JPH0566979B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、受圧ダイヤフラムの裏面に被測定圧
力流体の圧力が印加される裏面加圧型の半導体圧
力センサに関するものである。

［従来の技術］ 従来の裏面加圧型の半導体圧力センサとして
は、例えば第２図に示すように、シリコン板の裏
面中央に凹陥部１を削成して中央部に受圧ダイヤ
フラム２を形成し、このダイヤフラム２の裏面に
拡散法によりゲージ部となる４個の抵抗素子から
なるセンサ回路を形成した浅型キヤツプ状の圧力
センサチツプ３をステム兼用の台座４上に接着固
定したものがある。台座４には貫通状態に端子
５，５が植設されており、端子５，５の基端と抵
抗素子の端部の電極とは４個の抵抗素子がホイー
トストンブリツジを形成するようにリード線６に
より接続されている。台座４には導圧パイプ７が
設けられ、圧力センサチツプ３は導圧力パイプ７
の端部を覆うようにして台座４に接着されてい
る。また台座４にはハツト状のカバー８が固着さ
れている。この裏面加圧型の半導体圧力センサに
おいては、圧力センサチツプ３の裏面に圧力が印
加されるために、印加される圧力によつて圧力セ
ンサチツプ３が台座４から剥離するおそれがあ
り、10Kg／cm³以上の高圧測定用としては不向きで
あつた。

そこで第３図に示すように圧力センサチツプ３
の取付構造が提案された。なお第３図において、
第２図に示した従来の半導体圧力センサと同様の
部分には第２図に付した符号に10を加えた数の符
号を付してその説明を省略する。この従来の半導
体圧力センサでは、台座１４の中央部に圧力セン
サチツプ１３の外形よりも小形の通孔１９と凹陥
部２１とからなる貫通孔が形成されている。凹陥
部２１は通孔１９よりも径が大きく形成されてお
り、通孔１９と凹陥部２１との間には段部が形成
されており、この段部の面が下向き受面２０を形
成している。圧力センサチツプ１３は、受圧ダイ
ヤフラム１２の表面に設けたセンサ回路が通孔１
９内に露出するように凹陥部２１内に配置されて
いる。そして圧力センサチツプ１３は、受圧ダイ
ヤフラム１２の表面の外縁部分に設けた上向き接
合面２２を台座１４に形成した下向き受面２０に
ガラスバインダ等により接着して固定されてい
る。圧力センサチツプ１３の表面に形成されてい
るセンサ回路における電極と端子１５とはリード
線１６により接続されている。導圧パイプ１７が
一体に設けられた金属製カバー１８は、導圧パイ
プ１７が圧力センサチツプ１３の裏面に対応する
ように台座１４に接着されており、台座１４と金
属製カバー１８とは気密並びに液密に固着されて
いる。

［発明が解決しようとする課題］ 第３図に示した半導体圧力センサの構造では、
圧力センサチツプ１３の裏面に高圧が印加されて
も、圧力センサチツプ１３が台座１４から外れる
ことはない。しかしながら従来の半導体圧力セン
サの構造では、受圧ダイヤフラム１２の表面の外
縁部を接合面２２としているために、接着剤が硬
化する際に発生する機械的応力や、台座１４と圧
力センサチツプ１３の熱膨張係数の相違から接合
部に発生する機械的応力によつて、受圧ダイヤフ
ラム１２には比較的大きな歪みが発生する。この
様な歪みが受圧ダイヤフラム１２に発生すると、
測定精度が悪くなる問題が生じる。

本発明の目的は、測定精度を悪くするような大
きな歪みが受圧ダイヤフラム１２に発生すること
のない裏面加圧型の半導体圧力センサを提供する
ことにある。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、一端側が導圧通路と連通し且つ途中
に受面を形成する段部を備えた貫通孔を有する台
座と、半導体製の受圧ダイヤフラムの表面上にセ
ンサ回路を備え且つ台座の受面に接着剤で接合さ
れる接合面を有して、受圧ダイヤフラムの裏面が
導圧通路側に向くように貫通孔内に配置された圧
力センサチツプとを具備してなる半導体圧力セン
サを改良の対象とする。本発明では、筒状部の一
端に受圧ダイヤフラムを有し且つ筒状部の他端に
外側に向かつて延びるフランジ部を有する一体成
形された圧力センサチツプを用いる。そしてフラ
ンジ部の受圧ダイヤフラム側の側面を、台座の受
面に接合される接合面とする。

［作用］ フランジ部を台座に接合すると、圧力センサチ
ツプの裏面に高圧が印加されても、圧力センサチ
ツプが台座から簡単に外れるのを防止できる。フ
ランジ部は筒状部の他端側に設けられているた
め、フランジ部の接合面を台座の受面に接合した
場合、接着材の硬化時に発生する機械的応力が受
圧ダイヤフラムに直接的に伝達されることはな
い。また熱膨張係数の相違に基く機械的応力が接
合部に発生しても、この機械的応力も受圧ダイヤ
フラムに直接的に伝達されることはない。従つて
本発明によれば、圧力センサチツプを台座に接合
しても受圧ダイヤフラムに大きな歪みが発生する
ことはなく、測定精度の低下を防止できる。

［実施例］ 以下、本発明の半導体圧力センサの実施例につ
いて詳細に説明する。

第１図は、本発明の半導体圧力センサの要部、
すなわちセラミツク製の台座１４に対する圧力セ
ンサチツプ３３の取付状態を示している。本実施
例で用いる圧力センサチツプ３３は、シリコン板
の裏面中央に凹陥部３１を削成し且つシリコン板
の表面外周部に段部３４を削成して一体成形され
ている。圧力センサチツプ３３は、筒状部３５の
一端に受圧ダイヤフラム３２を一体に有し筒状部
３５の他端にフランジ部３６を一体に有する構造
になつている。筒状部３５の形状寸法は、台座１
４に設けた通孔１９内に筒状部３５が嵌合される
ように定められており、フランジ部３６の形状寸
法は、フランジ部３６の受圧ダイヤフラム３２側
の側面が台座１４に形成された受面２０に接合さ
れる段状の上向き接合面３７を構成するように定
められている。

なお従来と同様に圧力ダイヤフラム３２の表面
には、拡散法により４個の抵抗素子からなるセン
サ回路が形成されている。圧力センサチツプ３３
の表面に形成されたセンサ回路の電極と台座１４
に固定した図示しない端子は、リード線により接
続される。なおリード線のボンデイング作業は圧
力センサチツプ３３を台座１４に接着した後にお
いても容易に実施することができる。

圧力センサチツプ３３が固定される台座１４の
構造は、第３図に示した従来の半導体圧力センサ
の台座の構造と同じであり、台座１４に形成した
凹陥部２１が図示しない導圧パイプ（導圧通路）
と連通している。

圧力センサチツプ３３は、筒状部３５を台座１
４の通孔１９に嵌合し、フランジ部３６に設けた
接合面３７を台座１４の受面２０にガラスバイン
ダ等により接着して台座１４に固定される。本実
施例では、固定された状態で、圧力センサチツプ
３３の受圧ダイヤフラム３２の表面が台座１４の
表面とほぼ一致している。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明によれば、フラン
ジ部を台座に接合するため、圧力センサチツプの
裏面に高圧が印加されても、圧力センサチツプが
台座から簡単に外れるのを防止できる。特に本発
明のように、受圧ダイヤフラムから離れた位置に
あるフランジ部の接合面を台座の受面に接合する
と、接着剤の硬化時に発生する機械的応力が受圧
ダイヤフラムに直接的に伝達されることはなく、
また熱膨張係数の相違に基く機械的応力が接合部
に発生してもこの機械的応力も受圧ダイヤフラム
に直接的に伝達されることがないため、圧力セン
サチツプを台座に接合しても受圧ダイヤフラムに
大きな歪みが発生することはなく、測定精度の低
下を防止できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例の要部の構造を示す断
面図であり、第２図及び第３図は従来の半導体圧
力センサの構造を概略的に示す断面図である。 １，１１，３１……凹陥部、２，１２，３２…
…受圧ダイヤフラム、３，１３，３３……圧力セ
ンサチツプ、４，１４……台座、５，１５……端
子、６，１６……リード線、７，１７……導圧パ
イプ、８，１８……カバー、９，１９……通孔、
２０……受面、２１……凹陥部、２２，３７……
接合面、３５……筒状部、３６……フランジ部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一端側が導圧通路と連通し且つ途中に受面を
   形成する段部を備えた貫通孔を有する台座と、 半導体製の受圧ダイヤフラムの表面上にセンサ
   回路を備え且つ前記受面に接着剤で接合される接
   合面を有して、前記受圧ダイヤフラムの裏面が前
   記導圧通路側に向くように前記貫通孔内に配置さ
   れた圧力センサチツプとを具備してなる半導体圧
   力センサにおいて、 前記圧力センサチツプは筒状部の一端に前記受
   圧ダイヤフラムを有し且つ前記筒状部の他端に外
   側に向かつて延びるフランジ部を有して一体成形
   されており、 前記フランジ部の前記受圧ダイヤフラム側の側
   面が前記接合面を構成していることを特徴とする
   半導体圧力センサ。