JPH0551590A - 均一系の電気粘性流体 - Google Patents

均一系の電気粘性流体

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JPH0551590A
JPH0551590A JP3213418A JP21341891A JPH0551590A JP H0551590 A JPH0551590 A JP H0551590A JP 3213418 A JP3213418 A JP 3213418A JP 21341891 A JP21341891 A JP 21341891A JP H0551590 A JPH0551590 A JP H0551590A
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compound
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liquid
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JP3213418A
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Akio Inoue
昭夫 井上
Toshitsugu Maniwa
俊嗣 真庭
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 1つの分子鎖に2つ以上複数個の液晶性基が
結合された液晶性化合物の応答速度や作動温度範囲の向
上を計る。 【構成】 1つの分子鎖に2つ以上複数個の液晶性基が
結合された液晶性化合物と液晶性基を含有せず、液晶性
化合物の分子鎖とは強い親和性を持つが、液晶性基とは
親和性が弱く、混合しても液晶性化合物の液晶性を消失
させない化合物とを混合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は均一系の電気粘性流体に
関するものであり、振動吸収、トルク伝達、サーボ制御
などのアクチュエーターとして利用される。
【0002】
【従来の技術】電圧印加により粘性が瞬間的かつ可逆的
に大きく変化する電気粘性流体は、既に1940年代よ
りシリカやでんぷんなどの含水微粒子を絶縁油に分散さ
せた、いわゆるWinslow流体(米国特許第241
7850号明細書)としてよく知られている。
【0003】その後含水微粒子にイオン交換樹脂粒子
(特開昭50−92278号公報)やゼオライト粒子
(特開平2−3711号公報)を用いる方法、また有機
半導体粒子(英国特許第2170510号明細書)、表
面絶縁化した導電体粒子(特開昭64−6093号公
報)、液晶ポリマー粒子〔Proceedings t
he2nd Int’l Conf.on ERF,
P.231(1989)〕などの非含水粒子を用いる方
法など、多くの改良が提案されている。しかしながら、
これらの粒子を用いる方法は、短期的には優れた性能を
示すものの長期的には粒子の沈降分離や沈降粒子の凝集
粘土化が避けがたく実用化の大きな障害になっている。
【0004】一方、粒子を用いない均一なものとして
も、例えば、ニトロメタンやニトロベンゼンなどの極性
液体〔Japan.J.Appl.Phys.,16
P.1775(1977)〕、コレステリック液晶混合
物〔Communications,P.3865(1
965)〕やメトキシベンジリデンブチルアニリン(M
BBA)などの低分子液晶〔Japan.J.App
l.Phys.,17 P.1525(1978)およ
び、英国公開特許第2208515号明細書〕、強誘電
性ポリマー溶液〔第39回高分子討論会予稿集,18U
07(1990)〕を用いる方法などが研究されている
が、いずれも殆ど電気粘性効果は得られていない。
【0005】液晶性物質は、電圧印加により分子配向し
各種の特性に異方性を生じる。粘度特性に対しても異方
性によりある方向の粘性には増大が見られることから、
前述の如く電気粘性流体への適用が検討されているが、
電気粘性効果は極めて小さく、殆ど顧みられていない。
本発明者らは、液晶性物質の電気粘性効果の低い原因
を、従来用いられた液晶性物質はいずれも低分子であ
り、低分子液晶ではドメイン間の結合力は小さく、その
為電圧印加によりドメインを配向させより大きなドメイ
ンを形成させても全体としての粘度は大して増大しない
ものと考えた。そこで、この液晶性物質を適度の長さの
分子鎖に結合することにより、あるいは高分子化させる
ことにより、配向した際のドメイン間の結合力が高まり
大きな粘性の増加が得られるのではないかとの考えを基
に鋭意研究を重ねた。その結果、複数個の液晶性基を1
つの分子鎖に結合した液晶性化合物とすることにより極
めて大きな電気粘性効果の発現することを発見し、粒子
を用いない均一系の電気粘性流体として既に特許を出願
した。
【0006】先述の1つの分子鎖に2つ以上複数個の液
晶基が結合された液晶性化合物からなる電気粘性流体
は、低分子液晶の場合に比べて、分子鎖や液晶性基の動
きが規制されるためか、電圧印加に対する応答性や作動
温度範囲、基底粘性などの性能が低下する傾向がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれらの問題
を解決し、粒子沈降の問題のないより実用的な電気粘性
流体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決する為の手段】上記の問題を解決する方法
として従来、液晶性基自体を改良する方法、フレキシビ
リティの高い分子鎖や適度の長さの分子鎖を用いる方
法、数種の液晶性基を混合する方法、などが検討されて
いる。本発明者らは、液晶性化合物の粘性に着目し本来
の液晶性能を低下させずに粘性を低減させる方法が有効
ではないかとの考えを基に、基底粘度の低減方法を種々
検討した結果、本発明に到達することができた。
【0009】即ち、本発明は、1つの分子鎖に2つ以上
複数個の液晶性基を結合された液晶性化合物(1)と、
液晶性基を含有せず、液晶性化合物(1)の分子鎖とは
強い親和性を持つが液晶性基とは親和性が弱い化合物
(2)との液晶性混合物からなる電気粘性流体である。
本発明にいう液晶性基とは、シッフ塩基系、アゾ系、ア
ゾキシ系、ビフェニル系、ターフェニル系、シクロヘキ
シル系、安息香酸エステル系、シクロヘキシルカルボン
酸系、フェニルシクロヘキサン系、ビフェニルシクロヘ
キサン系、コレステリル系、など従来知られている一般
的な低分子液晶(詳しくは、松本正一「液晶エレクトロ
ニクス」オーム社、に代表例が記載されている。)の液
晶性を発現させる中核的分子構造(一般にメソゲンと呼
ばれる。)を含む1官能性あるいは2官能性の基であ
る。この液晶性基は本発明でいう分子鎖に直接結合され
ることもあるが、一般には液晶性基の動きや配向性を容
易にするため、−Cm 2m−や−(SiR1 2 O)m
−(ここでmは1から18の整数、R1 、R2 はアルキ
ル基あるいはフェニル基を示す。)などの従来公知の、
いわゆる、スペ−サ−と呼ばれる結合鎖を介して結合さ
れる。
【0010】ところで、本発明にいう分子鎖とは、炭素
や珪素を主成分とするアルキレンやシロキサンなどの鎖
状化合物やベンゼン環やグルコ−ス(glucose) 環などの
環状化合物からなる分子を1単位とする単量体、あるい
は単独重合体または共重合体であり、重合体の場合、そ
の重合度は2から100が好ましい。また、必要に応じ
て分子鎖中にエステル基、アミド基、エーテル基、など
の結合基を介在させることもできる。分子鎖は剛直でも
よいが、屈曲性の分子鎖が好ましい。屈曲性分子鎖と
は、柔かくて比較的低温でも流動性を示し、かつ、電圧
印加したとき液晶性物質の配向を妨げない分子鎖であ
る。特に、その分子鎖を構成する単位でオリゴマーある
いはポリマーを合成した場合、そのガラス転移温度(T
g)が25℃以下、好ましくは0℃以下、より好ましく
は−20℃以下となる屈曲性分子鎖は、低温から使用で
きる電気粘性流体を得るのに好ましい。
【0011】このような屈曲性分子鎖としては、具体的
には、たとえば、1)メチレン、エチレン、プロピレ
ン、など−Cm2m−(ここでmは1から18の整数)
で表されるアルキレン基、2)オキシエチレン、オキシ
プロピレン、オキシブチレン、など−OCm2m−(こ
こでmは1から5の整数)で表されるオキシアルキレン
基 3)ジメチルシロキサン、フェニルメチルシロキサ
ン、など −SiR12O−(ここでR1、R2はアルキ
ル基あるいはフェニル基を示す。)で表されるシロキサ
ン,などを1単位とする単量体、あるいは単独重合体ま
たは共重合体である。これらの重合体の場合、その重合
度は2から100、より好ましくは、アルキレンでは2
から10、オキシアルキレンでは2から10、シロキサ
ンでは2から30である。
【0012】これらの屈曲性分子鎖は、上記の1)およ
び2)に示した単位では一部のHの代わりに、液晶性基
を導入するための、メチレン(炭素数1から18)、ア
ミド、ウレタン、エステル、エーテル、カーボネート、
エステルアミド、エーテルアミド、など2価の結合基や
アルキル基(炭素数1から8)、フェニル基などの側鎖
基を、また3)に示した単位では一部または全部のR1
の代わりに上記の結合基を、もつことができる。分子鎖
は末端または側鎖に、液晶性基あるいはスペ−サ−と化
学的に結合できる少なくとも2個以上の複数個の上記の
結合基を持つことが必要である。
【0013】1)から3)の分子鎖の中でも、3)のシ
ロキサンは低温での作動性や電気絶縁性に優れた液晶性
化合物(1)が得られ易く特に好ましい。ところで、液
晶性化合物(1)それ自体では、優れた機能や性能を有
しつつも、1つの分子鎖に複数個の液晶性基を持つが故
の短所、たとえば、応答速度の低さや作動温度範囲の狭
さなどの、電気粘性流体として使用する上での問題点を
有している。
【0014】ところが、それ自体では液晶性を示さずか
つ混合しても液晶性化合物(1)の液晶性を消失させな
い化合物(2)を液晶性化合物(1)に混合することに
より、上記の短所を取り除くことができ、更に作動電圧
やヒステリシス、基底粘度の低減などにも大きな効果を
有し、液晶性化合物(1)の実用化を可能にした。この
化合物(2)とは、液晶性基を含有せず、液晶性化合物
(1)の分子鎖とは強い親和性を持つが液晶性基とは親
和性が弱く、混合しても液晶性化合物(1)の液晶性を
消失させない比較的低粘度の物質である。例えば、ジメ
チルシリコ−ンの側鎖に安息香酸エステル型の液晶性基
を結合した液晶性化合物の場合、トルエンやジクロロメ
タンでは液晶性基との親和性が強すぎて液晶性化合物を
溶解し液晶性を消失させて好ましくないが、ジメチルシ
リコ−ンやフェニル基含有量の少ないフェニル・メチル
シリコ−ン、アルキル変性シリコーン、流動パラフィン
などが好ましく、これらがこの場合の(2)の化合物に
あたる。また、エチレンオリゴマーの両末端に安息香酸
エステル型の液晶性基を結合した液晶性化合物の場合、
流動パラフィン、ポリブテンなどが好ましくこれらが
(2)の化合物にあたる。一般に、液晶性化合物(1)
と同種の分子鎖をもつ物質がとりわけ好ましい。
【0015】液晶性およびその消失については、偏光顕
微鏡や示差熱量計(DSC)により観察できるが、簡便
な方法として、偏光ニコル板に試料を挟んで偏光性をみ
る方法が挙げられる。液晶相としては、ネマテック、ス
メクチック、コレステリック、いずれの相であってもよ
いが、電気粘性流体としての利用時には、スメクチック
相が特に好ましい。
【0016】本発明の混合物における液晶性化合物
(1)の比率は、好ましくは10から99重量%、より
好ましくは20から95重量%である。
【0017】
【実施例】以下、本発明の混合物を電気粘性流体に用い
た場合の効果を、実施例と比較例をもってより具体的に
説明する。なお、電気粘性流体の基本特性である電気粘
性効果の測定は下記の方法に従った。 ・電気粘性効果の測定方法 プレ−ト対向面全体が電極を形成するように改造された
一対の平行円盤(下側円盤がモ−タ−に接続して回転、
上側円盤がトルク計に接続して剪断応力を測定する)を
もつプレ−ト・プレ−ト型の回転粘度計を用い電気粘性
効果を測定した。電極間に試料を挟み、所定の温度と所
定の剪断速度で試料に剪断を与えた際に発生する剪断応
力の、電極間に電圧印加による増分(発生剪断応力と呼
ぶ)と電圧印加時の電流値を測定した。なお、測定は、
対向部の電極径は32mm、電極間隙は0.50mm、
剪断速度は200sec-1、印加電圧は直流0〜2kv
/mmで行った。
【0018】
【実施例1および比較例1】 1)液晶性シリコン重合体Aの合成 p−ヒドロキシ安息香酸37gを、水酸化カリウム30
g、水40ml、エタノール190mlの混合液に溶解
させた後、沃化カリウム0.3gを加え、5−ブロモペ
ンテン40gを滴下した。これを80℃で12時間還流
した後、塩酸でpH3に保った水400mlに注ぎ、得
られた沈澱を70℃のエタノールに溶解し再結晶し、白
色板状結晶の生成物(a−1)約40gを得た。
【0019】14gの生成物(a−1)に塩化チオニル
16gと数滴のジメチルホルムアミドを加え、室温で3
0分攪拌した後、真空下で過剰の塩化チオニルを除去し
た。これをテトラヒドロフラン(THF)110mlに
溶解した後、p−シアノフェノール8gとトリエチルア
ミン9gを溶解した5℃のTHF280mlの中に滴下
し、5℃で4時間攪拌した。その後、THFを減圧留去
し、新たにジクロロメタン300mlに溶解し、分液ロ
ートを用いて3回水洗いした。硫酸ナトリウムで脱水
後、シリカゲル(ワコーゲルC200)を詰めたカラム
を通して精製した。ジクロロメタンを留去後、70℃の
エタノールを用いて再結晶し、白色針状結晶の生成物
(a−2)約20gを得た。
【0020】モノメチルシロキサン(A)とジメチルシ
ロキサン(B)からなる共重合体シリコーン(A/Bモ
ル比=1/1,重合度約30)6gと、14gの生成物
(a−2)をトルエン110mlに溶解し、塩化白金酸
6水塩10mgを加えて80℃で24時間反応させた
後、トルエンを留去した。70℃のエタノールで洗浄
後、ジクロロメタン150mlに溶解し、シリカゲルを
通し未反応物を除去した後、ジクロロメタンを真空加熱
により除去して、液晶性基を側鎖にもつ液晶性化合物A
を約20g得た。
【0021】
【化1】
【0022】液晶性化合物Aは赤外線吸収スペクトル分
析の結果、SiHに基づく2140cm-1の吸収は著し
く減少し、かわりにCN基に基づく2235cm-1やC
OOHに基づく1735cm-1の吸収が大きく現れてい
た。 2)混合物の調整 液晶性化合物Aにジメチルシリコ−ン(DMS,20c
p)を30wt%混合し100℃に加熱攪拌して実施例
1の測定用試料とした。 3)液晶挙動 液晶性化合物Aは示差走査熱量計〔(株)島津製作所、
DSC−50〕および加熱プレートのついた偏光顕微鏡
〔オリンパス光学工業(株)、BHSP〕を用いて液晶
挙動の観察から、室温から90℃以下で、スメスティッ
ク相を形成することが確認された。一方、混合物は室温
から100℃付近までの温度範囲で液晶性化合物A単独
よりも明確なスメクチック相が観察された。 4)電気粘性効果 液晶性化合物A単独では低温側では基底粘度が高く電気
粘性効果の測定が困難になったが、混合物では55℃で
も低い基底粘度で安定した測定が可能であった。55℃
および85℃において電圧を印加した際の発生剪断応力
と電流値を測定し、混合物の場合を実施例1、液晶性化
合物A単独の場合を比較例1として表1に示した。
【0023】
【実施例2および比較例2】 1)液晶性化合物Bの合成 水120mlに溶解した水酸化カリウム100gとエタ
ノール500mlの混合液に、p−ヒドロキシ安息香酸
99g、沃化カリウム0.7gを溶解させ、アリルブロ
マイド86gを滴下して加えた。この溶液を80℃で1
2時間還流した後冷却し、水150mlを加えた後、塩
酸でpH3に調整した。析出した沈澱を濾別後、エタノ
ールから再結晶し、90gの生成物(b−1)を得た。
【0024】17gの生成物(b−1)に塩化チオニル
17gと数滴のジメチルホルムアミドを加え、室温で1
時間攪拌して酸クロリド体とし、真空下で過剰の塩化チ
オニルを除去した。テトラヒドロフラン(THF)10
0mlに溶解した酸クロリド体を、p−シアノフェノー
ル12gとトリエチルアミン13gを溶解した0℃のT
HF250mlの中に滴下し、0℃でさらに1時間攪拌
した。THFを真空下で除去し残査をジクロロメタンに
溶解し水洗した。シリカゲルカラム(ワコーゲルC20
0)で精製して26gの生成物(b−2)を得た。
【0025】トルエンに溶解した、3.5gのα,ω−
ビス(ハイドロジェン)ポリジメチルシロキサン〔東芝
シリコーン(株)、TSL9546〕と5gの生成物
(b−2)に塩化白金酸6水塩2mgを加え80℃で2
4時間還流した。トルエンを除去後、残査をシリカゲル
カラム(ワコーゲルC200)で精製して、シロキサン
両末端に液晶性基が導入された液晶性化合物Bを4.5
g得た。
【0026】
【化2】
【0027】液晶性化合物Bの赤外線吸収スペクトル分
析の結果は、Si−Hに基づく2128cm-1の吸収は
消滅しており、かわりにCN基に基づく2222cm-1
やCOO基に基づく1733cm-1の吸収が生じてい
た。 2)混合物の調整 液晶性化合物BにDMS(20cp)を30wt%実施
例1と同様に混合して試料とした。 3)液晶挙動 示差走査熱量計および加熱プレートのついた偏光顕微鏡
を用いて液晶挙動を観察した結果、液晶性化合物B単独
および混合物ともに65℃以下の温度で液晶相を形成す
ることが確認された。 3)電気粘性効果 液晶性化合物B単独と混合物について、25℃において
電圧を印加した際の発生剪断応力と電流値を測定し、混
合物を実施例2、液晶性化合物B単独を比較例2として
表1に示した。液晶性化合物B単独では電圧印加時の応
力(粘度)が最大(飽和)になるまで1秒弱要したが、
混合物で数百ミリ秒で最大になった。
【0028】
【実施例3及び比較例3】 1)液晶性化合物Cの合成 実施例2及び比較例2と同様にして合成した化合物(b
−2)9.8gとモノメチルシロキサン(A)とジメチ
ルシロキサン(B)からなる共重合体シリコーン(A/
Bモル比=1/2,重合度約30)6.6gをトルエン
70 に溶解し、塩化白金酸6水塩1mgを加えて11
0℃で24時間反応させた後、トルエンを留去した。エ
タノ−ルで洗浄後、シリカゲルを通し未反応物を除去し
た後、ジクロロメタンを真空加熱により除去して、液晶
性基を側鎖にもつ液晶性シリコン重合体Cを約8g得
た。
【0029】
【化3】
【0030】液晶性化合物Cは赤外線吸収スペクトル分
析およびNMR分析の結果、SiHの吸収は消えて、か
わりにCN基やCOOに基づく吸収が大きく現れてお
り,SiHは90%以上液晶性基で置換されていること
が確認された。 2)混合物の調整およびそれらの液晶挙動 液晶性化合物Cは80℃付近までネマティック相を、9
0℃以上ではアイソトロピック相を形成することが確認
された。液晶性化合物CにDMS(20cp)、又はテ
トラメチルテトラフェニルシロキサン(TPS,40c
p)をそれぞれ50wt%混合し加熱したところ、前者
は液晶性が保持されていたが、後者は液晶性が消失して
いた。 3)電気粘性効果 上記のDMSを混合した試料とTPSを混合した試料の
2種類につき70℃で電気粘性効果を測定し、DMS混
合試料を実施例3、TPS混合試料を比較例3として表
1に示す。
【0031】
【実施例4】 1)液晶性化合物Dの合成 ジエチルエーテル250mlに溶解したテレフタル酸ク
ロリド15.9gを、p−ヒドロキシ安息香酸21.6
gとトリエチルアミン79.3gを溶解した0℃のジエ
チルエーテル4000mlの中に滴下し、0℃でさらに
1時間攪拌した。塩酸でpH2とした後、濾別、水洗、
乾燥して化合物(d−1)を20.1g得た。この一部
を塩化チオニルで酸クロリド体とした後、その3.0g
を1,1,2,2−テトラクロロエタン(TCE)50
mlに溶解し、1,3−ビス(3−ヒドロキシプロピ
ル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン〔信
越化学工業(株)、LS7400〕2.1gと窒素気流
下100℃24時間反応させた。TCEを留去し、残査
を塩化メチレンに溶解させ、分液ロートを用い水洗して
酸成分を除去した後、塩化メチレンを留去し固いアメ状
の液晶性化合物Dを4.5g得た。
【0032】
【化4】
【0033】2)液晶挙動 液晶性化合物D単独では、常温では明確な液晶性は観察
されなかったが、0℃付近では液晶性が発現した。DM
S(20cp)を30wt%混合し加熱したものでは7
0℃から95℃で明確な液晶性を示した。 3)電気粘性効果 DMS(20cp)を30wt%混合し加熱したものに
つき、80℃での電気粘性効果を測定し表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】
【実施例5】実施例1の液晶性化合物AにDMS(20
cp)を30wt%混合し100℃に加熱し攪拌した試
料と比較例1の液晶性化合物A単独の試料につき、印加
電圧および剪断速度による電気粘性効果に対する影響を
調べその結果を、図1および図2に示した。
【0036】なお、図2の印加電圧は、1.0kv/m
mである。
【0037】
【発明の効果】本発明の混合物は、一つの分子鎖に二つ
以上複数個の液晶性基を結合した液晶性化合物の応答速
度の向上や作動温度範囲の拡大に大きな効果を示し、電
気粘性流体として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例4の2つの試料の、印加電圧と発生剪断
応力の関係を示すグラフ図である。
【図2】実施例4の2つの試料の、剪断速度と発生応力
の関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1・・・実施例1 2・・・比較例1
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 30:04 40:14

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つの分子鎖に2つ以上複数個の液晶性
    基が結合された液晶性化合物(1)と、液晶性基を含有
    せず、液晶性化合物(1)の分子鎖とは強い親和性を持
    つが液晶性基とは親和性が弱い化合物(2)との液晶性
    混合物からなる電気粘流体。
JP3213418A 1991-08-26 1991-08-26 均一系の電気粘性流体 Withdrawn JPH0551590A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08245976A (ja) * 1995-03-13 1996-09-24 Nitta Ind Corp アクチュエータ用作動流体

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JPH08245976A (ja) * 1995-03-13 1996-09-24 Nitta Ind Corp アクチュエータ用作動流体

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