JPH0567312B2 - - Google Patents

Description

請求の範囲 １ 植え込み可能な医用デバイスにおいて、気密
に封止されたハウジングと、前記ハウジング内の
電気回路と、前記ハウジング内のコネクトとを備
え、 前記コネクタが開放端と閉鎖端と開放端及び閉
鎖端を貫く胴部軸線とを有する管状の胴部組立体
を備え、前記開放端が前記ハウジングの露出表面
に取り付けられ、前記閉鎖端が前記ハウジングの
内部に置かれ、管状の胴部組立体が封止されたハ
ウジング内に突出ししかしながら前記ハウジング
の封止を破らない管状の溝を形成し、前記管状溝
の内部が前記開放端を経て前記封止ハウジングの
外部へ向けて開放され、管状溝が更に胴部軸線に
同軸な複数の導電性円筒部を備え、連続する円筒
部の直径が開放端から閉鎖端へ向かい順次減少
し、 前記コネクタが更に前記管状溝の選択された円
筒部と前記電気回路との間に電気的接触を形成す
るための手段と、前記管状溝の開放端に軸方向に
挿入されて前記管状溝の選択された円筒部に電気
的に接触するリード線を取り外し可能に固定把持
するための固定手段とを備え、前記固定手段が前
記リード線と前記管状の胴部組立体との間の360°
未満の相対回転により働き、 前記固定手段が、 前記管状溝の内面上に係合手段を備え、 それぞれ前記リード線の貫通を許す直径を有す
る中空なほぼ管状の同軸部分を有するカムとカム
従動子とを備え、前記カムが第１の位置と第２の
位置との間で回転可能であり、カムがカムの軸方
向並進を防止するための係合手段により収容され
る移動止め手段を有し、カムが第１の位置から第
２の位置へ回転させられるときに、カム従動子が
軸線方向へカムから離れるべく移動するように、
カム従動子がカムに係合し、 カムが第１の位置から第２の位置へ回転させら
れるときにはカム従動子に係合して前記コネクタ
を把持し、カムが第２の位置から第１の位置へ回
転させられるときには前記リード線を解放する把
持手段を備える ことを特徴とする植え込み可能な医用デバイス。 ２ 係合手段が環状溝から成り、移動止め手段が
カムの外面から突出する少なくとも一つの突出部
から成り、少なくとも一つの突出部が溝内に収容
されているときに、環状溝内に収容されるのに適
した少なくとも一つの前記突出部がカムを回転運
動だけに制限することを特徴とする請求項１記載
の植え込み可能な医用デバイス。 ３ 前記管状溝の内面から半径方向に延びるピン
と、カム従動子の外側表面上に軸線方向へ延びる
溝とを備え、カム従動子を軸線方向への並進運動
だけに制限するために溝がピンに係合することを
特徴とする請求項２記載の植え込み可能な医用デ
バイス。 ４ カムとカム従動子とがそれぞれ相応の適合し
かつ係合する曲線形部分と平らな丘部とを有し、
それで第１の位置から第２の位置へのカムの回転
中に、最初はそれぞれの曲線形部分に沿つて次に
それぞれの平らな丘部に沿つてカム従動子がカム
に係合し、それによりカムとカム従動子とがそれ
ぞれの平らな丘部に沿つて係合するとき、カムと
カム従動子とが相互に固定された位置にとどまる
ことを特徴とする請求項２記載の植え込み可能な
医用デバイス。 ５ 少なくとも一つの突出部が、向かい合いかつ
外に向いた一対の突出部から成ることを特徴とす
る請求項４記載の植え込み可能な医用デバイス。 ６ 固定手段が更に、第１の位置から第２の位置
へのカム従動子手段の回転に応じて軸線方向へ内
向きに管状胴部組立体の閉鎖端へ向かつて動くカ
ム従動子と、カム従動子手段が第１の位置から第
２の位置へ回転させられるときにカム従動子に係
合して前記コネクタを把持する把持手段とを備え
ることを特徴とする請求項１記載の植え込み可能
な医用デバイス。 ７ カム従動子手段が第２の位置にあるとき、カ
ム従動子手段が固定状態にあることを特徴とする
請求項６記載の植え込み可能な医用デバイス。 ８ 植え込み可能な医用デバイスにおいて、気密
に封止されたハウジングと、前記ハウジング内の
電気回路と、前記ハウジング内のコネクタとを備
え、 前記コネクタが開放端と閉鎖端とを有する管状
の胴部組立体を備え、前記開放端が前記ハウジン
グの露出表面に取り付けられ、前記閉鎖端が前記
ハウジングの内部に置かれ、管状胴部組立体が前
記ハウジング内に突出ししかしながら前記ハウジ
ングの封止を破らない管状溝を形成し、前記管状
溝の内面が前記開放端を通つて前記ハウジングの
外部に向かい開放され、 前記コネクタが更に前記管状溝の内面の選択さ
れた第１の部分と前記電気回路との間に電気的接
触を形成するための手段と、前記管状溝の開放端
の中に挿入されたリード線を取り外し可能に固定
把持するための固定手段とを備え 前記固定手段が、 前記管状溝の内面上に係合手段を備え、 それぞれ前記リード線の貫通を許す直径を有す
る中空なほぼ管状の同軸部分を有するカムとカム
従動子とを備え、前記カムが第１の位置と第２の
位置との間で回転可能であり、カムとカムの軸方
向並進を防止するための係合手段により収容され
る移動止め手段を有し、カムが第１の位置から第
２の位置へ回転させられるときに、カム従動子が
軸線方向へカムから離れるべく移動するように、
カム従動子がカムに係合し、 カムが第１の位置から第２の位置へ回転させら
れるときにはカム従動子に係合して前記コネクタ
を把持し、カムが第２の位置から第１の位置へ回
転させられるときには前記リード線を解放する把
持手段を備える ことを特徴とする植え込み可能な医用デバイス。 この発明は、ペースメーカのような植え込み可
能な医用デバイスと共に用いられ、植え込み可能
なリード線を医用デバイスの気密封止されたハウ
ジング内部の電気回路へ接続するためのコネクタ
に関する。特にこの発明は、コネクタ機能と貫通
機能とを兼ね備え、従来植え込み可能なペースメ
ーカで用いられている鋳造又は他の方法で前成形
されたエポキシ製コネクタを不必要にするよう
な、封止され植え込み可能なペースメーカと共に
用いるための貫通コネクタに関する。 発明の背景 最近のペースメーカは心臓の活動を監視し、正
常の心臓活動が生じなかつたときに刺激パルスを
供給する。この種のデバイスは比較的小形、計量
及び植え込み可能なので有利である。しかしなが
ら心臓を感知し刺激するために、この種のペース
メーカはペースメーカリード線、すなわち心臓と
ペースメーカとの間で電気信号を伝送する導体と
共に用いなければならない。ペースメーカリード
線は比較的簡単なよく知られた外科的処置により
静脈を経て心臓へ挿入できるので有利である。長
期間安全で確実でありしかしながら取り外し可能
な接続を提供するような方法で、リード線の一端
（以下接続端と呼ぶ）をペースメーカへ電気的か
つ機械的に固定しなければならないのが厄介であ
る。当業者は、ペースメーカとペースメーカリー
ド線の接続端との間のこの取り外し可能な電気的
かつ機械的接続を形成するために、簡単なしかし
ながら信頼性のある安全な手段をずつと前から探
し求めてきた。 この発明の利点を評価するために、機械的かつ
電気的な接続機能が従来のペースメーカにおいて
どんな方法で実施されているかを、基本的に理解
することがまず助けとなろう。従来のペースメー
カの接続機能に関連する主な要素が第１図および
第２図に示されている。ペースメーカ１０は電気
回路１２に給電する電池１４を電気的に内蔵す
る。ペースメーカの電気回路１２と電池１４と
は、適当なハウジング１６の中に機械的に囲まれ
気密に封止されている。一般にこのハウジング又
はケース１６は、適当なエポキシ樹脂製コネクタ
２２を接着できる平らな面又は台座２０を備える
ように形成されている。電気回路１２に電気的に
接触する少なくとも一つの貫通端子１８が、ケー
ス又はハウジング１６を貫通し台座２０から突出
する。この貫通端子１８はケース１６から電気的
に絶縁されている。白金線２４又は他の適当な導
電性要素が端子１８を、コネクタ２２内にはめ込
まれた導電性接続片２６へ接続する。近い方の電
極３０を有するペースメーカリード線２８は、電
極３０が接続片２６に接触するまで近い方の電極
３０をコネクタ２２の収容溝３１の中へ挿入する
ことにより、ペースメーカの電気回路へ接続され
る。そして電極３０を接続片２６と機械的かつ電
気的に強固に接続保持するために、止めねじ３２
がトルクレンチ３４を用いて確実に締め付けられ
る。体液が止めねじ孔を通つて侵入するのを防ぐ
ために、隔壁（図示されていない）が一般に止め
ねじ３２上に置かれる。更にリード線の接続端が
いつたんコネクタ２２の中へ押し込まれると、体
液が収容溝３１の中へ侵入するの防ぐために、ペ
ースメーカリード線の接続端上の封止リブ又はリ
ツジ３６が収容溝３１の内縁にしつかりと係合す
るように設計されている。 従来のペースメーカ接続装置の多くの特徴と機
能の典型的な説明は、アメリカ合衆国特許第
3683932号、同第3760332号、同第4142532号、同
第4154248号、同第4182345号及び同第4316471号
明細書に記載されている。これらの特許に記載さ
れいてる装置は、例えば機械的な接続機能を遂行
するための種々の形式の固定機構、又は二極ない
し多極接続リード線の使用を含む電気的貫通機能
を遂行するための種々の形式の装置に主として関
係して変化するが、すべてのこの種の装置は、電
気回路を収容する封止されたペースメーカハウジ
ング１６に接着され前成形された又は鋳造された
コネクタ２２を使用している。 一般に従来のコネクタ２２はペースメーカの台
座又は頭部２０へエポキシ樹脂により適当に鋳造
されるか、又は前鋳造されたコネクタが適当な封
止兼接着剤を用いて台座２０へ接着される。更に
いつたん電気的接続が端子ピン１８から接続片２
６へ形成されコネクタがハウジングへ取り付けら
れると、リード線の近い方の端部が挿入されるべ
き収容溝３１を除き、コネクタ２２内に残つてい
るすべての空所には二成分エポキシ樹脂又はシリ
コーンゴムのような適当な充填材料を充填しなけ
ればならない。 上記の説明から明らかなように、ペースメーカ
ハウジング上にコネクタを取り付けることは多く
の部品を含む非常に労力を有する固定である。必
要なことは、少ない部品及び少ない労力しか用い
ずしかし信頼性が高い必要な機械的及び電気的接
続機能を提供するような、簡単なリード線取り付
け方法である。 発明の概要 この発明は、有利にコネクタ機能と貫通機能と
を兼ね備え、従来のペースメーカに使用された鋳
造エポキシ樹脂製コネクタを必要としないよう
な、ペースメーカ又は他の植え込み可能な医用デ
バイスのための貫通コネクタを提供する。外部の
鋳造エポキシ樹脂製コネクタを省略すれば、外見
上の問題に対する固有の癖を伴う鋳造工程に費や
される全時間ばかりでなく、隔壁、止めねじ、貫
通端子及びそれに関連する白金線と接続片とが不
必要となるので有利である。 この発明に基づく貫通コネクタは開放端及び閉
鎖端を有する胴部組立体を備える。組立体の開放
端はペースメーカリード線又は他のリード線の接
続端を挿入できる孔を備える。胴部組立体はセラ
ミツク（非導電性）の絶縁部分により分離された
金属（導電性）の部分を備える。非導電性部分に
より分離された導電性部分の重畳領域は、コンデ
ンサ構造ばかりでなく構造上の強度を提供するの
で有利である。このコンデンサは望ましくない電
磁干渉信号がコネクタを通り抜けないようにろ過
除去するのを助ける。ばね接点が金属部分の内部
に取り付けられ、リード線の接続端がコネクタに
挿入されたとき、ペースメーカの適当な電極又は
他のリード線と電気的接触を形成するのに適して
いる。 ペースメーカ又は他のデバイスの組み立て中
に、胴部組立体は開放端をハウジングの表面と同
一面に並べ閉鎖端をハウジング内に突入してデバ
イスハウジングの孔の中へはめ込まれる。金属部
分の外側はハウジング内の適当な電気回路へ電気
的に接続され、胴部組立体の開放端はデバイスの
内部が気密に封止できるようにデバイスハウジン
グに対し溶接されるか又は他の方法で接着され
る。コネクタ内部のリード線挿入位置にリード線
の接続端を取り外し可能に固定かつ封止するため
に、胴部組立体の部品として取り外し可能なリー
ド線把持手段が設けられる。 従来のペースメーカに用いられた鋳造エポキシ
樹脂形のコネクタを必要とせず、この種の鋳造コ
ネクタの使用に関連する多様な問題及び費用を生
じないような、貫通コネクタ装置を提供すること
がこの発明の特徴である。 少ない部品から作ることができ従来の接続装置
より一層低いコストと一層高い信頼性と必要な機
械的かつ電気的貫通機能を提供するような、ペー
スメーカ又は他の植え込み可能な医用デバイスを
提供することがこの発明の別の特徴である。 この発明の更に別の特徴は、等価の機能を果た
す従来のペースメーカより小形化することができ
るペースメーカを提供することである。 この発明の更に別の特徴は、ペースメーカのよ
うな植え込み可能な医用デバイスと共に用いら
れ、リード線の接続端をデバイスに強固にしかし
ながら取り外し可能に固定封止し、しかし止めね
じ、隔壁又は同等の機械的固定兼封止部品を使用
する必要のない接続装置を提供することである。 この発明の更に別の特徴は、既存のリード線に
対し互換性がありそれによりこの発明に基づく接
続装置を有する医用デバイスが従来の装置に取つ
て替わることができ、かつ従来の装置と共に用い
られた既存の植え込み可能な又は植え込まれたリ
ード線を依然として利用することができるよう
な、植え込み可能な医用デバイスと共に用いるた
めの接続装置を提供することである。

【図面の簡単な説明】

この発明の前記の及び他の特徴と利点とは、下
記の図面に関連して述べるこの発明の後述する一
層詳細な説明から一層明らかになる。 第１図は従来のペースメーカの分解配列図であ
り、封止されたペースメーカハウジング１６及び
鋳造エポキシ樹脂製コネクタ頭部２２を示す。 第２図は従来のペースメーカの部分破断側面図
であり、ペースメーカの主な部品間の組み立て関
係を示す。 第３Ａ図及び第３Ｂ図は、従来のペースメーカ
（第３Ａ図）とこの発明に基づくペースメーカ
（第３Ｂ図）との配置及び気密封止領域を概念的
に比較する。 第４図はこの発明に基づく貫通コネクタを有す
るペースメーカの部分破断かつ分解配列側面図で
あり、ペースメーカの主な部品間の関係を示す。 第５図はこの発明に基づく主な部品の変形配置
の第４図と同様な図である。 第６Ａ図及び第６Ｂ図はこの発明に基づく胴部
組立体の部分断面図であり、閉鎖または固定位置
（第６Ａ図）及び開放位置（第６Ｂ図）における
コネクタを示す。 第７Ａ図ないし第７Ｄ図はこの発明に基づく胴
部組立体の変形例の部分縦断面図（第７Ａ，７
Ｃ，７Ｄ図）及び端面図（第７Ｂ図）であり、こ
こではコレツトが固定手段として用いられてい
る。 第８Ａ図はこの発明に基づく胴部組立体の一部
の更に別の変形例の部分破断側面図であり、ここ
ではねじり固定バヨネツト形機構が胴部組立体の
収容溝内の挿入位置にリード線を固定するために
用いられている。 第８Ｂ図は、第８Ａ図の切断線８Ｂ−８Ｂによ
る断面図である。 第９Ａ図は、胴部組立体の導電性円筒形部分と
ペースメーカリード線の電極との間に多重電気接
触を形成するために、胴部組立体内に使用される
電気的接触手段の拡大側面図である。 第９Ｂ図は、第９Ａ図の切断線９Ｂ−９Ｂによ
る断面図である。 第１０図はこの発明に基づく固定手段の別の実
施例の部分断面を含む側面図である。 第１１図は第１０図に示す固定手段のカムの底
面図である。 第１２Ａ図は第１０図に示す固定手段のカム従
動子の正面図である。 第１２Ｂ図は第１２Ａ図に示すカム従動子の側
面図である。

【発明の詳細な説明】

以下の発明ではこの発明を実施するために最も
よく考えられた方式を述べる。この発明は限定的
な意味で取り扱われるべきでなく、単にこの発明
の基本原理を説明することを目的として述べられ
ている。この発明の範囲は添付の請求の範囲を参
照して確定されるべきである。 この発明は図面を参照することにより最もよく
理解され、図面では一貫して同じ符号が同じ部品
又は要素を示すために用いられている。一つの図
面の中の要素が他の図面の要素に似ているがしか
し同一でない場合には、これらの要素は例えば７
２の代わりに７２′又は７２″という変形された符
号を用いて示される。 第１図及び第２図は、本発明の背景記載箇所で
従来の技術の説明に関連して既に説明された。第
３Ａ図は同様に従来のペースメーカを示す。第３
Ａ図はデバイスと気密に封止されたデバイス内部
領域との相対的な寸法を示す。封止領域はハツチ
ングした領域３８である。図示のようにペースメ
ーカの電気回路１２が封止領域３８の中に収容さ
れている。電気回路１２と電気的接触を形成する
ために、少なくとも一つの貫通端子１８をケース
１６に貫通させなければならない。この端子をケ
ース１６から電気的に絶縁するために、或る種の
絶縁材料１９を貫通端子１８と共に用いなければ
ならない。（ケース１６の一部は一般に単極ペー
シングのための帰路電極として作用する。）貫通
端子１８の一つの特定の形式の更に詳細な説明
は、本出願人らの一人の審査中の米国特許出願明
細書（1988年１月28日出願第07／161700号）に述
べられている。更に従来のコネクタ２２の一形式
に関する一層の詳細は、本出願人らの他の一人の
審査中の米国特許出願明細書（1987年２月12日出
願第07／013747号）に述べられている。 第３Ａ図をこの発明を具体化したペースメーカ
４０の縦断面略示図が示されている第３Ｂ図に比
較されたい。第３Ｂ図では気密に封止されたペー
スメーカの部分はハツチングされた領域４２であ
る。この領域はペースメーカのケース４４により
囲まれている。従来のデバイスと同様に、この封
止領域４２はペースメーカの電気回路１２を含
む。従来のデバイスとは異なつて、収容溝４６は
内向きにペースメーカ内に突出する。この溝は概
念的にくぼんだ溝と見なすことができ、この溝は
ペースメーカハウジング４４の表面と同一面上に
ある開放端４８とペースメーカハウジング４４内
の閉鎖端５０とを備え、それによりいわばペース
メーカハウジング４４内部に細長い凹所を形成す
る。（以下に更に詳細に説明するように、収容溝
４６はペースメーカハウジング４４をへこませる
ことにより形成されているのではない。それにも
かかわらず封止されていない領域から封止された
ペースメーカの領域を区分し図示するために、収
容溝をへこんだ溝と見なすことが有用であろう。）
収容溝４６の内壁４５はペースメーカ４０の封止
領域に含まれていない。なぜならば内壁は開放端
４８を経てペースメーカの外部に向かつて開放さ
れているからである。これに反して収容溝４６の
内壁４５の反対の側（以下収容溝４６の裏側又は
外側の壁と呼ぶ）はペースメーカの封止された内
部に対し露出している。 第３Ｂ図に示すように、収容溝４６の壁の部分
５２は316Lステンレス鋼製の短い管状部分のよ
うな導電性材料から作られている。この導電性部
分は、この部分に隣接する収容溝４６の壁の絶縁
性（非導電性）部分５４によりペースメーカ壁４
４から絶縁されている。以下にもつと詳細に説明
するように、一般にこの非導電性部分５４を導電
性部分５２及び溝の壁４５に気密に接着されたセ
ラミツクの短い管状部分から作ることができる。
しかしながら適当な気密接着が形成されるなら
ば、エポキシ樹脂又は重合体のような適当な非導
電性材料をこの絶縁機能を遂行するために用いる
ことができる。 導電性部分５２の裏側又は外側は適当な導体５
６によりペースメーカ回路１２に電気的に接続さ
れている。導体５６はペースメーカの封止部分４
２の内部に収容されているにすぎないので、この
導体は（チタンのような）体液への露出に適合し
た種類の導体ではなく適当な導電性材料から作る
ことができるので有利である。しかしながら相互
に電気的に接触している非類似の金属間の電食反
応又はその他の有害な反応を防止するために、導
体５６は収容溝４６の導電性部分５２のために用
いられている材料の種類に適合した材料から作ら
れるべきである。 第４図、第６Ａ図及び第６Ｂ図には、この発明
を具体化するペースメーカ６０の更に詳細な部分
縦断面図及び側面図が示されている。第４図に示
されているのは、この発明に基づくコネクタに挿
入するのに適したペースメーカリード線６４の接
続端６２の側面図、並びにリード線固定ボタン７
０及び封止兼把持要素１０３の縦断面図である。
（分かりやすいように、リード線固定ボタンは第
４図ではコネクタの収容溝７２の開放端内の正常
な位置から分解された状態で示されている。）リ
ード線固定ボタン７０及び封止兼把持要素１０３
は、リード線６４の接続端６２を貫通コネクタの
収容溝７２の中へ固定かつ封止する。第４図に示
されたリード線６４は、接続端先端電極６６と接
続リング電極６８とを有する二極リード線であ
り、両電極はペースメーカ６０の電気回路１２と
電気的接触を形成する。近年少なくともペーシン
グリード線の接続端の寸法、仕切り及び形状に関
してペースメーカコネクタを自発的に規格化し、
それにより患者に植え込まれた努力がペースメー
カ業界で進行中である。第４図に近い方の端部６
２として示された接続端は、任意規格VS−1Aリ
ード線として知られた接続端を示す。VS−1Aリ
ード線は固有の寸法を有する二極リード線であ
る。VS−1A接続端に関連する仕様は、IEC
SC62D／WG6 及びISO TC150／SC2／WG2
（1987年７月）及び任意規格VS−１（1986年６月）
のような公開専門分野文書に記載され、これらの
文書は本明細書に参照引用されている。その他の
規格化された接続端はVS−1Aリード線及びVS
−1Bリード線を含む。本明細書に記載の貫通コ
ネクタの有利な特徴の一つは、このコネクタがす
べてのこれらの工業規格ペーシングリード線コネ
クタと共に用いるために互換性があるということ
である。この発明の別の望ましい特徴により、リ
ード線の接続端６２をリード線又はケースを相互
に相対的に回転させる必要なくコネクタの中に滑
らせて挿入できるが、この回転（一般に複数回の
回転、例えば360°を超える回転）はかなり古いタ
イプのペースメーカでは必要であつた。例えばア
メリカ合衆国特許第3871382号明細書参照。 第４図及び第６Ａ図は、この発明に基づく貫通
コネクタを組み立てる方法を示す。胴部組立体７
４は組み立てられたとき収容溝７２を画成するよ
うに構成されている。胴部組立体は第４図ではペ
ースメーカハウジング内に挿入された位置で示さ
れている。胴部組立体はこれに関連する細部を一
層よく示すために第６Ａ図に単独で拡大図示され
ている。胴部組立体７４は気密に接合された導電
性及び非導電性材料の管状部分から成る。盲孔端
部片７６は組立体の一端を閉鎖し、反対側端部７
８はデバイスハウジング６１に溶接されている。
胴部組立体７４の第１の導電性部分８０は溝９２
内にばね接点９０を備える。第６Ａ図に最もよく
示すように、この第１の導電性部分８０は隣接す
る導電性部分７７に溶接された盲孔端部片７６を
備える。ざぐり孔が部分７７の一端に加工されて
いる。組立中に接続片７６を部分７７に溶接する
に先立つて、ばね接点９０が孔７９の中に置かれ
る。いつたんこの溶接が完了すると（孔及び端部
片７６の端部により）溝９２が形成され、この溝
はばね接点９０を所望の位置に保持する。端部片
７６及び部分７７は316Lステンレス鋼から作ら
れるのが有利である。 胴部組立体７４の第２の導電性部分８４は第１
の導電性部分８０のばね接点側端部に、第１の非
導電性部分８２を介して接着されている。有利な
実施例では非導電性部分８２は剛性部分８１と封
止部分８３とから成る。剛性部分８１は比較的固
い非溶融性セラミツクのビーズ又はリングから成
り、封止部分８３はクライオフレツクス、すなわ
ちオレゴン州、ローズバーグのカイル・テクノロ
ジー社から購入できる一種の溶融性セラミツクか
ら作られるのが有利である。封止部分８３は所定
の期間十分な熱を受けると溶け、適当な気密接着
兼封止部を形成するために隣接する導電性部分７
７，８４並びに剛性セラミツク部分８１と融合す
る。 第２のばね接点９６は第２の導電性部分８４の
一端の内周に設けられた溝９８内に置かれてい
る。シリコーンパツキン８７を第２の導電性部分
８４の他端の適当な孔の中に随意に置くことがで
きる。（パツキン８７のほかに第１の非導電性部
分８２及び導電性部分７７の一部もまたこの同じ
孔の中にはめ込まれている。）複数の封止リブ８
９を備えるシリコーン製パツキン８７は、リード
線が収容溝７２に挿入されているときに、リード
線６４の接続端６２を密に取り囲み、それにより
体液が第１の導電性部分８０に接触するのを防止
する。以下に更に詳細に説明するように、パツキ
ン８７はコネクタのために受動的かつ二次的な封
止を提供するにすぎない。能動的な主封止はリー
ド線固定ボタン７０及びこれに関連する封止兼把
持要素１０３により提供される。この理由からパ
ツキン８７を必要としない使用法も可能である。 胴部組立体７４の第３の導電性部分８８は第２
の導電性部分８４のばね接点側端部に、第２の非
導電性部分８６により同様に接着されている。こ
の第２の非導電性部分８６はこの部分が剛性部分
９１と封止部材９３とから成るという点で第１の
非導電性部分８２と同様であり、封止部分９３は
所定の期間適当な熱を受けることにより溶けて、
隣接する導電性部分８４，８８及び剛性セラミツ
ク９３と融合する。 第６Ａ図に示すように、位置決め溝７５が胴部
組立体７４の第１の導電性部分８０の裏側を囲ん
で設けられている。この位置決め溝７５はペース
メーカ又は他のデバイスの内部に組立体を正しく
位置決め支持するためにペースメーカの製造中に
用いられる。更に胴部７４の組立中に、セラミツ
クのスペーサリング９５，９７をそれぞれ導電性
部分８０，８４の裏側を囲んで随意に用いること
ができ、それによりセラミツク接合封止部を加熱
するに先立つて、これらの導電性部分が隣接する
導電性部分の中へ適当な深さに挿入されることを
保証する。 第６Ａ図に最もよく示された実施例において、
導電性部分８０は導電性部分８４に重なりかつ非
導電性部分８２が両者の間に挿入されている。こ
の重畳により重ねるべき導電性部分を機械的に強
めかつ比較的弱い非導電性部分を庇護することが
でき、こうして容易に壊れるおそれのある胴部組
立体７４の弱い部分が無くなることを保証するの
で有利である。同様な重畳が導電性部分８４と導
電性部分８８との間で行われ非導電性部分８６が
両者の間に挿入されている。 更にこの重畳はコンデンサの構造を提供するの
で有利である。すなわち第１の導電性板（例えば
導電性部分８８の一端）は誘電体の非導電性材料
（例えば非導電性部分８６）により第２の導電性
板（例えば導電性部分８４の一端）から一様に間
隔を保たれている。これらの組み込みコンデンサ
（そのようなコンデンサが２個存在する）は、胴
部組立体の第１及び第２の導電性部分８０，８４
上に与えられた信号から、電磁干渉のような望ま
しくない信号をろ過除去するための電気的フイル
タを提供するので有利である。更にこれらの組み
込みコンデンサは必要な場合に、ペースメーカハ
ウジングの封止部分中に置かれたコンデンサＣ
１，Ｃ２（第４図参照）のような外部のコンデン
サにより補うことができる。 導電性部分８０，８４は316Lステンレス鋼か
ら作られるのが有利である。導電性部分８８はハ
ウジング６１への溶接を有利にするためにチタン
から作られている。既に述べたように、非導電性
部分８２，８６は剛性部分及び封止又は溶融可能
部分を含めてセラミツク材料から作られるのが有
利である。他の適当な導電性材料及び非導電性材
料を勿論使うことができる。 既に述べたように、部分８０の内壁内部に成形
された溝９２内にはめ込まれているばね接点は、
第１の導電性部分８０の中に収容されている。こ
のばね接点は一般にガータスプリングと呼ばれる
丸められたコイルばねとするのが有利である。こ
のばねは溝９２の周囲にわたり導電性部分７６，
７７と多数の電気的接触を形成する。更にリード
線６４の接続端６２が収容溝７２の中に挿入され
たとき、このばね９０は接続用先端電極６６と多
数の電気的接触を形成する。導電性部分８０の裏
側と電気的に接触する適当な導体９４はまた電気
回路１２（第４図参照）に電気的に接触する。こ
うして導電性部分８０の内面に電気的に接触する
ガータスプリング９０と、導電性部分８０の裏側
及び電気回路１２双方に電気的に接触する導体９
４とによつて、接続用先端電極６６がペースメー
カハウジングの中に気密に封止されている電気回
路１２に電気的に接触している。 同様な方式で、、第２のばね接点９６が第２の
導電性部分８４の内周の溝９８内に置かれる。第
２の導電性部分８４の裏側は第２の導体１００に
よりペースメーカ回路１２に電気的に接続されて
いる。同じく丸められたコイルばね又はガータス
プリングであるこの第２のばね接点９６は、リー
ド線がコネクタの収容溝７２に挿入されたとき
に、ペーシングリード線６４の接続リング電極６
８と多数の電気的接触を形成する。 ガータスプリング又は丸められたコイルばね９
０，９６は螺旋形に巻かれ円形に成形されたばね
要素から成り、それによりドーナツ形要素を形成
する。上に述べたように、これらのばねは第９Ａ
図及び第９Ｂ図に最もよく示すように、これらの
ばねが接触する要素の全周にわたり多数の電気的
接触を提供するので有利である。このようなガー
タスプリングは、例えばカリフオルニア州、サン
タアナのバルシール社から購入できる。 更に第４図、第６Ａ図及び第６Ｂ図によりリー
ド線固定ボタン７０を説明する。このボタンはリ
ード線６４の接続端６２を貫通コネクタの収容溝
７２内の所望の位置に固定するための機構を提供
する。図から明らかなようにリード線固定ボタン
７０はその中心を貫く孔７１を有する比較的短い
環状要素である。この孔はペースメーカリード線
６４の接続端６２を楽に貫通させることができる
十分に大きい直径を有する。ボタン７０は更にそ
の一端に周囲の縁１０２を有し（ボタンを収容溝
７２の中で解放位置と固定位置との間で滑らせる
ときに、ボタンの把持を容易にするために用いら
れる）、また他端のそばに複数の小さい戻り止め
隆起を１０４を有し二つの位置のいずれかにボタ
ンを保持するために用いられる。管状又は環状の
シリコーンゴムのような弾性材料１０３の短い部
分は、リード線固定ボタンが挿入されたとき収容
溝７２内に拘束保持される。この環状弾性材料１
０３は調節可能な内径を有するカラーのように働
く。リード線固定ボタンは一方の位置にあると
き、カラーの直径はリード線の通過を可能にす
る。リード線固定ボタンが以下に説明する他方の
位置にあるとき、カラーはリード線を締め付ける
ようなずつと小さい直径となり、それによりリー
ド線の軸方向運動を阻止する。 弾性材料１０３はその外形上に円周溝１０５を
有し、以下に説明するように軸方向圧縮するとこ
の材料を隆起又は湾曲させることができる。ボタ
ンが作られている材料は、ボタン７０の壁の厚さ
及び（導電性部分８８の内面の円周溝に係合す
る）複数の戻り止め隆起１０４に関連して、（一
つ以上の円周溝を備える）フエルトペンのキヤツ
プが（複数の戻り止め隆起を備える）ペン軸に掛
け止めされるのと同じ方法で、ボタンを解放位置
又は固定位置に掛け止めできるようにする。 胴部組立体７４の第３の部分８８の内周には間
隔を保つて溝１０８，１０９，１１０が設けられ
ている。これらの溝はリード線固定ボタン７０の
戻り止め隆起１０４を受け入れるのに適してい
る。一たびリード線固定ボタンが収容溝７２に滑
つて挿入されると、戻り止め隆起と溝との組み合
わせにより、ボタン７０の二つの位置、すなわち
(1)リード線６２を収容溝７２に自由に出し入れす
ることができる拘束開放位置（第６Ｂ図参照）、
及び(2)リード線６２が収容溝の中に固定される閉
鎖位置（第６Ａ図参照）が可能となる。開放位置
（第６Ｂ図参照）では戻り止め隆起１０４が溝１
０８，１０９と係合して固定ボタンをコネクタ内
部に拘束保持し、弾性材料１０３が非導電性部分
９１，９３の端とリード線固定ボタン７０の端と
の間に拘束保持される。この開放位置では材料１
０３はほとんど軸方向に圧縮されず、リード線６
２は通り抜けることができる。閉鎖又は固定位置
（第６Ａ図参照）では戻り止め隆起１０４が溝１
０９，１１０に係合し、弾性材料１０３が大きい
軸方向圧縮を受け、この圧縮により弾性材料が溝
１０５で折りたたまれるか曲げられ、収容溝７２
の中に半径方向内向きに隆起する。この動作によ
り弾性材料１０３は収縮カラーのようにリード線
６２の周囲を強固に把持圧縮する。この把持動作
は更に、収容溝７２の中への体液の侵入を全体と
して完全に阻止する能動的な（圧力下での）封止
を提供するので有利である。 有利な実施例では、弾性管状材料１０３がシリ
コーン又はウレタンのような非圧縮性エラストマ
である。リード線固定ボタン７０の把持動作はリ
ード線固定機構のエラストマをペーシングリード
線のシリコーンゴムと強固に接触させる。既に述
べたように、この動作は非常に有効な（密な）及
び能動的な（圧力下での）封止を提供するばかり
でなく、これらの材料の高い摩擦係数のゆえに非
常に強固な把持又は固定をも提供する。リード線
固定ボタン７０はホリスルホン又はナイロンのよ
うな非導電性で生体適合性の熱可塑性樹脂から作
られるのが有利である。 VS−1A規格（又は他の規格）に従いリード線
６４の接続端６２の外周に設けられた封止リツジ
６７は、リード線固定ボタン７０の孔７１及び／
又は収容溝７２の中に密に収容される。前に述べ
たシリコーン封止リツジ８９と同様に、これらの
リツジは体液が溝７２に侵入するのを更に阻止す
る二次的な又は予備の受動性封止を提供する。 再び第４図を参照すれば、ペースメーカ６０の
ケース６１は一般に二枚貝の殻として広く知らさ
れている二つの半部から組み立てられ、すべての
電気部品が内部に収容されると、二つの半部はそ
の周囲に沿つて一体に溶接される。（従来のペー
スメーカのための溶接継目は例えば第１図に符号
１１３で示されている。）この発明によればこの
ような組み立て技術を使い続けることができる。
すなわち胴部組立体７４が一たび組み立てられる
と、こらは他の電気部品（回路１２及び電池１
４）を収容するペースメーカ６０の半部の中の適
当な孔の内部に置かれる。適当な電気的接続が導
電性要素８０，８４の裏側と電気回路１２との間
に形成され、フイルタコンデンサＣ１，Ｃ２が取
り付けられ（これらが用いられるとき、）その他
の従来の組み立て段階が終了した後に、すべての
ペースメーカ要素を内蔵するペースメーカケース
半部へペースメーカケースの他の半部が溶接され
るか又は他の方法で気密に接着され、ペースメー
カケース全体を気密に封止するために、胴部組立
体７４の開放端７２がペースメーカケース両半部
へ溶接されるか又は他の方法で接着される。有利
な組み立て工程では胴部組立体の気密性は、
MIL規格−883、方法1014、条件Ａにより試験さ
れたとき、空気の２×10E−9atm−cc／sec以下
の測定漏れ速度を提供する。ペースメーカ組立体
の気密性は、気密性レベルを幾分低下させること
がある胴部組立体のエージングのためにこれより
若干悪くなるおそれがある（すなわち測定漏れ速
度の僅かな増加）。例えば２×10E−8atm−cc／
secのペースメーカ組立体に対する気密性レベル
が許容される。 次に第７Ａ図ないし第７Ｄ図には、この発明に
基づくリード線固定手段の変形された実施例が示
されている。第７Ａ図及び第７Ｂ図に最もよく示
すように、この実施例は貫通コネクタの収容溝７
２′に滑つて挿入するのに適したコレツト１３０
を利用する。コレツト１３０は周囲の縁１３２
（コレツトを収容溝７２′へ押し込み又は引き出す
のを助けるために用いる）と、係合する戻り止め
リブ１３４とを備える。コレツトの胴の周囲に沿
つて一様に間隔を保つて置かれた四つのスリツト
１３６により、戻り止めリブ１３４を半径方向に
圧縮することができる。しかしながらコレツトが
作られている材料例えば（ポリスルホン又はナイ
ロンのような）工学用生体適合性熱可塑性樹脂
は、リブ１３４を半径方向外向きの方向に押す傾
向のある偏つたばね力を提供する。胴部組立体の
第３の部分８８′の中の受け入れ溝１３８，１４
０は、コレツト１３０が収容溝の中へ押し込まれ
たとき、リブ１３４を受け入れるように設計され
ている。第１の溝１３８の直径は第２の溝１４０
の直径より大きい。従つて戻り止めリブ１３４が
第１の溝１３８の中に収容されたとき、コレツト
はリード線６４が通り抜けできないような点まで
はまだ圧縮されていない。こうして戻り止めリブ
１３４が第１の溝１３８の中に入つているとコレ
ツトは開放位置にあり、リード線６４をコネクタ
の収容溝７２′の中に挿入することができる。こ
の開放位置は第７Ｃ図に示されている。コレツト
１３０はこの開放位置においてコネクタ内に拘束
保持され、それによりコレツトの位置が狂うのを
防止する。しかしながらコレツト１３０が更に収
容溝７２′の中に押し込まれ戻り止めリブ１３４
が第２の溝１４０に係合するとき、コレツトはリ
ード線６４の接続端６２の胴を挟みリード線を挿
入位置に強固に固定する点まで圧縮される。こう
して戻り止めリブ１３４が第２の溝１４０に入つ
ているとコレツトは固定位置にあり、リード線を
コネクタから引き抜くことができない。この固定
位置は第７Ｄ図に示されている。コレツトを固定
位置から開放位置へ引く又は滑らせることができ
るように、周囲の縁又はリム１３２に係合する適
当な工具を用いることにより、リード線が解放さ
れる。 次に第８Ａ図及び第８Ｂ図には、この発明に基
づくリード線固定手段の更に別の実施例が示され
ている。この実施例によれば、胴部組立体７４″
はその第３の部分８８″の内面に沿つて複数の鍵
形溝１４２を備える。これらの鍵形溝は短い距離
にわたつて長手方向に延びそして直角を成し周方
向に延びる。突出ピン１４４又は同等の係合要素
がペーシングリード線の近い方の端部６２′に設
けられている。リード線がコネクタの収容溝７
２″に挿入されるとき、これらのピン１４４が鍵
形溝１４２内に受け入れられる。ピンがこれらの
溝１４２の長手方向長さを通り抜け、リード線が
収容溝７２″に対し相対的に回転されると、それ
によりピン１４４が鍵形溝１４２の先端に来る。
ピンがこの位置にあれば、リード線は収容溝７
２″から長手方向に引き抜くことができない。従
つてリード線がコネクタ内に固定される。リード
線の引き抜きは、ピンが溝１４２の長手方向部分
に揃うまで別の方向にコネクタに対して相対的に
リード線をねじることにより行われ、このときリ
ード線はコネクタから再び引き抜くことができ
る。この形式のリード線固定機構はバヨネツト形
係合として一般に知られている。一般にリード線
を固定又は解放するために８分の１回転以下でよ
い。このことは、一般に数回転を必要とし360°を
超えるケースとリード線との間の相対回転を必要
とし、リード線をペースメーカの凹所にねじ込ま
なければならないような、従来のデバイスに勝る
重要な改良を提供する。 第５図は、第４図及び第６Ａ図に関連して既に
説明した形式の胴部組立体７４を、円形のペース
メーカケース１２０と共に用いることができるよ
うな変形例を示す。そのような配置ではハウジン
グ内のペースメーカ回路の位置はデバイス内の利
用可能な空間を更によく利用するために僅かに変
更されている。例えば第５図は二つの部分、すな
わちパルス発生器回路１２２及び遠隔測定回路１
２４に分割されているペースメーカ電気回路を示
す。当業者であればペースメーカ内の利用可能な
空間を最適に利用する目的で、ペースメーカ回路
をこれらの群又は他の群に容易に分割することが
でき、それによりペースメーカをできるだけ小さ
くすることが可能である。 次に第１０図には、部分断面図でこの発明に基
づくリード線固定手段の更に別の実施例が示され
ている。この固定手段はカム１４６とカム従動子
１４８とを備えるカム従動子装置の形である。第
１０図は第２の又は閉じた位置におけるカム１４
６を示し、それにより弾性材料１０３は前記の挟
み付け又は把持作用を遂行するように圧縮されて
いる。 カム従動子装置の機能を一層よく理解するため
に、第１１図、第１２Ａ図及び第１２Ｂ図を参照
されたい。第１１図に示すように、カム１４６は
ほぼ中空な管状部分１５２から垂れ下がるハンド
ル１５０を有する。管状部分１５２はリード線６
２を貫通させるのに十分な寸法の内径１５４を有
する。向かい合いかつ外に向いた一対の突出部１
５６が管状部分１５２の外面から延びている。突
出部１５６は十分に環状溝１５８の中に入りこれ
と係合するように管状部１５２の表面を越えて延
びている。 一対の切り出し溝１６０が管状部分１５２の長
さの約半分だけ軸線方向へ延びている。溝７２内
にカムを挿入するために端部１６２と１６４とが
つまみ合わせられ、それにより突出部１５６が溝
７２の端部と干渉するのを避け溝７２内へ挿入し
て溝に沿つて移動できるように十分に相近寄らせ
られる。カムが溝７２内に更に挿入されるとき、
突出部１５６はついに端部の環状溝１５８に係合
し、端部１６２と１６４とがカム１５６を形成す
る材料の弾性のために相遠ざかり正常な離れた定
位を回復する。 突出部１５６が溝１５８に挿入されたとき、カ
ム１４６は第１０図に示す第２の又は閉じた位置
と、第１０図に示す位置からほぼ180°離れている
第１の又は開いた位置との間で回転可能である。
突出部１５６と溝１５８との固定又は移動止め作
用のためにカム１４６は開放位置と閉鎖位置との
間の回転中に軸方向並進を防止される。 次に第１１図には、それぞれカム端部１６２，
１６４上の曲線形表面１６６，１６８が示されて
いる。各曲線形表面は管状部分１５２の各半部を
廻つて延び、それぞれの平らな丘部セグメント１
７０，１７２のところで終わつている。以下に説
明するように、リード線６２上に所望の固定及び
把持効果をもたらすようにカム従動子を材料１０
３に接触させるために、曲線形表面１６６，１６
８がカム従動子１４８上の相応の曲線形表面と係
合する。 次に第１２Ａ図及び第１２Ｂ図に示すように、
カム従動子１４８はそれぞれカム１４６の表面１
６８，１６６に係合する曲線形表面１７４，１７
６を備える。曲線形表面１７４，１７６はそれぞ
れ平らな丘部１７８，１８０のところで終わつて
いる。回り止めピン１８２が管状部分１５２の内
面から半径方向に延びている。ピン１８２は従来
の設計のものであり、抵抗溶接により適所に気密
封止されている。長手方向溝１８４が軸線方向へ
カム従動子１８４の外面に沿つて延びている。カ
ム従動子１４８は、ピン１８２が溝１８４の中へ
延び、曲線形表面が溝７２の開放端の方へ向くよ
うに、溝７２内に挿入されている。ピン１８２に
よりカム従動子１４８は軸方向並進だけに制限さ
れている。 カム１４６が溝７２の中へ挿入され第１の又は
開いた位置に方向づけられると、カム及びカム従
動子の相応の曲線形表面が接触する。カム１４６
が（溝７２の開放端へ覗き込んだ方向へ見て）反
時計方向へ第１の位置から第２の位置へ向かつて
回転させれらるにつれて、相互の曲線形表面の作
用によりカム従動子１４８がカム１４６から押し
離され材料１０３に係合してこれを圧縮する。カ
ム１４６が第２の位置へ更に回転させられると、
それぞれの平らな丘部セグメントが相互に係合し
固定位置を確立する。前記のようにカム１４６の
回転中の突出部１５６と溝１５８との係合のため
にカムは回転運動だけに制限され、一方カム従動
子１４８は並進運動だけに制限される。第２の位
置で平らな丘部セグメント１７２と１８０とが接
触し、平らな丘部セグメント１７０，１７８は固
定位置を確立するために接触する。 反時計方向を述べたけれど、相応に逆の曲線形
表面による時計方向回転もまたこの発明により考
慮されることが理解できる。 更に別のカム従動子装置もまたこの発明により
考慮される。例えば複数のピンを管状溝７２の内
面から管状溝７２中へ延びカム１４６の外面の相
応の複数のカム溝に係合するように選択すること
ができる。この技術により、突出部１５６と切り
出し溝１６０とを除いてカム１４６に設計上似て
おり複数のピンと協働する単純なカムを用いるこ
とができ、それによりカムの所望の回転がカムを
材料１０３の方へ前進させ、なお一層回転させる
とカムが固定位置に到達するまで材料１０３を圧
縮する。カム溝はピンとの最初の係合を提供しカ
ムに対し内向きの案内された軸方向並進を提供す
るように方向づけることができる。溝はカムの外
面を囲んで螺旋形に続くので、カムの回転は勿論
回転方向に依存して内向き又は外向きのカムの並
進をもたらす。溝は環状部分となつて終わり、そ
れによりこの種の環状部分内にピンが収容される
ために、カムの一層の回転がカムを適所に固定さ
せる。 この発明を特定の実施例と用途に関して説明し
たが、請求の範囲に記載のこの発明の趣旨と範囲
とから逸脱することなく多くの変形及び修正を当
業者は実施することができる。従つてこの発明の
真の範囲は以下に記載の請求の範囲を参照して決
定されるべきである。