JPH056728B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜技術分野＞ 本願発明は複合磁気ヘツドに関し、特に磁気ヘ
ツドギヤツプがほぼ一直線上にある２つの磁気ヘ
ツドコアを有する複合磁気ヘツド（以下インライ
ンヘツドと称す）に関する。

＜従来技術の説明＞ 近年、磁気記録分野に於ける高密度記録化に伴
い上述の如きインラインヘツドに於いては２つの
磁気ヘツド間の間隔が狭くなることにより、２つ
の磁気ヘツド間の信号の混入、所謂クロストーク
が増大するということが問題になつてくる。

第１図は従来の一般的なラインヘツドの構造を
示す図である。第１図に於いて１ａ，１ｂ，２ａ
及び２ｂは夫々ヘツドコアハーフ、１ｇ，２ｇは
夫々ヘツドギヤツプ材、３は高導電性金属等の非
磁性材ブロツクよりなるシールド部材、４，５は
夫々補強部材、６は巻線、７，８は夫々巻線窓、
９は磁気記録媒体の走行方向を示す矢印である。

このように２つのヘツドを夫々バルクヘツドで
構成した場合には１ａ，１ｂ，１ｇよりなる第１
の磁気ヘツドのコアと、２ａ，２ｂ，２ｇよりな
る第２の磁気ヘツドのコアとの対向面積を小さく
することは困難であり、これがクロストークの大
きな原因の１つとなつていた。

＜発明の目的＞ 本願発明は上述の如き欠点に鑑み、ヘツドギヤ
ツプを一直線上に並べた第１の磁気ヘツドコアと
第２の磁気ヘツドコアとの対向面積を大幅に小さ
くすることによつて、両ヘツドコア間のクロスト
ークを減少させ得る複合磁気ヘツドを提供するこ
とを目的とする。

＜実施例の説明＞ 以下本願発明を実施例を用いて説明する。

第２図Ａ〜Ｇは本願発明の一実施例としてのイ
ンラインヘツドの製造工程を示す図である。第２
図Ａは高透磁率、高飽和磁束密度の磁性体（例え
ばセンダスト等）１１ａ，１１ｂ，シールド部材
としての高導電性金属（例えばCu合金等）１２
及び補強板（例えばガラス）１３ａ，１３ｂを積
層したブロツクを示している。磁性体１１ａ，１
１ｂの厚さは夫々所望のトラツク幅以上の厚さ、
また磁性体１１ａまたは１１ｂの厚さとシールド
部材１２の厚さの和は所望のトラツクピツチと等
しい厚さにする。

第２図Ｂは第２図Ａに示すブロツクより第１及
び第２の磁気ヘツドコアの夫々の一方のコアハー
フを含むブロツクを形成する工程を示す図であ
る。１５ａ，１５ｂは夫々補強板１３ａ，１３ｂ
に形成した巻線用溝であり、巻線用溝１５ａ，１
５ｂを形成した後破線１４に沿つて磁性体１１
ａ，１１ｂの長手方向と略垂直に切断し、１６に
示す如きコアハーフブロツクを得る。

一方第２図Ｃは他方のコアハーフとなる薄板状
磁性体１８を示す図である。この薄板状磁性体１
８は例えばアモルフアス、センダスト等の軟磁性
材をエツチングまたはプレス等で所定の外形に抜
いたものでも、軟磁性材のブロツクより削り出し
たものでも良い。更にこの薄板状磁性体１８のギ
ヤツプ突合わせ面となる側面をラツプする。

第２図Ｄはギヤツプ部材を形成する工程を示す
図である。コアハーフブロツク１６のギヤツプ突
合わせ面（磁性体１１ａ，１１ｂの長手方向と略
垂直な面）をラツプした後、該面にSiO₂等のギ
ヤツプ材を矢印２０に示す方向からスパツタまた
は蒸着することにより形成する。そして第２図Ｅ
に示す如くオプテイカルフラツトの如き面２２上
に前述の薄板状磁性材１８を２枚乗せ、ギヤツプ
材１９の形成されたコアハーフブロツク１６を矢
印２１方向に押し当て接着する。この接着につい
ては使用する磁性材料に合わせて無機または有機
接着剤を使用する。

このようにして構成された複合磁気ヘツドの半
完成品を第２図Ｆに示す。この磁気複合ヘツドに
於いて磁性体１１ａ，１１ｂと薄板状磁性体１８
とが重なつている長さが第１の磁気ヘツド及び第
２の磁気ヘツドの有効トラツク幅（図中Twで示
す）となる。またこのヘツドにより記録を行つた
場合、第１の磁気ヘツドによる磁化軌跡（1ch）
と第２の磁気ヘツドによる磁化軌跡（2ch）は共
にTwと等しく、1chと2ch間のガードバンドは図
中Tlで示す幅となる。そして補強板１３ａ，１
３ｂと幅の等しい補強ブロツク２３をコアハーフ
ブロツク１６と共に薄板状磁性体１８を挾む位置
に取付け、薄板状磁性体１８に巻線２５を施すこ
とによつて第２図Ｇに示す如き複合磁気ヘツドを
得る。２４は記録媒体の走行方向を示す矢印であ
る。

第２図Ｇに示す如き複合磁気ヘツドによれば薄
板状磁性体１８によるコアハーフの対向面積が小
さく、従来のインラインヘツドに比べて対待面積
が大幅に小さくなつたので、クロストークが大幅
に少なくなる。また磁性体１１ａと１１ｂのギヤ
ツプ突合せ面を同信に加工することができるので
第１の磁気ヘツドと第２の磁気ヘツドのヘツドギ
ヤツプを完全に一直線上に配することが極めて容
易に行い得る。

第３図及び第４図はコアハーフブロツク１６の
構成の他の実施例を示す図である。第２図Ａに示
すシールド部材１２による効用が左程クロストー
ク量に影響しない場合は第３図、第４図に示す如
く第１の磁気ヘツド及び第２の磁気ヘツドに共通
の磁性体１１，１１′に溝を入れて、その溝にシ
ールド板１２′，１２″を挿入してもよい。

第５図は第２図Ｂに示す補強板１３ａ，１３ｂ
の構造の他の実施例を示す図であり、巻線用溝１
５′ａ，１５′ｂを内側に設けた例である。

第６図はコアハーフブロツク１６及び薄板状磁
性体１８の構成の他の実施例を示す図であり、シ
ールド板１２の幅をヘツドの媒体への当接面から
離れる程大きくしたものである。また薄板状磁性
体１８′の形状もその当接面から離れる程、両薄
板状磁性体間の距離が大きくなる様にしたもので
ある。この構成によれば構造は複雑になるが第２
図Ｇに示すものより更にクロストークが少なくな
る。

第７図は薄板状磁性体１８の更に他の実施例を
示す図で図中１８″に示す薄板状磁性体を小さく
したものである。第８図Ａ，Ｂは薄板状磁性体１
８の更に他の実施例を示す図であり、第８図Ａに
示す如く巻線用切欠１８ａを外側にも設けたもの
である。この形状の薄板状磁性体１８″を用いる
ことによつて巻線２５がコアハーフブロツク１６
や補強ブロツク２３の外側にはみ出すことがなく
なるものである。

上述の各実施例の構成によつても第２図Ｇに示
す複合磁気ヘツドと同様の効果を得ることは云う
までもない。

また製造面を考えると、ギヤツプ突合せ面とし
て薄板状磁性体の側面を利用するため、ラツプ加
工及び突合せが容易に行うことができる。更に薄
板状磁性体はエツチングまたはプレス加工等で所
定の形状に加工できるので、従来のブロツク状磁
性体の加工に比べ、形状加工に要する手間をも省
くことができる。

＜効果の説明＞ 以上説明した如く、本願発明によれば磁気ギヤ
ツプをほぼ一直線上に並べた第１及び第２の磁気
ヘツドコアを有する複合磁気ヘツドの両ヘツドコ
ア間のクロストークを小さくでき、磁気ギヤツプ
を容易に一直線上に並べ得かつ製造上の手間をも
省くことができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の一般的なインラインヘツドの構
造を示す図、第２図Ａ〜Ｇは本願発明の一実施例
としてのインラインヘツドの製造工程を示す図、
第３図及び第４図はコアハーフブロツクの構成の
他の実施例を示す図、第５図は補強板の構造の他
の実施例を示す図、第６図はコアハーフブロツク
及び薄板状磁性体の他の実施例を示す図、第７図
は薄板状磁性体の更に他の実施例を示す図、第８
図Ａ，Ｂは薄板状磁性体の更に他の実施例を示す
図である。 １１ａ，１１ｂ，１１，１１′は夫々磁性部材、
１２，１２′，１２″は夫々シールド部材、１６は
コアハーフブロツク、１８，１８′，１８″，１８
は夫々薄板状磁性部材、１９はギヤツプ部材、２
３は補強部材としての補強ブロツクである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 磁気ギヤツプがほぼ一直線上にある第１及び
   第２の磁気ヘツドコアを有する複合磁気ヘツドで
   あつて、 前記第１及び第２の磁気ヘツドコアの一方のコ
   アハーフを形成する磁性部材を含むコアハーフブ
   ロツクと、 前記磁性部材の長手方向に対して略垂直な前記
   ブロツクの断面に配された磁気ギヤツプ部材と、 夫々が前記ブロツクの断面に沿つて配され、該
   ブロツクと前記磁気ギヤツプ部材を挟んで対向
   し、前記第１及び第２の磁気ヘツドコアの他方の
   コアハーフを形成する第１及び第２の薄板状磁性
   部材を具える複合磁気ヘツド。 ２ 更に前記ブロツクと共に前記磁気ギヤツプ部
   材及び前記第１及び第２の薄板状磁性部材を挟む
   位置に配された補強部材を含む特許請求の範囲第
   １項記載の複合磁気ヘツド。