JPH05310834A - スチレン系重合体及びその製造方法 - Google Patents

スチレン系重合体及びその製造方法

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JPH05310834A
JPH05310834A JP12200192A JP12200192A JPH05310834A JP H05310834 A JPH05310834 A JP H05310834A JP 12200192 A JP12200192 A JP 12200192A JP 12200192 A JP12200192 A JP 12200192A JP H05310834 A JPH05310834 A JP H05310834A
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JP
Japan
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group
alkoxy
compound
carbon atoms
polymer
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Application number
JP12200192A
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English (en)
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Masami Watanabe
正美 渡辺
Shuji Machida
修司 町田
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Publication date
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
  • Polymerization Catalysts (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種用途に有用なビニルフェノール系重合体
の前駆体である高度のシンジオタクチック構造を有する
アルコキシ置換スチレン重合体を提供すること。 【構成】 高度のシンジオタクチック構造を有するアル
コキシ置換スチレン重合体、及び触媒として、(A)特
殊なチタン含有化合物と、(B)(イ)遷移金属化合物
と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物及び/又
は(ロ)有機アルミニウム化合物と縮合剤との接触生成
物と、(C)場合により用いられる有機アルミニウム化
合物とを主成分とするものを用い、アルコキシ置換スチ
レンを重合させることにより、前記高度のシンジオタク
チック構造を有するアルコキシ置換スチレンを製造する
方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な高度のシンジオタ
クチック構造を有するアルコキシ置換スチレン重合体及
びその製造方法に関するものである。さらに詳しくは、
プリント配線基板,オフセットPS印刷版,フォトレジ
ストなどの素材として、あるいは難燃性接着剤や金属表
面処理剤などとして有用なビニルフェノール系重合体の
前駆体である高度のシンジオタクチック構造を有するア
ルコキシ置換スチレン重合体、及びこのものを効率よく
製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ビニルフェノール系重合体は、例
えばプリント配線基板,オフセットPS印刷版,フォト
レジストなどの素材として、さらには難燃性接着剤や金
属表面処理剤などとして有用なことが知られている。他
方、シンジオタクチック構造のスチレン系重合体は、ア
タクチック構造のものに比べて耐熱性,耐薬品性及び電
気的特性に優れていることが知られており、従って、シ
ンジオタクチック構造のビニルフェノール系重合体も前
記性質に優れていることが考えられるが、このシンジオ
タクチック構造を有するビニルフェノール系重合体の製
造方法については、これまで全く報告されていない。と
ころで、一般にアルコキシ置換フェノール類は、容易に
フェノール類に変換されることが知られている〔Synthe
sis,第 417ページ(1977年)、TetrahedronLett.,第21
巻,第3731ページ(1980年)、Tetrahedron,第24巻,第
2289ページ(1968年)〕。従って、シンジオタクチック
構造のアルコキシ置換スチレン重合体はシンジオタクチ
ック構造のビニルフェノール系重合体に容易に導くこと
ができる。アルコキシ置換スチレン類の重合について
は、これまで種々の方法が知られており、例えば、加熱
や光により重合方法〔Ber., 第57巻,第 484ページ(19
24年)、ラジカル重合法〔高分子化工」第20巻,第 231
ページ(1963年)〕、カチオン重合法〔Makromol. Che
m.,第47巻,第19ページ(1961年)、同第70巻,第68ペ
ージ(1964年)〕などが報告されている。しかしなが
ら、これらの方法は、いずれもアタクチック構造のポリ
(p−メトキシスチレン)の製造方法である。また、特
開昭62−104818号公報,同62−187708
号公報にはポリメトキシスチレンなどの記載はあるが、
具体的には何ら示されておらず、特開平3−12470
6号公報にはスチレン系重合体の製造法が開示されてい
るが、アルコキシスチレン類については何ら触れていな
い。さらに、テトラベンジルチタン/メチルアルミノキ
サン系触媒によるp−メトキシスチレンやm−メトキシ
スチレンの重合に関する報告があるが、〔Macromolecul
es, 第22巻,第 104ページ(1989年)〕、この方法によ
るとアタクチック構造のものしか得られない。このよう
に、シンジオタクチック構造を有するアルコキシ置換ス
チレン重合体は、これまで得られていないのが実状であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情の下で、プリント配線基板,オフセットPS印刷
版,フォトレジストなどの素材として、あるいは難燃性
接着剤や金属表面処理剤などとして有用なビニルフェノ
ール系重合体の前駆体である高度のシンジオタクチック
構造を有するアルコキシ置換スチレン重合体を提供する
ことを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高度のシ
ンジオタクチック構造を有するアルコキシ置換スチレン
重合体が開発すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の触媒
の存在下にアルコキシ置換スチレンを重合させることに
より、高度のシンジオタクチック構造を有するアルコキ
シ置換スチレン重合体が得られることを見出し、この知
見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本
発明は、高度のシンジオタクチック構造を有することを
特徴とするアルコキシ置換スチレン重合体を提供するも
のである。また、前記アルコキシ置換スチレン重合体
は、触媒として、(A)一般式 LTiR2 3 4 ・・・(I) 〔式中、Lはシクロペンタジエニル基又は置換シクロペ
ンタジエニル基、R2 ,R3 及びR4 は、それぞれ炭素
数1〜20のアルキル基,アリール基,アリールアルキ
ル基若しくはアルキルアリール基又は炭素数1〜20の
アルコキシ基,アリールオキシ基,アリールアルコキシ
基若しくはアルキルアリールオキシ基を示し、それらは
互いに同一でも異なっていてもよい。〕で表わされるチ
タン含有化合物と、(B)(イ)遷移金属化合物と反応
してイオン性の錯体を形成しうる化合物及び/又は
(ロ)有機アルミニウム化合物と縮合剤との接触生成物
と、(C)場合により用いられる有機アルミニウム化合
物とを主成分とするものを用い、アルコキシ置換スチレ
ンを重合させることにより、製造することができる。本
発明のアルコキシ置換スチレン重合体は、その立体規則
性が高度のシンジオタクチック構造を有するものであっ
て、通常一般式
【0005】
【化2】
【0006】〔式中、R1 は炭素数1〜20の直鎖アル
コキシ基、mは1〜3の整数であり、mが複数の場合、
1 は同一であってもよく、また異なるものでもよ
い。〕で表わされる構造単位を含有する重合度5以上の
ものである。ここでいうシンジオタクチック構造とは、
立体化学構造がシンジオタクチック構造、即ち炭素−炭
素結合から形成される主鎖に対して側鎖であるフェニル
基や置換フェニル基が交互に反対方向に位置する立体構
造を有するものであり、そのタクティシティーは同位体
炭素による核磁気共鳴法(13C−NMR法)により定量
される。13C−NMR法により測定されるタクティシテ
ィーは、連続する複数個の構造単位の存在割合、例えば
2個の場合はダイアッド,3個の場合はトリアッド,5
個の場合はペンダッドによって示すことができる。本発
明に言う高度のシンジオタクチック構造を有するスチレ
ン系重合体とは、スチレン系繰り返し単位の連鎖におい
て、好ましくはラセミダイアッドで75%以上、より好
ましくは85%以上、若しくはラセミペンタッドで好ま
しくは30%以上、より好ましくは50%以上のシンジ
オタクティシティーを有するものを示す。しかしなが
ら、置換基の種類などによってシンジオタクティシティ
ーの度合いは若干変動する。
【0007】該アルコキシ置換スチレン重合体は、前記
一般式(II)で表わされる単位を一種含んでいてもよい
し、二種以上を含む共重合体であってもよく、また、一
般式(II)で表わされる単位とともに、これと異なる他
の単位、例えばスチレン,p−メチルスチレン,p−ク
ロロスチレン,p−トリメチルシリルスチレン,p−フ
ェニルスチレンなどの単位を含む共重合体であってもよ
い。前記一般式(II)で表わされる単位を形成する単量
体の具体例としては、p−メトキシスチレン,m−メト
キシスチレン,p−エトキシスチレン,p−n−プロポ
キシスチレン,p−n−ブトキシスチレンなどを挙げる
ことができる。さらに、本発明のアルコキシ置換スチレ
ン重合体は、シンジオタクティシティーが前記の範囲に
ある限り、アイソタクチック若しくはアタクチック構造
のスチレン重合体との混合物や重合鎖中に組み込まれた
ものであってもよい。また、その分子量は、重量平均分
子量で好ましくは5000〜100万、より好ましくは
8000〜80万の範囲にあるのが望ましい。なお、分
子量分布については特に制限はない。
【0008】このような本発明の高度のシンジオタクチ
ック構造を有するアルコキシ置換スチレン重合体は、本
発明の方法によると、以下に示す触媒系を用いることに
より極めて効率よく製造することができる。すなわち、
本発明の方法においては、触媒として(A)一般式 LTiR2 3 4 〔式中、L,R2 ,R3 及びR4 は前記と同じであ
る。〕で表わされるチタン含有化合物と、(B)(イ)
遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる
化合物及び/又は(ロ)有機アルミニウム化合物と縮合
剤との接触生成物と、(C)場合により用いられる有機
アルミニウム化合物とを主成分とするものが用いられ
る。前記(A)触媒成分として用いられるチタン含有化
合物としては、例えば(シクロペンタジエニル)チタン
トリメトキシド,(ペンタメチルシクロペンタジエニ
ル)チタントリメトキシド,(ペンタメチルシクロペン
タジエニル)チタントリメチル,(ペンタメチルシクロ
ペンタジエニル)チタントリベンジル,(ペンタメチル
シクロペンタジエニル)チタンメチルジメトキシド,
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタンジメチル
メトキシドなどを挙げることができる。
【0009】また、(B)触媒成分の中の(イ)成分と
して用いられる遷移金属化合物と反応してイオン性の錯
体を形成しうる化合物については特に制限はないが、カ
チオンと複数の基が元素に結合したアニオンとからなる
化合物、例えば周期律表のIIIB族,IVB 族,VB族,VIB
族,VIIB族,VIII族,IA族,IB族,IIA 族, IIB 族,IV
A 族及びVIIA族から選ばれる元素を含むカチオンと複数
の基が周期律表のVB族,VIB 族,VIIB族,VIII族,IB
族,IIB 族,IIIA族,IVA 族及びVA族から選ばれる元素
に結合したアニオンとからなる化合物、特にカチオンと
複数の基が元素に結合したアニオンとからなる配位錯化
合物を好適に使用することができる。このようなカチオ
ンと複数の基が元素に結合したアニオンとからなる化合
物としては、例えば一般式 〔L1 −R5 U+V (M1 1 2 ・・・Ze (e-f)-W ・・・(III) 又は (〔L2 U+V (M2 1 2 ・・・Ze (e-f)-W ・・・(IV) (但し、L2 はM3 ,R6 7 4 ,R8 3C又はR9
4 である)〔式中、L1 はルイス塩基、M1 及びM2
それぞれ周期律表のVB 族,VIB 族,VIIB族,VIII族,
IB 族,IIB 族,IIIA族,IVA 族及びV族から選ばれる
元素、M3 及びM4 はそれぞれ周期律表のIIIB族,IV
族,V族,VIB 族,VIIB族,VIII族,I族,IB 族,II
A 族,IIB 族及びVIIA族から選ばれる元素、Z1 〜Ze
はそれぞれ水素原子,ジアルキルアミノ基,アルコキシ
基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜20の
アリールオキシ基,炭素数1〜20のアルキル基,炭素
数6〜20のアリール基,アルキルアリール基,アリー
ルアルキル基,炭素数1〜20のハロゲン置換炭化水素
基,炭素数1〜20のアシルオキシ基,有機メタロイド
基又はハロゲン原子を示し、Z1 〜Ze ははその2以上
が互いに結合して環を形成していてもよい。R5 は水素
原子,炭素数1〜20のアルキル基,炭素数6〜20の
アリール基,アルキルアリール基又はアリールアルキル
基を示し、R6 及びR7 はそれぞれシクロペンタジエニ
ル基,置換シクロペンタジエニル基,インデニル基又は
フルオレニル基、R8 は炭素数1〜20のアルキル基,
アリール基,アルキルアリール基又はアリールアルキル
基を示す。R9 はテトラフェニルポルフィリン,フタロ
シアニンなどの大環状配位子を示す。fはM1,M2
原子価で1〜7の整数、eは2〜8の整数、uは〔L1
−R5 〕,〔L 2 〕のイオン価数で1〜7の整数、vは
1以上の整数、w=(v×u)/(e−f)である。〕
で表わされる化合物である。
【0010】ここで、上記L1 で示されるルイス塩基の
具体例としては、アンモニア,メチルアミン,アニリ
ン,ジメチルアミン,ジエチルアミン,N−メチルアニ
リン,ジフェニルアミン,トリメチルアミン,トリエチ
ルアミン,トリ−n−ブチルアミン,N,N−ジメチル
アニリン,メチルジフェニルアミン,ピリジン;2,
2’−ビピリジン,p−ブロモ−N,N−ジメチルアニ
リン,p−ニトロ−N,N−ジメチルアニリン,フェナ
ントロリンなどのアミン類、トリエチルフォスフィン,
トリフェニルフォスフィン,ジフェニルフォスフィンな
どのフォスフィン類、ジメチルエーテル,ジエチルエー
テル,テトラヒドロフランジオキサンなどのエーテル
類、ジエチルチオエーテル,テトラヒドロチオフェンな
どのチオエーテル類、エチルベンゾエートなどのエステ
ル類、アセトニトリル,ベンゾニトリルなどのニトリル
類などが挙げられる。
【0011】また、M1 及びM2 の具体例としては、
B,Al,Si,P,As,Sbなど、M3 の具体例と
しては、Li,Na,Ag,Cu,Br,I,I3
ど、M4の具体例としては、Mn,Fe,Co,Ni,
Znなどが挙げられる。Z1 〜Z e の具体例としては、
例えば、ジアルキルアミノ基としてジメチルアミノ基,
ジエチルアミノ基;炭素数1〜20のアルコキシ基とし
てメトキシ基,エトキシ基,n−ブトキシ基、炭素数6
〜20のアリールオキシ基としてフェノキシ基,2,6
−ジメチルフェノキシ基,ナフチルオキシ基、炭素数1
〜20のアルキル基としてメチル基,エチル基,n−プ
ロピル基,iso−プロピル基,n−ブチル基,n−オ
クチル基,2−エチルヘキシル基、炭素数6〜20のア
リール基,アルキルアリール基若しくはアリールアルキ
ル基としてフェニル基,p−トリル基,ベンジル基,ペ
ンタフルオロフェニル基,3,5−ジ(トリフルオロメ
チル)フェニル基,4−ターシャリーブチルフェニル
基,2,6−ジメチルフェニル基,3,5−ジメチルフ
ェニル基,2,4−ジメチルフェニル基,2,3−ジメ
チルフェニル基,1,2−ジメチルフェニル基、炭素数
1〜20のハロゲン置換炭化水素基としてp−フルオロ
フェニル基,3,5−ジフルオロフェニル基,ペンタク
ロロフェニル基,3,4,5−トリフルオロフェニル
基,ペンタフルオロフェニル基,3,5−ジ(トリフル
オロメチル)フェニル基、ハロゲン原子としてF,C
l,Br,I;有機メタロイド基として五メチルアンチ
モン基,トリメチルシリル基,トリメチルゲルミル基,
ジフェニルアルシン基,ジシクロヘキシルアンチモン
基,ジフェニル硼素基が挙げられる。R5 ,R8 の具体
例としては先に挙げたものと同様なものが挙げられる。
6 及びR7 の置換シクロペンタジエニル基の具体例と
しては、メチルシクロペンタジエニル基,ブチルシクロ
ペンタジエニル基,ペンタメチルシクロペンタジエニル
基などのアルキル基で置換されたものが挙げられる。こ
こで、アルキル基は通常炭素数が1〜6であり、置換さ
れたアルキル基の数は1〜4の整数で選ぶことができ
る。
【0012】上記一般式(III),(IV)の化合物の中で
は、M1 ,M2 が硼素であるものが好ましい。一般式
(III),(IV)の化合物の中で、具体的には、下記のもの
を特に好適に使用できる。例えば、一般式(III)の化合
物としては、テトラフェニル硼酸トリエチルアンモニウ
ム,テトラフェニル硼酸トリ(n−ブチル)アンモニウ
ム,テトラフェニル硼酸トリメチルアンモニウム,テト
ラフェニル硼酸テトラエチルアンモニウム,テトラフェ
ニル硼酸メチルトリ(n−ブチル)アンモニウム,テト
ラフェニル硼酸ベンジルトリ(n−ブチル)アンモニウ
ム,テトラフェニル硼酸ジメチルジフェニルアンモニウ
ム,テトラフェニル硼酸メチルトリフェニルアンモニウ
ム,テトラフェニル硼酸トリメチルアニリニウム,テト
ラフェニル硼酸メチルピリジニウム,テトラフェニル硼
酸ベンジルピリジニウム,テトラフェニル硼酸メチル
(2−シアノピリジニウム),テトラフェニル硼酸トリ
メチルスルホニウム,テトラフェニル硼酸ベンジルメチ
ルスルホニウム,テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼
酸トリエチルアンモニウム,テトラ(ペンタフルオロフ
ェニル)硼酸トリ(n−ブチル)アンモニウム,テトラ
(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニルアンモニ
ウム,テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラブ
チルアンモニウム,テトラ(ペンタフルオロフェニル)
硼酸テトラエチルアンモニウム,テトラ(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸〔メチルトリ(n−ブチル)アンモニ
ウム〕,テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸〔ベン
ジルトリ(n−ブチル)アンモニウム〕,テトラ(ペン
タフルオロフェニル)硼酸メチルジフェニルアンモニウ
ム,テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルトリ
フェニルアンモニウム,テトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸ジメチルジフェニルアンモニウム,テトラ(ペ
ンタフルオロフェニル)硼酸アニリニウム,テトラ(ペ
ンタフルオロフェニル)硼酸メチルアニリニウム,テト
ラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルアニリニウ
ム,テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリメチル
アニリニウム,テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸
ジメチル(m−ニトロアニリニウム),テトラ(ペンタ
フルオロフェニルメチル)硼酸ジメチル(p−ブロモア
ニリニウム),テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸
ピリジニウム,テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸
(p−シアノピリジニウム),テトラ(ペンタフルオロ
フェニル)硼酸(N−メチルピリジニウム),テトラ
(ペンタフルオロフェニル)硼酸(N−ベンジルピリジ
ニウム),テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸(O
−シアノ−N−メチルピリジニウム),テトラ(ペンタ
フルオロフェニル)硼酸(p−シアノ−N−メチルピリ
ジニウム),テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸
(p−シアノ−N−ベンジルピリジニウム),テトラ
(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリメチルスルホニウ
ム,テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジルジ
メチルスルホニウム,テトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸テトラフェルホスホニウム,テトラ(3,5−
ジトリフルオロメチルフェニル)硼酸ジメチルアニリニ
ウム,ヘキサフルオロ砒素酸トリエチルアンモニウムト
ウなどが挙げられる。
【0013】一方、一般式(IV)の化合物としては、テ
トラフェニル硼酸フェロセニウム,テトラフェニル硼酸
銀,テトラフェニル硼酸トリチル,テトラフェニル硼酸
(テトラフェニルポルフィリンマンガン),テトラ(ペ
ンタフルオロフェニル)硼酸フェロセニウム,テトラ
(ペンタフルオロフェニル)硼酸デカメチルフェロセニ
ウム,テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸アセチル
フェロセニウム,テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼
酸ホルミルフェロセニウム,テトラ(ペンタフルオロフ
ェニル)硼酸シアノフェロセニウム,テトラ(ペンタフ
ルオロフェニル)硼酸銀,テトラ(ペンタフルオロフェ
ニル)硼酸トリチル,テトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸リチウム,テトラ(ペンタフルオロフェニル)
硼酸ナトリウム,テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼
酸(テトラフェニルポルフィリンマンガン),テトラ
(ペンタフルオロフェニル)硼酸(テトラフェニルポル
フィリン鉄クロライド),テトラ(ペンタフルオロフェ
ニル)硼酸(テトラフェニルポルフィリン亜鉛),テト
ラフルオロ硼酸銀,ヘキサフルオロ砒素酸銀,ヘキサフ
ルオロアンチモン酸銀などが挙げられる。そして、一般
式(III),(IV)以外の化合物としては、例えば、トリ
(ペンタフルオロフェニル)硼酸,トリ〔3,5−ジ
(トリフルオロメチル)フェニル〕硼酸,トリフェニル
硼酸なども使用することができる。
【0014】一方、該(B)触媒成分の中の(ロ)成分
として用いられる有機アルミニウム化合物と縮合剤との
接触生成物は、各種の有機アルミニウム化合物と縮合剤
とを接触させて得られるものである。ここで、有機アル
ミニウム化合物としては、通常一般式 AlR10 3 ・・・(V) 〔式中、R10は炭素数1〜8のアルキル基である〕で表
わされる有機アルミニウム化合物、具体的にはトリメチ
ルアルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリイソブ
チルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウムなど
が挙げられるが、これらの中でトリメチルアルミニウム
が好適である。また、縮合剤としては、典型的なものと
して水が挙げられるが、この他にトリアルキルアルミニ
ウムが縮合反応する任意のもの、例えば硫酸銅5水塩,
無機物や有機物への吸着水など、各種のものが挙げられ
る。該有機アルミニウム化合物と縮合剤との接触生成物
の具体例としては、一般式
【0015】
【化3】
【0016】〔式中、pは0〜50、好ましくは5〜3
0の数、R10は前記と同じである。〕で表わされる鎖状
アルキルアルミノキサン、あるいは一般式
【0017】
【化4】
【0018】〔式中、qは2〜50、好ましくは5〜3
0の数、R10は前記と同じである。〕で表わされる環状
アルキルアルミノキサンなどが挙げられる。一般に、ト
リアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
と水との接触生成物は、上述の鎖状アルキルアルミノキ
サンや環状アルキルアルミノキサンとともに、未反応の
トリアルキルアルミニウム,各種の縮合生成物の混合
物、さらには、これらが複雑に会合した分子であり、こ
れらはトリアルキルアルミニウムと縮合剤である水との
接触条件によって様々な生成物となる。この際のアルキ
ルアルミニウム化合物と水との接触方法には特に限定は
なく、公知の手法に準じて反応させればよい。例えば、
有機アルミニウム化合物を有機溶剤に溶解しておき、
これを水と接触させる方法、重合時に当初有機アルミ
ニウム化合物を加えておき、後に水を添加する方法、さ
らには金属塩などに含有されている結晶水,無機物や
有機物への吸着水を有機アルミニウム化合物と反応させ
る方法などがある。なお、上記の水にはアンモニア,エ
チルアミンなどのアミン、硫化水素などの硫黄化合物,
亜燐酸エステルなどの燐化合物などが20%程度まで含
有されていてもよい。また、この反応は無溶媒下でも進
行するが、溶媒中で行なうことが好ましく、好適な溶媒
としては、ヘキサン,ヘプタン,デカン等の脂肪族炭化
水素あるいはベンゼン,トルエン,キシレンなどの芳香
族炭化水素を挙げることができる。
【0019】この接触生成物(例えばアルキルアルミノ
キサン)は、上記の接触反応後、含水化合物などを使用
した場合には、固体残渣を濾別し、濾液を常圧下あるい
は減圧下で30〜200℃の温度、好ましくは40〜1
50℃の温度で、20分〜8時間、好ましくは30分〜
5時間の範囲で溶媒を留去しつつ熱処理したものが好ま
しい。この熱処理にあたっては、温度は各種の状況によ
って適宜定めればよいが、通常は、上記範囲で行う。一
般に、30℃未満の温度では、効果が発現せず、また2
00℃を超えるとアルキルアルミノキサン自体の熱分解
が起こり、いずれも好ましくない。そして、熱処理の処
理条件により反応生成物は、無色の固体又は溶液状態で
得られる。このようにして得られた生成物を、必要に応
じて炭化水素溶媒で溶解あるいは希釈して触媒溶液とし
て使用することができる。
【0020】このような(ロ)触媒成分として用いる有
機アルミニウム化合物と縮合剤との接触生成物、特にア
ルキルアルミノキサンの好適な例は、プロトン核磁気共
鳴スペクトルで観測されるアルミニウム−メチル基(A
l−CH3 ) 結合に基づくメチルプロトンシグナル領域
における高磁場成分が50%以下のものである。つま
り、上記の接触生成物を室温下、トルエン溶媒中でその
プロトン核磁気共鳴( 1H−NMR)スペクトルを観測
すると、「Al−CH3 」に基づくメチルプロトンシグ
ナルはテトラメチルシラン(TMS)基準において1.0
〜−0.5ppmの範囲に見られる。TMSのプロトンシ
グナル(0ppm)が「Al−CH3 」に基づくメチル
プロトン観測領域にあるため、この「Al−CH3 」に
基づくメチルプロトンシグナルを、TMS基準における
トルエンのメチルプロトンシグナル2.35ppmを基準
に測定し高磁場成分(即ち、−0.1〜−0.5ppm)と
他の磁場成分(即ち、1.0〜−0.1ppm)とに分けた
ときに、該高磁場成分が全体の50%以下、好ましくは
45〜5%のものが触媒成分として好適に使用できる。
【0021】また、(C)触媒成分として、所望により
用いられる有機アルミニウム化合物としては、一般式 R11 r AlQ3-T ・・・(VIII) 〔式中、R11は炭素数1〜20、好ましくは1〜12の
アルキル基,アルケニル基,アリール基,アリールアル
キル基などの炭化水素基、Qは水素原子,ハロゲン原子
又は炭素数1〜20のアルコキシ基、rは1〜3の整数
である。〕で表わされる化合物を挙げることができる。
前記一般式(VIII) で表わされる有機アルミニウム化合
物の具体例としては、トリメチルアルミニウム,トリエ
チルアルミニウム,トリイソプロピルアルミニウム,ト
リイソブチルアルミニウム,ジメチルアルミニウムクロ
リド,ジエチルアルミニウムクロリド,メチルアルミニ
ウムジクロリド,エチルアルミニウムジクロリド,ジメ
チルアルミニウムフルオリド,ジイソブチルアルミニウ
ムハイドライド,ジエチルアルミニウムハイドライド,
エチルアルミニウムセスキクロリドなどが挙げられる。
【0022】本発明において用いられる触媒における各
成分の使用割合については、(A)成分のチタン含有化
合物と、(B)(イ)成分の遷移金属化合物と反応して
イオン性錯体を形成しうる化合物とを用いる場合には、
(A)成分に対する(B)(イ)成分のモル比が0.01
〜100、好ましくは0.5〜10、より好ましくは1〜
5の範囲にあるように両成分を用いるのがよい。また、
該(A)成分のチタン含有化合物と、(B)(ロ)成分
の有機アルミニウム化合物と縮合剤との接触生成物とを
用いる場合には、(A)成分中のチタンに対する(B)
(ロ)成分中のアルミニウムのモル比が1〜106 、好
ましくは10〜104 の範囲にあるような割合で両成分
を用いるのが望ましい。さらに、所望に応じて用いられ
る(C)成分の使用量は、該(A)成分1モルに対し
て、通常0〜2000、好ましくは5〜1000、より
好ましくは10〜500の範囲で選ばれる。この(C)
成分を用いることにより、重合活性の向上を図ることが
できる。なお、触媒の使用形態については特に制限はな
く、例えば(A),(B)成分を予め接触させ、あるい
はさらに接触生成物を分離,洗浄して使用してもよく、
重合系内で接触させて使用してもよい。また、(C)成
分は、予め(A)成分、(B)成分あるいは(A)成分
と(B)成分との接触生成物と接触させて用いてもよ
い。接触は、予め接触させてもよいし、重合系内で接触
させてもよい。さらに、触媒成分は、モノマー,重合溶
媒に予め加えたり、重合系内に加えることもできる。
【0023】本発明においては、前記触媒の存在下に、
アルコキシ置換スチレンを重合させるが、重合方法とし
ては、塊状重合,溶液重合,懸濁重合のいずれの方法も
用いることができる。また、溶液重合にあっては、ペン
タン,ヘキサン,ヘプタンなどの脂肪族炭化水素,シク
ロヘキサンなどの脂環式炭化水素ベンゼン,トルエン,
キシレンなどの芳香族炭化水素などの溶媒が用いられる
が、これらの中で芳香族炭化水素が好ましく、特にトル
エン及びキシレンが好適である。この場合、モノマー/
溶媒(体積比)は任意に選択することができる。この重
合反応においては、一般的には重合温度は−100〜2
50℃、好ましくは0〜120℃の範囲で、重合時間は
5分〜24時間、好ましくは1〜10時間の範囲で選定
すればよい。また、圧力については特に制限はない。さ
らに、分子量を調節するために、水素を任意の割合で系
中に加えてもよい。
【0024】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定される
ものではない。 実施例1 (1)メチルアルミノキサンの調製 アルゴン置換した内容積500ミリリットルのガラス製
容器に、トルエン200ミリリットル,硫酸銅5水塩
(CuSO4 ・5H2 O)17.7g( 71ミリモル)及
びトリメチルアルミニウム24ミリリットル(250ミ
リモル)を入れ、40℃で8時間反応させた。その後、
固体成分を除去して得られた溶液から、さらにトルエン
を減圧留去して接触処理物(メチルアルミノキサン)6.
7gを得た。このものの凝固点降下法により測定した分
子量は610であった。また、特開昭62−32539
1号公報に基づく 1H−NMR測定による高磁場成分、
すなわち室温下トルエン溶液中でそのプロトン核磁気共
鳴スペクトルを観測すると(Al−CH3 ) 結合に基づ
くメチルプロトンシグナルはテトラメチルシラン基準に
おいて1.0〜−0.5ppmの範囲にみられる。テトラメ
チルシランのプロトンシグナルは(0ppm)がAl−
CH3 結合に基づくメチルプロトンに基づく観測領域に
あるため、このAl−CH3 結合に基づくメチルプロト
ンシグナルをテトラメチルシラン基準におけるトルエン
のメチルプロトンシグナル2.35ppmを基準にして測
定し、高磁場成分(即ち、−0.1〜−0.5ppm)と他
の磁場成分(即ち、1.0〜−0.1ppm)とに分けたと
きに、該高磁場成分が全体の43%であった。
【0025】(2)シンジオタクチック構造を有するp
−メトキシスチレン重合体の製造 アルゴン雰囲気下、乾燥容器に、室温下トルエン20ミ
リリットル,トリイソブチルアルミニウム(TIBA)
4×10-3モル(2モル/リットル−トルエン溶液)及
び(B)触媒成分として、上記(1)で得られたメチル
アルミノキサン4×10-3モル(2.6モル/リットル−
トルエン溶液)を加えた。室温にて、これに(A)触媒
成分としてペンタメチルシクロペンタジエニルチタント
リメトキシド〔Cp* Ti(OMe)3〕2×10-5モル
(0.01モル/リットル−トルエン溶液)及びp−メト
キシスチレン8.75×10-2モル(11.6ミリリット
ル)を加え、2時間反応させた。その後、メタノール−
塩酸混合液に反応生成物を注ぎ、反応を停止させたの
ち、脱灰してろ過し、さらにメタノールで3回洗浄し
た。これを減圧下で乾燥させてp−メトキシスチレン重
合体0.20gを得た。この重合体の分子量をゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し
た結果、重量平均分子量(Mw)はポリスチレン換算で
27000、数平均分子量(Mn)は9200であっ
た。なお、GPCの測定条件は以下の通りである。 GPC測定条件 装置 :ウォーターズ ALC/GPC 150C カラム:TSK HM+GMH6×2 流量 :1.0ミリリットル/分 温度 :135℃ 溶媒 :TCB(1,2,4−トリクロロベンゼン) 流入量:400マイクロリットル また、示差走査熱量測定(DSC)〔装置:セイコーD
SC220〕を行ったところ、ファーストヒーティング
時(昇温速度20℃/分,50〜310℃)、ガラス転
移点(Tg)が97℃に観測され、また、268℃付近
に吸熱ピークが観測された。次いで、310℃にて20
分間保持したのち、30℃まで冷却し、(冷却速度20
℃/分)、さらに昇温(セカンドヒーティング、昇温速
度20℃/分)したところ、94℃付近にTgが観測さ
れたが、その後の吸熱ピークは観測されなかった。
【0026】比較例1 実施例1において、Cp* Ti(OMe)3の代わりに、
テトラベンジルチタンを用いた以外は、実施例1と同様
にして実施した。得られた重合体はアタクチック構造で
あった。 比較例2 実施例1において、Cp* Ti(OMe)3の代わりに、
シクロペンタジエニルチタントリクロリドを用いた以外
は、実施例1と同様にして実施した。得られた重合体は
アタクチック構造であった。 比較例3 実施例1において、Cp* Ti(OMe)3の代わりに、
テトラエトキシチタンを用いた以外は、実施例1と同様
にして実施した。得られた重合体はアタクチック構造で
あった。
【0027】実施例1で得られた重合体がシンジオタク
チック構造であることの確認 図1に実施例1で得られた重合体の13C−NMRを、図
2に比較例2で得られた重合体の13C−NMRを、図3
で熱重合で得られた重合体の13C−NMRを示す。な
お、13C−NMRの測定条件は以下の通りである。13 C−NMR測定条件 100MHz:TCB/重ベンゼン=8/2(体積比) 重ベンゼンの 130.6ppm基準 温度:130℃ 図1において、137.537ppmのフェニルC1炭素
に帰属するピークが、図2及び図3(アタクチック)に
比べ非常にシャープになっていること、そして44.98
3ppmの主鎖メチン炭素に帰属するピークが、図2及
び図3に比べ、非常にシャープになっていることから、
実施例1で得られた重合体は、非常に立体規則性の高い
ものであることがわかる。また、DSCの吸熱ピーク
(融点)もこのことを示唆する。さらに、Macromolecul
es,第21巻,第12号,第3356ページ(1988年)にて示さ
れるように、一般にシンジオタクチック構造に由来する
ラセミペンタッド構造のピークは、アタクチック構造の
複雑なピークと比較すると、高磁場側に位置するのに対
し、図1の実施例1で得られた重合体のフェニルC1炭
素のピーク137.537ppmは、図2及び図3の 13
7.3〜 138.8ppmのアタクチック構造のフェニルC
1炭素の複雑なピークの中で、高磁場側に位置する。こ
れらのことから、実施例1で得られた重合体はシンジオ
タクチック構造のものであることがわかる。
【0028】実施例2 シンジオタクチック構造を有するp−メトキシスチレン
重合体の製造 アルゴン雰囲気下、乾燥容器に、室温下トルエン20ミ
リリットル,トリイソブチルアルミニウム(TIBA)
1.2×10-3モル(2モル/リットル−トルエン溶
液)、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリメ
チル(Cp* TiMe3)2×10-5モル(0.01モル/
リットル−トルエン溶液)、テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸ジメチルアニリニウム(〔PhNMe
2 H〕〔B(C6 5)4 〕)(0.01モル/リットル−
トルエン溶液)及びp−メトキシスチレン8.75×10
-2モル(11.6ミリリットル)を加え、2時間反応させ
た。その後、メタノール−塩酸混合液に反応生成物を注
ぎ、反応を停止させたのち、脱灰してろ過し、さらにメ
タノールで3回洗浄した。これを減圧下で乾燥させてシ
ンジオタクチック構造のp−メトキシスチレン重合体0.
18gを得た。この重合体の分子量をゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー(GPC)により測定した結
果、重量平均分子量(Mw)はポリスチレン換算で44
000であり、数平均分子量(Mn)は19000であ
った。また、DSC(条件は実施例1と同じ)では、フ
ァーストヒーティングのTgは97℃、吸熱ピークは2
69℃で、セカンドヒーティングのTgは95℃、吸熱
ピークはなかった。
【0029】比較例4 実施例1において、モノマーをp−t−ブトキシスチレ
ンに代えた以外は、実施例1と同様に行った。得られた
重合体はアタクチック構造のものであった。
【0030】
【発明の効果】本発明のアルコキシ置換スチレン重合体
は、高度のシンジオタクチック構造を有するものであっ
て、プリント配線基板,オフセットPS印刷版,フォト
レジストなどの素材として、あるいは難燃性接着剤や金
属表面処理剤などとして有用なビニルフェノール系重合
体に容易に導くことができる。また、本発明の方法によ
ると、該アルコキシ置換スチレン重合体を効率よく製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた重合体の13C−NMRチャ
ート。
【図2】比較例2で得られた重合体の13C−NMRチャ
ート。
【図3】熱重合で得られた重合体の13C−NMRチャー
ト。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高度のシンジオタクチック構造を有する
    ことを特徴とするアルコキシ置換スチレン重合体。
  2. 【請求項2】 一般式 【化1】 〔式中、R1 は炭素数1〜20の直鎖アルコキシ基,m
    は1〜3の整数であり、mが複数の場合R1 は同一であ
    ってもよいし、異なっていてもよい。〕で表わされる構
    造単位を有する重合度5以上の請求項1記載のアルコキ
    シ置換スチレン重合体。
  3. 【請求項3】 触媒として、(A)一般式 LTiR2 3 4 〔式中、Lはシクロペンタジエニル基又は置換シクロペ
    ンタジエニル基、R2 ,R3 及びR4 は、それぞれ炭素
    数1〜20のアルキル基,アリール基,アリールアルキ
    ル基若しくはアルキルアリール基又は炭素数1〜20の
    アルコキシ基,アリールオキシ基,アリールアルコキシ
    基若しくはアルキルアリールオキシ基を示し、それらは
    互いに同一でも異なっていてもよい。〕で表わされるチ
    タン含有化合物と、(B)(イ)遷移金属化合物と反応
    してイオン性の錯体を形成しうる化合物及び/又は
    (ロ)有機アルミニウム化合物と縮合剤との接触生成物
    とを主成分とするものを用い、アルコキシ置換スチレン
    を重合させることを特徴とする請求項の1又は2記載の
    アルコキシ置換スチレン重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 触媒として、(A)一般式 LTiR2 3 4 〔式中、Lはシクロペンタジエニル基又は置換シクロペ
    ンタジエニル基、R2 ,R3 及びR4 は、それぞれ炭素
    数1〜20のアルキル基,アリール基,アリールアルキ
    ル基若しくはアルキルアリール基又は炭素数1〜20の
    アルコキシ基,アリールオキシ基,アリールアルコキシ
    基若しくはアルキルアリールオキシ基を示し、それらは
    互いに同一でも異なっていてもよい。〕で表わされるチ
    タン含有化合物と、(B)(イ)遷移金属化合物と反応
    してイオン性の錯体を形成しうる化合物及び/又は
    (ロ)有機アルミニウム化合物と縮合剤との接触生成物
    と、(C)有機アルミニウム化合物とを主成分とするも
    のを用い、アルコキシ置換スチレンを重合させることを
    特徴とする請求項の1又は2記載のアルコキシ置換スチ
    レン重合体の製造方法。
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