JPH0557232B2 - - Google Patents

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JPH0557232B2
JPH0557232B2 JP19388886A JP19388886A JPH0557232B2 JP H0557232 B2 JPH0557232 B2 JP H0557232B2 JP 19388886 A JP19388886 A JP 19388886A JP 19388886 A JP19388886 A JP 19388886A JP H0557232 B2 JPH0557232 B2 JP H0557232B2
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acrylic
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Takao Takemoto
Takeshi Myazawa
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
(イ) 発明の目的 「産業上の利用分野」 本発明は建築物や構造物に広く用いられている
コンクリートの保護方法に関するものであつて、
特に最近問題視されているアルカリ骨材反応によ
るコンクリートの劣化、さらにそれに起因すると
されているコンクリートの異常亀裂を防止するコ
ンクリートの保護方法に関するものであつて、ア
ルカリ骨材反応の恐れのあるコンクリートや既に
アルカリ骨材反応が進行しているコンクリートの
保護に特に有効なものであり、土木建築業界で広
く利用し得るものである。 「従来の技術」 建築物や構造物にはコンクリートが大量に使用
されており、そのコンクリートに骨材は不可欠な
ものであるが、近年良質なコンクリート用骨材資
源の枯渇により、コンクリート用骨材として砕石
や海砂が頻繁に使用されるようになつてきてい
る。 しかしながらある種の砕石にはセメントに含ま
れるルカリや海砂の使用により持ち込まれたアル
カリと水の存在下に化学反応、いわゆるアルカリ
骨材反応と呼ばれる膨張反応を起こし、コンクリ
ートに異常な亀裂を発生させるものがある。 アルカリ骨材反応としては、アルカリシリカ反
応、アルカリシリケート反応、アルカリ炭酸塩反
応の3種のタイプが知られており、このうち現在
コンクリートにおいて問題となつているものは主
にアルカリシリカ反応と呼ばれるものである。 アルカリシリカ反応を発生させる可能性のある
鉱物として、ASTM C33ではたん白石、玉ずい、
りん珪石、クリストバライトやある種の火山岩、
沸石、千枚岩等をあげている。 アルカリシリカ反応とは前記した鉱物を含有し
た骨材がナトリウム、カリウム等の一価のアルカ
リ金属と反応して硅酸アルカリを生成し、これが
吸収膨張する現象として知られている。 又アルカリシリカケート反応やアルカリ炭酸塩
反応も反応の形態は異るが、いずれも、反応性骨
材、アルカリ、水の作用による膨張反応である。 アルカリ骨材反応を防止するためにコンクリー
ト中のアルカリ分を減少させることや非反応性の
骨材を使用することが提案されているが、それだ
けでは防止対策として充分ではない。その理由を
以下に列記する。 アルカリ骨杵反応の恐れがある既設構造物
や、すでにアルカリ骨材反応が進行している構
造物に対する対策ではない。 反応性、非反応性の判定に用いられている、
モルタルバーによる方法やその他の化学的方法
が、コンクリート中での骨材の挙動を正確に把
握できる方法になつていない。 現在の骨材事情では砕石や海砂の使用は不可
避であること、セメント中の一価アルカリを減
少させることは、技術的、経済的に限界がある
こと、海岸地帯では外部からの塩分の浸入があ
りうること等の理由により、コンクリート中の
アルカリ量を問題にならない程度まで低下させ
ることは殆んど不可能である。従つて、コンク
リートにおけるアルカリ骨材反応を防止してコ
ンクリートを保護する方法、特に既に打設した
コンクリートを保護する適切の方法が現在強く
求められている。 その方法の一つとして各種の塗装材をコンクリ
ートに塗布してコンクリート中への水の浸入を防
止して、アルカリ骨材反応の進行を抑制する方法
が検討されているが、良好な塗装材はまだ見い出
されていないのが現状である。 すなわち、塗装材料としてエポキシ樹脂やポリ
エステル等の熱硬化性樹脂を用いた場合は、剛直
で可撓性がないため構造体のわずかな動きに対し
ても追従性できず、割れや剥離が発生し易く、ウ
レタンやブタジエン、クロロプレン等の合成ゴム
は弾力性はあるが耐候性に乏しいためいずれも短
期に劣化を起し、防水機能が低下するという問題
点を有している。また前記した塗装材料は水蒸気
透過性が低いため、塗装前にコンクリートに内在
した水や、ひびや、塗り残し等の防水欠陥部より
浸入した水が封じ込められ、アルカリ骨材反応を
助長するという問題点も有している。 すなわち、上記の様な不透湿性の塗膜でコンク
リートの表面を被覆する場合、コンクリートで作
られた土木、建築構造物の表面をそれらの被覆で
すべて覆うことは事実上不可能に近く、地中から
の浸入や結露等によつて一定の水の浸入は避けら
れず、水分はコンクリート内部に蓄積することが
多く、この様な場合、不透湿性の塗膜はコンクリ
ートに害を与えることはあつても、何ら効果的な
役割りをはたさない。 一方、合成樹脂を有機溶剤に溶解したタイプ
の、いわゆるラツカー型塗料には薄塗り状態で一
定の水蒸気透過性を有するものもあるが、その様
な薄塗りでは、防水性能が不充分であると同時
に、コンクリートの亀裂に対する追従性能も劣る
という問題点を有している。 これに対して、アクリル樹脂エマルジヨン、エ
チレン酢ビエマルジヨン、酢酸ビニルエマルジヨ
等等の合成樹脂エマルジヨン被覆は透湿性を保有
しているが、吸水性があるため長時間水と接触す
ると、水の浸入を許すという問題点を有してい
る。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明者等は上記問題点を解消し、コンクリー
トへの水の浸入を防止し、かつ内部に滞留した水
は速やかに放出し、アルカリ骨材反応によるコン
クリートの膨張破壊を防止しかつ長期に渡り良好
にその機能を維持する塗装材を求めるべく種々検
討して本発明を完成したものであり、本発明は優
れたコンクリートの保護方法を求めてなされたも
のである。 (ロ) 発明の構成 「問題点を解決するための手段」 本発明は、コンクリートの保護方法、特にコン
クリートで発生するアルカリ骨材反応を効率よく
防止する方法に関するものであつて、アルコキシ
シラン化合物をコンクリートの表面に塗布後さら
にガラス転移温度10℃以下のアクリル樹脂の水性
分散体を塗布することを特徴とするコンクリート
の保護方法に関するものである。 Γアルコキシシラン化合物 本発明におけるアルコキシシラン化合物とは
一般的に下記示性式で示される化合物である。 R4-o−Si(OR′)o 本発明にとり好ましいアルコキシシラン化合
物としてはR′が1〜4個の炭素原子を有する
アルキル基又はオキシアルキル基であり、Rが
任意のアルキル基、アルキレン基、アリール
基、シクロアルキル基でnが2〜3の整数であ
るものである。 本発明にとりさらに好ましいアルコキシシラ
ン化合物としてはR′が1〜4個の炭素原子を
有するアルキル基、特にはメチル基又はエチル
基のものであり、Rが1〜17個の炭素原子を有
するアルキル基又はアルキレン基、特に好まし
くは3〜12個の炭素原子を有するアルキル基の
ものであり、nが3のものである。R′におい
て炭素原子の多いものは反応性が低下するよう
になるので避けるのが好ましくRにおいて炭素
原子の多いものは同じくシランの反応性が低下
するようになり、少いものは撥水性が低下する
ようになるのでやはり避けるのが好ましい。 アルコキシシラン呼号物の具体例としては下
記の様なものが挙げられる。 メチルトリメトキシシラン、メチルトリエト
キシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチ
ルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシ
シラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチル
トリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラ
ン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルト
リエトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラ
ン、ペンチルトリエトキシシラン、デシルトリ
メトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、
ステアリルトリメトキシシラン、ステアリルト
リエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキ
シシラン、フエニルトリメトキシシラン、ジメ
チルジメトキシシラン。 これらのアルコキシシラン化合物の中で特に
本発明にとり好ましいものは、n−プロピルト
リメトキシシラン、iso−プロピルトリメトキ
シシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、
iso−ブチルトリメチトキシシラン、tert−ブ
チルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメ
トキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン
である。 これらのアルコキシシラン化合物は本発明に
おいて有機溶剤に溶解させて溶液として使用す
るか、水に分散させた分散体として使用するの
が好ましい。 有機溶剤としては、ミネラルスピリツト、ナ
フサ、灯油等の炭化水素系溶剤、メタノール、
エタノール、イソプロピルアルコール等のアル
コール系溶剤、及びそれらと水の混合溶剤、ト
ルエン、キシレン等の芳香族系溶剤があげられ
る。 アルコキシシラン化合物の溶液又は分散体中
における濃度はコンクリーへの塗布量に応じて
定められ一様ではないが概ね1%以上であるこ
とが好ましく、より好ましくは5〜40%であ
る。濃度が1%未満の場合は防水機能を付与す
ることが困難である。又高濃度の場合は性能上
の問題はないが、主に経済的な観点から40%以
下程度が好ましい範囲である。 Γアクリル樹脂 本発明に於けるアクリル樹脂とは、アクリル
酸エステル及びメタクリル酸エステルの一種以
上を好ましくは20〜100%、より好ましくは40
〜100%、特に好ましくは70〜100%含む単量体
又は単量体混合物を通常の重合法により重合し
て得た重合体であり、一般的にアクリル系樹脂
と云われているものを総括的に含むものであ
る。 上記アクリル酸エステル及びメタクリル酸エ
ステルの具体例としては、アクリル酸及びメタ
クリル酸のメチル、エチル、n−プロピル、
iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、
sec−ブチル、n−アミル、iso−アミル、n−
ヘキシル、n−ヘプチル、オキソヘプチル、n
−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニ
ル、オキソノニル、n−デシル、オキソデシル
等のエステルがあげられる。 上記アクリル酸アルキルエステル以外にアク
リル樹脂を構成する単量体として用いられる単
量体にはアクリル酸エステル及びメタクリル酸
エステル共重合可能なビニル系単量体があり、
具体的にはアクリル酸又はメタクリル酸、エチ
レン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、アクリロニトリル、スチレン、ブタジエ
ン、アクリルアマイド、メチロールアクリルア
マイド、ビニルプロピオン酸エステル、イタコ
ン酸及びそのエステル、マレイン酸及びそのエ
ステル、クロトン酸及びエステル、メタクリロ
イルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロ
ライド等があげられる。 本発明に於いて用いられるアクリル樹脂の構
成単量体としてのアクリル酸エステル及びメタ
クリル酸エステルが20%未満では樹脂自体の耐
候性が低下する恐れがある。 又アクリル酸、メタクリル酸或いはその他の
単量体を共重合させることにより、塗膜の強靭
性を向上させ、塗膜のひび割れを生じ難くする
ことができる。 一方、アクリル酸、メタクリル酸或はその他
の単量体の配合量が余りにも多すぎると塗膜の
柔軟性が低下し、構造物の亀裂に対する追従性
が低下し防水機能が低下する傾向にあり、もち
ろん上記耐候性にも問題を生ずる。 本発明で用いられるアクリル樹脂はそのガラ
ス転移温度(以下Tg点と称す。)が10℃以下の
ものであり、Tg点とは無定形ポリマーの各種
性質が急変する温度で、この温度以下ではポリ
マーの無定形部分の分子セグメントの運動が凍
結されるような温度である。 本発明で用いられる樹脂のTg点を実際に測
定するには一例として種々の温度での熱膨張を
測定してそれぞれの温度に対して比容積をプロ
ツトし、得られた曲線で屈曲している点の温度
を求める一般的な方法が用いられる。 しかし、実際的には、個々の単独モノマーよ
り成る樹脂のTg点の値が知られている場合、
共重合樹脂のTg点の値は次の計算式によつて
求める事ができる。 1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+……+Wn/Tgn W1:成分1の重量分率。 W2:成分2の重量分率。 Wn:成分nの重量分率。 Tg1:成分1単独ポリマーのガラス転移温度
(〓) Tg2: 〃2 〃
(〓) Tgn:成分n 〃 (〓) ここでW1+W2+……+Wn=1である。 知られている主な単独樹脂のTg点をあげる
と(弧内は全てTg点)、ポリメチルアクリレー
ト(8℃)、ポリブチルアクリレート(−54
℃)、ポリ2−エチルヘキシルアクリレート
(−55℃)、ポリメチルメタクリレート(105℃)
ポリスチレ(100℃)ポリ酢酸ビニル(30℃)
ポリメタクリル酸(130℃)等である。 次に共重合樹脂のTg点の計算例を示すと、
ブチルアクリレート70重量部(以下部と略す)
スチレン30部の共重合樹脂のTg点は上式より
求めると−23℃となる。 以上、Tg点の求め方について説明したが、
本発明に於けるアクリル樹脂のTg点は上記の
式およびTg点(記載のないものは丸善(株)発行
の化学便覧等を参照)から決められるものであ
る。 本発明においてTg点が10℃以下の柔軟な樹
脂を使用する理由は、コンクリート構造物の振
動、温度差による膨張、収縮、及び下地亀裂に
対する追従性を塗膜に与るためである。 もしTg点が10℃を越える硬い樹脂を用いる
と、構造物の振動、膨張収縮、亀裂等により塗
膜に亀裂が発生し、防水性を失うこととなる。 Tg点が10℃以下のアクリル樹脂は前記した
様なアクリル酸エステル及びメタアクリル酸エ
ステル重合して得られるものであるが、本発明
に用いられるアクリル樹脂としては炭素数が3
ないし10、より好ましくは4ないし9のアルキ
ル基を有するアクリル酸アルキルエステルを重
合して得られるものが好ましい。 炭素数3未満のものを用いたときは塗膜の耐
水性、柔軟性に問題点が生じる恐れがあり炭素
数10を越えるものを用いるときは塗膜の強度に
問題が生じる恐れがある。 本発明に於いてはアクリル樹脂を水性媒体中
に分散させた水性分散体を用いるのであるが、
水性分散体としては、通常公知の乳化剤を用い
る常法の乳化重合により前記単量体を重合して
得られるエマルジヨンが好ましく、また得られ
るエマルジヨンの固形分濃度が30〜70%である
のが好ましい。もちろん、ソープレスエマルジ
ヨン、ハイドロゾルエマルジヨン等も適用し得
る。 本発明におけるアクリル樹脂の水性分散体に
骨剤、短繊維、粘着剤、界面活性剤、粘度安定
剤、消泡剤などを配合したもの本発明において
用いることも可能である。 用いられる骨材としては、例えば、タルク、
マイカ、酸性白土、ケイ藻土、カオリン、石
英、硅砂、寒水砂、鉄粉、フライアツシユ、サ
チン、ホワイト、酸化チタン、フエライト、リ
トボン、バライタ、木粉、ジルコニア、バーラ
イト、ひる石、シラスバルーン、カーボンブラ
ツク、ベントナイト、炭酸カルシウム、ホワイ
トカーボンなど及び各種ポルトランドセメン
ト、高炉セメント、アルミナセメントのどなセ
メント類である。 又、短繊維としては無機繊維状物、天然繊維
又は合成繊維を用いら事ができ、具体例として
は、石綿、岩綿、グラスウール、スラグウー
ル、パルプ、ポリエチレン繊維、ポリ塩化ビニ
ル繊維、ビニロン繊維、ナイロン繊維、アクリ
ル繊維、ポリエステル繊維、木綿、麻などが用
いられる。増粘剤としては、メチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース等の変性セル
ロース、多糖類、ポリエチレンオキサイド、ポ
リビニルアルコール、水溶性ポリアクリル酸塩
類、ポリアクリルアミド、アルカリ増粘型ポリ
アクルレートなどが用いられる。 界面活性剤は、骨材の分散性を良好ならしめ
る為に用いられるものであるが、かかる界面活
性剤としては、例えばポリオキシエチレンのア
ルキル、アルキルフエノールなどのエーテル
類、ポリオキシチレンのソルビタン脂肪酸など
のエステル、オキシエチレン−オキシプロピレ
ンブロツクポリマーなどがあげられる。 粘度安定剤としては、例えばリグニンスルホ
ン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ト
リポリリン酸などのソーダ、カリ、アンモニウ
ム塩などが用いられる。 又、消泡剤としては、オクチルアルコール、
カプリルアルコール、ラウリルアルコール、シ
クロヘキサノールなどである。 Γ施工方法 アルコキシシラン化合物は対象となるコンク
リート表面にハケ、ローラー、エアレススプレ
ー等の常法の塗装方法により塗布される。 アルコキシシラン化合物の塗布量は0.05〜
2.0Kg/m2の範囲を1回もしくは数回に分けて
塗り重ねられる。好ましい塗布量の範囲は0.2
〜1.0Kg/m2である。塗布量が0.05Kg/m2未満
の場合は有効な防水機能が得にくく、2.0Kg/
m2を越る場合は、施工に長時間を要する上に、
塗布量に対応した程の効果の向上は得られにく
い。 本発明はアルコキシシラン化合物の塗布に引
き続き、好ましくは5時間以上の間隔をおいて
アクリル樹脂の水性分散体を塗り重ねる。塗装
間隔としては好ましくは1日以上とることであ
る。塗装間隔が5時間未満の場合は、アルコキ
シシラン及び又は溶剤がアクリル樹脂の成膜に
悪影響を与え耐候性を低下させる恐れがある。 アクリル樹脂の水性分散体の塗布方法として
は、ハケ、ローラー、スプレー塗り等の常法の
方法が使用できる。 塗布量は樹脂量として0.2Kg/m2から3.0Kg/
m2の範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜2.0
Kg/m2である。塗布量が0.2Kg/m2未満の場合
は、亀裂に対する追従性の低下や、塗装ムラの
ために防水欠陥が生じる可能性が高い。塗布量
が3.0Kg/m2を越える場合は、乾燥成膜速度が
低下することや、塗布量の増加に対応したほど
の、亀裂追従効果の向上は得られず好ましくな
い。 Γその他の使用材料 本発明方法に付け加えるに、本発明の効果を
著しく低下させない範囲において、各種材料を
複合して使用することが可能であり、好ましい
場合が多い。 例えば、アルコキシシラン化合物とアクリル
樹脂の間に、接着仲介層をもうけること可能で
ある。接着仲介層はアクリル樹脂の付着性向上
に寄与するものであつて、用いられるものの一
例として、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプ
ロピレン、塩化ビニリデン等の塩素系オレフイ
ン樹脂があげられる。 又、アクリル樹脂の表面に保護塗装すること
も可能であり、アクリル樹脂の耐候性向上や汚
染防止に効果的である。 保護材の例として、溶剤系のアクリル塗料や
アクリルウレタン塗料を薄く塗布する例、水性
エマルジヨン塗料を塗布する例、ポリマーセメ
ントモルタルを塗布する例があげられる。 「作用」 本発明方法において用いられるアルコキシシラ
ン化合物は低分子化合物であるため、コンクリー
ト組織深く浸透し、その後コンクリート中のシラ
ノール(Si−OH)と化学的に結合して、コン
クリートの親水的な性質を疎水性に変化させる。
又、コンクリート組織中の毛細管は埋められない
ため、水蒸気透過性は阻害しない。 ガラス転移温度10℃以下のアクリル樹脂は、コ
ンクリート表面に水蒸気透過性をする塗膜を形成
して水の浸入、特にアルコキシシラン化合物の欠
点である。水圧のかかる状態での水の浸入を防止
する。 又耐候性に富むアクリル樹脂の特徴と、コンク
リートの動きに追従する柔軟な性質により、長期
に渡り良好な効果を持続する。このようにアルコ
キシシラン化合物とアクリル樹脂は相互の特徴を
阻害することなく欠点を補完しあつて、アルカリ
骨材反応防止に好適な保護被覆層を形成する作用
を有する。 「実施例及び比較例」 実施例及び比較例により本発明の効果を具体的
に説明する。 尚、本発明は実施例のみに限定されるものでは
ない。又実施例における部及び%はすべて重量部
及び重量%であり、試験法及び使用した薬剤は以
下の通りである。 (1) アルカリ骨材反応性コンクリート供試体の作
製 10×10×40cm鉄製型ワクに表−1に示す配合
のコンクリートを打設し、翌日脱型後14日間20
℃で水中養生した。 この供試体を20℃、60%RHで1日放置後、
アルコキシシランを塗布し、更に1日間放置後
アクリル樹脂の水性分散体を塗布して、7日間
20℃、60%RHの条件で7日間放置乾燥した。 尚、塗布はいずれもハケを用いて実施した。
【表】 (2) 強制処理条件 前記試験体を以下に示す条件下で放置後、本
発明の効果を(3)項に示す特製項目により判定し
た。 屋外曝露試験:名古屋市港区内で6ケ月自
然放置した。 塩水散水試験:40℃の雰囲気下で3%食塩
水散水8Hr→散水停止8Hr→通風乾燥8Hrの
サイクルを1サイクルとして100サイクル試
験を実施した。 (3) 特性項目 以下に示す特性により、本発明の効果を特定
した。 外観の変化:強制処理後の供試体の外観変
化を目視により判定した。 膨張率:強制処理前後の供試体の寸法変化
をコンタクトゲージを使用して測定した。 重量変化率:強制処理前後の供試体の重量
変化率を次式により求めた。 重量変化率(%)=
処理後重量−処理前重量/処理前重量 付着力維持率:強制処理試験前後の塗布材
の付着力から、次式により付着力維持率を求
めた。 付着力維持率(%)=処理後付着力/処理前付着力
×100 実施例 1 アルコキシシランの調整 メチルトリエトキシシラン40部をミネラルスピ
リツト60部に溶解してアルコキシシラン溶液を製
造した。 アクリル樹脂の水性分散体の製造 アクリル酸2エチルヘキシル90部、メタクリル
酸メチル8部、アクリル酸2部、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ソーダ2部、過剰酸アンモン0.3部、
水100部より成る組成物を用い70℃の温度で5時
間常法により重合し、固型分濃度48%のアクリル
樹脂含有エマルジヨンを製造した後アンモニアを
加えて〓7.0に調整した。 得られたアクリル樹脂のTg点は−46℃であつ
た。 上記エマルジヨンに樹脂分100部あたり、炭酸
カルシウム50部を混合して、アクリル樹脂水性分
散体とした。 上記アルコキシシランとアクリル樹脂水性分散
体を用いて試験体を調整し、各種特性を測定しそ
の試験結果を表−4実施例表にまとめたがいずれ
も良好な性能を示した。 すなわち、試験体はコンクリート本来の収縮傾
向にあり、重量も減少していることから、内部の
水分を放出しながら乾燥状態に移行していること
を示す。 実施例 2〜7 表−2に示すアルコキシシランと表−3に示す
アクリル樹脂水性分散体を表に記載のこと以外は
実施例1と同様にして製造し、試験体を調整し
た。 これの各種特性評価試験を実施した結果を表−
4に示すがいずれも、外観に異常がなく、試験体
の重量変化及び長さ変化はそれぞれ減少傾向であ
つた。 比較例 1〜7 表−5の比較例に示すごとく、実施例で得たア
ルコキシシラン及び実施例で得たアクリル樹脂水
性分散体、又は市販品を使用して、実施例1と同
様に試験体を調整した。 これの各種特性評価試験の結果を表−5の比較
例に示すがいずれも本発明方法により得られるも
のに比べ著しく劣る結果であつた。すなわち塩水
散水試験において、すべての試験体の外観に異常
が発生する上に、大部分の試験体に重量増加及び
膨張傾向が認められた。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 (ハ) 効果 本発明方法をアルカリ骨材反応の恐れのあるコ
ンクリート及び既にアルカリ骨材反応が進行中の
コンクリートに適用することにより、アルカリ骨
材反応の進行を大幅に遅らせることが可能にな
る。この為、土木、建築コンクリートのアルカリ
骨材反応劣化による膨大な経済的損失を低下せし
めると同時に、コンクリート破壊により発生する
人的危害の危険を大幅に低下させることが可能と
なる。 付け加えるに、本発明方法はアルカリ骨材反応
防止だけではなく、他のコンクリート劣化の原因
となる、塩害、凍害、風化、中性化等に対しても
好適な保護方法となるものであり、コンクリート
構造物の耐久性向上に大きく寄与するものであ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 アルコキシシラン化合物をコンクリートの表
    面に塗布後さらにガラス転移温度10℃以下のアク
    リル樹脂の水性分散体を塗布することを特徴とす
    るコンクリートの保護方法。
JP19388886A 1986-08-21 1986-08-21 コンクリ−トの保護方法 Granted JPS6350380A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19388886A JPS6350380A (ja) 1986-08-21 1986-08-21 コンクリ−トの保護方法

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JP19388886A JPS6350380A (ja) 1986-08-21 1986-08-21 コンクリ−トの保護方法

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JPS6350380A JPS6350380A (ja) 1988-03-03
JPH0557232B2 true JPH0557232B2 (ja) 1993-08-23

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ID=16315405

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JP19388886A Granted JPS6350380A (ja) 1986-08-21 1986-08-21 コンクリ−トの保護方法

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