔比較例1b〕実施例1において、KIゲル
201K・F3の代わりに、KIゲル201K・F2(イソブチレン−
無水マレイン酸架橋共重合物、クラレ社製商品名、粒子
径45〜 425μmが13.7%、45μm以下が86.3%)を用い
た以外は実施例1と同様に、コーティング、乾燥までの
加工を行った布帛(コーティング層の密度は0.88g/cm
3)を、実施例1と同様に2.5cm巾にスリットし、遮水性
を調べた。結果を表1及び表2に示す。表2に示すよう
に、T字の遮水性は良好であったが、L字の遮水性に劣
っていた。なお腐敗テストによる水素ガスの発生は認め
られなかった。比較例1bの遮水性材料の顕微鏡写真を
図7(断面図)及び図8(平面図)に示す。
【0055】〔実施例2〕実施例1において、KIゲル20
1K・F3の代わりに、KIゲル201K・F4Q(粒子径45〜425μ
mが90%以上)を用いる他は実施例1と同様に高圧カレ
ンダー処理( コーティング層の密度は0.91g/cm3)し、
2.5cmにスリットした遮水テープを作成し、遮水性を調
べた。結果を表1及び表2に示す。表2に示すようにこ
の遮水性材料はL字、T字共に良好な遮水性を示した。
この遮水テープは、ケーブルコネクト作業性、被覆緩衝
性共に良好であり腐敗テストによる水素ガスの発生は認
められなかった。
【0056】〔比較例1c〕実施例1において、タフデ
ン1000を7.5部、タフプレンAを7.5部、充填剤として
重質炭酸カルシュウムを15部、それ以外は実施例1と同
様にして作成した遮水用材料(コーティング層の密度は
0.70g/cm3)の遮水性を調べた。結果を表1及び表2に
示す。表1に示すようにこの遮水性材料は水と接触する
前に高吸水ポリマー粒子が落ち易く、遮水性に劣ってい
た。なお腐敗テストによる水素ガスの発生は認められな
かった。
【0057】〔比較例1d〕実施例1において、KIゲル
201K・F3の代わりに、KIゲル201K・F2(イソブチレン−
無水マレイン酸架橋共重合物、クラレ社製商品名、粒子
径45〜 425μmが13.7%、45μm以下が86.3%)を用い
た以外は実施例1と同様に、高圧カレンダー処理(コー
ティング層の密度は1.11g/cm3)し、2.5cmにスリット
した遮水テープを作成し、遮水性を調べた。結果を表1
及び表2に示す。表2に示すようにT字の遮水性は良好
であったが、L字の遮水性に劣っていた。なお腐敗テス
トによる水素ガスの発生は認められなかった。
【0058】〔実施例3〕タフデン2100R(スチレンブタ
ジエン系ゴム、旭化成工業社製商品名)2.07部、ソルプ
レンT411(スチレンブタジエン系ゴム、旭化成工業社製
商品名)2.07部、、KIゲル201K・F3(イソブチレン−無
水マレイン酸架橋共重合物、クラレ社製商品名、粒子径
45〜 425μmが91%)9.7部、AK510(ジアルキルスルホ
こはく酸エステルナトリウム塩系親水化剤、丸菱油化工
業社製商品名)0.1部、スミライザーBP76(フェノール
系一次酸化防止剤、住友化学工業社製商品名)0.05部、
スミライザーTPD(有機硫黄系二次酸化防止剤、住友化学
工業社製商品名)0.05部及び希釈液としてトルエン90部
を混合し、均一に分散させた。この分散液をポリエステ
ルスパンボンドE−5060に高吸水ポリマーの付着量が10
0g/m2になるようにコーティングし乾燥した。これに
スマッシュYR10をコーティング面に重ね、50℃に調節し
た線圧70kg/cmの高圧カレンダーで処理した。得られた
遮水用材料のコーティング層の密度は0.78g/cm3 であ
った。この得られた遮水用材料を2.5cm巾にスリット
し、遮水テープを作成し、遮水性を調べた。結果を表1
及び表2に示す。表2に示すように、L字、T字共に良
好な遮水性を示した。この遮水テープはケーブルコネク
ト作業性、被覆緩衝性共に良好であり、腐敗テストによ
る水素ガスの発生は認められなかった。
【0059】〔比較例2〕実施例2において、タフデン
2100R を4.85部、ソルプレンT411を4.85部、またKIゲル
201K・F3を4.14部、それ以外は実施例2と同様にして遮
水テープ(コーティング層の密度は0.76g/cm3)を作成
し、遮水性を調べた。結果を表1及び表2に示す。表2
に示すように遮水性が劣っていた。なお腐敗テストによ
る水素ガスの発生は認められなかった。
【0060】〔実施例4〕実施例1において、タフデン
1000の代わりにジエン35R(ブタジエン系ゴム、旭化成工
業社製商品名)を、タフプレンAの代わりにタフテック
H1052(スチレンブタジエン系ゴム、旭化成工業社製商品
名)を用いた以外は実施例1と同様にして遮水テープ
(コーティング層の密度は0.77g/cm3 )を作成し、遮
水性を調べた。結果を表1及び表2に示す。表2に示す
ように、L字、T字共に良好な遮水性を示した。この遮
水テープはケーブルコネクト作業性、被覆緩衝性共に良
好であり、腐敗テストによる水素ガスの発生は認められ
なかった。
【0061】〔比較例3〕実施例1において、スチレン
ブタジエンゴムの代わりに、セメダイン198L(酢酸ビニ
ール系バインダー、セメダイン社製商品名)を用い、溶
剤としてメタノールを用いた以外は、実施例1と同様に
してコーティング、乾燥までの加工を行い、スリットし
て、遮水テープ(コーティング層の密度は0.51g/c
m3 )を作成し、遮水性を調べた。結果を表1及び表2
に示す。表2に示すように、この比較例のテープは硬く
取扱性が悪く、遮水性に劣っていた。なお腐敗テストに
よる水素ガスの発生は認められなかった。
【0062】〔実施例5〕実施例2において、KIゲル20
1K・F3の代わりに、アクアリックCS−7R(スルホアルキ
ルアクリレート系架橋重合物、日本触媒社製商品名、粒
子径45〜 425μmが65%)9.7部以外は実施例1と同様
にして遮水テープ(コーティング層の密度は0.82g/cm
3 )を作成し、遮水性を調べた。結果を表1及び表2に
示す。表2に示すようにこの実施例の遮水テープはL
字、T字共に良好な遮水を有する。なお腐敗テストによ
る水素ガスの発生は認められなかった。
【0063】〔実施例6〕実施例1において、KIゲル20
1K・F3の代わりに、KIゲル201K・F4(イソブチレン−無
水マレイン酸架橋共重合物、クラレ社製商品名、粒子径
45〜 425μmが80%)70部以外は実施例1と同様にして
遮水テープ(コーティング層の密度は0.87g/cm3 )を
作成し、遮水性を調べた。結果を表1及び表2に示す。
表2に示すようにこの実施例の遮水テープはL字、T字
共に良好な遮水性を有する。なお腐敗テストによる水素
ガスの発生は認められなかった。実施例6の遮水性材料
の顕微鏡写真を図5(断面図)及び図6(平面図)に示
す。
【0064】〔実施例7〕実施例1において、KIゲル20
1K・F3の代わりに、このKIゲル201K・F3を 330メッシュ
のふるいでふるい分けし、ふるい上に残ったもの(粒子
径45−425 μmが100%)67.5部とKIゲル201K・F2(粒
子径45−425 μmが13.7%、45μm以下が86.3%)2.5
部を混合(粒子径45−425 μmが96.9%)して用いる他
は実施例1と同様に高圧カレンダー処理(コーティング
層の密度は0.60g/cm3)し、2.5cm幅にスリットした遮
水テープを作成し、遮水性を調べた。結果を表1及び表
2に示す。表2に示す様に、この遮水性材料はL字、T
字共に良好な遮水性を示した。この遮水テープはケーブ
ルコネクト作業性、被覆緩衝性共に良好であり、腐敗テ
ストによる水素ガスの発生も認められなかった。
【0065】〔実施例8〕実施例1において、KIゲル20
1K・F3の代わりに、KIゲル201K・F4(イソブチレン無水
マレイン酸架橋共重合物、クラレ社製商品名、粒子径45
−425 μmが82.5%)7部とKIゲル201K・F2(粒子径45
−425 μmが13.7%、45μm以下が86.3%)63部を混合
(粒子径45−425 μmが20.6%)して用いる他は実施例
1と同様に高圧カレンダー処理(コーティング層の密度
は1.05g/cm3)し、2.5cm幅にスリットした遮水テープ
を作成し、遮水性を調べた。結果を表1及び表2に示
す。表2に示す様に、この遮水性材料はL字、T字共に
良好な遮水性を示した。この遮水テープはケーブルコネ
クト作業性、被覆緩衝性共に良好であり、腐敗テストに
よる水素ガスの発生も認められなかった。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】次に実施例1、比較例1a、比較例1b、
比較例1d及び実施例6の遮水性材料中の高吸水性ポリ
マー粒子の脱落率を測定し、用いた遮水性材料の目付
(g/m2)と該遮水性材料に含まれる高吸水性ポリマー
のm2当りの重量(脱落前)の数値と共に表3に示す。
【0069】
【表3】
【0070】表3に示すように、実施例1、実施例6及
び比較例1a(前述のようにL字の遮水性は良好だがT
字の遮水性不良)は優れた脱落率を示すが、比較例1b
及び比較例1dの脱落率は低かった。
【0071】
【発明の効果】本発明により遮水性材料は、前述のよう
にL字法、T字法の両方の遮水性に優れると共に、湿度
変化によるカール防止性、べとつき防止性、被覆緩衝
性、非腐蝕性及びケーブル形成性等の遮水性材料に要求
される諸性能を総合的に充足する材料である。したがっ
て電線用ケーブル及び光ファイバー用ケーブルの押さえ
巻きテープとして有用に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による遮水用材料を拡大してモデル的に
示す断面図
【図2】本発明の遮水用材料を押さえ巻きテープとして
用いたスロットタイプの光ファイバーケーブルの拡大断
面図であり、図2(A)はシングルスロットロッドタイ
プケーブルの拡大断面図、図2(B)はマルチスロット
ロッドタイプケーブルの拡大断面図
【図3】本発明の遮水用材料の一実施例の断面における
繊維の形状および高吸水ポリマー粒子の形状、大きさを
示す顕微鏡写真(倍率 100倍)
【図4】図3に示した遮水用材料の表面における繊維の
形状および高吸水性ポリマー粒子の形状、大きさを示す
顕微鏡写真(倍率 100倍)
【図5】本発明の遮水用材料の他の実施例の断面におけ
る繊維の形状および高吸水ポリマー粒子の形状、大きさ
を示す顕微鏡写真(倍率 100倍)
【図6】図5に示した遮水用材料の表面における繊維の
形状および高吸水性ポリマー粒子の形状、大きさを示す
顕微鏡写真(倍率 100倍)
【図7】従来公知の遮水性材料の断面における繊維の形
状及び高吸水ポリマー粒子の形状、大きさを示す顕微鏡
写真(倍率 100倍)
【図8】図7に示した遮水性材料の表面における繊維の
形状および高吸水性ポリマー粒子の形状、大きさを示す
顕微鏡写真(倍率 100倍)
【図9】本発明の遮水用材料の遮水性の評価方法の1つ
であるL字法測定のL字管の接続部の斜視図
【図10】図9のL字管の断面図
【図11】本発明の遮水用材料の遮水性の評価方法の1
つであるT字法測定のT字管の接続部の斜視図
【符号の説明】 1…本発明の遮水用材料 2…コーティング層 3…固体支持体 4…高吸水ポリマー粒子 5…ゴム系バインダー 6…本発明の遮水用材料を用いた押さえ巻き遮水テープ 7…テンションメンバー 8…光ファイバー芯線テープ 9…光ファイバー 10…スロット型スペーサー 11…外皮 12…垂直ガラス管 13…ゴム管 14…L字ガラス管 15…シール用ビニールテープ 16…スロットを掘った棒 17…T字ガラス管 18…ジョイント用ビニールテープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑原 恒夫 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 久木田 重蔵 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体支持体と該固体支持体上に配置され
    た、高吸水ポリマー粒子とゴム系バインダーを含んで成
    るコーティング層で構成された遮水用材料において、 該コーティング層の密度が0.60〜1.05g/cm3 であり、
    前記コーティング層中に占める高吸水ポリマー粒子とゴ
    ム系バインダーの合計重量の比率が90重量%以上であ
    り、高吸水ポリマー粒子とゴム系バインダーとの間の重
    量比率が高吸水ポリマー粒子については50〜90重量%、
    ゴム系バインダーについては10〜50重量%になるように
    定められていることを特徴とする遮水用材料。
  2. 【請求項2】請求項1記載の遮水用材料が押さえ巻き遮
    水テープとして用いられる電線用ケーブル。
  3. 【請求項3】請求項1記載の遮水用材料が押さえ巻き遮
    水テープとして用いられる光ファイバー用ケーブル。
JP4056084A 1991-02-08 1992-02-07 遮水用材料及びこれを用いたケ―ブル Expired - Lifetime JP2505680B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4056084A JP2505680B2 (ja) 1991-02-08 1992-02-07 遮水用材料及びこれを用いたケ―ブル

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10401491 1991-02-08
JP3-104014 1991-02-08
JP4056084A JP2505680B2 (ja) 1991-02-08 1992-02-07 遮水用材料及びこれを用いたケ―ブル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0578647A true JPH0578647A (ja) 1993-03-30
JP2505680B2 JP2505680B2 (ja) 1996-06-12

Family

ID=26397008

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4056084A Expired - Lifetime JP2505680B2 (ja) 1991-02-08 1992-02-07 遮水用材料及びこれを用いたケ―ブル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2505680B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108761674A (zh) * 2018-03-16 2018-11-06 南通赛博通信有限公司 骨架型光缆用单面阻水带生产的新工艺

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108761674A (zh) * 2018-03-16 2018-11-06 南通赛博通信有限公司 骨架型光缆用单面阻水带生产的新工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JP2505680B2 (ja) 1996-06-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR0148354B1 (ko) 동물 저항성 케이블
CA2098212C (en) Optical fiber cable which includes waterblocking and freeze preventing provisions
US5138685A (en) Communications cable having microbial resistant water blocking provisions
JPH0290414A (ja) 耐水性通信ケーブル
JPH01146209A (ja) 耐水性通信ケーブル
AU660861B2 (en) Optical fiber cable which includes waterblocking and freeze preventing provisions
WO1992013715A1 (en) Water barrier material and cable made therefrom
JP2505680B2 (ja) 遮水用材料及びこれを用いたケ―ブル
EP0439277A1 (en) Communications cable having microbial resistant water blocking provisions
JP2527245B2 (ja) 水走り防止材およびケ―ブル
JPH0798930B2 (ja) 遮水用材料および光ファイバーケーブル
JPH07104159A (ja) 高遮水性能を有する材料およびこれを用いたケーブル
CA2080131C (en) Water shieldable material and cable using the same
JP3170607B2 (ja) ケーブル用遮水材
JPH0233116A (ja) 遮水用材料
JPH04306508A (ja) 光ファイバーケーブル用難燃性止水テープ
JPH09245537A (ja) ケーブル用遮水材およびこれを用いたケーブル
JP2812946B2 (ja) 水走り防止材およびケーブル
JPH0211690A (ja) 光ファイバーケーブル
JPH06297628A (ja) 吸水性シート
JPH0251109A (ja) 光ファイバーケーブル用押さえ巻きテープ
JPH07279054A (ja) 遮水シート
JPH03224729A (ja) 光ファイバーケーブル用遮水テープ
JPH0386770A (ja) 遮水用材料および光ファイバーケーブル
JP2865996B2 (ja) 遮水材料の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19960130

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090402

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100402

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110402

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120402

Year of fee payment: 16

EXPY Cancellation because of completion of term