JPH0567270U - 動物捕獲装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】動物に警戒されずに捕獲できるようにする。 【構成】入口孔１４を有する正面板１２を木又はダンボ
ール紙で形成する。箱１０の内部に遮断板２１を上下方
向に回動自在に取り付け、遮断板２１にロック機構２２
を設けておく。箱１０の奥端に餌箱３０を設置する。餌
箱３０の手前に柵４０を箱１０の奥行き方向へ移動可能
に設ける。柵４０と一体化されたアーム５０の基端を遮
断板２１に対するストッパ５２とし、天板１１ａと平行
な姿勢にした遮断板２１の掛止部２５に引っ掛けること
により、遮断板２１の水平姿勢を維持する。箱１０の中
に侵入した鼠が餌Ａを求めて柵４０を押し動かすと、ス
トッパ５２と掛止部２５との係合が解除され、遮断板２
１は下方に回転して筒体１１を塞ぐ。又、ロックシャフ
ト２７が下がってきて、その先端２７ａがロック孔１１
ｅに入る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、鼠等の動物を捕獲する装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

所謂、鼠取り器には種々の構造のものがある。例えば、篭状の箱の中に餌を用 意しておき、鼠が中に入って餌を食べようとすると、箱の入口が塞がるようにな っているものや、板の上の餌を食べようとすると、板の上に設置されていた棒が スプリングの力で飛んできて、この棒と板との間に鼠を挟み込み捕獲するように したものは、広く知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、これら従来の鼠取り器は、箱が篭状になっていて内部が透けて 見えていたり棒が露出しているため鼠に警戒され、思った程の効果が得られなか った。 又、棒で押え込む構造のものは、ペットとして飼っている犬や猫の足を挟むと いう事故を起こす可能性があった。 尚、鼠取り器とは別に殺鼠剤を撒いて駆除する方法もあるが、殺鼠剤特有の臭 いに警戒して鼠が寄り付かなかった。特に、飽食の時代と言われる現代では、他 にいくらでも鼠の好物の食べ残し等があり、なおさら殺鼠剤から遠ざかる傾向に ある。 この考案は上述従来の技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的と するところは、鼠等の動物を警戒されずに捕獲することができる動物捕獲装置を 提供しようとするところにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案は上述目的を達成するためになされたもので、その要旨は、次の２つ の動物捕獲装置にある。 (１)(イ)捕獲対象の動物を収容できる内容積を有し、この動物が侵入可能な大き さの入口孔が設けられた箱と、(ロ)上記入口孔を開閉すべく上記箱に傾転可能に 設置され、閉じる方向へ付勢されている遮断部材と、(ハ)付勢力に抗して開状態 にされた上記遮断部材に係合し、これを開状態に維持するストッパと、(ニ)上記 箱の中の動物の通路に設けられ、上記ストッパに連繋されていて、箱の中に侵入 した動物が奥へ移動する際に押動されて、ストッパを上記遮断部材との係合から 解除せしめるリリーサ、とを具備することを特徴とする動物捕獲装置。 (２)上記箱が不透明な材料からなり、外から内部が視覚不能な構造にされている ことを特徴とする上記(１)に記載の動物捕獲装置。

【０００５】

【作用】

初めに、遮断部材を付勢力に抗して開状態にし、ストッパを係合させて、入口 孔を開放しておき、動物が箱の中に侵入できるようにしておく。鼠等の動物は入 口孔から箱の中に入り、例えば餌を取りに箱の奥へ移動する。その際に、動物は リリーサを押動する。その結果、ストッパと遮断部材との係合が解除され、遮断 部材が付勢力によって閉じ方向に動き、入口孔が閉じられる。したがって、動物 は逃げ道を失う。 外から内部を視覚不能にしておくと、動物に警戒されることがない。

【０００６】

【実施例】

以下、この考案の実施例を図１から図６の図面に基づいて説明する。 図１(Ａ)は第１実施例における鼠捕獲箱(動物捕獲装置)１の縦断面図である。 鼠捕獲箱１は、矩形断面の筒体１１と、筒体１１の前端に固定された正面板１２ と、筒体１１の後端に開閉可能に取り付けられた背板１３とからなる直方体形状 の箱１０を有している。筒体１１と背板１３はプラスチックや金属等、鼠がかじ り切ることができない硬質な材料で形成されている。一方、正面板１２は木又は ダンボール紙等の鼠が好む材料で形成されており、その中央には鼠が侵入するの に充分な大きさの入口孔１４が開いている。

【０００７】 図２は上記筒体１１の天板１１ａを除去した状態を示す鼠捕獲箱１の平面図( 即ち、横断面図)であり、図３は図１のIIIーIII断面図である。箱１０の内部で あって正面板１２の近傍には遮断装置２０が設けられている。遮断装置２０は、 入口孔１４から箱１０の中に侵入した鼠を逃がさないように、筒体１１の入口孔 １４近傍を塞ぐためのものであり、筒体１１の両側板１１ｂ，１１ｃに回動自在 に支持された遮断板(遮断部材)２１と、ロック機構２２とから構成されている。

【０００８】 遮断板２１は、プラスチックや金属等、鼠がかじり切ることができない硬質な 材料で形成されており、シャフト部２３と、このシャフト部２３から互いに離反 する方向へ延びる平板部２４と掛止部２５とから構成されている。平板部２４及 び掛止部２５と筒体１１の側板１１ｂ，１１ｃとの間には若干の隙間が開いてい るが、その隙間寸法は鼠が通過できないように設定されている。又、図１(Ｂ)に 示すように、平板部２４が鉛直方向に起立する姿勢となったときに、平板部２４ と筒体１１の底板１１ｄとの間、及び、掛止部２５と筒体１１の天板１１ａとの 間に若干の隙間が開くようになっているが、これら隙間の寸法も鼠が通過できな いように設定されている。

【０００９】 上記遮断板２１は、上記起立姿勢から正面板１２に接近する方向へ回動して、 図１(Ａ)の如く水平姿勢を採ることができるようになっているが、上記起立姿勢 よりも箱１０の奥方向へは、筒体１１に固定されたストッパ１５によって回動を 規制されている。そして、この遮断板２１が筒体１１を塞ぐと、入口孔１４が実 質的に塞がれることとなる。

【００１０】 ロック機構２２は上記遮断板２１の平板部２４の下部中央に設けられている。 ロック機構２２は、断面コ字形のサポート２６と、ロックシャフト２７とから構 成されている。ロックシャフト２７はサポート２６を挿通し軸線方向に移動可能 に支持されている。ロックシャフト２７には、その上端に錘２７ａが設けられ、 その途中に抜け止めピン２７ｂが設けられている。抜け止めピン２７ｂは、サポ ート２６の上部に突き当たってロックシャフト２７がサポート２６から抜けるの を防止するものである。このロックシャフト２７は遮断板２１が起立姿勢になっ た時に下方へ移動し、図１(Ｂ)に示すように、先端２７ｃが筒体１１の底板１１ ｄに設けられたロック孔１１ｅに差し込まれるようになっており、この状態にな ると、ロックシャフト２７を持ち上げて先端２７ｃをロック孔１１ｅから引き抜 かない限り、遮断板２１を上方に回転することはできない。

【００１１】 一方、箱１０の奥端部には餌箱３０が設置されており、背板１３を開けること によって餌箱３０に餌Ａを入れることができるようになっている。

【００１２】 又、箱１０の内部には、上記餌箱３０の手前側に柵(リリーサ)４０が筒体１１ の底板１１ｄに対して起立する姿勢に配されている。図４は柵４０を背板１３側 から見た図である。柵４０は棒鋼から形成されており、略Ｕ字形の枠棒４１に複 数の横棒４２が固定されて構成されている。筒体１１と柵４０との間の隙間、及 び柵４０の各部材間の隙間は、鼠が通過することができないように寸法設定され ている。

【００１３】 上記柵４０は、筒体１１の側板１１ｂの脇に配された奥行き方向へ延びるアー ム５０によって支持されている。筒体１１の側板１１ｂには、箱１０の奥行き方 向所定間隔おきに、複数の支持ローラ５１が回動自在に設けられており、アーム ５０はこれら支持ローラ５１の上側、下側に順次通され、これによって、奥行き 方向へ移動可能に支持されている。このアーム５０の先端に上記柵４０の枠棒４ １が固定されている。したがって、アーム５０と柵４０は一体となって箱１０の の内部を奥行き方向へ移動可能となる。

【００１４】 上記アーム５０の基端は前記遮断装置２０に対するストッパ５２となっている 。即ち、このストッパ５２は、図１(Ａ)の如く水平姿勢を採る遮断板２１の掛止 部２５に掛止して、遮断板２１が下方に回転するのを阻止する。 尚、箱１０において、ストッパ１５から柵４０の間の内部空間は少なくとも鼠 が１匹入るのに充分な大きさになっている。

【００１５】 ところで、この鼠捕獲箱１は鼠の習性を巧みに利用して捕えるようになってい る。鼠は夜行性で夜になると食べ物をあさる。そして、木箱やダンボール箱に野 菜等が入っていると、この木やダンボールを食い破って野菜等を食う。又、鼠は 巣造りのために木箱やダンボール箱の中に入り込み、その中にわらやビニール等 をためて巣を造ることが多い。このような場合、鼠は、一側面が完全に除去され た開放箱よりも、基本的には箱の全面が塞がれていて、どこかに手掛け孔のよう な適当な大きさの孔が開いている箱を好む習性がある。即ち、この鼠捕獲箱１は 鼠が非常に好む形態をなしている。

【００１６】 次に、この鼠捕獲箱１の作用について説明する。 初めに、鼠捕獲箱１の天地を逆にしてロックシャフト２７の先端２７ｃをロッ ク孔１１ｅから抜き出し、更に遮断板２１を回転して水平姿勢にする。次に、箱 １０の背板１３を開け、柵４０を正面板１２側へ押し込み、アーム５０のストッ パ５２を遮断板２１の掛止部２５に引っ掛ける。この後、柵４０が動かないよう に注意しながら、鼠捕獲箱１の天地を正しく戻す。この状態においては、アーム ５０のストッパ５２が遮断板２１の掛止部２５に掛止しているので、遮断板２１ は図１(Ａ)に示すように水平姿勢に維持される。

【００１７】 そして、餌箱３０に鼠の好む餌(例えば、じゃが芋等)Ａをばらまき、背板１３ を閉めて、この鼠捕獲箱１を鼠が出没しそうな場所に設置する。鼠捕獲箱１は内 部が見えない構造になっているので、鼠から警戒されることがない。しかも、正 面板１２が木又はダンボール紙で形成されているので、普通の木箱やダンボール 箱のように鼠を騙すことができる。

【００１８】 餌箱３０の餌Ａから発する臭いは、箱１０の入口孔１４から外部へ漂う。この 臭いに誘われて鼠は鼠捕獲箱１に引き寄せられ、入口孔１４から箱１０の中に侵 入する。尚、正面板１２が木又はダンボール紙で形成されているので、侵入しよ うとした鼠にとって入口孔１４が小さい場合には、鼠は入口孔１４の周りを食い 破って中に侵入することができる。箱１０の中に侵入した鼠は、遮断装置２０の 下を通って餌箱３０へと接近していく。餌箱３０の手前には柵４０があるので、 餌Ａを取るために鼠は柵４０の間に鼻先を突っ込んで、柵４０を押しながら前進 する。

【００１９】 アーム５０は柵４０と一体となって動き、アーム５０の基端に設けられたスト ッパ５２と遮断板２１の掛止部２５との係合が解除される。すると、遮断板２１ が下方に傾転して図１(Ｂ)の如く起立姿勢になって箱１０の入口孔１４側を塞ぎ 、これと同時に、ロックシャフト２７が下がってきてその先端２７ｃが箱１０の ロック孔１１ｅに差し込まれる。その結果、鼠は箱１０の筒体１１と遮断板２１ と柵４０とで囲まれた空間に閉じ込められる。

【００２０】 前述したように、遮断板２１を回転して開けるためには、ロックシャフト２７ を持ち上げて先端２７ｃをロック孔１１ｅから引き抜かなければならないが、鼠 にはこれができない。又、筒体１１、遮断板２１、及び柵４０はいずれも鼠がか じり切ることができない硬質の材料で形成されているので、鼠は絶対に逃げられ なくなる。 このようにして、鼠に警戒されることなく捕獲することができる。この鼠捕獲 箱１の場合には、危険な仕掛けが露出することもないので、猫等のペットを誤っ て傷つけることもなく、非常に安全である。

【００２１】 尚、上記実施例において、遮断板２１の回動支点を正面板１２に接近した位置 にし、遮断板２１を正面板１２から離間する方向へ回動可能にし、上方に回転し て水平姿勢にした遮断板２１の下端部をストッパ５２の上に引っ掛けて、遮断板 ２１の水平姿勢を維持するようにしてもよい。 又、遮断装置２０のロック機構を次のように構成してもよい。ストッパ１５に 強力な磁石を固定し、遮断板２１においてストッパ１５に突き当たる部分に鉄板 等を固定して、磁力によって遮断板２１を開動作不能にする。

【００２２】 図５及び図６は鼠捕獲箱１の第２実施例を示すものであり、図５は遮断装置２ ０周りの縦断面図、図６は同横断面図である。上述第１実施例と同一態様部分に は同一符号を付して説明を省略し、相違点についてだけ説明する。

【００２３】 第１実施例の遮断板２１は上下方向に回転するようになっていたが、この第２ 実施例の遮断板２１は水平方向に回転するようになっている。即ち、遮断板２１ のシャフト部２３は正面板１２に接近して配置され、筒体１１の天板１１ａと底 板１１ｄに回動自在に支持されており、遮断板２１は図６に示すように正面板１ ２に対して接近離反するように水平に回転する。遮断板２１が正面板１２と平行 に位置すると筒体１１は塞がれ、側板１１ｂと平行に位置すると筒体１１は開放 される。

【００２４】 この遮断板２１は、シャフト部２３に取り付けられたスプリング２８によって 、正面板１２に接近する方向へ付勢されている。遮断板２１をこのスプリング２ ８の力に抗して回転し側板１１ｂと平行な姿勢にして、遮断板２１の端部にアー ム５０のストッパ５２を掛止することによって、遮断板２１は開状態に維持され る。アーム５０が動いて、ストッパ５２と遮断板２１との係合が解除されると、 遮断板２１はスプリング２８によって回転せしめられ、筒体１１に設けられたス トッパ１５に突き当たって停止する。この実施例の場合には、ロック機構がなく ても、箱１０の中の鼠によって遮断板２１が押し開けられることはない。

【００２５】 この考案は上述実施例に制約されず種々の態様が採用可能である。例えば、遮 断部材を両開き式(いわゆる観音開き)にしてもよい。 又、箱の表面に木やダンボール紙を接合して、鼠に警戒されないようにしても よいし、箱を、カモフラージュ用の木箱又はダンボール箱で覆ってもよい。 動物捕獲装置は直方体形状に限るものではなく、円筒状等、種々の形状が採用 可能である。 更に、捕獲対象は鼠に限らないことは勿論である。

【００２６】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案によれば、警戒されずに動物を捕獲することが でき、しかも捕獲した動物を逃がさないようにすることができるという優れた効 果が奏される。又、危険な仕掛けが露出していないので安全性に優れている。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る動物捕獲装置の第１実施例にお
ける縦断面図であり、(Ａ)は開放状態を示し、(Ｂ)は遮
断部材によって入口孔が閉じられた状態を示している。

【図２】同、横断面図である。

【図３】図１III−III断面図である。

【図４】柵(リリーサ)の正面図である。

【図５】動物捕獲装置の第２実施例における遮断装置周
りの縦断面図である。

【図６】同、横断面図である。

【符号の説明】

１ 鼠捕獲箱(動物捕獲装置) １０ 箱 １４ 入口孔 ２１ 遮断板(遮断部材) ４０ 柵(リリーサ) ５２ ストッパ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】(イ)捕獲対象の動物を収容できる内容積を
   有し、この動物が侵入可能な大きさの入口孔が設けられ
   た箱と、 (ロ)上記入口孔を開閉すべく上記箱に傾転可能に設置さ
   れ、閉じる方向へ付勢されている遮断部材と、 (ハ)付勢力に抗して開状態にされた上記遮断部材に係合
   し、これを開状態に維持するストッパと、 (ニ)上記箱の中の動物の通路に設けられ、上記ストッパ
   に連繋されていて、箱の中に侵入した動物が奥へ移動す
   る際に押動されて、ストッパを上記遮断部材との係合か
   ら解除せしめるリリーサ、 とを具備することを特徴とする動物捕獲装置。
2. 【請求項２】 上記箱が不透明な材料からなり、外から
   内部が視覚不能な構造にされていることを特徴とする請
   求項１に記載の動物捕獲装置。