JPH053419U - コーナ部外壁固定構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コーナ部外壁の内側に位置する柱などの構造
体に、溶接やビス止めなどの加工を施すことなく固定を
可能として、施工性の向上を図ると共に、構造体の耐力
低下および発錆を防止する。 【構成】 コーナ部外壁版２の裏面に、これに隣接する
外壁版３をボルトまたはビス７で固定可能な隣接壁接続
部４Ａをもった壁接続具４を固定する。この壁接続具４
にそれの内側の柱などの構造体１に接着または吸着され
る表面固定材６を、スペーサ５を介して設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、鉄骨造りの構築物等に適用されるもので、構築物のコーナ部に配 置されて隣接する外壁版に固定・接続されるコーナ部外壁固定構造に関するもの である。

【０００２】

【従来の技術】

コーナ部外壁の内側には、柱などの構造体が配置されることが多い。そこで、 従来では、図４に示すように、柱などの構造体１の外側面にチャンネルなどの下 地材１１を溶接あるいはビス止めし、その下地材１１にコーナ部外壁版２をビス やボルトなどの固着具１２を介して固定している。コーナ部外壁版２の両側には 、他の外壁版３が隣接して建て込まれている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のコーナ部外壁固定構造では、柱などの構造体１に現場で溶接やビス止め などの加工を施す必要があるため、施工性が悪いばかりでなく、構造体１を損傷 しやすく、構造耐力の低下、さらには錆の発生など好ましくない現象を招き易い という問題点があった。

【０００４】 この考案の目的は、現場での施工性の向上を図るとともに、構造体の耐力の低 下や発錆をなくして、コーナ部外壁版を堅固に固定できるコーナ部外壁固定構造 を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案のコーナ部外壁固定構造は、コーナ部外壁版の裏面に固定されて前記 コーナ部外壁版の側方に突出する隣接壁接続部を有する壁接続具と、この壁接続 具に設けられて前記コーナ部外壁版の内側に位置する構造体に接着または吸着さ れる表面固定材と、前記コーナ部外壁版に隣接する外壁を前記壁接続具の隣接壁 接続部に固定する固着具とを具備したものである。

【０００６】

【作用】

この構成によると、コーナ部外壁の裏面に予め壁接続具を固定しておき、コー ナ部外壁が現場に持ち込まれた段階で、壁接続具を表面固定材の接着または吸着 により柱等の構造体に仮固定する。このような仮固定状態で、壁接続具の隣接壁 接続部に隣りの外壁を固着具で固定する。これにより、コーナ部外壁版が隣接す る外壁版に接続されて、本固定が行われる。そのため、内側の構造体に溶接やビ ス止めなどの加工を施すことなく、コーナ部外壁版の固定が行われる。

【０００７】

【実施例】

この考案の一実施例を図１および図２に基づいて説明する。コーナ部外壁版２ は、断面Ｌ形に成形したＡＬＣ版等の成形体からなり、その裏面の上下複数個所 に壁接続具４がボルトまたはビス８，８により固定されている。壁接続具４はＬ 字形の折曲板からなり、両端部がコーナ部外壁版２の側縁から突出する隣接壁接 続部４Ａ，４Ａに形成されている。壁接続具４の中間位置には、一対の略Ｚ字状 の折曲板からなるスペーサ５，５が固定されており、これらスペーサ５，５の内 面に表面固定材である両面接着テープ６，６が貼付けられている。スペーサ５， ５は、コーナ部外壁版２の内側に位置する柱などの構造体１の２面に当接するよ うに、互いに直角に設けられている。

【０００８】 上記構成において、コーナ部外壁版２の取付け施工はつぎのように行われる。 まず、コーナ部外壁版２を、裏面の壁接続具４のスペーサ５，５が、構造体１の 外側２面に当接するように押し付け、これにより各スペーサ５，５の両面接着テ ープ６，６で構造体１に仮固定する。つぎに、コーナ部外壁版２に隣接する外壁 版３，３を建て込んだ後、これら外壁版３，３の裏面に壁接続具４の隣接壁接続 部４Ａ，４Ａを、外壁版３，３の外面からねじ込んだドリル付きタッピングビス ７，７で固定する。なお、各外壁版３，３は、図外の部分で建物の柱や梁等の構 造体に堅固に固定される。また、タッピングビス７，７の代わりに、通常のビス またはボルトを用い、その螺合用の雌ねじ部を隣接壁接続部４Ａ，４Ａにタップ または溶接ナットで形成してもよい。

【０００９】 上記のコーナ部外壁固定構造によれば、コーナ部外壁版２は、壁接続具４で両 隣の外壁版３，３に固定されることによって取付強度が得られ、構造体１に対す る固定は、施工のための仮保持ができる程度の強度があれば良い。そのため、柱 などの構造体１に溶接やビス止めなどの現場加工を施すことが不要となり、それ だけ施工性が向上するうえ、構造体１の損傷が生じず、構造耐力の維持および防 錆面でも優れた効果が得られる。 また、このようにコーナ部外壁版２を構造体１に溶接等で固定する必要がない ため、柱等からなる構造体１とコーナ部外壁版２との隙間を小さく設計でき、建 物内に出てくる柱型も極力小さくすることができる。

【００１０】 図３は、この考案の他の実施例を示す。この例は化粧柱に適用した例であり、 前記壁接続具４および両面接着テープ６，６付きのスペーサ５，５を備えた２個 のコーナ部外壁版２と、これらコーナ部外壁版２に隣接する外壁版としての２個 のＬ字状のコーナ部外壁版３とを使用して、柱からなる構造体１の外周を取り囲 んである。この場合、２個のコーナ部外壁版２を両面接着テープ６，６により構 造体１に仮固定した上、これらコーナ部外壁版２の壁接続具４に、それぞれ隣接 する２個の外壁版３を固定する。このように、構造体１の回りを各外壁版２，３ が囲むことで、これら外壁版２，３が固定される。この実施例の場合も、構造体 １に対する溶接やビス止めなどの現場加工を行うことなく、閉じ断面の柱からな る構造体１に外壁版２，３を取付けることができる。

【００１１】 なお、前記各実施例では、両面接着テープ６を使用した場合につき説明したが 、例えば構造体１が鉄骨製である場合は、表面固定材として磁石を使用しても良 い。構造体１は、柱に限らず、梁等であっても良い。また、前記各実施例は、出 隅のコーナ部外壁に適用した場合につき説明したが、この考案は入隅のコーナ部 外壁にも前記と同様に適用することができる。

【００１２】

【考案の効果】

この考案のコーナ部外壁固定構造は、コーナ部外壁版の裏面に設けた壁接続具 を介して、コーナ部外壁版を隣接する外壁版に固定し、コーナ部外壁版の内側の 構造体に対しては施工時の仮固定のために表面固定材で接着または吸着させるだ けの構成としたため、柱などの構造体に溶接やビス止めなどの加工を施す必要が なくなり、それだけ現場での施工性が向上する。 また、構造体を加工する必要がなく損傷しないで済むため、構造体の耐力の低 下がなく、錆の発生も減少することができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例を示す要部の横断平面図で
ある。

【図２】図１の要部の拡大斜視図である。

【図３】この考案の他の実施例を示す要部の横断平面図
である。

【図４】従来のコーナ部外壁固定構造を示す要部の横断
平面図である。

【符号の説明】

１…構造体、２…コーナ部外壁版、４…壁接続具、４Ａ
…壁接続部、５…表面固定部材、６…両面接着テープ
（表面固定材）、７…タッピングビス（固着具）

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 コーナ部外壁版の裏面に固定されて前記
   コーナ部外壁版の側方に突出する隣接壁接続部を有する
   壁接続具と、この壁接続具に設けられて前記コーナ部外
   壁版の内側に位置する構造体に接着または吸着される表
   面固定材と、前記コーナ部外壁版に隣接する外壁版を前
   記壁接続具の隣接壁接続部に固定する固着具とを具備し
   たコーナ部外壁固定構造。