JPH0532503A - 鳥獣類の嫌忌忌避剤 - Google Patents

鳥獣類の嫌忌忌避剤

Info

Publication number
JPH0532503A
JPH0532503A JP21135391A JP21135391A JPH0532503A JP H0532503 A JPH0532503 A JP H0532503A JP 21135391 A JP21135391 A JP 21135391A JP 21135391 A JP21135391 A JP 21135391A JP H0532503 A JPH0532503 A JP H0532503A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
birds
animals
repellent
substance
cyclodextrin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP21135391A
Other languages
English (en)
Inventor
Goro Kuroda
五郎 黒田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chuo Aerosol Kagaku Kk
Original Assignee
Chuo Aerosol Kagaku Kk
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chuo Aerosol Kagaku Kk filed Critical Chuo Aerosol Kagaku Kk
Priority to JP21135391A priority Critical patent/JPH0532503A/ja
Publication of JPH0532503A publication Critical patent/JPH0532503A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鳥獣類の侵入を防止するために使用する、鳥
獣類が嫌忌する臭いを利用する鳥獣類の嫌忌忌避剤にお
いて、その効果の持続性が大きく、長期間にわたって有
効であるものを提供する。 【構成】 鳥獣類が嫌忌する有臭物質のサイクロデキス
トリン包接体を有効成分とする鳥獣類の嫌忌忌避剤。前
記サイクロデキストリン包接体を樹脂、高級アルコール
などで被覆するか、又は前記物質中に混在させたもの。
また、前記サイクロデキストリン包接体を合成高分子粘
ちょう物、天然高分子粘ちょう物で被覆するか、又はそ
れの中に混在させたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鳥獣類の嫌忌忌避剤に
関するもので、特に鳥獣が家屋や人間の生活領域に侵入
するのを防止する目的で使用される、長期の持続効力を
有する鳥獣類の嫌忌忌避剤に関する。
【0002】
【従来の技術】鳥獣類が家屋や人間の生活領域に無断で
侵入してくると、人間の生活上迷惑を蒙り、危害を受け
ることがあるので、その侵入の防止に種々の手段が考え
られている。鳥獣類は一般的に嗅覚に優れており、臭気
に対して敏感であり、異常な臭いに遭うとこれを避ける
こと、およびネバネバした粘着性物質が体表面に付着す
るのを嫌うこと、の習性があるので、これらを忌避剤に
応用したものが発表されている。例えば、特公平1−1
6803号ではメントールが、特開昭63−23162
号ではジエチルトルアミドを犬猫忌避剤として用いてい
る。鳥害防除薬の例では特開昭61−56110号にリ
モネン、リナロール、シトラールが挙げられている。特
に、鳥類は粘ちょう物を嫌うとして、特開昭60−61
505号ではブテン重合物・クレイを用いており、また
もぐらに対しては特公昭63−5364号ではスルファ
ミン酸塩が有効であるとしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来公知の鳥
獣類に対する忌避剤あるいは防除剤は、使用当初はかな
りの効力はあるが、有効成分としての有臭成分は揮発性
であるために、早い時期に揮散してしまい有効持続時間
が短いという欠点がある。特に、これらの忌避剤や防除
剤は、通常、屋外で使用する関係上、風雨日照等にさら
されるという苛酷な条件を考慮すれば、その持続性はさ
らに悪くなる。
【0004】その有効持続時間を延ばすために、カオリ
ン、ベントナイト、活性炭のような賦形剤を混合する方
法、ゼラチン、マルトーズ、PVA等でマイクロカプセ
ルをつくり、その中に閉じ込める方法、特殊容器に充填
する方法などを検討したが、夫々欠点があり、十分な持
続性を与えられなかった。有臭成分は前記の賦形剤など
に保持させても、施用当初極大の揮散をするため、人間
に対しても不快感を与える程強力であるが、徐々に減少
し、暫時の間は鳥獣類が忌避する濃度を保持するもの
の、急速に低下して鳥獣類が感じないような濃度とな
る。
【0005】本発明は、このような欠点を解決し、鳥獣
類に対してそれらが嫌忌する有臭物質を有効な量で、か
つなるべく一定な量を長期間にわたって持続的に放出す
る嫌忌忌避剤を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記有臭物質
をサイクロデキストリンの包接化合物(「クラスレイト
化合物」ともいう)としたもの(以下、本発明では「鳥
獣類が嫌忌する有臭物質のサイクロデキストリン包接
体」、あるいは単に「有臭物質のサイクロデキストリン
包接体」という。)は、前記有臭物質を徐々に長期間に
わたって持続的に放出する作用を有することを見出すこ
とによってなされたものである。
【0007】すなわち、本発明は次の手段によって前記
の目的を達成することができた。 (1)鳥獣類が嫌忌する有臭物質のサイクロデキストリ
ン包接体を有効成分とする鳥獣類の嫌忌忌避剤。
【0008】(2)鳥獣類が嫌忌する有臭物質のサイク
ロデキストリン包接体を、樹脂、高級アルコール、高級
脂肪酸、油脂類、ロウ類、鉱油類、天然・合成高分子物
および石けん類の一種又は二種以上の物質により被覆す
るか、又は前記物質中に混在することを特徴とする鳥獣
類の嫌忌忌避剤。
【0009】(3)鳥獣類が嫌忌する有臭物質のサイク
ロデキストリン包接体を、合成高分子粘ちょう物、天然
高分子粘ちょう物の一種又は二種以上の物質により被覆
するか、又は前記物質中に混在することを特徴とする鳥
獣類の嫌忌忌避剤。
【0010】本発明において用いる鳥獣類が嫌忌する有
臭物質について、その具体例を説明すると、次のように
分類される。 (1)植物のエッセンス、エキス、チンキ類 レモン、ちんぴ、はっか、ラベンダー、えごま、カミモ
ラ、ぶたくさ、ペルーバルサム、しそ、ゼラニウム、ベ
ルガモット、ちょうじ、けいひ、くすのき、ユーカリ、
かやつりぐさ、レモングラス、しょうぶ、まつ、かや、
としょう、ひのき、せんきゅう、ういきょう、とうき、
バニラ、タイム、にら、しょうが、とうがらし、ローレ
ル、たばこ、わさび、からし、てんぐだけ等 (2)上記に含まれる精製成分。合成品も対象となる。 シネロール、リナロール、ピネン、オイゲノール、リモ
ネン、ネロリドール、ゲラニオール、シトラール、メン
トール、カンフル、カルボン、ツヨン、アネソール、ケ
イヒアルコール、バニリン等 (3)人工香料成分 酢酸エチル、ベンジルアルコール、メチルアミルアルコ
ール、デカラクトン、シンナミックアルデヒド、ベンジ
リデンケトン、ナフトールメチルケトン、サリチル酸メ
チル、安息香酸エチル、エチルフェニルアルコール等 上記(1)(2)(3)は香料成分として用いられるも
ので人間に芳香として感じられても、動物はこれを嫌避
する場合がある。本発明の場合それらの粗原料例えばテ
レピン油、オレンジ油、ユーカリ油、樟脳油、松根油、
オコチャ油、ハッカ油、ツェデル油、アニス油、ヘノポ
ジ油、クレオソート油、木酢油等は経済的にも有利に使
用できる。 (4)石炭タールまたはオイルタールから得られるも
の。近年は合成されている。フェノール、クレゾール、
ナフタレン、ベンツアルデヒド、アニリン、メジチレ
ン、メチルアニリン等 (5)アルコール、酸、アルデヒド、ケトン、エーテ
ル、エステル、ギ酸、酢酸、ホルマリン、パラアルデヒ
ド、アリルアルコール、メチルエチルケトン、プロピオ
ン酸メチル、クロトン酸メチルエーテル等 (6)硫黄化合物 チオアルコール、チオグリコール酸、チオグリセリン、
チオフェン、硫化アンモニウム、硫化カルシウム、チロ
キソン、等 (7)窒素化合物 ピリジン、ピコリン、インドール、エチルアミン、トリ
エタノールアミン、等 (8)ハロゲン化合物 トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロ酢酸、
クロロアセトン、ヨードフォルム、クロロベンゾール、
等 (9)その他、カンタリジン、バニルアミド、ピペリジ
ン、カプサイチン、などの刺激物質、イクモタール、ウ
ンデシレン酸、等の特臭物質 次に、サイクロデキストリン包接体について説明を加え
る。サイクロデキストリンは数個のD−グルコピラノー
スが環状に結合したもので、その分子内は空洞構造にな
っていて、その空洞に他の化合物をとじこめる性質があ
る。空洞構造の大きさによって、α,β,γが知られて
おり、とじこめることを包接という。本発明では包接す
べき有効成分によって適切に選択される。またグルコピ
ラノーズにメチル基やフェノール基を付加して改質した
ものも使用できる。
【0011】有効成分とするサイクロデキストリン包接
体の製造方法を述べると、目的成分を、必要に応じては
少量の有機溶剤に溶解しておき、サイクロデキストリン
の飽和溶液に加え攪拌すると、包接体が沈析するから、
これをろ取する。または、サイクロデキストリンに0.
3〜3倍量の水を加えたスラリーに目的成分をまぜ、十
分に攪拌しペースト状になったものを乾燥し溶剤で洗浄
して得ることができる。
【0012】このようにして、得られた包接体は、その
儘本発明目的に使用し得るが、さらに剤形を種々変え加
工して、その使用に適する様にかつ効果をあげる様に工
夫される。
【0013】粉体状で使用する場合は希釈剤としてカオ
リン、ベントナイト、シリカ、タンカル、タルク、でん
ぷん、白糖、乳糖、セルローズパウダー、等のフィラー
を添加希釈する。
【0014】溶剤分散型とする場合、サイクロデキスト
リンは空洞内部が親油性、外部が親水性である特性を利
用して、本発明では包接する有臭物質とサイクロデキス
トリンとの両者に溶解しない工夫を行うべきである。溶
剤は単一でなく混合溶剤の中から適切なものを選択して
使用するのが普通である。例えば、グリコール、ジグリ
セリン、シクロヘキサノン、ナフサ、フロン、ポリエチ
レングリコール、エタノールアミン、アルコール類、セ
ルソルブ類、カルビノール類、フラン、脂肪酸類、水等
の内から選択し特定比率において目的を達する。またク
リーム、ゲル、ペースト内に巻きこむ方法も有効であ
る。また、噴射剤を配合したスプレー、ムース、ジェル
タイプの製品にも応用しうる。
【0015】これらの各種剤型製品を製造するにあた
り、前記の包接体その儘で用いるよりも、表面加工をし
た方が製剤の安定を計りうると共に、使用時に効果の持
続を改善する。この目的に対しては、つぎの薬品をもっ
て表面加工するが、溶着、噴霧蒸着、等の手段でまた表
面で重合縮合する方法も採用しうる。
【0016】表面加工処理するための薬品は、請求の範
囲請求項2に掲げる物質であり、具体的には(1)〜
(5)のごとくである。ここに掲げる物質は表面加工の
目的のみならず、施用したとき忌避剤が鳥獣の侵入を防
ぐ仕切り、例えば地面・柵・壁・縄等に固着し易くする
性質をも付加せしめることができる。さらにこの量を多
くしてその内に分散含有した製品とすることもできる。 (1)ワックス、クリスタンワックス、固形・流動パラ
フィン、ワセリン、ピッチ、鯨蝋、密ろう、木ろう、ラ
イスワックス、ラノリン、セシレン、ステロール、レシ
チン、スクワレン、ポリ塩化ビニルペースト加工物、シ
リコン樹脂等 (2)油脂類、高級アルコール、高級脂肪酸:トリ・ジ
・モノ・グリセリド類、ヒマシ油、オリーブ油、大豆
油、サンフラワー油、桐油、えごま油、魚油、牛脂、硬
化油、乳酸セチル、ステアリン酸アシル、ミルスチン酸
アシル、パルミチン酸コレステリル、ラノリン脂肪酸イ
ソプロピル、エルカ酸オレイル、ジオレイン酸プロピレ
ングリコール、トリヘベニル酸グリセリン、イソステア
リン酸ジグリセリン、ステアリン酸デカグリセリル、ジ
ステアリン酸ポリエチレングリコール、オレイルアルコ
ール、セタノール、オクタノール、コレステロール、ホ
ホバアルコール、ラノリンアルコール、水添ラノリンア
ルコール、ラウリン酸、ステアリン酸、やし脂肪酸、グ
リセリン、グリコール、ジグリコール、ポリエチレング
リコール等 (3)石けん類、界面活性剤類:ステアリン酸鉛、ステ
アリン酸マグネシウム、牛脂酸アルカリ石けん、ヤシ油
脂肪酸トリエタノールアミン、ブッター酸グアニニジ
ン、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン
ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルりん酸ナトリウム、
脂肪酸エタノールアミド、脂肪酸アミンオキシド、ポリ
プロピレンステアリル、ポリオキシエチレンポリオキシ
プロピレンオレイル、硫酸処理ロート油、等 (4)樹脂類:ポリアクリル酸、ポリ酢酸ビニール、ポ
リビニールアルコール、ユリアまたフェノール樹脂初期
重合物、PE/PP低重合物、ポリ塩化ビニルペースト
加工物、ラテックス加工物、イソプレンゴム、チクロ等 (5)ポリマーを形成する原化合物:ホルムアルデヒ
ド、尿素、メラミン、フェノール、コハク酸、ケイヒア
ルデヒド、アクリル酸、トルエンイソシアネート、硝化
セルローズ、酢酸ビニールモノマー、乾性油、エチレン
オキシド、過酸化ベンゾイル、過酸化水素、スチレン、
ウレタン、可塑剤等 次に、特許請求の範囲請求項3に掲げる物質について述
べると、それ自体が、また水ならびに有機溶剤と混合し
たとき、ゲル状となる物質が好ましい。この物質の添加
効果は請求項2掲示物質と同様の作用をもつものであ
り、具体例(1)〜(3)に示すごとくである。 (1)合成粘ちょう物:ポリアクリル酸ソーダ、ポリビ
ニールアルコール、ポリカルボキシアルコール、ポリビ
ニールピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリエチレ
ンアミド、ポリ酢酸ビニール、ポリエチレングリコー
ル、ポリブテン、ポリイソプロピレン、等 (2)半合成粘ちょう物:ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセ
ルロース、アクロイル乳酸ソーダ、加水分解コラーゲ
ン、ニトロセルロース、等 (3)天然粘ちょう物:でんぷん、マンナン、かんて
ん、カラギナン、ゼラチン、キサンタンガム、カラメ
ル、グルテン、天然ゴム、等 本発明で用いるサイクロデキストリン包接体に包接させ
る有臭物質としては、前記した有臭物質の一種に限るこ
となく、二種以上を用いることができる。そのさい揮散
性の異なる有臭物質を組合せて用いると、途中で臭いが
変るため鳥獣類が馴れによる侵入防止効果の低下を防ぐ
ことができる。また、包接させる有臭物質としては、そ
の使用目的とする鳥獣類の種類に応じて最適なものを選
択するのが良い。
【0017】
【作用】サイクロデキストリンは、前述したように、そ
の分子構造上空洞を有しており、その空洞に他の化合物
を包接して、包接化合物(「包接体」ともいう)を形成
する性質を有するもので、その分子空洞内は有臭物質を
包接したときには、有臭物質を空洞内に閉じ込めるため
に無臭化する作用があるようにみえるが、実際にはその
有臭物質のサイクロデキストリン包接体から有臭物質が
徐々に蒸出することを見出した。しかも、その蒸出は一
定の速度で行なわれるので、一定量の有臭物質を持続的
に放出させる上に適している。これは、おそらくサイク
ロデキストリン分子の外環構造において、微細なミクロ
孔があり、このフィルターを通して被包接化合物が蒸出
するためであろうと考えられる。しかるとき、被包接化
合物が空洞内に残存する限り、その蒸気圧力は空洞内で
一定であるから、膜を通しての外部圧力差が蒸出速度と
なり、理論的に一定となる筈である。すなわち、サイク
ロデキストリン外環構造は単なる揮発抑制作用をするの
ではない。忌避物質となる有臭物質を包接して包接体と
することにより、揮発速度を抑制し効果持続時間を延長
すると同時に、有効な濃度を持続する。
【0018】本発明の嫌忌忌避剤はその使用目的から屋
外で使用されることが多く、それに用いるサイクロデキ
ストリンは水溶性であるため、雨雪によって効果が減退
する作用を受け易いが、そのサイクロデキストリン包接
体を前記した樹脂、高級アルコール等で被覆するか、あ
るいはその中に混在させることにより、その作用を著し
く防止することができる。
【0019】また、前記のサイクロデキストリン包接体
を鳥獣類が忌避する合成高分子粘ちょう物、天然高分子
粘ちょう物により被覆するか、あるいはその中に混在さ
せることにより、それとの共同作用により嫌忌忌避作用
が一層増大する。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例により、具体的に説明
する。 実施例1 β型サイクロデキストリン36.0gを精製水100m
lに加え、約50℃に加温し、よく攪拌しておき、L−
メントール5gを加え、冷却しながら激しく攪拌し、約
30分後、混合物を凍結乾燥して、L−メントール包接
体40.9gを得た(本発明品)。
【0021】本品を空気中においたとき、その持続時間
を比較するため、次の実験を行った。比較品はL−メン
トールを10メッシュ以下に粉砕した粉末を用いた。本
品10g、比較品1.20g(メントールとして同量)
を各々別のシャーレに入れ、日照下に屋外放置し、その
減量を測定した結果を表1にしめす。
【0022】
【表1】 表1の結果より明らかな如く、比較品では始めに大量の
蒸散があり、以後幾何級数的に減退するに反して、本発
明品の場合はほぼ一定の蒸散に推移することが判る。
【0023】また、重要な知見は、本発明品は鳥獣類の
体に付着しやすいことが挙げられる。これはサイクロデ
キストリンが獣毛・羽毛と馴染みがよいためか、包接体
が体表の水分と接合するのか、静電気的に付着しやすい
ためか、明確でないが、本発明の目的から言って好都合
なことであり、次実験から確かめられた。
【0024】上記にて得た(本発明品)と、比較品とを
各別にメントールとして等量を、兎毛皮に散布し、つい
で真空掃除機で吸引除去した。その毛皮をソックスレー
抽出器を用い、エチルアルコールで抽出操作を行い、抽
出液をクロマトグラフでメントールを分析した。結果は
表2に掲げるとおり、本発明品の場合著しく鳥獣類忌避
成分が付着しやすいことが判る。
【0025】
【表2】 実施例2 2,6−ジメチル−γ−サイクロデキストリン10部に
たいし、マリーゴールド根乾燥エキスを2部、エーテル
20部を加え、密閉して3時間攪拌する。次にフェノー
ル0.3部を加え、エーテルを減圧除去し粉体12.0
部を得た。これを本発明品(イ)とする。次に本発明品
(イ)を流動状態でホルムアルデヒドを含む窒素ガスを
通じ、表面処理した粉末12.4gを得た。これを本発
明品(ロ)とする。
【0026】これらの効果試験をおこなった。包接して
ない乾燥エキスを比較品(ン)とし3種の試料各々10
部にカオリン10部を加え混合して、打錠機で直径1セ
ンチメートル厚さ0.3センチメートルのタブレットを
作り、これを屋外に放置したものを経過日毎に、マウス
の忌避効果を調べる。その方法は前室から三つのゲート
を通って奥室があり、奥室には飼料がある。いま三つの
ゲートに供試タブレットを置き、前室に50匹のマウス
を放つと、マウスはゲートを通り奥室に移動するが、そ
の数を読むことにより効果が判定できる。測定結果を表
3に示す。−何れも重量部で表示−
【0027】
【表3】 表3の結果に示すごとく、直後は非発明品の方が遮断力
は強いが、急速に低下してくるに反し、本発明品は持続
して効果を発揮することが明らかである。 実施例3 アリルアルコール100g、カンファー50g、ケロシ
ン250g、α−サイクロデキストリン20g、γ−サ
イクロデキストリン20g、を混合し加圧釜で120℃
にて約30分間攪拌し、複合包接体を含むスラリー状の
本発明品(ハ)430gを得た。又さらに、本発明品
(ハ)200gに天然ゴム20gを加え溶解してペース
ト状の本発明品(ニ)220gを得た。
【0028】効果試験の比較品は、アリルアルコール:
カンファー:ケロシン=2:1:5とした混合物の比較
品(セ)と、比較品(セ)+天然ゴム=10+1のペー
スト状品の比較品(ス)である。実験は、鶏舎を用い、
その出入口を4ケ所とし、夫々本発明品(ハ)、
(ニ)、比較品(セ)、(ス)を同量塗布した。はとの
出入数は赤外線センサーにて感知される。
【0029】各々の経日毎の出入り数の記録は、表4に
示す。なお、本試験の間3日目と4日目は降雨状態であ
った。この結果に見られる様に、本発明品は一般に持続
して忌避効果が認められる。
【0030】
【表4】 実施例4 エアーゾールタイプの製品例 原液処方 実施例2で得られた本発明品(ロ)粉末 6.8wt% ポリビニルアルコール 1.2 P.O.E.ノニルフェニルエーテル 2.5 脂肪酸ジエタノールアミド 0.8 ジプロピレングリコール 24.5 精製水 を加えて 100.0とする。 エアーゾール(ムース)処方 原液 92.5wt% LPG(4.4Kg/平方cm・G) 7.5 以上エアーゾール用耐圧容器に充填し、噴口バルブボタ
ンを付けて、本発明品(ホ)を製作した。
【0031】本品は、噴出した際、泡状になるもので、
犬猫駆除に便利である。
【0032】
【発明の効果】本発明の鳥獣類嫌忌忌避剤は、鳥獣類が
嫌忌する有臭物質を、施用当初に大量に揮散することが
なく、有効な量を長時間に亘って持続的に放出するの
で、長期間に亘り鳥獣類を排除することができる。特
に、サイクロデキストリン包接体を樹脂、高級アルコー
ルなどで被覆するか、あるいはそれの中に混在させると
きには、その持続性を大きくすることができ、雨雪によ
る影響を少なくして、屋外での使用を有効なものとす
る。
【0033】従来の単なる有臭成分単味のものは、施用
当初において有臭成分の揮散が極大であり、人に対して
もいやな臭を感ずるが、本発明は左様なことはない。ま
た、前記サイクロデキストリン包接体を鳥獣類が忌避す
る合成高分子粘ちょう物、天然高分子粘ちょう物で被覆
するか、あるいはそれの中に混在させるには、その嫌忌
忌避作用を一層増大させるとともに、前記の物質による
被覆などによる持続性も増大する効果もともなう。
【0034】このサイクロデキストリン包接体に揮散性
が異なった有臭物質を2種以上包接させておくと、異な
った臭いを逐次発散させることができて、鳥獣類の臭い
に対する馴れを防ぐことができ、有効性を増す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鳥獣類が嫌忌する有臭物質のサイクロデ
    キストリン包接体を有効成分とする鳥獣類の嫌忌忌避
    剤。
  2. 【請求項2】 鳥獣類が嫌忌する有臭物質のサイクロデ
    キストリン包接体を、樹脂、高級アルコール、高級脂肪
    酸、油脂類、ロウ類、鉱油類、天然・合成高分子物およ
    び石けん類の一種又は二種以上の物質により被覆する
    か、又は前記物質中に混在することを特徴とする鳥獣類
    の嫌忌忌避剤。
  3. 【請求項3】 鳥獣類が嫌忌する有臭物質のサイクロデ
    キストリン包接体を、合成高分子粘ちょう物、天然高分
    子粘ちょう物の一種又は二種以上の物質により被覆する
    か、又は前記物質中に混在することを特徴とする鳥獣類
    の嫌忌忌避剤。
JP21135391A 1991-07-30 1991-07-30 鳥獣類の嫌忌忌避剤 Pending JPH0532503A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21135391A JPH0532503A (ja) 1991-07-30 1991-07-30 鳥獣類の嫌忌忌避剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21135391A JPH0532503A (ja) 1991-07-30 1991-07-30 鳥獣類の嫌忌忌避剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0532503A true JPH0532503A (ja) 1993-02-09

Family

ID=16604566

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21135391A Pending JPH0532503A (ja) 1991-07-30 1991-07-30 鳥獣類の嫌忌忌避剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0532503A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06345613A (ja) * 1993-06-15 1994-12-20 Hotsukou Sangyo Kk 有害動物忌避剤
JP2005142106A (ja) * 2003-11-10 2005-06-02 Ngk Insulators Ltd 鳥害防止ポリマー碍子
KR101008308B1 (ko) * 2010-03-25 2011-01-14 (주)이지플렉스 조류 퇴치용 조성물
CN110200906A (zh) * 2019-07-25 2019-09-06 北京歌斐医疗器械有限公司 一种l-薄荷醇水溶液及其制备方法
CN110448697A (zh) * 2019-09-04 2019-11-15 北京歌斐医疗器械有限公司 一种ercp专用胆道痉挛缓解复合物、制剂及其制法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06345613A (ja) * 1993-06-15 1994-12-20 Hotsukou Sangyo Kk 有害動物忌避剤
JP2005142106A (ja) * 2003-11-10 2005-06-02 Ngk Insulators Ltd 鳥害防止ポリマー碍子
KR101008308B1 (ko) * 2010-03-25 2011-01-14 (주)이지플렉스 조류 퇴치용 조성물
CN110200906A (zh) * 2019-07-25 2019-09-06 北京歌斐医疗器械有限公司 一种l-薄荷醇水溶液及其制备方法
CN110200906B (zh) * 2019-07-25 2021-07-20 奥纳斯(北京)医药科技有限公司 一种l-薄荷醇水溶液及其制备方法
CN110448697A (zh) * 2019-09-04 2019-11-15 北京歌斐医疗器械有限公司 一种ercp专用胆道痉挛缓解复合物、制剂及其制法
CN110448697B (zh) * 2019-09-04 2023-04-07 奥纳斯(北京)医药科技有限公司 一种ercp专用胆道痉挛缓解复合物、制剂及其制法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6660288B1 (en) Insect repellents
DE60015523T2 (de) Kosmetische zusammensetzungen
CN113195091A (zh) 制备聚酰胺微胶囊的方法
JP6813714B2 (ja) ヒアリ及び/又はカミアリ用忌避剤
JPH10504322A (ja) 汚染された環境を消毒するための方法および組成物
CN113329812A (zh) 制备微胶囊的方法
DE60030553T2 (de) Kosmetische zusammensetzungen
DE60206929T2 (de) Insektenabwehrmittel
JP2008511695A (ja) 活性成分を含むrompポリマー粒子
CN113329811A (zh) 聚(酯脲)微胶囊
JPS59175402A (ja) セルロ−スエ−テル徐放性組成物
JPH0532503A (ja) 鳥獣類の嫌忌忌避剤
JPH10505605A (ja) 昆虫忌避剤における又は昆虫忌避剤に関する改良
FR2571220A1 (fr) Compositions pesticides a base de linalol et procede de lutte contre les insectes et acariens
EP0121712A1 (en) Sustained release compositions from cellulose ethers
DE2557365C2 (de) Verwendung von Polyvinylpyrrolidon zur Löschung unerwünschter Gerüche
JPH05178712A (ja) 動物の体液を吸うダニ類の忌避剤
CN115551630A (zh) 包含再生生物聚合物的混合微胶囊
JP2011514310A (ja) シクロデキストリン誘導体、におい物質及びポリソルベートを含有する水性エマルション
JPH05255007A (ja) アリ、シロアリ及び類縁昆虫を駆除するための天然の又は天然物と同等の無毒性剤
CN115867139A (zh) 节肢动物防治组合物
JP3683012B2 (ja) エアゾール組成物及びその製造方法、並びにそれを用いたエアゾール製品
CN114206111A (zh) 节肢动物驱避组合物
JPH01110602A (ja) 猫忌避剤
JPH02200620A (ja) 消臭剤