JPH0574720U - 切削工具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 正面フライスに対し切刃チップを高精度で装
着し、切削性能を向上させる。 【構成】 正面フライス１をチップセットリング２とフ
ライス本体部３とから構成する。正面フライス１に対す
る切刃チップ６の装着時には、フライス本体部３に予め
形成されているチップ座と対応するチップセットリング
２の外周部に、切刃チップ装着時の基準となるチップセ
ットリング８を取付け、該チップセットリング８の端面
に切刃チップ６を突き当てることにより、切刃チップ６
の装着位置の位置決めを行い、切刃チップ６をチップ座
に装着する。これにより、切刃チップ６を高精度で装着
することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は切削工具に係り、特に、スローアウェイ式正面フライスにおける切刃 チップの装着精度を向上させる場合に好適な切削工具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、切刃チップの交換が可能な切削工具（例えばスローアウェイ式正面フラ イス）においては、工具本体部に切刃チップを装着する場合、工具本体部の外周 部の所定箇所に形成してある複数のチップ座に、切刃チップをボルト締めにより 装着するようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の切削工具では、工具本体部に配設してあるチップ座に切刃チップを単に ボルト締めするだけの構造であるため、工具本体部に取付けた切刃チップの装着 精度は、工具本体部におけるチップ座の加工精度に関わってくる。このため、工 具本体部にチップ座を形成する際の加工精度にバラツキが生じると、切刃チップ を工具本体部に装着する際の精度にもバラツキが発生するため、工具本体部にお ける切刃チップの装着精度が低下し、切削性能が低下する問題が生ずる。

【０００４】 本考案は前記課題を解決するもので、工具本体部に切刃チップを高精度で装着 可能とすることにより切削性能の向上を達成した切削工具の提供を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するため、 請求項１の本考案は、複数のチップ座が形成されるとともに各チップ座に切刃 チップが装着される工具本体部と、該工具本体部に付設され、該工具本体部のチ ップ座への切刃チップ装着時における位置決め用の端面を有し、該位置決め用の 端面に対する切刃チップのエッヂの突き当てにより切刃チップをチップ座の所定 の装着位置に位置決めする位置決め部とを具備することを特徴とする。 請求項２の本考案は、前記位置決め部を前記工具本体部に対し着脱可能として なることを特徴とする。

【０００６】

【作用】

本考案によれば、切削工具に切刃チップを装着する場合には、工具本体部に配 設してあるチップ座に切刃チップを当接させ、切刃チップのエッヂを、切刃チッ プ装着時の基準となる位置決め部の端面に突き当てれば、切刃チップはチップ座 の所定の装着位置に対し高精度で位置決めされる。切刃チップを位置決め部によ り工具本体部のチップ座に位置決めした後、切刃チップをチップ座に対しボルト により締結する。これにより、切刃チップを工具本体部のチップ座に対し高精度 で装着することができるため、切削工具の切削性能を向上させることが可能とな り、高い仕上面精度でワークの加工を行うことが可能となる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の切削工具をスローアウェイ式正面フライス（以下、正面フライ スと略称）に適用してなる実施例を図面に基づいて説明する。

【０００８】 図１、図２は本実施例の正面フライスの構成を示すものであり、正面フライス １は、切刃チップ装着時の基準となる鋳鉄製のチップセットリング２と、切刃チ ップが装着されるフライス本体部３とから一体に構成されている。

【０００９】 正面フライス１のチップセットリング２は、フライス本体部３に対する切刃チ ップ装着時に、該チップセットリング２の端面を切刃チップのエッヂに突き当て ることにより、切刃チップの装着位置の位置決めを行うためのものである。チッ プセットリング２には、該チップセットリング２とフライス本体部３とを一体に 締結するボルト４を螺合させる取付用ボルト穴５が、後述のフライス本体部３の 取付用ボルト穴５と連通状態に形成されている。

【００１０】 他方、正面フライス１のフライス本体部３は、その外周部の周方向に沿った、 例えば８箇所からなる所定箇所にチップ座が形成されており、各チップ座に切刃 チップ６が取付ボルト７により装着されるようになっている（図３、図４参照） 。フライス本体部３には、該フライス本体部３とチップセットリング２とを一体 に締結するボルト４を螺合させる取付用ボルト穴５が、前記チップセットリング ２の取付用ボルト穴５と連通状態に形成されている。

【００１１】 本実施例の正面フライスにおいては、正面フライス１のフライス本体部３に配 設されている各チップ座に切刃チップ６を装着する場合に、切刃チップ装着時の 基準となるチップセットリング２の端面２ａに切刃チップ６のエッヂ６ａを突き 当てることにより、切刃チップ６の装着位置を正確に位置決めし、該切刃チップ ６をチップ座に高精度で装着するようになっている。

【００１２】 上記構成による本実施例の正面フライスにおける切刃チップ装着要領について 説明すると、正面フライス１のフライス本体部３に切刃チップ６をボルト締める 前に、切刃チップ６をフライス本体部３に形成してあるチップ座に当接させた後 、切刃チップ６のエッヂ６ａを、切刃チップ装着時の基準となるチップセットリ ング２の端面２ａに突き当てる。

【００１３】 これにより、切刃チップ６は、チップセットリング２によりフライス本体部３ のチップ座における適正な装着位置に対し高精度で位置決めされる。チップセッ トリング２により切刃チップ６の位置決めを完了した後、切刃チップ６をフライ ス本体部３に対し取付ボルト７により締結すれば、切刃チップ６はフライス本体 部３に適正な状態で装着される。この後、チップセットリング２とフライス本体 部３とを一体化した正面フライス１により、ワークに対する所定の切削加工が可 能となる。

【００１４】 上記実施例によれば、正面フライス１に切刃チップ６を装着する場合は、チッ プセットリング２により、切刃チップ６をフライス本体部３に対し高精度で位置 決めしてから装着するため、切刃チップ６を高精度で装着することができる。こ れにより、正面フライス１の切削性能を大幅に向上させることが可能となり、ワ ークを高い仕上面精度で加工することが可能となる。

【００１５】 次に、本考案の他の実施例について説明する。図５は他の実施例の構成を示す ものであり、正面フライス１１のフライス本体部１３に対し、切刃チップ装着時 の基準となるチップセットリング１２を着脱可能としたものである。

【００１６】 図５に示す他の実施例においては、正面フライス１１のフライス本体部１３に 配設されている各チップ座に切刃チップ１６を装着する場合には、チップセット リング１２をフライス本体部１３に取付け、チップセットリング１２の端面１２ ａに切刃チップ１６のエッヂ１６ａを突き当てることにより、切刃チップ１６の 装着位置の正確な位置決めを行うものであり、これにより、該切刃チップ１６を チップ座に高精度で装着する。正面フライス１１のフライス本体部１３に切刃チ ップ１６を装着した後は、フライス本体部１３からチップセットリング１２を取 外した状態で切削加工を行う。

【００１７】 なお、上記実施例では、本考案の切削工具をスローアウェイ式正面フライスに 適用した場合を例に上げたが、他の切削工具への適用も可能である。

【００１８】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、切削工具に切刃チップを装着する場合は 、切刃チップの端部を、工具本体部に取付けた位置決め部の端部に突き当てるこ とにより、切刃チップを工具本体部のチップ座に高精度で位置決めするため、切 刃チップを工具本体部に高精度で装着することができる効果を奏する。これによ り、切削工具の切削性能を大幅に向上させることが可能となり、高い仕上面精度 でワークの加工を行うことができる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例のチップセットリングの取付状
態を示す断面図である。

【図２】図１におけるＩＩ方向矢視図である。

【図３】切刃チップの正面図である。

【図４】切刃チップの側面図である。

【図５】本考案の他の実施例のチップセットリングの取
付状態を示す正面図である。

【符号の説明】

１ 正面フライス（切削工具） ２ チップセットリング（位置決め部） ２ａ 端面（位置決め用端面） ３ フライス本体部（工具本体部） ６ 切刃チップ ６ａ エッヂ １１ 正面フライス（切削工具） １２ チップセットリング（位置決め部） １２ａ 端面（位置決め用端面） １３ フライス本体部（工具本体部） １６ 切刃チップ １６ａ エッヂ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数のチップ座が形成されるとともに各
   チップ座に切刃チップが装着される工具本体部と、 該工具本体部に付設され、該工具本体部のチップ座への
   切刃チップ装着時における位置決め用の端面を有し、該
   位置決め用の端面に対する切刃チップのエッヂの突き当
   てにより切刃チップをチップ座の所定の装着位置に位置
   決めする位置決め部と、 を具備することを特徴とする切削工具。
2. 【請求項２】 前記位置決め部は、前記工具本体部に対
   し着脱可能としてなることを特徴とする切削工具。