JPH0543842U - 園芸用ハウス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 透光性シートと遮光シートとをそれぞれ独立
して開閉自在とすることにより温度及び光等の調節を自
在に行なう。 【構成】 園芸用ハウス１の屋根部１１に巻回すること
により開閉自在とされる屋根部シート６が設けられてお
り、屋根部１１に続く側壁部１２には巻回することによ
り開閉自在とされる側壁部シート８が設けられている。
そして、屋根部シート６には屋根部シート６に張力を与
えて雨水等が溜らないようにするための緊張装置７が設
けられている。また、屋根部シート６の下面位置には屋
根部シート６とは独立して巻回することにより開閉自在
とされる遮光シート９が設けられている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、野菜、果樹や草花等の園芸に用いられる園芸用ハウスに係り、特に 園芸用ハウスに張装される透光性シート及び遮光シートを開閉自在とする園芸用 ハウスに関する。

【０００２】

【従来の技術】

冷たい外気や風雨から栽培物を保護し、季節外において栽培物の生長に必要な 温度及び光を与えるための園芸用ハウスは、保温を最大の目的としている。栽培 物の生育に最適の温度は、昼間で２１〜２７℃位であるが透光性シートを張装し た場合の園芸用ハウスの内部温度は、冬期の晴天時には３０℃位、春期以降は４ ０℃にも達することがある。このため栽培物には高温障害による被害が発生し経 済的な損失が大きい。これを防止するために、換気扇による換気、天窓や側窓の 開放による換気、ミスト散水による降温、透光性シートの巻回による換気等が行 なわれている。また、冬期の保温のためには暖房器を使用する等が行なわれてい る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかるに上記従来の園芸用ハウスにおいて、高温障害を防止するために換気扇 を使用するものは園芸用ハウス内の換気を万遍なく行なうために多くの換気扇を 必要とし、天窓や側窓を使用するものは園芸用ハウスが複雑な構造となる。また 、ミスト散水を行なうものは園芸用ハウス内の湿度のコントロールが問題となり 、さらに、透光性シートを使用するものは透光性シートが風により煽られたり飛 散しないようにハウスバンドを設けているので、透光性シートを巻回して園芸用 ハウスを開放するときはこのハウスバンドを弛める必要がある。また、この透光 性シートを張装したときには透光性シートにテンションを与えていないので弛ん だ部分に雨水が溜りひどい場合には透光性シートが破損することがある。そして 、雨水が溜った状態では透光性シートの巻回が不可能になる等の問題がある。ま た、園芸用ハウス内で暖房器を使用するものは温度のコントロールをする必要が ある等の問題があった。

【０００４】 本考案はこれに鑑み、透光性シートと遮光シートとを使用し、それぞれを独立 して巻回することにより開閉自在として温度及び光に対する調節を容易とし、一 年中の使用を可能にするとともに、透光性シートを張装した場合には雨水等が溜 ることのない園芸用ハウスを提供することを目的としてなされたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため本考案においては、アーチ型の骨材を所要の間隔を 設けて立設し、これら骨材で構成されるフレームの屋根部及びこの屋根部に続い て側面を構成する側壁部にプラスチック等の透光性シートを張装してなる園芸用 ハウスにおいて、前記屋根部で巻回することにより開閉自在とされる屋根部シー トと、この屋根部シートを前記屋根部に張装したときに屋根部シートに張力を与 えて雨水等が滞溜しないようにするための緊張装置と、前記側壁部において巻回 することにより開閉自在とされる側壁部シートと、前記屋根部シートの下面位置 に設けられ、屋根部シートに沿い屋根部シートとは独立して巻回することにより 開閉自在とされる遮光シートとを有することを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】

屋根部シートを園芸用ハウスの屋根部で開閉し、屋根部に続く側壁部で側壁部 シートを開閉することにより園芸用ハウス内の温度調節を自由に行なうことがで きる。そして、緊張装置により屋根部シートは屋根部において常に張力が与えら れるので、屋根部シートへの雨水等は滞溜することなく屋根部から落下する。さ らに、屋根部シートの下面位置の独立した遮光シートにより園芸用ハウス内への 光が自由に調節される。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案を図１乃至図８に示す一実施例を参照して説明する。

【０００８】 本考案による園芸用ハウス（以下、ハウスという）１の外形は従来のものと同 様のかまぼこ形とされており、ハウス１は、フレームを構成する骨材としての主 骨材２、副骨材３、棟材４及び母屋材５と、屋根部シート６、この屋根部シート ６に張力を与える緊張装置７、側壁部シート８及び遮光シート９を有している。

【０００９】 主骨材２は、パイプ等の棒材によりアーチ型に形成され所要の間隔（例えば１ ｍ）を設けて地上に立設されている。副骨材３は、パイプ等の棒材によりアーチ 型に形成され主骨材２の下面位置に所要の間隔で設けられ地上に立設されている （図１参照）。そして、主骨材２と副骨材３とは支持部材１０により固定され、 主骨材２と副骨材３との間に所要の間隔（例えば１０cm）が形成されるようにな っている。また、主骨材２のアーチ型の頂部間にはパイプ等の棒材からなる棟材 ４が架設されている。

【００１０】 また、ハウス１は、上面を構成する屋根部１１と、この屋根部１１に続いて側 面を構成する側壁部１２とを有しており、この側壁部１２の主骨材２間にはハウ ス１の長手方向に向かってパイプ等の棒材からなる母屋材５が架設されている。

【００１１】 屋根部シート６は、透光性のプラスチック等よりなり、ハウス１の長さにほぼ 相当する長辺と、屋根部１１の斜面の長さにほぼ相当する短辺とを有する長方形 形状の一枚物で、長辺側の一方は、棟材４に固着され長辺側の他方は、パイプ等 の棒材からなっていてハウス１の長さにほぼ相当する長さを有する屋根部シート 巻取り軸１３に固着されている。そして、この屋根部シート巻取り軸１３の一端 部にはユニバーサルジョイント１４を介して保持棒１５が設けられており、この 保持棒１５の一端部にはハンドル１６が設けられている。また、ハンドル１６に は図示しないが例えば逆転防止用のラチエットが内装されている。

【００１２】 緊張装置７は、図２及び図７に示すように屋根部１１と側壁部１２とが続く位 置に設けられており、主骨材２の外方で母屋材５と平行に設けられたフック取付 け軸１７と、このフック取付け軸１７に固着されるフック１８とを有している。

【００１３】 フック取付け軸１７はパイプ等の棒材からなりフック取付け軸１７の外径より 大きい内径を有する支持環１９に挿通されている。そして、この支持環１９の一 端は主骨材２に固着されている。フック１８は、線材又は板材を折曲して形成さ れ、このフックは屋根部シート巻取り軸１３の円弧に等しい円弧に湾曲形成され ている。そして、フック１８の基端部は取付け金具２０，２０によりフック取付 け軸１７に固着されている。

【００１４】 側壁部シート８は、透光性のプラスチック等よりなりハウス１の長さにほぼ相 当する長辺と、側壁部１２の高さにほぼ相当する短辺とを有する長方形形状の一 枚物で、長辺側の一方は母屋材５に固着され長辺側の他方はパイプ等の棒材から なりハウス１の長さにほぼ相当する長さを有し一端部に図示しない逆転防止用の ラチエットを内装したハンドル２１を有する側壁部シート巻取り軸２２に固着さ れている。なお、２３は側壁部シート８が風により煽られることを防止するため のバンドを示している。

【００１５】 遮光シート９は、荒目布等よりなりハウス１の長さにほぼ相当する長辺と、屋 根部１１の斜面の長さのほぼ１／２に相当する短辺とを有する長方形形状の一枚 物で、長辺側の一方は主骨材２及び支持部材１０に固着され長辺側の他方はパイ プ等の棒材からなりハウス１の長さにほぼ相当する長さを有する遮光シート巻取 り軸２４に固着されている。そして、この遮光シート巻取り軸２４の一端部には ユニバーサルジョイント２５を介して保持棒２６が設けられており、この保持棒 ２６の一端部には図示しない逆転防止用のラチエットを内装したハンドル２７が 設けられている。そして、この遮光シート９は、屋根部シート６の下面位置で主 骨材２と副骨材３との間に設けられており、屋根部シート６とは独立し、遮光シ ート９ ２組で屋根部１１全体を覆うようになっている。

【００１６】 このハウス１は上記のように構成されているので、ハウス１の屋根部１１を開 放する場合は、保持棒１５を持ってハンドル１６を回転させ、ユニバーサルジョ イント１４を介して屋根部シート巻取り軸１３を回転させる。そして、屋根部シ ート６を屋根部シート巻取り軸１３に巻回させつつ屋根部シート巻取り軸１３を 主骨材２の屋根部１１に沿わせ主骨材２の頂部に向けて移動させることによりハ ウス１の屋根部１１が開放される（図２参照）。

【００１７】 そして、ハンドル１６に設けられているラチエットでハンドル１６の回転をロ ックすることにより屋根部シート巻取り軸１３は屋根部シート６を巻回した状態 で巻上げた位置に停止する。

【００１８】 また、巻回されている屋根部シート６を屋根部１１へ張装する場合は、保持棒 １５を持ってハンドル１６のラチエットを外し、ハンドル１６を屋根部シート６ を巻取る方向と逆の方向に回転させ屋根部シート巻取り軸１３を図８（ａ）に矢 印で示す方向に回転させる。そして、屋根部１１に沿わせ下方に向けて移動させ て屋根部シート巻取り軸１３を支持環１９に当接させる（図８（ｂ）参照）。こ のとき屋根部シート６は弛んでいる。ついで、図８（ｃ）に示すようにフック １８を屋根部シート巻取り軸１３にかぶさるように回動し、屋根部シート巻取り 軸１３を図８（ｃ）に矢印で示す方向に回動して屋根部シート６を巻取り、屋根 部シート６に張力が加わるようにしてフック１８に当接させる。そして、ハンド ル１６のラチエットでハンドル１６の回転をロックすることにより屋根部シー６ は緊張した状態を保持しつつ屋根部１１に張装される（図８（ｄ）参照）。

【００１９】 さらに、屋根部シート６を屋根部１１の任意の位置に停止させる場合は、任意 の位置でハンドル１６のラチエットを働かせることにより屋根部シート６を停止 させることができる。

【００２０】 一方、側壁部シート８を開放する場合は、ハンドル２１を回転させ側壁部シー ト巻取り軸２２を回転させる。そして、側壁部シート８を側壁部シート巻取り軸 ２２に巻回させつつ側壁部シート巻取り軸２２を主骨材２の側部に沿って上昇さ せ巻取りが終った時点でラチエットを働かせ、ハンドル２１の回転をロックする ことによりハウス１の側壁部１２が開放される（図２参照）。

【００２１】 また、巻回されている側壁部シート８を側壁部１２へ張装する場合は、ハンド ル２１のラチエットを外しハンドル２１を側壁部シート８を巻取る方向と逆の方 向に回転させつつ側壁部シート巻取り軸２２を主骨材２の側部に沿って降下させ ることにより側壁部シート８は側壁部１２に張装される（図１参照）。

【００２２】 また、側壁部１２の任意の位置に側壁部シート８を停止させる場合は、ハンド ル２１のラチエットにより停止させることができる。

【００２３】 さらに、屋根部シート６の下面位置に設けられている遮光シート９を開放する 場合は、保持棒２６を持ってハンドル２７を回転させ、ユニバーサルジョイント ２５を介して遮光シート巻取り軸２４を回転させる。そして、遮光シート９を遮 光シート巻取り軸２４に巻回させつつ主骨材２と副骨材３との間を主骨材２の頂 部に向けて移動させることによりハウス１の屋根部１１の遮光シート９が巻上げ られる（図１参照）。そして、ハンドル２７に設けられているラチエットでハン ドル２７の回転をロックすることにより、遮光シート巻取り軸２４は、遮光シー ト９を巻回した状態で巻上げた位置に停止する。

【００２４】 また、巻回されている遮光シート９を屋根部１１へ張装する場合は、保持棒２ ６を持ってハンドル２７のラチエットを外し、ハンドル２７を遮光シート９を巻 上げる方向とは逆の方向に回転させつつ遮光シート巻取り軸２４を下方に向けて 降下させることにより屋根部１１は遮光シート９により閉じられる（図３参照） 。なお、ハンドル２７に設けられているラチエットでハンドル２７の回転をロッ クすることにより任意の位置で遮光シート９を停止させることができる。

【００２５】 このように、それぞれ独立して開閉することのできる屋根部シート６側壁部シ ート８及び遮光シート９を開閉することによりハウス１内の温度及び光を最適と することができる。

【００２６】 なお、本実施例では緊張装置７は、屋根部１１と側壁部１２とが続く位置に設 けるものとしたが、屋根部１１あるいは側壁部１２の任意の位置に設けてもよく 、また、本実施例では屋根部シート６及び側壁部シート８を巻回する園芸用ハウ ス１について説明したが、側壁部シート８を必要とせず屋根部シート６のみを必 要とする雨よけ施設等に用いてもよくこれらに限定されるものではない。

【００２７】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、園芸用ハウスの屋根部で巻回することに より開閉自在とされる屋根部シートと、園芸用ハウスの側壁部で巻回することに より開閉自在とされる側壁部シートとを有しているので、園芸用ハウス内の温度 の調節及び換気を自在、容易に行なうことができる。そして、屋根部シートに張 力を与える緊張装置を有しているので屋根部に屋根部シートを張装したときしわ にならず、屋根部シートに雨水等が滞溜することはなく、したがって、シートが 損傷することもない。また、ハウスバンドを用いず、シートを固定することがで きる。

【００２８】 さらに、屋根部シートとは独立して巻回することにより開閉自在とされる遮光 シートを有しているので、栽培物の日焼け及び放射冷却による園芸用ハウス内の 温度の低下を防止することができ、一年中を通して園芸用ハウスを常に最適状態 で使用することができる等の効果を奏する。

【提出日】平成３年１２月１３日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１８

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１８】 また、巻回されている屋根部シート６を屋根部１１へ張装する場合は、保持棒 １５を持ってハンドル１６のラチエットを外し、ハンドル１６を屋根部シート６ を巻取る方向と逆の方向に回転させ屋根部シート巻取り軸１３を図８（ａ）に矢 印で示す方向に回転させる。そして、屋根部１１に沿わせ下方に向けて移動させ て屋根部シート巻取り軸１３を支持環１９に当接させる（図８（ｂ）参照）。こ のとき屋根部シート６は弛んでいる。ついで、図８（ｃ）に示すようにフック１ ８を屋根部シート巻取り軸１３にかぶさるように回動し、屋根部シート巻取り軸 １３を図８（ｃ）に矢印で示す方向に回動して屋根部シート６を巻取り、屋根部 シート６に張力が加わるようにしてフック１８に当接させる。そして、ハンドル １６のラチエットでハンドル１６の回転をロックすることにより屋根部シート６ は緊張した状態を保持しつつ屋根部１１に張装される（図８（ｄ）参照）。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による園芸用ハウスの一実施例を示し、
屋根部シート及び側壁部シートを張装した場合の縦断面
図。

【図２】図１における屋根部シート及び側壁部シートを
巻回した場合の縦断面図。

【図３】図２における遮光シートを張装した場合の縦断
面図。

【図４】園芸用ハウスにおける屋根部シート、側壁部シ
ート及び遮光シートを張装した場合の縦断面図。

【図５】園芸用ハウスにおける屋根部シート及び側壁部
シートを張装した場合の斜視図。

【図６】園芸用ハウスにおける屋根部シート及び側壁部
シートを巻回した場合の斜視図。

【図７】緊張装置の正面図。

【図８】緊張装置の側面図。

【符号の説明】

１ ハウス ２ 主骨材 ３ 副骨材 ４ 棟材 ５ 母屋材 ６ 屋根部シート ７ 緊張装置 ８ 側壁部シート ９ 遮光シート １３ 屋根部シート巻取り軸 ２２ 側壁部シート巻取り軸 ２４ 遮光シート巻取り軸

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【手続補正書】

【提出日】平成３年１２月１３日

【手続補正２】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図８

【補正方法】変更

【補正内容】

【図８】

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】アーチ型の骨材を所要の間隔を設けて立設
   し、これら骨材で構成されるフレームの屋根部及びこの
   屋根部に続いて側面を構成する側壁部にプラスチック等
   の透光性シートを張装してなる園芸用ハウスにおいて、
   前記屋根部で巻回することにより開閉自在とされる屋根
   部シートと、この屋根部シートを前記屋根部に張装した
   ときに屋根部シートに張力を与えて雨水等が滞溜しない
   ようにするための緊張装置と、前記側壁部において巻回
   することにより開閉自在とされる側壁部シートと、前記
   屋根部シートの下面位置に設けられ、屋根部シートに沿
   い屋根部シートとは独立して巻回することにより開閉自
   在とされる遮光シートとを有することを特徴とする園芸
   用ハウス。