JPH0553091U - 遮断器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 投入カムの空打ち動作を防止するインターロ
ックを装着し、投入カムの解除操作を小形装置の軽い操
作力によって行えるようにした遮断器を提供すること。 【構成】 投入カム１に連動する主レバー９に第１リン
ク２２の一端を枢着し、第２リンク２４の自由端部を、
投入カム１に係合する投入フック１６に係合離脱可能に
枢着し、第１リンク２２の他端と第２リンク２４の根端
とを長穴２３内に軸ピン２５を挿入したインターロック
をとるための連動構造で接続するように構成したこと。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、ガス絶縁開閉器等の電力機器に用いる、電動ばね投入操作装置を 具備する遮断器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の遮断器には、図３ないし図５に例示する如く構成したものがある。この 装置は、投入カム１を利用して構成したものであり、投入カム１は、主軸２に固 着して設置してある。主軸２は、歯車減速機構３を介して、モータ４の減速機主 軸５に連動する。投入カム１には、投入ばね６と連動する連接棒７の一端を枢着 する。投入カム１には、ピン１５を突設する。また投入カム１の投入待機位置で ピン１５に係脱可能な投入フック１６を配置する。回動自由に支受した主軸８に は、主レバー９の中間部を固着して設置する。主レバー９は、その一端部のロー ラ１０を投入カム１の外周カム面に臨ませるとともに、その他端部を引外し機構 １１に臨ませる。主レバー９の引外し機構１１近くには、遮断ばね１２と連動す る操作杆１３の一端部を枢着する。操作杆１３は、遮断器１４を開閉操作するよ うに構成する。引外し機構１１は、主レバー９の投入位置において主レバー９の 端部に係脱可能な係止部材１７と、この係止部材１７を主レバーの係止状態に保 持し、又は解除可能な引外しフック１８とで構成する。

【０００３】 上述のように構成した従来装置では、図６に示す開路状態から、モータ４を駆 動し、減速機主軸５を介して主軸２を回動する。これにより、投入カム１を時計 方向に回動し、死点を越えた位置で投入フック１６に係合された図４に示す投入 待機状態とする。この過程で投入ばね６は蓄勢状態となる。次に、投入操作する 場合には、投入フック１６を時計方向に小回動し、ピン１５との係合を解除する 。すると投入ばね６の放勢時のエネルギで、投入カム１は、時計方向に急速に回 転する。この動作に連動して、主レバー９は反時計方向に回動し、遮断器１４を 投入動作し、図５に示す閉路状態とする。これとともに、遮断ばね１２を蓄勢す る。この開路状態は、主レバー９の端部が係止部材１７に係合され、係止部材１ ７が引外しフック１８に係止された状態となり保持される。

【０００４】 次に遮断動作する場合には、引外しフック１８を時計方向に小回動する。する と、係止部材１７が支持を失って小回動し、主レバー９の端部の係合を解除する 。これにより、遮断ばね１２の放勢動作に伴い、操作杆１３が引張られて遮断器 １４を遮断動作し、図６に示す開路状態とする。この動作に伴って主レバー９も 回動され、その一端部のローラ１０を投入カム１の外周カム面に臨ませるもので ある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上述の如き従来の遮断器では、投入ばね６のばね力が大きくなると、投入ばね ６のピン１５と投入フック１６とが図４に示す如く掛合して投入待機状態とする ときの衝撃力が大きくなり、この衝撃力で投入フック１６がピン１５から外れる 恐れがある。このため、投入フック１６に復帰ばね１９を取り付け、投入フック １６を投入待機位置で止め置くためのストッパ２０に押し付けて動かないように する。また、復帰ばね１９のばね力は、投入ばね６のばね力に比例して強くする 必要があり、さらに復帰ばね１９が経年劣化する恐れがあるため、余裕をもって さらに強めのばね力のものを用いる必要がある。このようなことから、復帰ばね １９のばね力を強くするため、投入カム１との係合を解除する際復帰ばね１９の ばね力に抗して投入フック１６を図で時計方向に回動させるよう押し操作する操 作力も大きくせねばならない。よって投入フック１６を係合解除操作する図示し ない電磁石操作装置等を大形化し、その操作力を大きくせねばならないという問 題があった。さらに、投入フック１６を係合解除操作する力が大きいため、この 操作時間が多くかかるという問題があった。

【０００６】 また、従来の遮断器では、図５に示す閉路状態から次の投入動作のため、モー タ４を駆動して投入カム１を回動する。そして投入カム１が投入フック１６に係 留された待機位置にセットし、この動作に伴って投入ばね６を蓄勢し、待機状態 とさせる場合がある。

【０００７】 この状態で、誤動作により投入フック１６を時計方向に小回動させると投入カ ム１のピン１５との係留が解除し、投入ばね６の放勢エネルギにより、投入カム １が時計方向に急激に回動してしまう。この場合には、投入カム１と、主レバー ９とが連動しておらず、遮断ばね１２を蓄勢するための負荷がかからずに投入カ ム１が回動する、いわゆる空打ち動作することになる。この空打ち動作時には、 投入カム１は、通常の投入動作時に比べて数倍の高速度で回動することになり、 装置の各部に大きな負荷が加わることになる。そこで、従来装置では、投入カム １の空打ち動作によっても、装置各部が破損しないよう全体を強化構造にせねば ならず、装置が高価になるという問題があった。

【０００８】 本考案は上述の点に鑑み、投入カムと投入フックとの係合解除をする操作力を 小さくし、その解除操作をする操作装置を小形化し、その操作動作を迅速にする とともに、投入カムの空打ち動作を防止するインターロックを装着し、特別の強 化構造を排した廉価な遮断器を新たに提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案の遮断器は、投入ばねで回動する投入カムと、この投入カムに連動して 一定角回動する主レバーと、投入待機位置で投入カムに係合解除可能に装着した 投入フックとを具備し、主レバーに一端を枢着した第１リンクの他端部と、中間 部を枢着した第２リンクの一端部とを、長穴内に軸ピンを摺動自在に挿入して成 る連動構造で接続し、第２リンクの他端部を投入フックに係合し、主レバーが投 入カムに連動する開路位置で上記軸ピンが長穴内を摺動して解除可能となり、主 レバーが投入カムから離れた閉路位置で軸ピンが長穴に拘束されて解除不能とな るように構成したことを特徴とする。

【００１０】

【作用】

上述のように構成することにより、主レバーが開路位置にあるとき、投入待機 状態にある投入フックを投入カムから解除できないようにするインターロック機 能を有するので、投入カムを空回りさせるという誤動作を防止するものである。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案の遮断器の一実施例を図１ないし図３によって説明する。なお、 この図１ないし図３において、前述した図４ないし図６に示す従来例に対応する 部分には同一符号を付すこととし、その詳細な説明を省略する。図１ないし図３ は本例遮断器の要部概略構成線図であり、図で１は投入カム、２は主軸、９は主 レバー、１０はローラ、１５はピン、１６は投入フック、１９は復帰ばね、２０ はストッパ、２１は枠体である。

【００１２】 主レバー９の所定位置には、第１リンク２２の一端部を枢着する。第１リンク ２２の他端部所定位置には、所定長さの長穴２３を穿設する。長穴２３には、第 ２リンク２４の一端に突設したピン２５を、長穴２３内で摺動かつ回動自在なよ うに挿入し連動せしめる。第２リンク２４は、その中間部を軸ピン３１によって 枠体２１に枢着し、その軸ピン３１と他端との間の所定位置に操作ピン２６を横 に突設する。操作ピン２６はその一方の側部を投入フック１６の第１腕部１６ａ に臨ませるようにするとともに、操作ピン２６の直径方向反対位置に投入フック 操作用電磁アクチェータ２７の操作杆２８の先端部を当接させるように配置する 。操作ピン２６には、復帰用ばね２９を係着して、第２リンク２４が図の時計方 向に回動し、その操作ピン２６が操作杆２８に当接した状態を保持するよう附勢 せしめる。第２リンク２４の他端部は、図１及び図３に示す投入待機位置にある 投入フック１６の第２腕部１６ｂから突設した支持ピン３０に係合するよう設定 する。投入フック１６はその中央部を軸ピン３２で枢着し、その支持ピン３０に 復帰ばね１９を係着して、投入フック１６が図の反時計方向に回動するよう附勢 し、ストッパ２０に当接した状態となるように構成する。

【００１３】 次に上述の如く構成した本例遮断器の作動を説明する。まず、投入待機状態で は、図３に示す如く遮断器の回路が開路状態で、遮断ばねが放勢状態にあり、か つ投入ばねが蓄勢状態にある。この投入待機状態から投入動作をする場合には、 電磁アクチェータ２７を作動させ、操作杆２８を延出せしめる。すると、操作杆 ２８の先端は、復帰ばね１９と復帰用ばね２９との附勢力に抗して操作ピン２６ を押し、さらに第１腕部１６ａを押し動かす。この動作により、図２にも示す如 く、第２リンク２４はその軸ピン２５を長穴２３内で摺動させながら、軸ピン３ １を中心に図の反時計方向に、小回動し、第２リンク２４の自由端部と、支持ピ ン３０との係合を解除し、投入フック１６を回動自由とする。そこで投入フック １６は、図の時計方向に小回動し、ピン１５との係合を解除する。すると、投入 カム１は投入ばねの蓄勢力により、急速に時計方向に回動し、ローラ１０に転接 しながら主レバー９を図の反時計方向に所要角回動し、遮断器を閉路状態とする とともに、遮断ばねを蓄勢する。

【００１４】 次に、上述の閉路状態において、次の投入動作に備えるため、モータを駆動し て主軸２を図の時計方向に回動し、投入ばねを蓄勢する。このとき、電磁アクチ ェータ２７の操作杆２８は引込んだ待機位置とし、投入フック１６は、復帰ばね １９の附勢力で、ストッパ２０に支持された待機位置にセットされる。また、第 ２リンク２４は、復帰用ばね２９の附勢力で、図の時計方向に回動し、軸ピン２ ５を長穴２３内で摺動させながら、操作ピン２６が操作杆２８に当る位置にあっ て、第２リンク２４の自由端が投入フック１６の支持ピン３０に係合する状態に セットされる。上述の状態では、投入フック１６は、ストッパ２０によって図の 反時計回り動作を制止され、第２リンク２４によって時計回り動作を制止される ので、図１に示す投入待機時の位置を保つことによなる。よってこの状態で投入 カム１が図の時計方向に回る蓄勢方向に回動してその死点を起え、そのピン１５ が投入フック１６に衝合した際に、投入フック１６は不動であるから投入カム１ のピン１５を外れることなく十分に受け止めて待機状態を保持できるものである 。

【００１５】 図１の状態は、遮断器が閉路状態で、かつ遮断ばねが蓄勢状態にあることを示 す。この状態でもし投入フック１６を解除すると投入カム１が空回りすることに なる。しかし、本例の遮断器では、誤動作により電磁アクチェータ２７のスイッ チを入れた場合、その操作杆２８が操作ピン２６を押しても、第２リンク２４の 軸ピン２５が長穴２３の図の右端部に当っているので、第２リンク２４は回動せ ず、第２リンク２４の自由端部は支持ピン３０に係合したままで外れることはな く、しかも投入フック１６が回動することもない。よって、投入カム１と投入フ ック１６との係合は解除されることなはなく、投入カム１の空回りがなされない ようにインターロックされるものである。

【００１６】 次に、遮断操作されると、主レバー９は図の時計方向に回動し、図３に示した インターロックを外した状態に移行するものである。

【００１７】 なお、本考案は上述の実施例に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱 しない範囲内においてその他種々の構成を取り得ることは勿論である。

【００１８】

【考案の効果】

以上詳述したように本考案の遮断器によれば、投入ばねで回動する投入カムと 、この投入カムに連動して一定角回動する主レバーと、投入待機位置で投入カム に係合解除可能に装着した投入フックとを具備し、主レバーに一端を枢着した第 １リンクの他端部と、中間部を枢着した第２リンクの一端部とを、長穴内に軸ピ ンを摺動自在に挿入して成る連動構造で接続し、第２リンクの他端部を投入フッ クに係合し、主レバーが投入カムに連動する開路位置で上記軸ピンが長穴内に摺 動して解除可能となり、主レバーが投入カムから離れた閉路位置で軸ピンが長穴 に拘束されて解除不能となるように構成したので、主レバーが開路位置にあると き、投入待機状態にある投入フックを投入カムから解除できないようにするイン ターロック機能を有するので、投入カムを空回りさせるという誤動作を防止でき 、従来この誤動作に備えてとってきた特別の強化構造を排し、構造を簡素化し、 廉価な遮断器を提供できるという効果がある。さらに、投入待機位置にある投入 フックに、蓄勢動作してきた投入カムが衝合する際、投入フックは第２リンクに 係合して保持されていないので、投入フックが衝撃力で動き、投入カムが空回り するような誤動作をすることを防止できるので、この誤動作防止の為、従来投入 フックが投入待機位置にあるように大きなばね力で附勢する復帰ばねを復帰動作 させるだけの弱いばね力の復帰ばねに変更できるので、投入カムと投入フックと の係合を解除する操作力を小さくし、その解除操作用装置を小形化し、その操作 動作を迅速にできるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の遮断器の一実施例を示す閉路状態の要
部概略構成線図。

【図２】上記実施例の投入動作開始状態の要部概略構成
線図。

【図３】上記実施例の開路状態の要部概略構成線図。

【図４】従来の遮断器における操作機構の概略斜視図。

【図５】従来の遮断器における操作機構の閉路状態での
概略構成線図。

【図６】従来の遮断器における操作機構の開路状態での
概略構成線図。

【符号の説明】

１…投入カム ２…主軸 ６…投入ばね ９…主レバー １０…ローラ １１…引外し機構 １２…遮断ばね １６…投入ック １９…復帰ばね ２０…ストッパ ２２…第１リンク ２３…長穴 ２４…第２リンク ２５…軸ピン ２６…操作ピン ２７…電磁アクチェータ ２９…復帰用ばね

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 投入ばねで回動する投入カムと、当該投
   入カムに連動して一定角回動する主レバーと、投入待機
   位置で前記投入カムに係合解除可能に装着した投入フッ
   クとを有する遮断器において、前記主レバーに一端部を
   枢着した第１リンクと、自由端部を前記投入フックに係
   脱可能に枢着した第２リンクと、前記第１リンクの他端
   部と前記第２リンクの根端部とを、前記主レバーが開路
   位置にあるとき前記第２リンクが前記投入フックから離
   脱可能とし、前記主レバーが閉路位置にあるとき前記第
   ２リンクが前記投入フックから離脱不能となる如く接続
   するようにした、長穴内に軸ピンを摺動自在に挿入して
   成る連動構造とを具備することを特徴とする遮断器。