JPH0544000A - 溶体化焼入れ処理したのち放置されて自然時効硬化したアルミニウム合金板の復元処理方法 - Google Patents

溶体化焼入れ処理したのち放置されて自然時効硬化したアルミニウム合金板の復元処理方法

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JPH0544000A
JPH0544000A JP3226498A JP22649891A JPH0544000A JP H0544000 A JPH0544000 A JP H0544000A JP 3226498 A JP3226498 A JP 3226498A JP 22649891 A JP22649891 A JP 22649891A JP H0544000 A JPH0544000 A JP H0544000A
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aluminum alloy
heating
treatment
alloy plate
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JP3226498A
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Hiroshi Saito
洋 齊藤
Masahiko Miyazaki
雅彦 宮崎
Koichi Ohori
紘一 大堀
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MA Aluminum Corp
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Mitsubishi Aluminum Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】溶体化焼入れ処理したのち放置されて自然時効
硬化したアルミニウム合金板の復元処理方法の提供。 【構成】 溶体化焼入れ処理したのち放置されて自然時
効硬化したAl−Mg−Si系アルミニウム合金板を、
200〜260℃の範囲の所定の温度で、かつ、Al−
Mg−Si系アルミニウム合金板の硬さが上記加熱によ
り最も低化する時間より短い時間で、かつ加熱後のAl
−Mg−Si系アルミニウム合金板の硬さ(Hv)が
下記の条件を満たすように加熱する。50%≦(Hv
−Hv)/(Hv−Hvmin)×100≦95%
但し、Hv:加熱前のビッカース硬さ、Hv:加熱
後のビッカース硬さ、Hmin:所定の温度で加熱した
とき硬さが最も低下したときのビッカース硬さとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、溶体化焼入れ処理し
たのち放置されて自然時効硬化したアルミニウム合金板
の復元処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、重量%で(以下%は、重量%を
示す)Mg:0.3〜0.8%、Si:0.5〜1.0
%、Ti:0.001〜0.05%を含有し、残りがA
lおよび不可避不純物からなるAl合金の冷間圧延板、
Mg:0.3〜0.8%、Si:0.5〜1.0%、T
i:0.001〜0.05%、を含有し、さらに必要に
応じて、Cu:0.05〜1.0%、Zn:2.0%以
下、Cr:0.2%以下、Mn:0.3%以下、Zr:
0.2%以下のうち1種または2種以上を含有し、残り
がAlおよび不可避不純物からなるAl合金の冷間圧延
板などは(以下、これらのアルミニウム合金板をAl−
Mg−Si系アルミニウム合金板という)は、溶体化焼
入れ処理したのち、ただちに成形加工し、ついで、塗装
焼付け処理すると、上記塗装焼付け処理時に加熱されて
時効硬化し、強度が向上する性質を有する。したがっ
て、これらAl−Mg−Si系アルミニウム合金板は自
動車用ボデーシート、オイルタンクなどの成形板として
用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記Al−M
g−Si系アルミニウム合金板は、溶体化焼入れ処理し
たのち、ただちに成形加工されることは極めて希であ
り、通常は、工場で溶体化焼入れ処理された後、所定の
注文量になるまでの数日間は放置され、所定の数量に達
したのち出荷され、また、加工工場で成形加工されるま
でに数日間は放置され、その後、成形加工されたのち塗
装焼付け処理される。
【0004】ところが、上記Al−Mg−Si系アルミ
ニウム合金板は、溶体化焼入れ処理したのち、ただちに
塗装焼付け処理(以下、この処理をベーキングという)
すると時効硬化し強度が向上する(以下、この特性をベ
ークハード性という)が、溶体化焼入れ処理された後、
数日間放置されると、自然時効硬化し、成形性が悪くな
ると共に、成形加工して塗装焼付け処理(ベーキング)
しても時効硬化がほとんど生じなくなってベークハード
性が低下し、かえって成形加工時よりも硬さが低下し、
塗装焼付け処理後の製品にばらつきが生じるという課題
があった。
【0005】この課題について、図面にもとずいてさら
に詳細に説明する。図1は溶体化焼入れ処理した後いろ
いろな経歴を経ることによりベークハード性が変化する
ことを模式的に示したグラフである。
【0006】図1の(a)は、Al−Mg−Si系アル
ミニウム合金板の溶体化焼入れ処理したのち、常温に放
置したときの硬さの変化を模式的に示したグラフであ
る。溶体化焼入れ処理した直後のAl−Mg−Si系ア
ルミニウム合金板は、極めて軟質であり、成形性に優れ
ているが、処理後時間の経過と共に硬度が次第に増加
し、成形性が低下することが分かる。
【0007】図1の(d)は溶体化焼入れ処理した後い
ろいろな経歴を持ったAl−Mg−Si系アルミニウム
合金板をべーキングした時の硬さ変化を模式的に示した
ものである。図1の(a)の焼入直後のAl−Mg−S
i系アルミニウム合金板Aをただちにべーキングする
と、図1(d)のAに示すように、急速に硬さが増加す
る。これはべーキング温度に加熱されたことにより、中
間相が急速に析出し、析出硬化が生じるためである。
【0008】一方、溶体化焼入れ処理したのち、常温に
放置し、自然時効したAl−Mg−Si系アルミニウム
合金板はBに示すように、べーキング初期には軟化を生
じ、時間が経過すると硬化を開始するが、通常のべーキ
ング時間では、Aに比べ著しく低い硬度にしか達しな
い。図1の例では、べーキング後の硬さはべーキング前
の硬さより低下している。
【0009】このようにべーキング初期に軟化を生じる
のは、常温放置時に形成されたGPゾーンがべーキング
温度では不安定なため、分解し、固溶する(復元する)
ためと考えられる。すなわち、自然時効したAl−Mg
−Si系アルミニウム合金板をべーキング温度に加熱す
ると、GPゾーンの復元と中間相の析出が生じるが、加
熱初期には前者が支配的となり軟化するものと考えられ
ている。
【0010】このようにAl−Mg−Si系アルミニウ
ム合金板は溶体化焼入れ処理したのち、常温に放置する
と、自然時効により硬さが増加するために成形性に欠
け、しかもべークハード性も低下すると言う課題があっ
た。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、上
記課題を解決するすべく自然時効硬化したAl−Mg−
Si系アルミニウム合金板がべーキング初期に軟化する
と言う点に注目し、予め素材に加熱処理(復元処理)を
施して置くことにより、自然時効硬化性を低下させ、べ
ークハード性の低下を防止できないかについて検討し
た。
【0012】その結果、下記の事項を知見したのであ
る。 (1)溶体化焼入れ処理したのち自然時効硬化したAl
−Mg−Si系アルミニウム合金板を、温度:200〜
260℃の範囲の所定の温度で加熱すると、加熱時間と
共に軟化して最軟化点に達し、上記最軟化点を過ぎると
再び硬化する。 (2)上記溶体化焼入れ処理したのち自然時効硬化した
Al−Mg−Si系アルミニウム合金板は、温度:20
0〜260℃の範囲の所定の温度でAl−Mg−Si系
アルミニウム合金板の硬度が最も軟化する時間より短い
時間加熱すると、以後の自然時効硬化を低下させ、ベー
クハード性の低下を防止することができる。
【0013】この発明は、かかる知見に基づいて成され
たものであって、溶体化焼入れ処理したのち放置されて
自然時効硬化したAl−Mg−Si系アルミニウム合金
板を、温度:200〜260℃の範囲の所定の温度で加
熱し、その加熱時間はAl−Mg−Si系アルミニウム
合金板の硬さが最も低化する時間より短い時間であり、
かつ加熱後のAl−Mg−Si系アルミニウム合金板の
硬さ(Hv1 )は下記の条件を満足する硬さとなるよう
に加熱する、溶体化焼入れ処理したのち放置されて自然
時効硬化したアルミニウム合金板の復元処理方法。ただ
し、下記に示す条件とは、 Hv0 :加熱前のビッカース硬さ、 Hv1 :加熱後のビッカース硬さ、 Hmin:所定の温度で加熱したとき硬さが最も低下し
たときのビッカース硬さ、とすると、 50%≦(Hv0 −Hv1 )/(Hv0 −Hvmin)×100≦95% である。
【0014】換言すれば、軟化度を 軟化度=(Hv0 −Hv1 )/(Hv0 −Hvmin)×100…(I) のごとく定義すると、軟化度は50〜95%であること
が必要である。
【0015】以下、さらにこの発明の復元処理方法を施
すことによってベークハード性の低下を防止することが
できることについて、上記図1の模式的グラフにもとず
いて詳細に説明する。図1の(a)は、溶体化焼入れ処
理したのち放置されて自然時効硬化するAl−Mg−S
i系アルミニウム合金板の硬さ変化を示したものであ
り、加熱前のビッカース硬さがHv0 のAl−Mg−S
i系アルミニウム合金板を用いて復元処理する。
【0016】図1の(b)は自然時効硬化したビッカー
ス硬さがHv0 の材料を200〜260℃の温度域内の
所定の温度で加熱したときの硬さ変化を模式的に示した
ものである。硬さは、ベーキングの場合と同様、復元処
理した場合も最初復元により硬さが低下し、最低値(H
vmin)を採った後再び増加することが分かる。
【0017】図2の(b)のC〜Gの各段階まで復元処
理した材料をその後常温に放置したときの硬度変化を図
2の(c)に示す。復元処理時間が図2(b)の曲線の
最低値となる点Eより短いC,Dの場合、常温放置して
も図2(c)のC,Dに示すようにほとんど自然時効硬
化を生じない。この常温放置した図2(c)のC,Dに
示すAl−Mg−Si系アルミニウム合金板をべーキン
グすると、図2(d)に示すように、Cでは初期にわず
かな軟化を生じるが、溶体化焼入れ処理したのち自然時
効硬化した通常のAl−Mg−Si系アルミニウム合金
板Bにくらべ軟化量が少なく、べーキング終了時の強度
が高くなることがわかる。
【0018】特に、溶体化焼入れ処理したのち放置して
自然時効硬化した通常のAl−Mg−Si系アルミニウ
ム合金板を復元処理したAl−Mg−Si系アルミニウ
ム合金板Dでは、その後、常温放置しても硬さが再び増
加することなくべーキング初期にもほとんど軟化を生じ
ることなく硬化し、溶体化焼入直後の材料Aをべーキン
グした時に近い硬さが得られる。
【0019】しかし、復元処理時間をさらに長くし、強
度が最低値となる時間としたAl−Mg−Si系アルミ
ニウム合金板Eでは、常温放置により強度が再び増加し
(図2(c))、べーキング初期に軟化し、べーキング
後の強度もあまり高くならない(図2(d))ことがわ
かる。
【0020】復元処理時間をさらに長くすると、Al−
Mg−Si系アルミニウム合金板FおよびGに見られる
ように、復元処理直後の硬さは高くなり(F、G)また
図2(c)の常温放置による硬化量は低くなく(F)、
常温放置後の強度がいずれも高くなる。しかし、一般
に、Al−Mg−Si系アルミニウム合金板は、べーキ
ング前に成形されることが多く、Al−Mg−Si系ア
ルミニウム合金板FおよびGの場合は、復元処理により
または復元処理後の常温放置により硬さが高くなり過ぎ
るので成形加工用Al−Mg−Si系アルミニウム合金
板として用いるには好ましくない。
【0021】上述のように、成形加工用Al−Mg−S
i系アルミニウム合金板としては、復元処理は、図2
(b)の曲線のD前後のS時間加熱することにより行う
のが好ましい。すなわち、復元処理時間は、Al−Mg
−Si系アルミニウム合金板の硬さが最も低化する時間
より短い時間とする必要がある。
【0022】しかし、復元処理時間があまり短すぎるC
の場合は、復元処理の効果が少なく、べーキング後の硬
さがあまり高くならないので好ましくない。したがっ
て、最適な条件としては、軟化度が50〜95%の範囲
内にあることが必要である。
【0023】なお上記の説明では復元処理温度を一定と
して説明した。復元処理温度に関しては、温度が高くな
る程、全体に図2(b)の反応が速く進むようになる他
は本質的な変化はない。
【0024】次に、この発明の条件を上記のごとく限定
した理由について、説明する。まず、MgおよびSi
は、主としてベークハード性を高める働きをするが、M
gおよびSi量がそれぞれ0.3%未満および0.5%
未満では、本発明の方法を適用しても、充分なベークハ
ード性が得られず、一方、MgおよびSi量がそれぞれ
0.8%および1.0%を越えると、さらに含有量が増
しても、ベークハード性の増加はわずかとなり、さらに
成形性が著しく低下するようになる。したがって、M
g:0.3〜0.8%およびSi:0.5〜1.0%に
定めた。
【0025】Cuもベークハード性を高める元素である
が1.0%を越えてさらに含有量を増してもベークハー
ド性の増加はわずかとなり、一方、0.05%未満添加
してもベークハード性を高める効果は得られない。した
がってCu量は0.05〜1%とした。
【0026】Znもベークハード性を高める元素である
が2.0%を越えてすると、時効硬化挙動が変化し、ま
た成形性が劣化する。しかし、0.05%未満添加して
もベークハード性を高める効果は得られない。したがっ
て、Zn含有量は、0.05〜2.0%に定めた。さら
に、Mn、Cr、Zrなどは、結晶粒を制御するために
添加されるが、その添加量は、0.01%未満では、十
分な効果が得られず、またMn、Cr、Zrのそれぞれ
が、0.3%、0.2%、0.2%を越えると、鋳造時
に晶出し易くなり好ましくない。したがって、それらの
添加量は、 Mn:0.01〜0.3%、 Cr:0.01〜0.2%、 Zr:0.01〜0.2%、 に定めた。
【0027】次に、復元処理の加熱温度を200℃以上
としたのは、200℃未満では適切な復元処理に要する
時間が長くなり、実用性に欠けるために好ましくなく、
一方、260℃を越えると、適切な復元処理に要する時
間が短くなりすぎ、実用上制御が不可能となるからであ
る。したがって、復元処理の加熱温度は、200℃〜2
60℃に定めた。
【0028】復元処理時間をAl−Mg−Si系アルミ
ニウム合金板の硬さが最も低化する時間より短い時間と
する理由は、先に上記模式図グラフで説明した。また、
軟化度を50〜95%とする理由については、下記の実
施例にもとずいて説明する。
【0029】
【実施例】
実施例1 重量%で、Mg:0.64%、Si:0.89%、T
i:0.02%、Cu:0.50%、Zr:0.12
%、Fe:0.20%、残り:Alからなる組成を有す
るAl−Mg−Si系アルミニウム合金冷延板を用意
し、このAl−Mg−Si系アルミニウム合金冷延板を
530℃に加熱速度:50℃/secで加熱し、同温度
で30秒間保持したのち水焼入れすることにより溶体化
焼入れ処理し、1週間放置してビッカース硬さHv0
74まで自然時効硬化したAl−Mg−Si系アルミニ
ウム合金板を用意した。
【0030】このAl−Mg−Si系アルミニウム合金
板を220℃に表1に示される時間加熱する復元処理方
法1〜11を施し、復元処理後のビッカース硬さHv1
を測定し、そのHv1 から得られた軟化度も表1および
表2に示した。なお表1および表2の結果から、Hvm
in=60であることがわかり、上記Hv0 =74、H
1 (表1および表2に表示)およびHvmin=60
を(I)に代入すると、軟化度が求められる。
【0031】上記復元処理したAl−Mg−Si系アル
ミニウム合金板をさらに常温で1週間放置し、1週間後
のビッカース硬さを測定し、その結果を表1および表2
に示した。
【0032】上記1週間放置されたAl−Mg−Si系
アルミニウム合金板を温度:170℃、20分間ベーキ
ングし、上記ベーキング後のビッカース硬さを測定し、
その結果を表1および表2に示すとともにベーキングに
よる硬さの変化も示した。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】実施例2 重量%で、Mg:0.65%、Si:0.85%、T
i:0.02%、Cu:0.49%、Mn:0.09
%、Fe:0.18%、残り:Alからなる組成を有す
るAl−Mg−Si系アルミニウム合金冷延板を用意
し、このAl−Mg−Si系アルミニウム合金冷延板を
530℃に加熱速度:50℃/secで加熱し、同温度
で30秒間保持したのち水焼入れすることにより溶体化
焼入れ処理し、10時間放置してビッカース硬さHv0
=68まで自然時効硬化したAl−Mg−Si系アルミ
ニウム合金板を用意した。
【0036】このAl−Mg−Si系アルミニウム合金
板を240℃に表2に示される時間加熱する復元処理方
法12〜23を施し、復元処理後のビッカース硬さHv
1 を測定し、さらに軟化度も表3および表4に示し
た。。なお表3および表4の結果から、Hvmin=5
1であることがわかり、上記Hv0 =68、Hv1 (表
3および表4に表示)およびHvmin=51を(I)
に代入すると、軟化度が求められる。
【0037】上記復元処理したAl−Mg−Si系アル
ミニウム合金板をさらに常温で1週間放置し、1週間後
のビッカース硬さを測定し、その結果を表3および表4
に示した。
【0038】上記1週間放置されたAl−Mg−Si系
アルミニウム合金板を温度:170℃、20分間ベーキ
ングし、上記ベーキング後のビッカース硬さを測定し、
その結果を表3および表4に示すとともにベーキングに
よる硬さの変化も示した。
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】表1〜表4の結果から、(1) 220℃
および240℃でそれぞれ復元処理しても復元処理方法
1,2および12に見られるように、軟化度が50%未
満の場合、ベーキング後のビッカース硬さは向上せず、
かえって1週間放置後のビッカース硬さよりも低くな
る、(2) 復元処理方法8および18のように、復元
処理後のビッカース硬さが最も低くなっても復元処理後
1週間放置後のビッカース硬さは高くなり、自然時効硬
化防止作用が発揮されない、(3) したがって、上記
表1〜表4の復元処理方法1〜23のうち、復元処理方
法3〜8および13〜17がこの発明の復元処理方法の
実施例として適当である、ことが分かる。
【0042】以上の事項から、この発明の復元処理方法
において、復元処理温度を220℃および240℃に加
熱した場合、その加熱時間はAl−Mg−Si系アルミ
ニウム合金板の硬さが最も低化する時間より短い時間加
熱する必要があり、かつ軟化度が50〜95%となる時
間とする必要があり、この条件を満足することにより、
常温に放置しても自然時効硬化をほとんど生じなくさせ
ることができ、しかもベークハード性を向上させること
ができることが分かる。
【0043】なお、実施例1では、復元処理温度を22
0℃に設定し、実施例2では、復元処理温度を240℃
に設定したが、復元処理温度を200℃および260℃
に設定してもほぼ同じ効果が得られた。
【0044】
【発明の効果】この発明によると、Al−Mg−Si系
アルミニウム合金板を適切な条件で復元処理を行うこと
により、常温に放置しても自然時効硬化をほとんど生じ
なくさせることができ、しかもベークハード性の劣化を
防止することができ、製品の安定性に寄与するなど、産
業上すぐれた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の復元処理方法およびその効果を説明
するための模式的グラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、Mg:0.3〜0.8%、S
    i:0.5〜1.0%、Ti:0.001〜0.05
    %、を含有し、さらに、必要に応じて、Cu:0.05
    〜1.0%、Zn:0.05〜2.0%、Mn:0.0
    1〜0.3%、Cr:0.01〜0.2%、Zr:0.
    01〜0.2%、の内の1種以上を含有する組成を有
    し、溶体化焼入れ処理したのち放置されて自然時効硬化
    したAl−Mg−Si系アルミニウム合金板を、 温度:200〜260℃の範囲の所定の温度で加熱し、
    その加熱時間は、Al−Mg−Si系アルミニウム合金
    板の硬さが上記加熱により最も低化する時間より短い時
    間であり、かつ加熱後のAl−Mg−Si系アルミニウ
    ム合金板の硬さ(Hv1 )は下記の条件を満足する硬さ
    となるように加熱する、ことを特徴とする溶体化焼入れ
    処理したのち放置されて自然時効硬化したアルミニウム
    合金板の復元処理方法。 ただし、下記に示す条件とは、 Hv0 :加熱前のビッカース硬さ、 Hv1 :加熱後のビッカース硬さ、 Hmin:所定の温度で加熱したとき硬さが最も低下し
    たときのビッカース硬さ、 とすると、 50%≦(Hv0 −Hv1 )/(Hv0 −Hvmin)×100≦95% である。
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